e-Taxで住宅ローン控除をスマホで申請する方法を解説

公開日: 2025/10/26

e-Taxで住宅ローン控除をスマホで申請する方法とは

住宅ローンを組んで初めての確定申告を迎える際、「スマホだけで完結できるのか」「どんな書類が必要なのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、e-Taxを使ってスマホで住宅ローン控除を申請する具体的な手順を、国税庁デジタル庁の公式情報を元に解説します。

初めての方でも、必要な準備から送信完了まで迷わず進められるようになります。

この記事のポイント

  • 住宅ローン控除の初年度は確定申告が必須、2年目以降は年末調整で完結
  • e-Taxはマイナンバーカード方式とID・パスワード方式の2つから選べる
  • マイナポータル連携を活用すれば、必要情報を自動取得できて入力の手間が省ける
  • 2025年1月からはスマホ用電子証明書機能(Android限定)も利用可能
  • 申請期限は翌年2月16日〜3月15日、必要書類は事前に揃えておくとスムーズ

スマホ申請の事前準備

e-Taxでスマホ申請を始める前に、以下の2つの申請方法と必要書類を確認しましょう。

マイナンバーカード方式とID・パスワード方式

e-Taxには2つの申請方法があります。

方式 必要なもの メリット 注意点
マイナンバーカード方式 マイナンバーカード、NFC対応スマホ、署名用電子証明書パスワード マイナポータル連携で自動入力が可能 対応機種を事前に確認(国税庁サイトで公開)
ID・パスワード方式 税務署で発行されたID・パスワード カードリーダー不要 事前に税務署で本人確認が必要、暫定的な方式

2025年1月からの新機能: Android限定で「スマホ用電子証明書機能」が追加されました。マイナンバーカードの電子証明書をスマホに搭載することで、カードを読み取らなくても申告書の作成・送信が可能になります。事前にマイナポータルアプリで設定が必要です。

必要書類リスト

申請前に以下の書類を揃えておきましょう。

  • 年末残高等証明書: 住宅ローンを借りている金融機関が発行(毎年10-12月頃に郵送)
  • 登記事項証明書: 法務局で取得、またはオンライン請求も可能
  • 請負契約書または売買契約書の写し: 住宅取得時の契約書
  • 源泉徴収票: 勤務先から発行(マイナポータル連携で自動取得も可能)

ステップ1:マイナポータル連携で情報を自動取得する

マイナポータル連携を設定すると、確定申告に必要な情報を自動で取得できます。

マイナポータル連携の手順

  1. 確定申告書等作成コーナーにアクセス
  2. 「作成開始」→「スマートフォンで申告」を選択
  3. マイナンバーカードをスマホで読み取り、マイナポータルにログイン
  4. 「連携する情報を選択」画面で、必要な情報(住宅ローン控除関係情報、控除証明書、社会保険料等)にチェック
  5. 「連携する」をタップし、情報を自動取得

住宅ローン控除の適用申請書を提出している場合

金融機関に「住宅ローン控除の適用申請書」を事前提出していれば、年末残高情報をマイナポータル経由で電子データとして取得できます。この場合、確定申告書に自動入力されるため、手入力の手間が省けます。

(出典: e-Tax)

ステップ2:確定申告書に必要情報を入力する

マイナポータル連携で自動取得されなかった情報は、手入力で補完します。

入力する主な項目

  • 所得情報: 源泉徴収票の内容(給与収入、所得控除額等)
  • 住宅ローン控除の詳細:
    • 住宅の取得年月日
    • 住宅の種類(新築、中古、増改築等)
    • 借入金残高(年末時点)
    • 居住開始年月日
  • 登記事項証明書・売買契約書の情報: PDF化してアップロード

入力例

項目 入力内容
住宅の取得年月日 2024年3月15日
居住開始年月日 2024年4月1日
借入金残高 3,500万円
住宅の種類 新築マンション

入力内容は画面上で確認しながら進められるため、初心者でも安心です。

ステップ3:申告書を送信して完了

入力が完了したら、内容を確認して送信します。

送信手順

  1. 入力内容の最終確認(金額、日付等に誤りがないかチェック)
  2. マイナンバーカードをスマホで読み取り、電子署名
  3. 「送信する」をタップし、e-Taxで送信完了
  4. 受信通知を確認し、控えをPDFで保存

送信後の注意点

  • 申請期限: 翌年2月16日〜3月15日
  • 2年目以降: 確定申告は不要。税務署から送付される「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」を勤務先に提出し、年末調整で控除を受けます。

(出典: 国税庁)

よくあるエラーと対処法

スマホ申請でよくあるトラブルと対処法をまとめました。

カード読み取りエラー

原因: スマホの位置、カードの置き方が不適切

対処法:

  • スマホの背面中央にカードを平行に置く
  • 金属製のスマホケースは外す
  • 対応機種を国税庁サイトで確認

必要書類の不備

原因: 年末残高証明書や登記事項証明書の用意忘れ

対処法:

  • 年末残高証明書は金融機関に再発行を依頼(毎年10-12月頃に郵送)
  • 登記事項証明書は法務局窓口またはオンライン請求で取得可能

送信エラー

原因: 通信環境の不安定、ブラウザのキャッシュ

対処法:

  • Wi-Fi環境に切り替える
  • ブラウザのキャッシュをクリア
  • 時間をおいて再度送信を試みる

まとめ:スマホで簡単に住宅ローン控除を申請しよう

e-Taxを使えば、スマホだけで住宅ローン控除の確定申告を完結できます。マイナポータル連携を活用すれば、必要情報を自動取得できるため、初心者でも30分程度で申請可能です。

事前準備として、マイナンバーカード、年末残高証明書、登記事項証明書などの必要書類を揃えておくことが最も重要です。

申請期限(翌年2月16日〜3月15日)を守り、不明点があれば税務署または税理士に相談しながら進めましょう。次のアクションとして、確定申告書等作成コーナーにアクセスして、実際の申請を始めてみてください。

よくある質問

Q12年目以降もe-Taxで申請する必要がありますか?

A1不要です。初年度のみ確定申告が必要で、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けられます。税務署から送付される「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」を勤務先に提出してください。

Q2マイナンバーカードを持っていない場合はどうすればいいですか?

A2ID・パスワード方式を利用できます。事前に税務署で本人確認の上、IDとパスワードを発行してもらう必要があります。ただし、この方式は暫定的なもので、将来的にマイナンバーカード方式への移行が推奨されています。

Q3住宅ローン控除の適用申請書とは何ですか?

A3金融機関に提出することで、年末残高情報をマイナポータル経由で電子データとして取得できるようになる申請書です。提出すると確定申告時に自動入力が可能になり、手入力の手間が省けます。提出は任意ですが、利便性が高いため推奨されています。

Q4スマホ用電子証明書機能とは何ですか?

A42025年1月から導入されたAndroid限定の新機能です。マイナンバーカードの電子証明書をスマホに搭載することで、カードを読み取らなくても申告書の作成・e-Tax送信が可能になります。事前にマイナポータルアプリで設定が必要です。

Q5確定申告期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか?

A5期限(3月15日)を過ぎても、5年以内であれば還付申告は可能です。ただし、無申告加算税等のペナルティはなく、単に還付が遅れるだけです。早めに申告することを推奨します。