住宅ローン金利の相場を知りたい方へ
住宅ローンを検討する際、「今の金利はどれくらいなのか」「変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきか」と迷われる方は少なくありません。
この記事では、2025年10月時点の住宅ローン金利相場を金利タイプ別に解説し、日本銀行の金融政策が金利に与える影響、金利選択のポイントをご紹介します。
住宅金融支援機構や日本銀行の公式データを元に、客観的な情報を提供します。
この記事のポイント
- 2025年10月の変動金利は0.6~0.7%台、10年固定は1.7~2.2%台、フラット35は1.8~2.0%台が相場
- 日銀の政策金利引き上げ(2025年1月に0.5%)により、住宅ローン金利は緩やかに上昇傾向
- 変動金利は低金利だが将来の金利上昇リスクあり、固定金利は金利上昇の影響を受けない安心感がある
- 金利だけでなく諸費用・団体信用生命保険・繰上返済手数料も考慮した総合判断が重要
金利タイプ別の最新相場(2025年10月時点)
住宅ローンの金利は、金利タイプによって大きく異なります。主な金利タイプは「変動金利」「10年固定金利」「全期間固定金利(フラット35)」の3つです。
変動金利の相場
変動金利は、金融情勢の変化に応じて定期的に金利が見直されるタイプです。半年ごとに見直されますが、返済額は5年間固定される「5年ルール」があります。
2025年10月時点の主要金融機関の変動金利相場は以下の通りです。
| 金融機関タイプ | 金利相場 | 特徴 | 
|---|---|---|
| ネット銀行 | 0.6~0.7%台 | 人件費削減で低金利を実現 | 
| 大手銀行 | 0.7~1.0%台 | 店舗での相談が可能 | 
(出典: スゴい住宅ローン探し)
変動金利は3つの金利タイプの中で最も低い水準ですが、将来の金利上昇リスクがあることに注意が必要です。
10年固定金利の相場
10年固定金利は、借入から10年間は金利が固定され、10年経過後に変動金利または再度固定金利を選択できるタイプです。
2025年10月時点の主要金融機関の10年固定金利相場は以下の通りです。
| 金融機関タイプ | 金利相場 | 特徴 | 
|---|---|---|
| ネット銀行 | 1.7~2.0%台 | 低金利で10年間の安心感 | 
| 大手銀行 | 2.0~2.2%台 | 店舗相談とセット | 
(出典: スゴい住宅ローン探し)
10年固定金利は、変動金利よりは高いものの、当初10年間は返済額が変わらないため、教育費や生活費の計画が立てやすいというメリットがあります。
全期間固定金利(フラット35)の相場
フラット35は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローンです。最長35年間、金利が変わりません。
2025年10月時点のフラット35の金利相場は以下の通りです。
| 返済期間 | 金利相場 | 特徴 | 
|---|---|---|
| 21年以上 | 1.8~2.0%台 | 借入時の金利が最後まで継続 | 
| 20年以下 | 1.6~1.8%台 | 返済期間が短いため低金利 | 
(出典: 住宅金融支援機構)
フラット35は、金利上昇の影響を一切受けないため、長期的な返済計画が立てやすく、将来の金利上昇リスクを避けたい方に向いています。
住宅ローン金利の最新動向と日銀の金融政策
住宅ローン金利は、日本銀行の金融政策に大きく影響されます。2024年以降、日銀は段階的に政策金利を引き上げており、2025年1月には0.5%に引き上げられました。
日銀の金融政策と住宅ローン金利の関係
日銀の政策金利は、銀行間で資金を貸し借りする際の短期金利(無担保コールレート・翌日物)を指します。政策金利が上がると、金融機関の資金調達コストが上昇し、住宅ローン金利も上昇する傾向にあります。
2024年3月にマイナス金利政策が解除され、2025年1月には0.5%に引き上げられたことで、住宅ローン金利は緩やかに上昇傾向にあります。
今後の金利見通し
今後の金利動向については断定的な予測はできませんが、スゴい住宅ローン探しによると、次回の金融政策決定会合(2025年10月29-30日)での利上げ可能性が指摘されています。
ただし、金利上昇のペースは緩やかと見られており、急激な金利上昇のリスクは低いと考えられています。
金利タイプの特徴と選び方のポイント
変動金利・固定金利それぞれにメリット・デメリットがあります。ご自身の状況に応じて選択することが重要です。
変動金利のメリット・デメリット
メリット:
- 3つの金利タイプの中で最も低金利(2025年10月時点で0.6~0.7%台)
- 総返済額を抑えられる可能性が高い
- 金利が下がれば返済額も減少
デメリット:
- 将来の金利上昇リスクがある
- 返済計画が立てにくい
- 金利が大幅に上昇すると総返済額が増加
向いている人:
- 借入額が少なめで、返済期間が短い方
- 金利上昇時に繰上返済できる余裕資金がある方
- 収入が安定しており、金利上昇に対応できる方
固定金利のメリット・デメリット
メリット:
- 借入時の金利が一定期間または全期間変わらない
- 返済計画が立てやすい
- 金利上昇の影響を受けない安心感
デメリット:
- 変動金利よりも金利が高い(2025年10月時点で10年固定1.7~2.2%台、フラット35は1.8~2.0%台)
- 金利が下がっても恩恵を受けられない
- 総返済額が変動金利より高くなる可能性
向いている人:
- 借入額が大きく、返済期間が長い方
- 将来の金利上昇リスクを避けたい方
- 収入が不安定で、返済額を固定したい方
金利比較のポイント
金利を比較する際は、以下のポイントにも注目しましょう。
諸費用:
- 融資手数料(借入額の2.2%、または定額3~5万円等)
- 保証料(無料の金融機関もあり)
- 繰上返済手数料(ネット銀行は無料が多い)
団体信用生命保険(団信):
- 一般団信(死亡・高度障害時にローン残高がゼロ)は金利に含まれる場合が多い
- がん団信・三大疾病団信等の特約は金利上乗せ(+0.1~0.3%)が必要
その他:
- 金利優遇条件(給与振込口座指定、クレジットカード契約等)
- 審査基準(自営業・契約社員でも借りやすいか)
(出典: 三菱UFJ銀行)
金利だけでなく、これらの諸費用や団信も含めた総合的な判断が重要です。
まとめ:金利相場を理解して最適な選択を
2025年10月時点の住宅ローン金利相場は、変動金利0.6~0.7%台、10年固定1.7~2.2%台、フラット35は1.8~2.0%台です。日銀の政策金利引き上げにより、緩やかに上昇傾向にありますが、急激な金利上昇のリスクは低いと見られています。
変動金利は低金利で総返済額を抑えられる可能性がある一方、将来の金利上昇リスクがあります。固定金利は金利が高めですが、返済計画が立てやすく、金利上昇の影響を受けない安心感があります。
ご自身の借入額、返済期間、収入の安定性、リスク許容度に応じて、最適な金利タイプを選択しましょう。複数の金融機関を比較し、金利だけでなく諸費用や団信も含めた総合的な判断が大切です。
信頼できる金融機関や不動産会社に相談しながら、無理のない返済計画を立てることをおすすめします。
