固定資産税はいつ払う?納税時期・支払い方法を徹底解説

公開日: 2025/10/27

固定資産税とは?いつ払うのか基本を理解しよう

不動産を所有すると、「固定資産税はいつ払うのか」「どれくらいの金額なのか」と疑問に感じる方は少なくありません。

この記事では、固定資産税の支払い時期、納付方法、税額の計算方法を、総務省国土交通省の公式情報を元に解説します。

初めて不動産を所有する方でも、固定資産税の仕組みを理解し、計画的に納税できるようになります。

この記事のポイント

  • 固定資産税の納税通知書は4-6月頃に届く(自治体により異なる)
  • 支払い期限は年4回(6月・9月・12月・翌年2月が一般的)
  • 一括払い(第1期)と分割払い(第1-4期)を選べる
  • 税額は固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)
  • 住宅用地・新築住宅には軽減措置があり、税額を抑えられる

固定資産税の納付時期

固定資産税は、毎年4-6月頃に納税通知書が届き、年4回に分けて納付します。

納税通知書が届く時期

納税通知書は、4-6月頃に届きます。自治体により時期が異なります。

主要都市の例:

  • 東京23区: 6月上旬
  • 大阪市: 4月中旬
  • 名古屋市: 4月中旬
  • 横浜市: 5月上旬
  • 福岡市: 4月中旬

納税通知書には、固定資産税額、都市計画税額(都市計画区域内の場合)、納付期限、納付書が同封されています。

支払い期限(年4回)

固定資産税の支払い期限は、年4回です。一般的には以下の通りです。

期別 支払い期限
第1期 6月末
第2期 9月末
第3期 12月末
第4期 翌年2月末

ただし、自治体により期限が異なる場合があります。納税通知書で必ず確認しましょう。

東京23区の例:

  • 第1期: 6月30日
  • 第2期: 9月30日
  • 第3期: 12月27日
  • 第4期: 翌年2月28日

(出典: 東京都主税局

一括払いと分割払い

固定資産税は、一括払いまたは分割払いを選べます。

一括払い:

  • 第1期の納付期限までに全額を納付
  • 手間が省ける
  • 一括払い割引はない(自治体により例外あり)

分割払い:

  • 年4回に分けて納付
  • 資金繰りがしやすい

どちらを選んでも税額は同じです(一部自治体を除く)。

固定資産税の納付方法

固定資産税の納付方法は、主に以下の4つです。

納付書払い(コンビニ・銀行)

納税通知書に同封された納付書を使って、コンビニ・銀行・郵便局で支払います。

メリット:

  • 24時間いつでも支払える(コンビニの場合)
  • 手数料なし

デメリット:

  • 店舗に行く手間がかかる
  • ポイント還元なし

口座振替

指定した銀行口座から自動的に引き落とされます。

メリット:

  • 支払い忘れを防げる
  • 手間がかからない

デメリット:

  • 事前に申し込みが必要(納付期限の1-2ヶ月前まで)
  • 口座残高不足に注意

クレジットカード払い

自治体の指定サイトで、クレジットカードで支払います。

メリット:

  • ポイント還元を受けられる
  • 24時間いつでも支払える

デメリット:

  • 決済手数料がかかる(税額の0.5-1%程度)
  • ポイント還元率によっては損する場合もある

スマホ決済(PayPay、LINE Pay等)

納付書のバーコードをスマホで読み取り、スマホ決済で支払います。

メリット:

  • 手数料なし
  • ポイント還元を受けられる場合がある
  • 24時間いつでも支払える

デメリット:

  • 利用可能な決済サービスは自治体により異なる
  • 納付書の再発行ができない場合がある

固定資産税の計算方法

固定資産税の税額は、以下の式で計算されます。

固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 税率(標準税率1.4%)

固定資産税評価額とは

固定資産税評価額は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて、市区町村が決定します。一般的には、時価の70%程度です。

評価替え:

  • 3年に1回、評価額が見直されます
  • 次回は2027年(令和9年)

(出典: 総務省

税率(標準税率1.4%)

標準税率は**1.4%**です。ただし、自治体により異なる場合があります。

: 固定資産税評価額2000万円の場合
2000万円 × 1.4% = 28万円

都市計画税も加算される場合がある

都市計画区域内の不動産には、固定資産税に加えて都市計画税が課税されます。

都市計画税額 = 固定資産税評価額 × 税率(最高0.3%)

: 固定資産税評価額2000万円の場合
2000万円 × 0.3% = 6万円

固定資産税28万円 + 都市計画税6万円 = 合計34万円

新築・住宅用地の軽減措置

住宅用地や新築住宅には、軽減措置があります。

住宅用地の軽減措置

住宅用地(住宅が建っている土地)には、以下の軽減措置があります。

種類 軽減内容
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 固定資産税評価額を1/6に軽減
一般住宅用地(200㎡超の部分) 固定資産税評価額を1/3に軽減

: 土地200㎡、固定資産税評価額2000万円の場合
2000万円 × 1/6 × 1.4% = 約4.7万円(軽減なしなら28万円)

(出典: 総務省

新築住宅の軽減措置

新築住宅(一戸建て・マンション)には、以下の軽減措置があります。

一戸建て住宅:

  • 新築後3年間、固定資産税額を1/2に軽減(120㎡相当分まで)

マンション等:

  • 新築後5年間、固定資産税額を1/2に軽減(120㎡相当分まで)

認定長期優良住宅:

  • 一戸建て: 新築後5年間、1/2に軽減
  • マンション: 新築後7年間、1/2に軽減

(出典: 国土交通省

支払い遅れのペナルティ

固定資産税の支払いが遅れると、以下のペナルティがあります。

延滞金

納付期限の翌日から、延滞金が発生します。

延滞金の利率(2025年時点):

  • 納期限の翌日から1ヶ月間: 年2.4%
  • 1ヶ月経過後: 年8.7%

: 10万円を2ヶ月滞納した場合
1ヶ月目: 10万円 × 2.4% ÷ 365 × 30 = 約197円
2ヶ月目: 10万円 × 8.7% ÷ 365 × 30 = 約715円
合計: 約912円

督促状・催告書

納付期限を過ぎると、督促状が送付されます。それでも納付しない場合、催告書が送付されます。

財産の差し押さえ

督促状・催告書を無視し続けると、財産の差し押さえが行われます。預金、給与、不動産等が差し押さえの対象になります。

支払いが困難な場合は、早めに自治体に相談しましょう。分納(分割払い)や猶予が認められる場合があります。

まとめ:納税通知書が届いたら期限を確認しよう

固定資産税の納税通知書は4-6月頃に届き、年4回(6月・9月・12月・翌年2月)に分けて納付します。税額は固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)で計算されます。

住宅用地・新築住宅には軽減措置があり、税額を大幅に抑えられます。納付方法は、納付書払い、口座振替、クレジットカード払い、スマホ決済から選べます。

納税通知書が届いたら、必ず期限を確認し、計画的に納税しましょう。支払いが困難な場合は、早めに自治体に相談することをおすすめします。

よくある質問

Q1固定資産税はいつ払うのですか?

A1納税通知書は4-6月頃に届き、年4回(第1期: 6月末、第2期: 9月末、第3期: 12月末、第4期: 翌年2月末)に分けて納付します。ただし、自治体により期限が異なる場合があります。納税通知書で必ず確認しましょう。一括払い(第1期の納付期限までに全額納付)も選べます。

Q2固定資産税の計算方法を教えてください

A2固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 税率(標準税率1.4%)で計算されます。固定資産税評価額は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて市区町村が決定し、一般的には時価の70%程度です。都市計画区域内の場合、都市計画税(最高0.3%)も加算されます。

Q3固定資産税を払い忘れるとどうなりますか?

A3納付期限の翌日から延滞金が発生します。延滞金の利率は、納期限の翌日から1ヶ月間が年2.4%、1ヶ月経過後が年8.7%(2025年時点)です。督促状・催告書が送付され、それでも納付しない場合は財産の差し押さえが行われます。支払いが困難な場合は、早めに自治体に相談し、分納や猶予を検討しましょう。

Q4住宅用地の軽減措置とは何ですか?

A4住宅が建っている土地には、固定資産税の軽減措置があります。小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は固定資産税評価額を1/6に軽減、一般住宅用地(200㎡超の部分)は1/3に軽減されます。例えば、土地200㎡、固定資産税評価額2000万円の場合、軽減後の税額は約4.7万円(軽減なしなら28万円)です。

Q5新築住宅の固定資産税は安くなりますか?

A5はい。新築住宅には固定資産税の軽減措置があります。一戸建て住宅は新築後3年間、マンション等は新築後5年間、固定資産税額を1/2に軽減(120㎡相当分まで)されます。認定長期優良住宅の場合、一戸建ては5年間、マンションは7年間の軽減が受けられます。軽減期間終了後は、税額が約2倍になるため注意が必要です。