土地売買契約書の印紙税はいくら?金額一覧・貼り方・軽減措置

公開日: 2025/10/31

土地売買契約書の印紙税とは?なぜ必要か

土地の売買契約を控えている方の中には、「印紙税はいくら必要なのか」「どう貼ればいいのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、土地売買契約書の印紙税額、貼り方、軽減措置の活用方法を、国税庁の公式情報を元に解説します。

初めて土地を売買する方でも、印紙税で損せず、正しく手続きを進められるようになります。

この記事のポイント

  • 印紙税は契約書作成時に国に納める税金で、土地売買契約書は課税文書に該当する
  • 契約金額に応じて税額が変動し、令和9年3月31日まで軽減措置が適用される
  • 印紙の貼り忘れ・消印忘れは過怠税(本来の3倍)が徴収されるため注意が必要
  • 売主・買主どちらが負担するかは法律で決まっておらず、契約時に協議して決定
  • 電子契約なら印紙税不要という選択肢もある

土地売買契約書の印紙税額一覧表(契約金額別)

土地売買契約書は、国税庁によると第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)に該当し、契約金額に応じて印紙税額が決定されます。

本則税率と軽減税率の比較表

令和9年3月31日まで、租税特別措置法により軽減措置が適用されます。

契約金額 本則税率 軽減税率(令和9年3月31日まで)
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超5億円以下 100,000円 60,000円

(出典: 国税庁

例えば、契約金額3,000万円の土地なら、本則2万円→軽減1万円となり、1万円の節約になります。

軽減措置の適用期間と対象契約書

軽減措置は、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成される不動産売買契約書が対象です。令和9年4月1日以降は本則税率に戻る予定のため、契約時期に注意してください。

契約金額10万円以下は軽減対象外

契約金額10万円以下の場合、軽減措置の対象外で税率200円となります。この点は見落としやすいため注意してください。

印紙の購入方法と貼り方・消印の手順

印紙税の納付は、契約書に収入印紙を貼り付け、消印することで行います。

印紙の購入場所(郵便局、法務局、コンビニ等)

収入印紙は以下の場所で購入できます。

  • 郵便局(全国どこでも購入可能)
  • 法務局
  • 一部のコンビニエンスストア(200円の印紙のみ扱う店舗が多い)

高額な印紙(1万円以上)は、郵便局または法務局での購入が確実です。

印紙の貼り方(契約書のどこに貼るか)

収入印紙は、契約書の左上または余白に貼り付けます。契約書が複数枚ある場合、どのページでも構いませんが、通常は1枚目の左上に貼ります。

消印の正しい方法(印鑑またはサイン)

印紙を貼り付けた後、消印(割印)を行います。消印は、印紙と契約書の境界線にまたがるように印鑑または署名を行う行為です。印紙が使用済みであることを明確にし、再利用を防止する目的があります。

国税庁によると、消印は契約当事者のうち誰か1人が押せば十分です。売主・買主の双方が押す必要はありません。

消印を忘れると、本来の印紙税額と同額の過怠税が徴収されるため、必ず消印を行ってください。

(参考: GMOサイン

印紙を貼らなかった場合のペナルティ(過怠税)

印紙を貼らなかった場合、または消印をしなかった場合は過怠税が徴収されます。

過怠税の金額(本来の3倍)

過怠税は、本来の印紙税額の3倍です。例えば、1万円の印紙を貼るべきところを貼らなかった場合、3万円(1万円×3倍)が徴収されます。

自主的に申し出た場合は1.1倍に軽減

ただし、税務調査前に自主的に申し出た場合は1.1倍に軽減されます。印紙を貼り忘れたことに気づいたら、速やかに税務署に相談してください。

印紙の有無は契約の有効性に影響しません。つまり、印紙を貼らなくても契約は有効に成立します。しかし、税法上のペナルティは大きいため、確実に納付する必要があります。

(出典: 国税庁

電子契約なら印紙税不要という選択肢

インターネット上で電子署名を用いて締結する契約(電子契約)は、印紙税法上、課税文書の作成に該当しないため印紙税が不要です。

契約金額が大きい場合、印紙税の節約効果が大きくなります。例えば、5,000万円の土地なら、印紙税1万円が不要となります。

ただし、電子契約を利用するには契約相手方の同意が必要です。また、電子契約サービスの利用料がかかる場合があるため、総合的に判断してください。

紙の契約書と電子契約のどちらを選ぶかは、契約相手方と協議して決定してください。

(参考: GMOサイン

まとめ:土地売買契約書の印紙税で損しないために

土地売買契約書の印紙税は、契約金額に応じて変動し、令和9年3月31日まで軽減措置が適用されます。例えば、3,000万円の土地なら軽減税率1万円です。

印紙を購入し、正しく貼り付け、消印を忘れないことが重要です。貼らない場合や消印忘れの場合は過怠税(本来の3倍)が徴収されます。

売主・買主どちらが負担するかは法律で決まっておらず、契約時に協議して決定します(一般的には折半が多い)。電子契約なら印紙税不要という選択肢もあります。

契約前に印紙税額を確認し、不明点は国税庁または税理士に相談してください。

よくある質問

Q1土地売買契約書の印紙税は売主・買主どちらが負担しますか?

A1法律で決まっておらず、契約時に協議して決定します。一般的には折半が多いですが、売主または買主のどちらか一方が全額負担する場合もあります。契約書に負担者を明記しておくとトラブル防止になります。不明な場合は不動産会社に確認してください。

Q2契約書が複数通ある場合、すべてに印紙が必要ですか?

A2契約書1通ごとに印紙が必要です。売主用・買主用の2通作成する場合、それぞれに印紙を貼る必要があります。契約書を1通のみ作成し、写し(コピー)を保管する場合は1通分の印紙で済みます。写しには「原本の写し」と明記してください。

Q3印紙を貼り間違えた場合、返金してもらえますか?

A3未使用の印紙または消印していない印紙であれば、税務署で交換または還付が可能です。手数料がかかる場合があります。既に消印した印紙は原則返金できませんが、誤って多額の印紙を貼った場合は還付請求できる可能性があります。詳細は税務署に相談してください。

Q4土地と建物を一緒に売買する場合、印紙税はどうなりますか?

A4土地と建物を一つの契約書で売買する場合、合計金額に応じた印紙税が必要です。例えば、土地3,000万円+建物2,000万円=合計5,000万円の印紙税(軽減税率1万円)となります。別々の契約書にすると、それぞれに印紙が必要となり、合計金額が割高になる可能性があります。