住宅ローン金利一覧の見方と比較のポイント
住宅ローンを検討する際、「金利一覧を見ても、どの銀行がお得なのか分からない」「変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきか迷う」という悩みは多くの方が抱えています。金利は総返済額を大きく左右するため、正確に理解し比較することが重要です。
この記事のポイント
- 住宅ローン金利は「変動金利」「固定金利(固定期間選択型)」「全期間固定金利」の3種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なる
- 2025年は日銀の政策金利引き上げにより金利上昇傾向のため、固定金利で金利上昇リスクを回避する選択肢も検討すべき
- 金利だけでなく、事務手数料・保証料・団信の保障内容を含めた総返済額で比較することが重要
- 金融機関の公式サイトで最新金利を確認し、複数社から見積もりを取って比較することを推奨
この記事では、住宅金融支援機構や各金融機関の公式情報を元に、住宅ローン金利一覧の見方、金利タイプの選び方、比較のポイントを解説します。
住宅ローン金利の3つのタイプ
住宅ローン金利は大きく3つのタイプに分かれます。それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解し、自分のライフプランに合ったタイプを選んでください。
変動金利型
変動金利型は、短期プライムレート(短プラ)に連動して金利が変動するタイプです。半年ごとに金利が見直され、5年ごとに返済額が変更されます。2025年3月、日銀の政策金利引き上げを受けて多くの金融機関が短プラを引き上げたため、変動金利も上昇傾向にあります。
メリット:
- 固定金利より低金利(2025年10月時点で年0.3-0.5%程度)
- 金利が下がれば返済額も減少
デメリット:
- 金利上昇リスクがあり、将来的に返済額が増加する可能性
- 返済計画が立てにくい
変動金利を選ぶ場合は、金利上昇時の返済額増加に備えて、余裕を持った返済計画を立てることが重要です。
固定金利型(固定期間選択型)
固定期間選択型は、一定期間(2年、3年、5年、10年等)金利を固定し、期間終了後に変動金利または再度固定金利を選択するタイプです。固定期間中は金利変動の影響を受けないため、安定した返済計画を立てられます。
メリット:
- 固定期間中は金利変動の影響を受けない
- 変動金利より安定した返済計画を立てられる
デメリット:
- 変動金利より金利が高め(2025年10月時点で年0.5-1.5%程度)
- 固定期間終了後に金利が上昇している場合、返済額が増加する可能性
固定期間は、子どもの教育費がかかる時期や収入が不安定な時期に合わせて選ぶことを推奨します。
全期間固定金利型(フラット35等)
全期間固定金利型は、借入時から完済まで金利が変わらないタイプです。代表的な商品は住宅金融支援機構が提供するフラット35で、返済終了まで金利が固定されます。
メリット:
- 借入時から完済まで金利が変わらないため、返済計画が立てやすい
- 金利上昇リスクを回避できる
デメリット:
- 変動金利より金利が高い(2025年10月時点で年1.5-2.0%程度)
- 金利が下がっても返済額は減少しない
全期間固定金利を選ぶ場合は、長期的な返済計画を重視し、金利上昇リスクを回避したい方に適しています。
2025年の住宅ローン金利動向
2025年は日銀の政策金利引き上げにより、住宅ローン金利が上昇傾向にあります。今後の金利動向と、金利タイプの選び方を理解してください。
日銀の政策金利引き上げの影響
日本銀行は2025年1月に政策金利を0.5%へ引き上げました。これにより、短期プライムレートが上昇し、変動金利型住宅ローンの金利も連動して上昇傾向にあります。今後も段階的な金利引き上げの可能性があるため、変動金利を選ぶ場合は将来の返済額増加リスクを認識しておく必要があります。
変動金利と固定金利の選び方
金利タイプの選び方は、ライフプランやリスク許容度により異なります。以下の基準を参考に判断してください。
変動金利が適している人:
- 金利上昇リスクを取れる
- 繰り上げ返済で早期完済を目指す
- 金利動向を定期的にチェックできる
固定金利が適している人:
- 安定した返済計画を重視する
- 金利上昇リスクを回避したい
- 子どもの教育費等で将来の支出が読めない
2025年は金利上昇傾向のため、固定金利で金利上昇リスクを回避する選択肢も検討してください。
住宅ローン金利を比較する際のポイント
住宅ローンを選ぶ際は、金利だけでなく総返済額で比較することが重要です。以下のポイントを確認してください。
金利だけでなく総返済額で比較する
金利が低くても、事務手数料や保証料が高い場合、総返済額は割高になる可能性があります。以下の項目を含めた総返済額で比較してください。
| 項目 | 内容 | 目安額 | 
|---|---|---|
| 金利 | 年率(変動金利・固定金利) | 年0.3-2.0% | 
| 事務手数料 | 融資額の2%程度(定率型) | 借入3,000万円で60万円 | 
| 保証料 | 融資額の2%程度(一括前払い型) | 借入3,000万円で60万円 | 
| 団信 | 基本は金利に含まれる | 追加保障は金利上乗せ | 
| 繰り上げ返済手数料 | 無料または数千円~数万円 | 金融機関により異なる | 
事務手数料と保証料は、定率型(融資額の2%程度)と定額型(数万円)があり、金融機関により異なります。総返済額で比較することが重要です。
団信の保障内容を確認する
団信(団体信用生命保険)は、契約者が死亡・高度障害状態になった際、保険金でローン残高を完済する保険です。基本の団信は金利に含まれていますが、3大疾病保障(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)、全疾病保障等のオプションは金利上乗せで付帯できます。
保障内容と金利上乗せを比較し、家族の病歴やリスク許容度に応じて判断してください。追加保障が不要な場合は、基本の団信のみで十分です。
金融機関ごとの優遇条件を確認する
金融機関により、給与振込、公共料金引き落とし、カードローン契約等の取引状況に応じて金利優遇が適用される場合があります。複数の取引を組み合わせることで、より大きな優遇を受けられる可能性があります。優遇条件の詳細は各金融機関の公式サイトまたは店舗で確認してください。
住宅ローン金利一覧の活用方法
住宅ローン金利一覧を活用して、自分に合った金融機関を選ぶ手順を解説します。
複数の金融機関から見積もりを取る
金利一覧を確認したら、複数の金融機関から見積もりを取って比較してください。見積もり時には、金利だけでなく事務手数料・保証料・団信の保障内容を含めた総返済額を明示してもらい、不明点があれば質問してください。
主な金融機関の種類は以下の通りです。
- 都市銀行:三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行等
- 地方銀行:地域密着のサポート、対面相談が充実
- ネット銀行:auじぶん銀行、住信SBIネット銀行等、金利が低め
- フラット35:住宅金融支援機構、全期間固定金利
ネット銀行は金利が低い傾向がありますが、対面サポートが限られる点に注意してください。
公式サイトで最新金利を確認する
金利は毎月更新されるため、必ず各金融機関の公式サイトで最新金利を確認してください。金利一覧サイトは情報が古い場合があるため、申し込み前に公式サイトでの確認を推奨します。
シミュレーションツールを活用する
多くの金融機関が公式サイトで返済シミュレーションツールを提供しています。借入額、金利、返済期間を入力することで、月々の返済額や総返済額を試算できます。複数の金利タイプでシミュレーションし、自分に合った返済計画を立ててください。
まとめ:住宅ローン金利は総返済額で比較して適正な選択を
住宅ローン金利は「変動金利」「固定金利(固定期間選択型)」「全期間固定金利」の3種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。2025年は日銀の政策金利引き上げにより金利上昇傾向のため、固定金利で金利上昇リスクを回避する選択肢も検討してください。
金利だけでなく、事務手数料・保証料・団信の保障内容を含めた総返済額で比較することが重要です。複数の金融機関から見積もりを取り、公式サイトで最新金利を確認し、シミュレーションツールを活用して自分に合った返済計画を立ててください。
次のアクションとして「複数の金融機関の公式サイトで最新金利を確認」「複数社から見積もりを取る」「返済シミュレーションで総返済額を試算」を検討してください。
