固定資産税の納付期限はいつ?自治体別スケジュールと延滞時の対処法

公開日: 2025/11/4

固定資産税の納期の基本

固定資産税の納付期限を確認したい方、年4回と聞いたが具体的な日付を知りたい方、期限を過ぎたらどうなるか不安な方は少なくありません。

この記事では、固定資産税の納期を全国主要自治体別(東京23区、政令指定都市、一般市区町村)に整理し、期限を過ぎた場合の延滞金の計算方法を、総務省や各自治体の公式情報を元に解説します。

納期を正確に把握することで、延滞金の発生を防ぎ、安心して固定資産税を納付できるようになります。

この記事のポイント

  • 固定資産税の納期は年4回、市町村が条例で定めるため自治体により異なる
  • 東京23区は6月・9月・12月・2月、政令指定都市は4月・7月・12月・2月が一般的
  • 納期限の翌日から延滞金が発生(2025年は1ヶ月以内2.4%、以降8.7%)
  • 督促状発送後も未納が続くと財産の差押えに至る
  • 払えない場合は市区町村に相談し、分割納付や徴収猶予を申請できる

主要自治体の2025年納期

固定資産税の納期は自治体により大きく異なります。必ず自分の自治体の納期を確認してください。

東京23区(6月・9月・12月・2月)

東京都主税局によると、2025年度の東京23区の納期限は以下の通りです。

期別 納期限
第1期 6月30日
第2期 9月30日
第3期 12月27日
第4期 3月2日

東京23区は他の自治体と比較して納期開始が遅い(6月開始)のが特徴です。

政令指定都市(横浜・大阪等、4月・7月・12月・2月が一般的)

政令指定都市では4月開始が一般的です。横浜市の例を示します。

期別 納期限
第1期 4月30日
第2期 7月31日
第3期 12月25日
第4期 2月28日

大阪市、名古屋市、福岡市等の政令指定都市も4月・7月・12月・2月が一般的です。

一般市区町村(4-6月開始が多い、自治体により異なる)

一般市区町村は自治体により大きく異なりますが、4-6月開始が多い傾向にあります。納期のバラツキは、自治体の財政事情や事務処理の都合によります。

納期を確認する方法:

  • 自治体の公式ウェブサイト(「固定資産税 納期」で検索)
  • 納税通知書(毎年4-6月に郵送)
  • 自治体の税務課窓口への問い合わせ

納期限を過ぎた場合の流れを時系列で解説

納期限を過ぎると、督促状→差押えという流れに進みます。早期に対処することで差押えを回避できます。

①納期限経過後〜督促状発送(20日間の猶予)

納期限を過ぎても、すぐに延滞金が課されるわけではありません。地方税法により、納期限から20日以内に督促状が発送されます。

この20日間の猶予期間中に納付すれば、延滞金は発生しますが(納期限の翌日から計算)、督促状発送前に納付すれば延滞金が少額で済みます。

②督促状到着〜指定期限(延滞金発生)

督促状が到着すると、納期限の翌日から延滞金が発生していることが明示されます。2025年の延滞金率は、納期限翌日から1ヶ月以内が年2.4%、1ヶ月経過後が年8.7%です(京都市)。

督促状には新しい納付期限が指定されており、この期限までに納付すれば延滞金を抑えられます。

③督促状の期限後〜差押え(財産調査・差押予告)

督促状の指定期限を過ぎても未納が続くと、市区町村は財産調査(預金口座、給与、不動産等の調査)を開始します。

法的には督促状発送後10日経過すると差押え可能(地方税法第331条第1項)ですが、実際は財産調査、差押予告通知書を経て差押えが実行される流れが一般的です(弁護士法人みずき)。

差押えは給与、預金、不動産等が対象となります。放置すると必ず差押えに至るため、早期に市区町村に相談することが重要です。

延滞金の計算方法と具体例

延滞金は納期限の翌日から発生します。2025年の延滞金率と計算方法を説明します。

2025年の延滞金率

京都市によると、2025年の延滞金率は以下の通りです。

  • 納期限翌日から1ヶ月以内: 年2.4%(特例基準割合+1%)
  • 1ヶ月経過後: 年8.7%(特例基準割合+7.3%)

計算式と具体例

計算式: 税額 × 延滞金率 × 延滞日数 ÷ 365日

具体例: 固定資産税10万円を3ヶ月延滞した場合

  1. 1ヶ月以内(30日): 10万円×2.4%×30日÷365日 = 197円
  2. 1ヶ月経過後(60日): 10万円×8.7%×60日÷365日 = 1,430円
  3. 延滞金合計: 197円 + 1,430円 = 1,627円

1,000円未満の端数処理

延滞金が1,000円未満の場合は切り捨てとなります。このため、納税額が少額で延滞期間が短い場合は、延滞金が発生しない可能性があります。

ただし、上記の例のように1,000円を超える場合は、延滞金を納付する必要があります。延滞金は原則として減免されないため、納期限厳守が重要です。

払えない場合の対処法

経済的理由で固定資産税を払えない場合は、放置せず市区町村の納税相談窓口に相談してください。

市区町村の納税相談窓口に早期相談

払えない場合は、必ず市区町村の納税相談窓口に相談してください。相談することで、以下の対応が可能になります。

  • 分割納付: 月々の分割払いに変更
  • 徴収猶予: 事業継続・生活維持困難な場合に申請できる納税猶予制度
  • 換価の猶予: すでに差押えられた財産の売却を猶予

誠実な納税意思を示し、分割納付計画を提示することで、柔軟な対応を得られる可能性があります。

分割納付・徴収猶予の申請

東京都主税局によると、徴収猶予の要件は以下の通りです。

徴収猶予の要件:

  • 事業継続・生活維持困難な状況にある
  • 誠実な納税意思がある
  • 他の税目に滞納がない
  • 納期限から6ヶ月以内に申請

徴収猶予が認められると、原則1年以内の分割納付計画に基づき納付できます。ただし、延滞金は原則免除されません。

放置すると差押えに至るため、早期相談が最も重要です。

まとめ

固定資産税の納期は年4回、自治体により異なります(東京23区は6月・9月・12月・2月、政令指定都市は4月・7月・12月・2月が一般的)。

納期限の翌日から延滞金が発生し、督促状発送後も未納が続くと差押えに至ります。払えない場合は放置せず、必ず市区町村の納税相談窓口に相談し、分割納付や徴収猶予を申請してください。

次のアクションとして、自治体ウェブサイトで2025年の納期を確認、納期限をカレンダーに登録、払えない場合は早急に相談しましょう。早めの対処で延滞金を抑え、差押えのリスクを回避できます。

よくある質問

Q1全国すべての自治体で納期は同じですか?

A1同じではありません。市町村が条例で定めるため、自治体により大きく異なります。東京23区は6月・9月・12月・2月、政令指定都市は4月・7月・12月・2月が一般的です。必ず自分の自治体の納期を確認してください。自治体の公式ウェブサイトや納税通知書で確認できます。

Q2督促状が届いたらすぐに差し押さえられますか?

A2法的には督促状発送後10日で差押え可能ですが、実際は財産調査、差押予告通知を経て差押えが実行されます。督促状が届いた時点で早急に市区町村に相談し、分割納付等の対応を取ることで差押えを回避できる可能性があります。放置すると必ず差押えに至るため、早期相談が重要です。

Q3延滞金は免除されないのですか?

A3原則として免除されません。分割納付や徴収猶予を申請しても、延滞金は納付日まで発生し続けます。ただし、一部自治体では災害・傷病等の特別な事情がある場合、延滞金の減免を認めることがあります。市区町村の納税相談窓口に相談してください。

Q4一括納付と分割納付、どちらがお得ですか?

A4一括納付の方がお得です(延滞金が発生しない)。一部自治体では一括納付割引(数%減額)がありますが、全国一律ではありません。分割納付は4回の納期限を守れば延滞金は発生しませんが、1回でも遅れると延滞金が発生するため注意が必要です。