土地の坪単価一覧と相場の調べ方|2025年最新版

公開日: 2025/10/27

土地の坪単価一覧とは?相場を知るメリット

土地の購入や売却を検討する際、「自分のエリアの坪単価はどれくらいなのか」「この価格は適正なのか」と悩む方は少なくありません。

この記事では、土地の坪単価の基礎知識、都道府県別・主要都市別の最新相場(2025年)、国土交通省の公的データを使った調べ方を詳しく解説します。

初めて土地の購入や売却を検討する方でも、坪単価の相場を正確に把握し、適正価格かどうか判断できるようになります。

この記事のポイント

  • 坪単価は「土地価格÷坪数」で計算される1坪あたりの価格
  • 坪単価は接道条件・形状・用途地域・インフラ整備状況等で大きく変動する
  • 国土交通省の地価公示・基準地価・取引価格情報で坪単価を調べられる
  • 2025年最新の都道府県別・用途地域別の坪単価相場を掲載
  • 坪単価だけで判断せず、総合的に評価することが重要

坪単価の基礎知識

坪単価は、土地の価格を分かりやすく比較するための指標です。ここでは、坪単価の計算方法と変動する要因を解説します。

坪単価の計算方法と平米単価との違い

坪単価は、以下の計算式で算出されます。

坪単価 = 土地価格 ÷ 坪数

1坪は約3.3㎡(正確には3.30578㎡)です。公的機関(国土交通省等)は平米単価で価格を公表しているため、坪単価に換算する場合は以下の式を使います。

坪単価 = 平米単価 × 3.3

例えば、平米単価が30万円の土地であれば、坪単価は約99万円(30万円 × 3.3)となります。

坪単価が変動する主な要因

不動産売却サイトの解説によると、坪単価は以下の要因で大きく変動します。

要因 内容
接道条件 間口・奥行き、接道する道路の幅員
土地の形状 整形地(四角い土地)は高く、不整形地(変形した土地)は低い
用途地域 商業地域は高く、住居専用地域は低い傾向
駅からの距離 駅近は高く、駅から遠いほど低い
インフラ整備 上下水道、ガス等の整備状況
周辺環境 学校、病院、商業施設等の利便性

そのため、同じエリアでも個別の土地条件により坪単価は大きく異なります。坪単価は相場把握の目安として活用し、実際の価値は総合的に評価する必要があります。

都道府県別・主要都市別の坪単価相場(2025年最新)

国土交通省の令和7年地価公示に基づく、2025年時点の最新坪単価相場を紹介します。

全国平均と用途地域別の坪単価

2025年(令和7年)の地価公示によると、全国平均の坪単価は以下の通りです。

用途地域 坪単価(全国平均)
住宅地 約58万円
商業地 約173万円
工業地 約32万円

(出典: 国土交通省 令和7年地価公示

商業地は住宅地の約3倍、工業地は住宅地の約半分となっており、用途地域により大きく異なります。

高額地点ランキング(2025年)

東洋経済の2025年版地価ランキングによると、2025年時点で坪単価が最も高い地点は以下の通りです。

順位 地点 都道府県 坪単価
1位 銀座中央通り(中央区) 東京都 約1億5,000万円
2位 新宿三丁目(新宿区) 東京都 約6,700万円
3位 梅田(北区) 大阪府 約3,300万円
4位 名古屋駅前(中村区) 愛知県 約2,100万円
5位 博多駅前(博多区) 福岡県 約1,500万円

東京都心部の商業地は坪単価1億円を超える地点もあり、地方都市との価格差は非常に大きくなっています。

都道府県別の住宅地坪単価(2025年)

土地価格相場サイトのデータに基づく、主要都道府県の住宅地坪単価は以下の通りです。

都道府県 住宅地坪単価
東京都 約250万円
大阪府 約95万円
神奈川県 約115万円
愛知県 約80万円
福岡県 約55万円
北海道 約30万円
沖縄県 約70万円

東京都は全国平均の約4倍以上となっており、都道府県により大きな差があります。

坪単価の調べ方(国土交通省の公的データ活用)

自分のエリアの坪単価を調べる方法を、国土交通省の公的データを使った具体的な手順で解説します。

地価公示・基準地価の検索方法

国土交通省の不動産情報ライブラリでは、地価公示・基準地価を地図や住所から検索できます。

地価公示: 国土交通省が毎年3月に公表する、1月1日時点の標準地の価格

基準地価: 都道府県が毎年9月に公表する、7月1日時点の基準地の価格

検索手順:

  1. 不動産情報ライブラリにアクセス
  2. 「地価公示・都道府県地価調査」を選択
  3. 地図または住所から調べたいエリアを検索
  4. 標準地の平米単価を確認し、×3.3で坪単価に換算

地価公示・基準地価は国や都道府県による公的な評価額であり、最も信頼できる価格の指標です。

実際の取引価格の調べ方

地価公示は標準的な価格ですが、実際の取引価格(実勢価格)は地価公示の1.1~1.2倍が相場とされます。実際の取引価格を調べるには、国土交通省の不動産取引価格情報検索を活用します。

検索手順:

  1. 不動産情報ライブラリで「不動産取引価格情報検索」を選択
  2. 都道府県・市区町村を選択
  3. 取引時期・地区を選択
  4. 実際に取引された土地の坪単価を確認

実際の取引価格は、売り急ぎや買い急ぎ等の事情により、地価公示から乖離する場合があります。複数の取引事例を確認し、相場感を掴むことが重要です。

全国地価マップの活用法

全国地価マップ(https://www.chikamap.jp/)では、路線価(相続税評価額)や固定資産税評価額を地図上で確認できます。

路線価: 国税庁が公表する、相続税・贈与税の評価額の基準。地価公示の約8割が目安

固定資産税評価額: 市区町村が決定する、固定資産税の評価額。地価公示の約7割が目安

路線価や固定資産税評価額から坪単価を推定する場合は、以下の計算式を使います。

推定坪単価 = 路線価 ÷ 0.8 × 3.3

これらの公的データを組み合わせることで、より正確な坪単価相場を把握できます。

坪単価だけで判断してはいけない理由と注意点

坪単価は相場把握には便利ですが、個別の土地評価には限界があります。

接道条件・形状・用途地域の影響

同じ坪単価でも、以下の条件により実際の価値は大きく変動します。

接道条件の影響:

  • 間口が広い土地は利用しやすく、価値が高い
  • 奥行きが長すぎる土地は利用しにくく、価値が下がる
  • 接道する道路の幅員が4m未満の場合、建築制限がある

土地の形状:

  • 整形地(四角い土地): 利用しやすく、坪単価通りの価値
  • 不整形地(変形した土地): 利用しにくく、坪単価より価値が低い
  • 旗竿地(路地状敷地): 接道部分が細長い形状で、坪単価より価値が大幅に低い

用途地域の制限:

  • 第一種低層住居専用地域: 2階建てまで、静かな住環境
  • 商業地域: 高層建築可能、店舗・事務所に適する
  • 工業地域: 住宅建築に制限がある場合も

坪単価だけで判断せず、接道条件・形状・用途地域を総合的に評価する必要があります。

坪単価表示のルールと法規制

不動産広告で坪単価を表示する際は、不動産の表示に関する公正競争規約により、以下のルールが定められています。

  • 坪単価のみの表示は禁止。必ず総額も明示する
  • 「最安値」等の誇大表現は禁止
  • 諸費用込みか、別途かを明示する

広告の坪単価表示を鵜呑みにせず、必ず総額と諸費用を確認しましょう。

まとめ:坪単価を正しく理解して土地購入・売却に活かす

坪単価は「土地価格÷坪数」で計算される1坪あたりの価格で、エリアの相場把握に便利な指標です。国土交通省の地価公示・基準地価・取引価格情報を活用することで、自分のエリアの坪単価を調べられます。

2025年の全国平均は住宅地で約58万円、商業地で約173万円ですが、都道府県や市区町村により大きく異なります。東京都心部の商業地では坪単価1億円を超える地点もあり、地域差は非常に大きくなっています。

ただし、坪単価は相場把握の目安であり、実際の土地の価値は接道条件・形状・用途地域・インフラ整備状況等で大きく変動します。坪単価だけで判断せず、総合的に評価することが重要です。

土地の購入や売却を検討する際は、不動産会社や土地家屋調査士等の専門家に相談し、個別の土地条件を正確に評価してもらうことをおすすめします。

よくある質問

Q1坪単価と路線価の違いは何ですか?

A1坪単価は実際の売買価格を坪数で割った単価で、市場での取引価格を反映します。一方、路線価は国税庁が公表する相続税・贈与税の評価額の基準で、地価公示の約8割が目安です。路線価から実際の坪単価を推定する場合は、路線価÷0.8×3.3で計算できます。売買価格の目安としては、実際の取引価格を参照することをおすすめします。

Q2坪単価が安いエリアはどこですか?

A2全国平均では、北海道、東北地方、九州の地方部が比較的安い傾向にあります。2025年の住宅地坪単価は、北海道が約30万円、青森県が約20万円程度です。ただし、同じ都道府県内でも市区町村や駅からの距離で大きく変動するため、個別に国土交通省の不動産情報ライブラリで調査することをおすすめします。

Q3坪単価は毎年どれくらい変動しますか?

A3エリアにより大きく異なります。都心部(東京23区、大阪市、名古屋市等)は年1~3%程度の上昇傾向が続いています。一方、地方部は横ばいから微減となっているエリアが多く見られます。国土交通省の地価公示・基準地価で過去5~10年の推移を確認することで、そのエリアのトレンドを把握できます。

Q4坪単価だけで土地の価値は判断できますか?

A4できません。坪単価は相場把握の目安として便利ですが、実際の土地の価値は接道条件(間口・奥行き)、土地の形状(整形地・不整形地)、用途地域、インフラ整備状況、周辺環境等で大きく変動します。同じ坪単価でも、間口が広く整形地の土地と、旗竿地(路地状敷地)では実際の価値が2倍以上異なる場合もあります。坪単価を目安としつつ、総合的に評価する必要があります。