e-Taxで住宅ローン控除をスマホで申請する方法とは
住宅ローンを組んで初めての確定申告を迎える際、「スマホだけで完結できるのか」「どんな書類が必要なのか」と不安に感じる方は少なくありません。
この記事では、e-Taxを使ってスマホで住宅ローン控除を申請する具体的な手順を、国税庁やデジタル庁の公式情報を元に解説します。
初めての方でも、必要な準備から送信完了まで迷わず進められるようになります。
この記事のポイント
- 住宅ローン控除の初年度は確定申告が必須、2年目以降は年末調整で完結
- e-Taxはマイナンバーカード方式とID・パスワード方式の2つから選べる
- マイナポータル連携を活用すれば、必要情報を自動取得できて入力の手間が省ける
- 2025年1月からはスマホ用電子証明書機能(Android限定)も利用可能
- 申請期限は翌年2月16日〜3月15日、必要書類は事前に揃えておくとスムーズ
スマホ申請の事前準備
e-Taxでスマホ申請を始める前に、以下の2つの申請方法と必要書類を確認しましょう。
マイナンバーカード方式とID・パスワード方式
e-Taxには2つの申請方法があります。
| 方式 | 必要なもの | メリット | 注意点 | 
|---|---|---|---|
| マイナンバーカード方式 | マイナンバーカード、NFC対応スマホ、署名用電子証明書パスワード | マイナポータル連携で自動入力が可能 | 対応機種を事前に確認(国税庁サイトで公開) | 
| ID・パスワード方式 | 税務署で発行されたID・パスワード | カードリーダー不要 | 事前に税務署で本人確認が必要、暫定的な方式 | 
2025年1月からの新機能: Android限定で「スマホ用電子証明書機能」が追加されました。マイナンバーカードの電子証明書をスマホに搭載することで、カードを読み取らなくても申告書の作成・送信が可能になります。事前にマイナポータルアプリで設定が必要です。
必要書類リスト
申請前に以下の書類を揃えておきましょう。
- 年末残高等証明書: 住宅ローンを借りている金融機関が発行(毎年10-12月頃に郵送)
- 登記事項証明書: 法務局で取得、またはオンライン請求も可能
- 請負契約書または売買契約書の写し: 住宅取得時の契約書
- 源泉徴収票: 勤務先から発行(マイナポータル連携で自動取得も可能)
ステップ1:マイナポータル連携で情報を自動取得する
マイナポータル連携を設定すると、確定申告に必要な情報を自動で取得できます。
マイナポータル連携の手順
- 確定申告書等作成コーナーにアクセス
- 「作成開始」→「スマートフォンで申告」を選択
- マイナンバーカードをスマホで読み取り、マイナポータルにログイン
- 「連携する情報を選択」画面で、必要な情報(住宅ローン控除関係情報、控除証明書、社会保険料等)にチェック
- 「連携する」をタップし、情報を自動取得
住宅ローン控除の適用申請書を提出している場合
金融機関に「住宅ローン控除の適用申請書」を事前提出していれば、年末残高情報をマイナポータル経由で電子データとして取得できます。この場合、確定申告書に自動入力されるため、手入力の手間が省けます。
(出典: e-Tax)
ステップ2:確定申告書に必要情報を入力する
マイナポータル連携で自動取得されなかった情報は、手入力で補完します。
入力する主な項目
- 所得情報: 源泉徴収票の内容(給与収入、所得控除額等)
- 住宅ローン控除の詳細:- 住宅の取得年月日
- 住宅の種類(新築、中古、増改築等)
- 借入金残高(年末時点)
- 居住開始年月日
 
- 登記事項証明書・売買契約書の情報: PDF化してアップロード
入力例
| 項目 | 入力内容 | 
|---|---|
| 住宅の取得年月日 | 2024年3月15日 | 
| 居住開始年月日 | 2024年4月1日 | 
| 借入金残高 | 3,500万円 | 
| 住宅の種類 | 新築マンション | 
入力内容は画面上で確認しながら進められるため、初心者でも安心です。
ステップ3:申告書を送信して完了
入力が完了したら、内容を確認して送信します。
送信手順
- 入力内容の最終確認(金額、日付等に誤りがないかチェック)
- マイナンバーカードをスマホで読み取り、電子署名
- 「送信する」をタップし、e-Taxで送信完了
- 受信通知を確認し、控えをPDFで保存
送信後の注意点
- 申請期限: 翌年2月16日〜3月15日
- 2年目以降: 確定申告は不要。税務署から送付される「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」を勤務先に提出し、年末調整で控除を受けます。
(出典: 国税庁)
よくあるエラーと対処法
スマホ申請でよくあるトラブルと対処法をまとめました。
カード読み取りエラー
原因: スマホの位置、カードの置き方が不適切
対処法:
- スマホの背面中央にカードを平行に置く
- 金属製のスマホケースは外す
- 対応機種を国税庁サイトで確認
必要書類の不備
原因: 年末残高証明書や登記事項証明書の用意忘れ
対処法:
- 年末残高証明書は金融機関に再発行を依頼(毎年10-12月頃に郵送)
- 登記事項証明書は法務局窓口またはオンライン請求で取得可能
送信エラー
原因: 通信環境の不安定、ブラウザのキャッシュ
対処法:
- Wi-Fi環境に切り替える
- ブラウザのキャッシュをクリア
- 時間をおいて再度送信を試みる
まとめ:スマホで簡単に住宅ローン控除を申請しよう
e-Taxを使えば、スマホだけで住宅ローン控除の確定申告を完結できます。マイナポータル連携を活用すれば、必要情報を自動取得できるため、初心者でも30分程度で申請可能です。
事前準備として、マイナンバーカード、年末残高証明書、登記事項証明書などの必要書類を揃えておくことが最も重要です。
申請期限(翌年2月16日〜3月15日)を守り、不明点があれば税務署または税理士に相談しながら進めましょう。次のアクションとして、確定申告書等作成コーナーにアクセスして、実際の申請を始めてみてください。
