不動産査定サイトとは:一括査定の仕組みと選び方
不動産を売却する際、「複数社に査定を依頼したいが、営業電話が心配」「信頼できる査定サイトを知りたい」と悩む方は少なくありません。
この記事では、一括査定サイトの仕組み、主要サイトの特徴比較、利用時の注意点を国土交通省や消費者庁の公式情報を元に解説します。
一括査定サイトのメリット・デメリットを理解し、自分に合ったサイトを選択できるようになります。
この記事のポイント
- 一括査定サイトは1回の入力で複数社に査定依頼できるサービス
- メリットは複数社を比較できること、デメリットは営業電話が多いこと
- 机上査定(即日~3日、精度低い)と訪問査定(1週間、精度高い)の2種類がある
- 提携社数、対応エリア、匿名可否、プライバシーマーク有無で選ぶ
- 査定価格は目安であり、実際の売却価格とは±10-20%変動する可能性がある
一括査定サイトとは:仕組みとメリット・デメリット
一括査定サイトの仕組み
一括査定サイトは、物件情報を1回入力するだけで、複数の不動産会社に査定依頼できるサービスです。2025年時点で20社以上のサイトが存在し、提携社数は数百~数千社と幅広いです。
仕組みの流れ:
- 利用者が物件情報(住所、面積、築年数等)を入力
- サイトが提携している複数の不動産会社に情報を送信
- 各社が査定を実施し、利用者に査定結果を送付
一括査定のメリット
メリット:
- 複数社の査定価格を比較できる
- 1回の入力で済むため手間が省ける
- 無料で利用できる
- 相場を把握できる
一括査定のデメリット
デメリット:
- 複数社から営業電話・メールが来る(5分以内に連絡が来る業界慣習)
- 個人情報が複数社に提供される
- 査定価格は目安であり、実際の売却価格とは異なる場合がある
- 高額査定で契約を取ろうとする会社もある(囲い込みリスク)
営業電話のデメリットを隠した説明は不誠実です。利用前に対策方法を知っておくことが重要です。
机上査定と訪問査定の違い
一括査定には、**机上査定(簡易査定)と訪問査定(詳細査定)**の2種類があります。
机上査定(簡易査定)
物件情報のみで行う査定です。訪問不要で即日~3日で結果が出ますが、精度は低いです。
特徴:
- 訪問不要
- 即日~3日で結果
- 精度: 実際の売却価格との誤差は±10-20%程度
- 相場把握に適している
訪問査定(詳細査定)
不動産会社が実際に物件を見て行う査定です。室内の状態、日当たり、騒音等を考慮するため精度が高いですが、1週間程度かかります。
特徴:
- 訪問が必要
- 1週間程度で結果
- 精度: 机上査定より高い
- 売却を本格的に検討する段階に適している
注意: 査定価格=売却価格ではありません。実際の売却価格は市場動向や買主との交渉で変動します。
主要な一括査定サイトの比較
主要な一括査定サイトの特徴を比較します。
主要サイトの比較表
| サイト名 | 提携社数 | 対応エリア | 匿名査定 | 運営会社 |
|---|---|---|---|---|
| LIFULL HOME'S | 約4,500社 | 全国 | 可能 | 株式会社LIFULL |
| すまいValue | 6社(大手のみ) | 全国主要都市 | 不可 | 大手6社連合 |
| イエウール | 約2,300社 | 全国 | 不可 | 株式会社Speee |
| HOME4U | 約2,100社 | 全国 | 不可 | 株式会社NTTデータ・スマートソーシング |
(参考: マイベスト - 不動産一括査定サイトのおすすめ人気ランキング【2025年】)
サイトの選び方
提携社数で選ぶ:
- 多い方が比較選択肢が増える
- LIFULL HOME'Sは約4,500社で最多級
対応エリアで選ぶ:
- 地方物件はLIFULL HOME'S、イエウール等の全国対応サイトが有利
- 都市部の高額物件はすまいValue(大手6社)が有利
匿名査定の可否で選ぶ:
- 営業電話を避けたい場合は匿名査定可能なサイト(LIFULL HOME'S等)を選ぶ
- ただし、匿名査定は机上査定のみで精度は低い
プライバシーマーク有無で選ぶ:
- 個人情報保護の第三者認証制度
- 運営会社がプライバシーマークを取得していれば、個人情報の管理体制が整っている証
利用時の注意点と営業電話への対処法
営業電話への対処法
一括査定サイトを利用すると、複数社から5分以内に連絡が来る業界慣習があります。営業電話を避けるための対策は以下の通りです。
対策1: 「メール連絡希望」を明記
- 入力フォームの備考欄に「メール連絡希望」「電話NG」と記載
- 完全に防げる保証はないが、電話を控える会社もある
対策2: 匿名査定を活用
- LIFULL HOME'S等の匿名査定サービスを利用
- 氏名・連絡先を入力せずに査定価格を確認できる
- ただし、机上査定のみで精度は低い
対策3: 机上査定を選択
- 訪問査定より営業が少ない傾向
- 相場把握が目的なら机上査定で十分
(参考: LIFULL HOME'S - しつこい営業電話が来る?不動産一括査定サービスの利用法)
査定価格の見方
注意点:
- 査定価格は目安であり、実際の売却価格ではない
- 高額査定=優良会社ではない(契約を取るために相場より高い査定を出す会社もある)
- 複数社の平均値を相場と判断し、根拠が明確な会社を選ぶ
確認すべきポイント:
- 査定価格の根拠(類似物件の取引事例等)
- 売却実績(エリア・物件種別での実績)
- 担当者の対応(誠実さ、専門知識)
査定だけして売却しなくてもいいか
問題ありません。査定後に売却義務はなく、相場把握のみの利用も可能です。
ただし、営業電話が来る可能性があるため、以下の対策を取ることをおすすめします。
- 入力フォームに「売却時期未定」「相場把握のみ」と明記
- 匿名査定を活用
- 机上査定を選択
査定を依頼した会社に対して、「売却時期が決まったら連絡します」と明確に伝えることで、しつこい営業を減らせる場合があります。
まとめ:一括査定サイトは比較ツールとして活用しよう
一括査定サイトは、複数社の査定価格を比較できる便利なツールですが、営業電話が多いというデメリットもあります。
提携社数、対応エリア、匿名可否、プライバシーマーク有無を基準に選び、「メール連絡希望」を明記するなどの対策を取ることで、デメリットを最小化できます。
査定価格は目安であり、実際の売却価格とは異なる可能性があることを理解し、複数社の平均値を相場として判断してください。高額査定に惑わされず、根拠が明確で誠実な対応をする会社を選ぶことが、成功する売却の第一歩です。
