東京で戸建てを購入する|市場の現状と価格相場
東京で戸建て購入を検討する際、「どのエリアが良いか」「新築と中古どちらを選ぶべきか」「予算はどれくらい必要か」と迷う方は少なくありません。
この記事では、東京の戸建て価格相場(新築7000万円~1億円超、中古5000-7000万円)、23区内と多摩地区の価格差、新築vs中古の比較、戸建てvsマンションの比較、選び方のチェックポイント、購入の流れと諸費用を、国土交通省の公式情報等を元に解説します。
東京で戸建て購入を検討している方が、自分に合ったエリア・物件を見つけられるようになります。
この記事のポイント
- 東京の戸建て価格相場は、新築7000万円~1億円超、中古5000-7000万円(エリアにより大幅に異なる)
- 23区内は高額だが駅近・利便性が高い、多摩地区は比較的手頃で広い土地・駐車場付きが多い
- 中古戸建ては新築の7-8割の価格で立地の選択肢が多いが、リフォーム費用が別途必要
- 戸建ては土地が資産として残り駐車場・庭・リフォーム自由度が高い、マンションは駅近・メンテナンス省略が魅力
- 諸費用は物件価格の6-10%(7000万円の物件なら420-700万円が別途必要)
東京の戸建て価格相場|新築vs中古・エリア別
東京の戸建て価格相場は、エリア・新築中古・築年数により大きく異なります。
新築戸建て(7000万円~1億円超)
ホームズの最新調査によると、2025年4月時点の東京都の戸建て平均価格は60.45百万円(前年比+11.9%)です。エリア別の相場は以下の通りです。
| エリア | 新築戸建て価格相場 | 特徴 | 
|---|---|---|
| 港区・渋谷区・目黒区 | 1億円超 | 都心一等地、駅近、狭小住宅が多い | 
| 世田谷区・杉並区 | 8000万~1億円超 | ファミリー層に人気、閑静な住宅街 | 
| 練馬区・足立区・葛飾区 | 7000万~9000万円 | 23区内で比較的手頃、広い土地 | 
| 立川市・八王子市・町田市 | 5000万~7000万円 | 多摩地区、都心へのアクセスやや不便 | 
cleverlyの解説によると、23区内は6000-8000万円、多摩地区は4000-5000万円が目安です。
注目:2025年4月時点で小規模戸建て(狭小住宅)は71.86百万円と通常サイズより高額になる「逆転現象」が発生しています。都心の土地不足により、狭小住宅でも高額になっています。
中古戸建て(5000-7000万円)
中古戸建ては新築の7-8割が相場です。築年数・リフォーム状況により大きく変動します。
| エリア | 中古戸建て価格相場 | 特徴 | 
|---|---|---|
| 23区内人気エリア | 7000万~1億円 | 築20年以内、リフォーム済み | 
| 23区内その他エリア | 5000万~7000万円 | 築20-30年、リフォーム必要 | 
| 多摩地区 | 3000万~5000万円 | 築30年超も多い、広い土地 | 
中古戸建ては、新築に比べて立地の選択肢が多い(駅近・人気エリアにも中古物件あり)のが魅力です。
23区内と多摩地区の価格差
三井のリハウスの解説によると、23区の土地平均価格は67.13百万円、多摩地区は30.85百万円で、約2倍の価格差があります。
同じ予算5000万円で比較
- 23区内:土地面積50-70㎡、狭小住宅(3階建て等)
- 多摩地区:土地面積100-150㎡、広い庭・駐車場付き
都心へのアクセス重視なら23区内、広さ・コストパフォーマンス重視なら多摩地区が適しています。
新築戸建てと中古戸建ての比較
新築戸建てと中古戸建てのメリット・デメリットを比較します。
価格差と選ぶ基準
中古戸建ては新築の7-8割が相場です(不動産取引価格情報による一般的な傾向として)。例えば、同じエリアで新築7000万円なら中古5000万円前後が目安です。
選ぶ基準
- 予算重視:中古戸建て(リフォーム費用を含めても新築より安い)
- 設備・性能重視:新築戸建て(最新設備・高耐震性・省エネ性能)
- 立地重視:中古戸建て(駅近・人気エリアの選択肢が多い)
それぞれのメリット・デメリット
| 比較項目 | 新築戸建て | 中古戸建て | 
|---|---|---|
| 価格 | 高い(7000万~1億円超) | 安い(5000-7000万円) | 
| 設備 | 最新設備・高耐震性・省エネ性能 | 築年数により劣化(リフォーム必要) | 
| 住宅ローン控除 | 最大限適用(省エネ性能必須) | 適用制限あり(旧耐震基準の場合) | 
| 立地 | 郊外が多い(都心の土地不足) | 駅近・人気エリアも選択肢あり | 
| 入居時期 | 完成待ち(6ヶ月~1年) | すぐに入居可能 | 
| 瑕疵担保責任 | 10年間保証 | 売主により異なる(個人間売買は保証なし) | 
新築戸建てを選ぶべき人
- 最新設備・高性能住宅を希望
- 住宅ローン控除を最大限活用したい
- リフォーム費用をかけたくない
中古戸建てを選ぶべき人
- 予算を抑えたい
- 駅近・人気エリアを希望
- リフォームで自分好みにカスタマイズしたい
戸建てとマンションの比較|どちらを選ぶべきか
戸建てとマンションを比較し、どちらを選ぶべきか解説します。
価格・メンテナンス費用の違い
価格
同じエリアで戸建ての方が高額です(土地代が含まれる)。例えば、世田谷区で戸建て7000万円、マンション5000万円が目安です(不動産ポータルサイトの平均価格として)。
マンションは購入後に管理費・修繕積立金が月3-5万円かかります(年間36-60万円)。
メンテナンス費用
| 項目 | 戸建て | マンション | 
|---|---|---|
| 外壁・屋根 | 10-20年ごとに数百万円(自己負担) | 管理費・修繕積立金で計画的に修繕 | 
| 水回り | 劣化時に自己負担(数十万円) | 管理費・修繕積立金で計画的に修繕 | 
| エレベーター | なし | 管理費で保守点検 | 
戸建ては修繕費を自分で積み立てる必要がありますが、修繕時期を自由に決められます。
資産価値・リセールバリューの違い
資産価値
- 戸建て:土地が資産として残る(建物は劣化するが土地価格は維持・上昇の可能性)
- マンション:建物の資産価値が低下しやすい(築30年超で大幅下落)
リセールバリュー
- 駅近マンション:売却しやすい(流動性が高い)
- 戸建て:立地により売却困難な場合あり(郊外・駅から遠い物件は買い手が見つかりにくい)
戸建てを選ぶべき人
- 駐車場・庭が必要
- リフォームの自由度を重視
- ペット飼育・楽器演奏等で騒音を気にしたくない
- 土地を資産として残したい
マンションを選ぶべき人
- 駅近・利便性重視
- メンテナンスの手間を省きたい
- セキュリティ・共用施設(ジム・ラウンジ等)を重視
- 将来の売却を想定(流動性重視)
東京で戸建てを選ぶ際のチェックポイント
東京で戸建てを選ぶ際の3つのチェックポイントを解説します。
立地(駅距離・周辺環境・学区)
通勤・通学の利便性
駅距離15分以内が理想です。東京は通勤時間が長くなりがちなため、駅近物件は高額でも後悔しにくいです。
周辺環境
- スーパー・コンビニ(徒歩10分以内)
- 病院・薬局(徒歩15分以内)
- 公園・緑地(子育て世帯は必須)
治安・騒音・日当たり
内覧時に周辺を歩いて確認してください。日中だけでなく、夜間の雰囲気も確認することをおすすめします。
学区
子育て世帯は、小学校・中学校の評判を事前に調べてください。学区により教育水準に差があります。
築年数と耐震基準(1981年6月以降の新耐震基準)
新耐震基準(1981年6月以降)
新築または1981年6月以降の新耐震基準を満たす物件を推奨します。旧耐震基準(1981年5月以前)は、大地震時の倒壊リスクがあります。
国土交通省の住宅ローン控除制度によると、2024年以降の新築住宅は省エネ性能が住宅ローン控除の必須要件です。省エネ基準を満たさない住宅は控除対象外(借入限度額0円)となるため、注意してください。
リフォーム・修繕履歴(中古の場合)
中古戸建ての場合、以下の項目を必ず確認してください。
| 確認項目 | チェックポイント | リフォーム費用目安 | 
|---|---|---|
| 屋根 | 雨漏り、劣化 | 50-150万円 | 
| 外壁 | ひび割れ、塗装剥がれ | 100-200万円 | 
| 水回り | キッチン・浴室・トイレの劣化 | 100-300万円 | 
| 基礎 | ひび割れ、沈下 | 数百万円(大規模修繕) | 
ホームインスペクション(住宅診断)で隠れた瑕疵をチェックすることを強くおすすめします(一般的な住宅診断の相場として5-10万円)。
戸建て購入の流れと諸費用
戸建て購入の流れと諸費用を解説します。
物件探し→内覧→購入申込→契約→引渡し
①物件探し(1-2ヶ月)
不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME'S等)で条件に合う物件を検索し、不動産会社に問い合わせます。
②内覧(複数物件を比較)
複数の物件を内覧し、立地・築年数・設備を比較します。中古戸建ての場合、ホームインスペクション(住宅診断)を実施することを推奨します。
③購入申込・住宅ローン事前審査(1週間程度)
購入したい物件が決まったら、不動産会社に「購入申込書」を提出し、住宅ローンの事前審査を申し込みます。
④売買契約(重要事項説明・手付金支払い)
宅地建物取引士による重要事項説明を受けた後、売買契約書に署名・押印します。手付金(売買代金の5-10%程度)を支払います。
⑤決済・引渡し(契約から1.5-2ヶ月後)
売買代金の残金を支払い、物件の鍵や関連書類を受け取ります。所有権移転登記を申請します(通常は司法書士に依頼)。
諸費用の目安(物件価格の6-10%)
諸費用は物件価格の6-10%が目安です。7000万円の物件なら、420-700万円が別途必要です。
| 項目 | 内容 | 目安額 | 
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格 × 3% + 6万円 + 消費税 | 7000万円の物件で約237万円 | 
| 登録免許税 | 土地1.5%・建物0.3% | 30-50万円 | 
| 不動産取得税 | 評価額の3% | 30-50万円(軽減措置適用で減額) | 
| 印紙税 | 売買契約書・ローン契約書 | 2-3万円 | 
| 司法書士報酬 | 登記手続き代行費用 | 5-10万円 | 
| 火災保険 | 10年一括払い | 20-30万円 | 
| 引越し費用 | 家族4人の場合 | 10-30万円 | 
三菱UFJ銀行の解説によると、住宅ローン控除は控除率0.7%、最大13年間、借入限度額(認定住宅5,000万円、ZEH水準省エネ住宅4,500万円等)です。2024年以降は省エネ性能が必須要件となるため、新築住宅を購入する場合は省エネ基準適合住宅を選んでください。
まとめ|東京で戸建てを購入するために
東京の戸建て価格相場は、新築7000万円~1億円超、中古5000-7000万円です。23区内は高額ですが駅近・利便性が高く、多摩地区は比較的手頃で広い土地・駐車場付きが多いです。
新築vs中古は、予算・設備・立地で判断してください。中古戸建ては新築の7-8割の価格で立地の選択肢が多いですが、リフォーム費用が別途必要です。
戸建てvsマンションは、駐車場・庭・リフォーム自由度を重視するなら戸建て、駅近・メンテナンス省略を重視するならマンションを選んでください。
立地(駅距離・周辺環境・学区)、耐震基準(1981年6月以降の新耐震基準)、リフォーム・修繕履歴を必ず確認し、中古戸建ての場合はホームインスペクション実施を推奨します。
諸費用(物件価格の6-10%)を含めた総額で予算を組み、複数の物件を比較して後悔しない選択をしてください。信頼できる不動産会社や金融機関に相談しながら、理想の戸建てを見つけましょう。
