住宅ローン返済額早見表(35年)|借入額・金利別一覧

公開日: 2025/11/11

住宅ローン返済額早見表(35年)の見方と使い方

住宅購入を検討する際、「35年ローンで月々いくら返済すればいいのか」「総返済額はどれくらいになるのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、35年ローンの借入額(2000万~5000万円)と金利(0.5%~2.0%)の組み合わせで、月々返済額を一覧表形式で提示します。総返済額・利息総額も併記し、金利の影響を可視化します。返済比率の目安や繰上返済の効果も含め、住宅金融支援機構の公式情報を元に解説します。

返済計画を立てるための第一歩として、この早見表を活用してください。

この記事のポイント

  • 早見表で借入額・金利別の月々返済額を一目で確認できる
  • 総返済額・利息総額を併記し、金利の影響を可視化
  • 返済比率の理想は手取り収入の20%、最大でも25%
  • 繰上返済は早期実施が有効だが、住宅ローン控除(0.7%)との兼ね合いを考慮
  • ボーナス払いは総返済額が増加するため、基本的に毎月払いのみを推奨

35年ローン返済額早見表(借入額・金利別)

以下の表は、35年ローン(元利均等返済)の月々返済額を示しています。金利は2025年1月時点の主要金融機関の変動金利・フラット35の固定金利の水準を参考にしていますが、金利は変動する可能性があるため、最新情報は金融機関に確認してください。表の数値は住宅金融支援機構のシミュレーターに基づく計算結果です。

金利0.5%~1.0%の月々返済額

借入額 金利0.5% 金利0.7% 金利1.0%
2000万円 月51,708円
総額2,172万円
利息172万円
月52,927円
総額2,223万円
利息223万円
月54,813円
総額2,302万円
利息302万円
3000万円 月77,562円
総額3,258万円
利息258万円
月79,391円
総額3,334万円
利息334万円
月82,220円
総額3,453万円
利息453万円
4000万円 月103,416円
総額4,343万円
利息343万円
月105,854円
総額4,446万円
利息446万円
月109,626円
総額4,604万円
利息604万円
5000万円 月129,270円
総額5,429万円
利息429万円
月132,318円
総額5,557万円
利息557万円
月137,033円
総額5,755万円
利息755万円

金利1.5%~2.0%の月々返済額

借入額 金利1.5% 金利1.8% 金利2.0%
2000万円 月61,236円
総額2,572万円
利息572万円
月64,780円
総額2,721万円
利息721万円
月66,252円
総額2,783万円
利息783万円
3000万円 月91,855円
総額3,858万円
利息858万円
月97,170円
総額4,081万円
利息1,081万円
月99,378円
総額4,174万円
利息1,174万円
4000万円 月122,473円
総額5,144万円
利息1,144万円
月129,560円
総額5,441万円
利息1,441万円
月132,504円
総額5,565万円
利息1,565万円
5000万円 月153,091円
総額6,430万円
利息1,430万円
月161,950円
総額6,802万円
利息1,802万円
月165,630円
総額6,956万円
利息1,956万円

総返済額・利息総額の比較

例えば、借入額3000万円の場合:

  • 金利0.5%:月77,562円、総返済額3,258万円、利息258万円
  • 金利1.0%:月82,220円、総返済額3,453万円、利息453万円(差額195万円増)
  • 金利2.0%:月99,378円、総返済額4,174万円、利息1,174万円(差額916万円増)

金利が0.5%上昇すると、35年間の総返済額は数百万円単位で増加します。複数金融機関の金利を比較し、0.1%でも低い金利を選ぶことが重要です。

住宅ローン返済額の計算方法と元利均等返済

住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の2種類があります。

元利均等返済の仕組み

元利均等返済は、毎月の返済額(元金+利息)が一定になる返済方法です。

返済計画が立てやすく、多くの金融機関で採用されている標準的な方式です。返済初期は利息の割合が高く、返済が進むにつれて元金の割合が増えていきます。

元金均等返済との違い

元金均等返済は、毎月の元金返済額が一定で、利息は残高に応じて減少する返済方法です。

初期の返済額が高くなりますが、総返済額は元利均等返済より少なくなります(数十万円~百万円単位で削減)。初期の返済能力に余裕があれば、元金均等返済が有利です。

公式シミュレーターの活用(住宅金融支援機構・各金融機関)

正確な返済額を計算するには、公式シミュレーターの活用が推奨されます。

これらのツールでは、ボーナス払い・繰上返済・金利変動等のシミュレーションも可能です。

返済比率の目安:無理なく返済できる借入額

返済比率(返済負担率)とは、年収に占める年間返済額の割合です。審査基準と実際の返済能力は異なるため、注意が必要です。

フラット35の審査基準(年収400万円未満で30%以下)

フラット35の審査基準は、年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です。

ただし、審査に通っても返済比率が高いと返済困難に陥るリスクがあります。

理想的な返済比率(手取り収入の20%、最大25%)

三井住友銀行三菱UFJ銀行は、手取り収入の20%が理想、最大でも25%と推奨しています。

年収500万円(手取り400万円)の場合:

  • 理想的な年間返済額:80万円(月6.7万円)
  • 最大の年間返済額:100万円(月8.3万円)

年収別の適正借入額の例

年収 手取り(概算) 理想的な月返済額(手取り20%) 適正借入額(金利1.0%・35年)
400万円 約320万円 月5.3万円 約1,930万円
500万円 約400万円 月6.7万円 約2,440万円
600万円 約480万円 月8.0万円 約2,920万円
700万円 約560万円 月9.3万円 約3,390万円

返済能力を無視した借入は、返済困難に陥るリスクを高めます。年収を上げる、頭金を増やす、借入額を減らす等で返済比率を下げることを推奨します。

返済額を抑える方法:繰上返済とボーナス払い

返済額や総返済額を抑える方法として、繰上返済とボーナス払いがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、活用しましょう。

繰上返済の効果(期間短縮型・返済額軽減型)

繰上返済は、通常の返済とは別に元金を前倒しで返済する方法です。

  • 期間短縮型:返済期間を短縮。総返済額の削減効果が大きい
  • 返済額軽減型:毎月返済額を軽減。家計の負担を減らしたい場合に有効

三菱UFJ銀行の解説によると、早期実施ほど効果が高く、例えば三菱UFJ銀行のシミュレーターによると、3000万円・金利1.0%・35年ローンで、10年後に100万円繰上返済すると、総返済額が約50万円削減されます。

住宅ローン控除(0.7%)との兼ね合い

住宅ローン控除は、住宅ローン残高の0.7%を最長13年間、所得税・住民税から控除できる制度です。

控除率0.7%を下回る金利(例:0.5%)の場合、繰上返済より控除優先が有利です。控除期間終了後(10-13年後)は、積極的に繰上返済すると総返済額を大幅削減できます。

ボーナス払いのメリット・デメリット

ボーナス払いは、年2回のボーナス時に通常より多く返済する方法です。

メリット

  • 毎月返済額を抑えられる
  • 手元資金に余裕がある場合に活用可能

デメリット

  • 元本減少が遅く、総返済額が増加(三井住友銀行の試算によると数十万円単位)
  • ボーナス不支給リスク(業績悪化・転職等)

借入額の40%が上限です。原則として毎月払いのみを推奨し、ボーナスは繰上返済・生活費に充てる方が有利です。

まとめ:35年ローン返済額早見表を活用した返済計画

35年ローンの返済額は、借入額と金利で大きく変動します。早見表で月々返済額を確認し、自分の年収に対する返済比率(理想は手取り20%、最大25%)を計算しましょう。

住宅金融支援機構や各金融機関の公式シミュレーターで正確な返済額を試算し、繰上返済・ボーナス払いの効果を理解してください。住宅ローン控除(0.7%)との兼ね合いも考慮し、複数金融機関の金利を比較することで、無理のない返済計画を立てることができます。

次のステップとして、金融機関への仮審査申込を検討し、自分に最適な住宅ローンを見つけましょう。

よくある質問

Q1ボーナス払いはお得ですか?

A1基本的にはお得ではありません。毎月返済額を抑えられるメリットがありますが、元本減少が遅く総返済額は数十万円増加します。また、ボーナス不支給リスク(業績悪化・転職等)もあり、借入額の40%が上限です。原則として毎月払いのみを推奨し、ボーナスは繰上返済・生活費に充てる方が有利です。どうしてもボーナス払いを利用する場合は、不支給時の対応策を準備してください。

Q2繰上返済はいつするのがベストですか?

A2早期実施ほど効果が高いですが、住宅ローン控除(0.7%)の適用期間中は控除優先が有利な場合があります。控除率0.7%を下回る金利(例:0.5%)なら繰上返済優先、控除終了後(10-13年後)は積極的に繰上返済すると総返済額を大幅削減可能です。例えば、3000万円・金利1.0%・35年ローンで、10年後に100万円繰上返済すると、総返済額が約50万円削減されます。

Q3元利均等返済と元金均等返済、どちらを選ぶべきですか?

A3元利均等返済は毎月の返済額が一定で返済計画が立てやすく、多くの金融機関で標準採用されています。元金均等返済は初期返済額が高いですが、総返済額は数十万円~百万円単位で削減できます。初期の返済能力に余裕があれば元金均等返済が有利ですが、家計の安定性を優先する場合は元利均等返済を推奨します。金融機関によっては元金均等返済を選択できない場合もあります。

Q4金利が0.1%違うと総返済額はどれくらい変わりますか?

A4借入額3000万円・35年ローンの場合、金利0.7%→0.8%で総返済額は約57万円増加します。金利1.0%→1.5%では約405万円増加します。金利差が小さくても、35年間の総返済額への影響は非常に大きいため、複数金融機関の金利を比較し、0.1%でも低い金利を選ぶことが重要です。仮審査を複数社で実施し、最も有利な条件を引き出しましょう。

Q5返済比率が35%を超えても審査に通りますか?

A5フラット35の審査基準は年収400万円以上で35%以下ですが、返済比率が高いと審査に通りにくく、通っても返済困難に陥るリスクが高まります。理想は手取り収入の20%、最大25%です。返済比率を下げる方法として、①年収を上げる(共働き・昇給)、②頭金を増やす、③借入額を減らす、④返済期間を延ばす(ただし総返済額は増加)等があります。無理な借入は避け、金融機関に相談してください。