土地面積の調べ方と単位換算|坪・㎡・畳の計算方法

公開日: 2025/11/6

土地面積の調べ方と単位換算|坪・㎡・畳の計算方法

土地購入・売却・相続を検討する際、「土地面積はどこで調べられるのか」「坪と㎡の換算方法は」と疑問に感じる方は少なくありません。

この記事では、土地面積の調べ方(登記簿謄本・固定資産税評価証明書・地積測量図)と単位換算(坪・㎡・畳)を、法務局・国土交通省の公式情報を元に解説します。登記面積と実測面積の違い、境界確定測量の必要性、建築計画との関係まで、実務的な知識を網羅的に説明します。

土地面積の正確な把握は、売買トラブルの防止や建築計画の成否に直結する重要なポイントです。

この記事のポイント

  • 土地面積は登記簿謄本・固定資産税評価証明書・地積測量図で確認可能
  • 1坪≒3.3㎡、1畳≒1.65㎡(地域により異なる)。計量法により昭和41年以降は㎡が法定単位
  • 登記面積(公簿面積)と実測面積が異なる場合があるため、売買時は実測売買が推奨
  • 境界確定測量は専門家(土地家屋調査士)への依頼が必要(費用30-100万円)
  • 建築計画では建ぺい率・容積率の計算に正確な土地面積が必須

土地面積の調べ方:登記簿・評価証明書・測量図の3つの方法

土地面積を調べる方法は主に以下の3つです。それぞれの特徴と取得方法を整理します。

方法 取得先 手数料 特徴
登記簿謄本(登記事項証明書) 法務局 600円 地積(土地面積)が記載。公的証明書として使用可能
固定資産税評価証明書 市区町村 300円程度 課税面積が記載。登記面積と異なる場合あり
地積測量図 法務局 450円 土地の形状・面積・境界標を記載。分筆・地積更正時に作成

どの場面でどの書類が必要かを明確にし、適切な方法で土地面積を確認してください。

登記簿謄本と地積測量図の取得方法

土地面積を正確に把握するには、登記簿謄本と地積測量図の取得が重要です。

登記簿謄本(登記事項証明書)の取得手順

登記簿謄本(正式名称:登記事項証明書)は、法務局で取得できます。

取得方法

  • 窓口:最寄りの法務局で申請(手数料600円)
  • 郵送:法務局に郵送で申請(手数料600円)
  • オンライン:登記・供託オンライン申請システム(手数料500円)

登記簿謄本には「地積」(土地面積)が記載されています。売買契約や金融機関への提出に使用できる公的証明書です。

地積測量図の取得手順

地積測量図は、土地の形状・面積・境界標の位置を示す図面です。分筆・地積更正時に作成され、法務局で取得できます(手数料450円)。

平成5年10月以降の登記は境界標表記義務化により精度が高くなっています。ただし、古い登記(昭和以前)の土地には地積測量図がない場合もあります。

オンライン請求の活用(登記情報提供サービス)

登記情報提供サービスを利用すると、インターネットで即座に登記情報を確認できます(手数料337円)。ただし、正式な証明書ではないため、公的機関への提出には使用できません。

内容確認用として活用し、正式な証明書が必要な場合は法務局で登記事項証明書を取得してください。

単位換算:坪・㎡・畳の計算方法

土地面積は㎡(平方メートル)で表示されますが、慣習的に坪や畳も使われます。換算方法を理解しておくことが重要です。

坪と㎡の換算(1坪≒3.3㎡)

1坪は約3.30579㎡です。以下の換算式を使用してください。

  • ㎡→坪:㎡÷3.30579 = 坪
  • 坪→㎡:坪×3.30579 = ㎡

換算早見表

30坪 約99㎡
50坪 約165㎡
100坪 約331㎡

㎡と畳の換算(1畳≒1.65㎡、地域により異なる)

1畳は約1.65㎡ですが、地域により1.54-1.82㎡と差があります。一般的な換算は以下の通りです。

  • 京間(関西):1畳 = 1.82㎡
  • 中京間(中京):1畳 = 1.65㎡
  • 江戸間(関東):1畳 = 1.54㎡

地域による差異があるため、厳密な計算では地域に合わせた数値を使用してください。

計量法と坪の扱い(昭和41年以降は㎡が法定単位)

計量法により昭和41年以降は㎡が法定単位です。登記簿・固定資産税評価証明書等の公的書類は㎡で表示されます。

坪は慣習的に併記可能ですが、正式な単位ではありません。建築計画や法令計算では㎡を使用してください。

登記面積(公簿面積)と実測面積の違い

土地面積を調べる際、登記面積と実測面積が異なる場合があることを理解しておく必要があります。

公簿面積とは:登記簿上の面積

公簿面積は登記簿に記載された土地面積です。明治期の地租改正事業で測量されたものは精度が低く、実測面積と±5-10%の差異が生じる場合があります。

実測面積とは:実際に測量した面積

実測面積は、実際に測量して求めた土地面積です。平成5年10月以降の登記は境界標表記義務化により精度が向上しています。

なぜ差異が生じるのか:明治期の測量精度

明治期の地租改正事業で測量された土地は、測量技術の制約により精度が低い傾向があります。また、境界標が経年劣化で移動・消失している場合もあります。

売買契約では「公簿売買」(登記面積で取引)か「実測売買」(実測後に取引)を選択します。

公簿売買

  • メリット:測量費用がかからない
  • デメリット:実測との差異リスクがある

実測売買

  • メリット:面積が正確で後日トラブルを防げる
  • デメリット:測量費用(30-100万円)がかかる

実測売買が推奨されますが、費用との兼ね合いで判断してください。

境界確定測量の必要性と費用の目安

実測売買を行う場合、境界確定測量が必要になります。

境界確定測量とは:隣接地所有者の立会いで境界を確定

境界確定測量は、土地家屋調査士が隣接地所有者の立会いのもと境界標を設置して面積を測量する手続きです。

隣接地所有者全員の同意が必要なため、調整に時間がかかる場合があります(1-3ヶ月程度)。

測量の手法:三斜求積法・座標計算法

測量には以下の手法があります。

  • 三斜求積法:土地を三角形に分割して面積を計算
  • 座標計算法:各境界点の座標を測定し、コンピュータで面積を計算

現在は座標計算法が主流ですが、図面と三角定規があれば三斜求積法で概算することも可能です。

測量費用の目安と期間

測量費用は土地の形状・隣接地の数により変動します。

  • 一般的な住宅地:30-50万円
  • 複雑な形状・隣接地が多い:50-100万円
  • 期間:1-3ヶ月程度

売買時は実測売買が推奨され、境界トラブルを未然に防げます。費用については土地家屋調査士に見積もりを依頼してください。

土地面積と建築計画:建ぺい率・容積率の計算

建築計画では、土地面積を正確に把握することが必須です。

建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)と容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)は、用途地域により上限が定められています。

計算例

  • 敷地面積:100㎡
  • 建ぺい率:60%
  • 容積率:200%

この場合、建築面積は60㎡まで、延床面積は200㎡までです。

用途地域により建ぺい率・容積率の上限が決まっているため、建築計画前に土地面積を正確に把握し、法令遵守を確認してください。建築基準法で禁止されており、超過すると違法建築となります。

まとめ:土地面積の確認は売買・建築前に必須

土地面積は登記簿謄本・固定資産税評価証明書・地積測量図で確認できます。1坪≒3.3㎡、1畳≒1.65㎡(地域により異なる)です。

登記面積と実測面積が異なる場合があるため、売買時は実測売買が推奨されます。境界確定測量は専門家(土地家屋調査士)への依頼が必要で、費用は30-100万円程度です。

建築計画では建ぺい率・容積率の計算に正確な土地面積が必須です。信頼できる不動産会社や土地家屋調査士に相談しながら、正確な面積を把握しましょう。

よくある質問

Q1登記簿謄本の面積と固定資産税評価証明書の面積が違います。なぜですか?

A1測量時期や測量方法の違いで差異が生じる場合があります。登記は法務局、固定資産税評価は市区町村が管理し、測量基準が異なることがあります。売買時は登記簿の地積を基準とするのが一般的です。気になる場合は土地家屋調査士に相談してください。

Q2測量費用を安く抑える方法はありますか?

A2公簿売買を選択すれば測量不要ですが、実測面積との差異リスクがあります。複数の土地家屋調査士に見積もりを依頼し比較するのも有効です。ただし境界トラブル防止のため実測売買が推奨されます。費用との兼ね合いで判断してください。

Q3地積測量図がない土地はどうすればいいですか?

A3古い登記(昭和以前)の土地には地積測量図がない場合があります。売買時は土地家屋調査士に依頼して境界確定測量を行い、新たに地積測量図を作成するのが安全です。費用は30-100万円程度ですが、後日のトラブルを防げます。

Q4坪単位は公式に使えないのですか?

A4計量法により昭和41年以降は㎡が法定単位で、公的書類(登記簿・評価証明書)は㎡で表示されます。坪は慣習的に併記可能ですが、正式な単位ではありません。建築計画や法令計算では㎡を使用してください。

Q5建ぺい率・容積率を超えた建築は可能ですか?

A5建築基準法で禁止されており、超過すると違法建築となります。建築確認申請が通らず、既存建物は是正命令や罰則の対象です。土地面積を正確に把握し、用途地域に応じた建ぺい率・容積率を遵守する必要があります。