固定資産税の納付書が期限切れになったらどうなるか
固定資産税の納付期限を過ぎてしまい、「納付書が期限切れでコンビニで使えない」「延滞金はいくらかかるのか」と不安に感じる方は少なくありません。
この記事では、期限切れの納付書の取扱い、支払い可能な場所、延滞金の計算方法を、総務省や各自治体の公式情報を元に解説します。
期限切れ後も支払い方法は残されているため、早急に対処すれば延滞金を抑えることができます。
この記事のポイント
- 期限切れの納付書はコンビニや一部のPay-easyで使用不可
- 自治体の税務課窓口や指定金融機関では期限切れ後も支払い可能
- 延滞金は納期限の翌日から発生(2025年は1ヶ月以内2.4%、以降8.7%)
- 1,000円未満の延滞金は切り捨て(少額・短期なら延滞金なしの場合も)
- 納付書を紛失した場合は自治体で再発行可能(1-2週間程度)
期限切れの納付書はどこで使えるか
納付書が期限切れになると、コンビニや一部の電子決済サービスでは使用できなくなります。しかし、自治体の窓口や金融機関では期限切れ後も支払いが可能です。
金融機関・市役所での納付
期限切れの納付書は以下の場所で使用できます。
| 支払い場所 | 利用可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 自治体の税務課窓口 | ✅ 可能 | 即日対応、納付書再発行も可 |
| 指定金融機関 | ✅ 可能 | 市区町村が指定する銀行・信用金庫等 |
| ゆうちょ銀行 | ✅ 可能 | 全国の郵便局で納付可 |
| コンビニ | ❌ 原則不可 | 取扱期限(通常3ヶ月)を過ぎると使用不可 |
| クレジットカード | ❌ 原則不可 | 納期限内のみ対応 |
| 電子マネー(PayPay等) | ❌ 原則不可 | 納期限内のみ対応 |
| Pay-easy | ❌ 原則不可 | 納期限内のみ対応 |
一部自治体(東京都など)では期限切れでもコンビニ払い可能な場合がありますが、多くの自治体では取扱期限(通常3ヶ月)を過ぎるとコンビニのレジで受付拒否されます。確実に支払うには、自治体窓口や金融機関を利用しましょう。
使用できない支払い方法
期限切れの納付書では、以下の支払い方法が使用できなくなります。
- コンビニ: 取扱期限を過ぎた納付書はバーコード読み取りエラーとなり、レジで受付不可
- クレジットカード: 納期限内のみ対応(自治体の専用サイト経由)
- 電子マネー(PayPay、LINE Pay等): 納期限内のみ対応
- Pay-easy: 一部金融機関のATM・ネットバンキングで納期限内のみ対応
これらの支払い方法は納期限内に限定されているため、期限切れ後は自治体窓口や金融機関での納付が確実です。
延滞金の仕組み
納期限を過ぎると、延滞金が発生します。延滞金は納期限の翌日から納付日までの日数に応じて計算されます。
延滞金率と計算方法
2025年の延滞金率は、総務省の基準により以下のように設定されています。
- 納期限翌日から1ヶ月以内: 年2.4%(特例基準割合+1%)
- 1ヶ月経過後: 年8.7%(特例基準割合+7.3%)
計算式: 延滞税額 × 延滞金率 × 延滞日数 ÷ 365日
具体例: 納税額10万円を2ヶ月滞納した場合
- 1ヶ月以内(30日): 10万円×2.4%×30日÷365日 = 197円
- 1ヶ月経過後(30日): 10万円×8.7%×30日÷365日 = 715円
- 延滞金合計: 197円 + 715円 = 912円
この場合、延滞金は1,000円未満のため切り捨てとなり、延滞金は発生しません(後述)。
1,000円未満の切り捨てルール
延滞金が1,000円未満の場合は切り捨てとなります(神戸市FAQ)。
このため、納税額が少額で滞納期間が短い場合は、延滞金が発生しない可能性があります。ただし、納税額が大きい場合や滞納期間が長い場合は、延滞金が数千円から数万円に達することもあります。
納付書の再発行方法
納付書を紛失した場合や取扱期限(通常3ヶ月)を過ぎた場合は、自治体で再発行できます。
再発行の手続きと所要日数
納付書の再発行は以下の方法で手続きできます。
| 手続き方法 | 所要日数 | 備考 |
|---|---|---|
| 窓口(税務課) | 即日 | 本人確認書類を持参 |
| 電話 | 1-2週間 | 郵送のため日数がかかる |
| オンライン申請 | 1週間程度 | 自治体により対応状況が異なる |
(出典: 大阪市)
窓口で直接受け取れば即日対応できる自治体もあるため、早急に納付したい場合は窓口での再発行をおすすめします。
納付書紛失時の対応
納付書を紛失した場合は、自治体の税務課に連絡して再発行を依頼してください。電話・窓口・オンライン申請のいずれかで手続きできます。
再発行には1-2週間程度かかる場合もあるため、早めに手続きすることが重要です。
滞納が続くとどうなるか
納期限後も納付しない場合、督促状→催告書→差押えという流れに進みます。
督促状から差押えまでの流れ
地方税法により、以下の流れで滞納処分が進みます。
- 納期限経過(20日以内): 督促状が発送される(地方税法第371条)
- 督促状到着: 納期限の翌日から延滞金が発生
- 督促状の指定期限を過ぎても未納: 財産調査が開始される(預金口座、給与、不動産等の調査)
- 催告書の送付: 最終警告として催告書が送付される
- 差押え: 財産(給与、預金、不動産等)の差押えが実行される
法的には督促状発送後10日経過すると差押え可能ですが、実際は財産調査、差押予告通知書を経て差押えが実行される流れが一般的です(弁護士法人みずき)。
換価の猶予について
経済的理由で支払いが困難な場合は、納期限から3ヶ月以内に「換価の猶予」を申請することで、納付を一時的に猶予してもらえる制度があります(東京都主税局)。
換価の猶予の要件:
- 事業継続や生活維持が困難
- 誠実な納税意思がある
- 他の税目に滞納がない
- 納期限から6ヶ月以内に申請
猶予が認められると、原則1年以内の分割納付計画に基づき納付できます。ただし、延滞金は原則免除されません。
放置すると必ず差押えに至るため、早期に自治体の納税相談窓口に相談することが重要です。
まとめ
期限切れの納付書は自治体窓口や金融機関で支払い可能です。延滞金は納期限翌日から発生するため、早めの支払いが重要です。
納付書を紛失した場合は、自治体で再発行手続きを行ってください(1-2週間程度)。経済的に困難な場合は、換価の猶予を検討しましょう。
次のアクションとして、自治体の税務課へ連絡、納付書の再発行申請、必要に応じて納税相談窓口への問い合わせを行いましょう。放置せず早急に対処することで、延滞金を抑え、差押えのリスクを回避できます。
