住宅ローン返済額早見表(35年)の見方と使い方
住宅購入を検討する際、「35年ローンで月々いくら返済すればいいのか」「総返済額はどれくらいになるのか」と不安に感じる方は少なくありません。
この記事では、35年ローンの借入額(2000万~5000万円)と金利(0.5%~2.0%)の組み合わせで、月々返済額を一覧表形式で提示します。総返済額・利息総額も併記し、金利の影響を可視化します。返済比率の目安や繰上返済の効果も含め、住宅金融支援機構の公式情報を元に解説します。
返済計画を立てるための第一歩として、この早見表を活用してください。
この記事のポイント
- 早見表で借入額・金利別の月々返済額を一目で確認できる
- 総返済額・利息総額を併記し、金利の影響を可視化
- 返済比率の理想は手取り収入の20%、最大でも25%
- 繰上返済は早期実施が有効だが、住宅ローン控除(0.7%)との兼ね合いを考慮
- ボーナス払いは総返済額が増加するため、基本的に毎月払いのみを推奨
35年ローン返済額早見表(借入額・金利別)
以下の表は、35年ローン(元利均等返済)の月々返済額を示しています。金利は2025年1月時点の主要金融機関の変動金利・フラット35の固定金利の水準を参考にしていますが、金利は変動する可能性があるため、最新情報は金融機関に確認してください。表の数値は住宅金融支援機構のシミュレーターに基づく計算結果です。
金利0.5%~1.0%の月々返済額
| 借入額 | 金利0.5% | 金利0.7% | 金利1.0% |
|---|---|---|---|
| 2000万円 | 月51,708円 総額2,172万円 利息172万円 |
月52,927円 総額2,223万円 利息223万円 |
月54,813円 総額2,302万円 利息302万円 |
| 3000万円 | 月77,562円 総額3,258万円 利息258万円 |
月79,391円 総額3,334万円 利息334万円 |
月82,220円 総額3,453万円 利息453万円 |
| 4000万円 | 月103,416円 総額4,343万円 利息343万円 |
月105,854円 総額4,446万円 利息446万円 |
月109,626円 総額4,604万円 利息604万円 |
| 5000万円 | 月129,270円 総額5,429万円 利息429万円 |
月132,318円 総額5,557万円 利息557万円 |
月137,033円 総額5,755万円 利息755万円 |
金利1.5%~2.0%の月々返済額
| 借入額 | 金利1.5% | 金利1.8% | 金利2.0% |
|---|---|---|---|
| 2000万円 | 月61,236円 総額2,572万円 利息572万円 |
月64,780円 総額2,721万円 利息721万円 |
月66,252円 総額2,783万円 利息783万円 |
| 3000万円 | 月91,855円 総額3,858万円 利息858万円 |
月97,170円 総額4,081万円 利息1,081万円 |
月99,378円 総額4,174万円 利息1,174万円 |
| 4000万円 | 月122,473円 総額5,144万円 利息1,144万円 |
月129,560円 総額5,441万円 利息1,441万円 |
月132,504円 総額5,565万円 利息1,565万円 |
| 5000万円 | 月153,091円 総額6,430万円 利息1,430万円 |
月161,950円 総額6,802万円 利息1,802万円 |
月165,630円 総額6,956万円 利息1,956万円 |
総返済額・利息総額の比較
例えば、借入額3000万円の場合:
- 金利0.5%:月77,562円、総返済額3,258万円、利息258万円
- 金利1.0%:月82,220円、総返済額3,453万円、利息453万円(差額195万円増)
- 金利2.0%:月99,378円、総返済額4,174万円、利息1,174万円(差額916万円増)
金利が0.5%上昇すると、35年間の総返済額は数百万円単位で増加します。複数金融機関の金利を比較し、0.1%でも低い金利を選ぶことが重要です。
住宅ローン返済額の計算方法と元利均等返済
住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の2種類があります。
元利均等返済の仕組み
元利均等返済は、毎月の返済額(元金+利息)が一定になる返済方法です。
返済計画が立てやすく、多くの金融機関で採用されている標準的な方式です。返済初期は利息の割合が高く、返済が進むにつれて元金の割合が増えていきます。
元金均等返済との違い
元金均等返済は、毎月の元金返済額が一定で、利息は残高に応じて減少する返済方法です。
初期の返済額が高くなりますが、総返済額は元利均等返済より少なくなります(数十万円~百万円単位で削減)。初期の返済能力に余裕があれば、元金均等返済が有利です。
公式シミュレーターの活用(住宅金融支援機構・各金融機関)
正確な返済額を計算するには、公式シミュレーターの活用が推奨されます。
これらのツールでは、ボーナス払い・繰上返済・金利変動等のシミュレーションも可能です。
返済比率の目安:無理なく返済できる借入額
返済比率(返済負担率)とは、年収に占める年間返済額の割合です。審査基準と実際の返済能力は異なるため、注意が必要です。
フラット35の審査基準(年収400万円未満で30%以下)
フラット35の審査基準は、年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です。
ただし、審査に通っても返済比率が高いと返済困難に陥るリスクがあります。
理想的な返済比率(手取り収入の20%、最大25%)
三井住友銀行や三菱UFJ銀行は、手取り収入の20%が理想、最大でも25%と推奨しています。
年収500万円(手取り400万円)の場合:
- 理想的な年間返済額:80万円(月6.7万円)
- 最大の年間返済額:100万円(月8.3万円)
年収別の適正借入額の例
| 年収 | 手取り(概算) | 理想的な月返済額(手取り20%) | 適正借入額(金利1.0%・35年) |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 約320万円 | 月5.3万円 | 約1,930万円 |
| 500万円 | 約400万円 | 月6.7万円 | 約2,440万円 |
| 600万円 | 約480万円 | 月8.0万円 | 約2,920万円 |
| 700万円 | 約560万円 | 月9.3万円 | 約3,390万円 |
返済能力を無視した借入は、返済困難に陥るリスクを高めます。年収を上げる、頭金を増やす、借入額を減らす等で返済比率を下げることを推奨します。
返済額を抑える方法:繰上返済とボーナス払い
返済額や総返済額を抑える方法として、繰上返済とボーナス払いがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、活用しましょう。
繰上返済の効果(期間短縮型・返済額軽減型)
繰上返済は、通常の返済とは別に元金を前倒しで返済する方法です。
- 期間短縮型:返済期間を短縮。総返済額の削減効果が大きい
- 返済額軽減型:毎月返済額を軽減。家計の負担を減らしたい場合に有効
三菱UFJ銀行の解説によると、早期実施ほど効果が高く、例えば三菱UFJ銀行のシミュレーターによると、3000万円・金利1.0%・35年ローンで、10年後に100万円繰上返済すると、総返済額が約50万円削減されます。
住宅ローン控除(0.7%)との兼ね合い
住宅ローン控除は、住宅ローン残高の0.7%を最長13年間、所得税・住民税から控除できる制度です。
控除率0.7%を下回る金利(例:0.5%)の場合、繰上返済より控除優先が有利です。控除期間終了後(10-13年後)は、積極的に繰上返済すると総返済額を大幅削減できます。
ボーナス払いのメリット・デメリット
ボーナス払いは、年2回のボーナス時に通常より多く返済する方法です。
メリット:
- 毎月返済額を抑えられる
- 手元資金に余裕がある場合に活用可能
デメリット:
- 元本減少が遅く、総返済額が増加(三井住友銀行の試算によると数十万円単位)
- ボーナス不支給リスク(業績悪化・転職等)
借入額の40%が上限です。原則として毎月払いのみを推奨し、ボーナスは繰上返済・生活費に充てる方が有利です。
まとめ:35年ローン返済額早見表を活用した返済計画
35年ローンの返済額は、借入額と金利で大きく変動します。早見表で月々返済額を確認し、自分の年収に対する返済比率(理想は手取り20%、最大25%)を計算しましょう。
住宅金融支援機構や各金融機関の公式シミュレーターで正確な返済額を試算し、繰上返済・ボーナス払いの効果を理解してください。住宅ローン控除(0.7%)との兼ね合いも考慮し、複数金融機関の金利を比較することで、無理のない返済計画を立てることができます。
次のステップとして、金融機関への仮審査申込を検討し、自分に最適な住宅ローンを見つけましょう。
