固定資産税とは?いつ払うのか基本を理解しよう
不動産を所有すると、「固定資産税はいつ払うのか」「どれくらいの金額なのか」と疑問に感じる方は少なくありません。
この記事では、固定資産税の支払い時期、納付方法、税額の計算方法を、総務省、国土交通省の公式情報を元に解説します。
初めて不動産を所有する方でも、固定資産税の仕組みを理解し、計画的に納税できるようになります。
この記事のポイント
- 固定資産税の納税通知書は4-6月頃に届く(自治体により異なる)
- 支払い期限は年4回(6月・9月・12月・翌年2月が一般的)
- 一括払い(第1期)と分割払い(第1-4期)を選べる
- 税額は固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)
- 住宅用地・新築住宅には軽減措置があり、税額を抑えられる
固定資産税の納付時期
固定資産税は、毎年4-6月頃に納税通知書が届き、年4回に分けて納付します。
納税通知書が届く時期
納税通知書は、4-6月頃に届きます。自治体により時期が異なります。
主要都市の例:
- 東京23区: 6月上旬
- 大阪市: 4月中旬
- 名古屋市: 4月中旬
- 横浜市: 5月上旬
- 福岡市: 4月中旬
納税通知書には、固定資産税額、都市計画税額(都市計画区域内の場合)、納付期限、納付書が同封されています。
支払い期限(年4回)
固定資産税の支払い期限は、年4回です。一般的には以下の通りです。
| 期別 | 支払い期限 | 
|---|---|
| 第1期 | 6月末 | 
| 第2期 | 9月末 | 
| 第3期 | 12月末 | 
| 第4期 | 翌年2月末 | 
ただし、自治体により期限が異なる場合があります。納税通知書で必ず確認しましょう。
東京23区の例:
- 第1期: 6月30日
- 第2期: 9月30日
- 第3期: 12月27日
- 第4期: 翌年2月28日
(出典: 東京都主税局)
一括払いと分割払い
固定資産税は、一括払いまたは分割払いを選べます。
一括払い:
- 第1期の納付期限までに全額を納付
- 手間が省ける
- 一括払い割引はない(自治体により例外あり)
分割払い:
- 年4回に分けて納付
- 資金繰りがしやすい
どちらを選んでも税額は同じです(一部自治体を除く)。
固定資産税の納付方法
固定資産税の納付方法は、主に以下の4つです。
納付書払い(コンビニ・銀行)
納税通知書に同封された納付書を使って、コンビニ・銀行・郵便局で支払います。
メリット:
- 24時間いつでも支払える(コンビニの場合)
- 手数料なし
デメリット:
- 店舗に行く手間がかかる
- ポイント還元なし
口座振替
指定した銀行口座から自動的に引き落とされます。
メリット:
- 支払い忘れを防げる
- 手間がかからない
デメリット:
- 事前に申し込みが必要(納付期限の1-2ヶ月前まで)
- 口座残高不足に注意
クレジットカード払い
自治体の指定サイトで、クレジットカードで支払います。
メリット:
- ポイント還元を受けられる
- 24時間いつでも支払える
デメリット:
- 決済手数料がかかる(税額の0.5-1%程度)
- ポイント還元率によっては損する場合もある
スマホ決済(PayPay、LINE Pay等)
納付書のバーコードをスマホで読み取り、スマホ決済で支払います。
メリット:
- 手数料なし
- ポイント還元を受けられる場合がある
- 24時間いつでも支払える
デメリット:
- 利用可能な決済サービスは自治体により異なる
- 納付書の再発行ができない場合がある
固定資産税の計算方法
固定資産税の税額は、以下の式で計算されます。
固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 税率(標準税率1.4%)
固定資産税評価額とは
固定資産税評価額は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて、市区町村が決定します。一般的には、時価の70%程度です。
評価替え:
- 3年に1回、評価額が見直されます
- 次回は2027年(令和9年)
(出典: 総務省)
税率(標準税率1.4%)
標準税率は**1.4%**です。ただし、自治体により異なる場合があります。
例: 固定資産税評価額2000万円の場合
2000万円 × 1.4% = 28万円
都市計画税も加算される場合がある
都市計画区域内の不動産には、固定資産税に加えて都市計画税が課税されます。
都市計画税額 = 固定資産税評価額 × 税率(最高0.3%)
例: 固定資産税評価額2000万円の場合
2000万円 × 0.3% = 6万円
固定資産税28万円 + 都市計画税6万円 = 合計34万円
新築・住宅用地の軽減措置
住宅用地や新築住宅には、軽減措置があります。
住宅用地の軽減措置
住宅用地(住宅が建っている土地)には、以下の軽減措置があります。
| 種類 | 軽減内容 | 
|---|---|
| 小規模住宅用地(200㎡以下の部分) | 固定資産税評価額を1/6に軽減 | 
| 一般住宅用地(200㎡超の部分) | 固定資産税評価額を1/3に軽減 | 
例: 土地200㎡、固定資産税評価額2000万円の場合
2000万円 × 1/6 × 1.4% = 約4.7万円(軽減なしなら28万円)
(出典: 総務省)
新築住宅の軽減措置
新築住宅(一戸建て・マンション)には、以下の軽減措置があります。
一戸建て住宅:
- 新築後3年間、固定資産税額を1/2に軽減(120㎡相当分まで)
マンション等:
- 新築後5年間、固定資産税額を1/2に軽減(120㎡相当分まで)
認定長期優良住宅:
- 一戸建て: 新築後5年間、1/2に軽減
- マンション: 新築後7年間、1/2に軽減
(出典: 国土交通省)
支払い遅れのペナルティ
固定資産税の支払いが遅れると、以下のペナルティがあります。
延滞金
納付期限の翌日から、延滞金が発生します。
延滞金の利率(2025年時点):
- 納期限の翌日から1ヶ月間: 年2.4%
- 1ヶ月経過後: 年8.7%
例: 10万円を2ヶ月滞納した場合
1ヶ月目: 10万円 × 2.4% ÷ 365 × 30 = 約197円
2ヶ月目: 10万円 × 8.7% ÷ 365 × 30 = 約715円
合計: 約912円
督促状・催告書
納付期限を過ぎると、督促状が送付されます。それでも納付しない場合、催告書が送付されます。
財産の差し押さえ
督促状・催告書を無視し続けると、財産の差し押さえが行われます。預金、給与、不動産等が差し押さえの対象になります。
支払いが困難な場合は、早めに自治体に相談しましょう。分納(分割払い)や猶予が認められる場合があります。
まとめ:納税通知書が届いたら期限を確認しよう
固定資産税の納税通知書は4-6月頃に届き、年4回(6月・9月・12月・翌年2月)に分けて納付します。税額は固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)で計算されます。
住宅用地・新築住宅には軽減措置があり、税額を大幅に抑えられます。納付方法は、納付書払い、口座振替、クレジットカード払い、スマホ決済から選べます。
納税通知書が届いたら、必ず期限を確認し、計画的に納税しましょう。支払いが困難な場合は、早めに自治体に相談することをおすすめします。
