「ときわマンション」という名称の物件を探す際のポイント
「ときわマンション」という名称で物件を探しているものの、どの物件を指すのか分からず困っている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、「ときわマンション」という名称の由来、全国に複数存在する同名物件の特徴、購入・賃貸時の確認ポイントを解説します。具体的な物件を特定するための判断基準や、エリア特性の見極め方を理解できます。
マンション名の命名規則は不動産公正取引協議会連合会の規約19条で定められており、全国に同名の物件が複数存在する理由も明らかになります。
この記事のポイント
- 「ときわマンション」は全国に複数存在する一般的な名称で、住所・駅名での特定が必須
- マンション名は物件から300m以内の地名・駅名・公園名等を使用可能と規定されている
- 購入・賃貸時は立地(駅距離)と管理費・修繕積立金の確認が最重要
- 築年数が古い物件は大規模修繕計画の状況を事前に確認すべき
- 諸費用は物件価格の5~8%が目安で、引越し・税金を含めると約10%を見込む必要がある
「ときわマンション」とは|名称の由来と特徴
(1) 「ときわマンション」という名称の由来
「ときわ」は日本語の「常盤(ときわ)」に由来し、「永遠に変わらない」「常に栄える」という意味を持つ縁起の良い言葉です。マンション名として使われる場合、安定性や長く住み続けられる住まいというイメージを表現しています。
「マンション」という言葉自体は和製英語で、昭和30年代初めに富裕層向け高級住宅を「豪邸」の意味で使い始めたのが起源です。現在では集合住宅全般を指す一般的な呼称として定着しています。
(2) 同名物件が複数存在する理由(マンション名の命名規則)
全国に「ときわマンション」という同名の物件が複数存在する理由は、マンション名の命名規則にあります。
不動産公正取引協議会連合会の規約19条では、以下のように規定されています。
- 物件から300m以内の地名・駅名・公園名などを使用可能
- 「ときわ」のような一般的な言葉は制限なく使用可能
そのため、各地域で「ときわ」という名称が独立して採用され、結果として全国に同名の物件が多数存在することになります。
(3) 物件を正確に特定する方法(住所・駅名の確認)
「ときわマンション」を正確に特定するには、以下の情報を併せて確認する必要があります。
| 確認項目 | 詳細 | 例 |
|---|---|---|
| 住所 | 市区町村まで特定 | さいたま市浦和区北浦和5丁目 |
| 最寄り駅 | 駅名と徒歩距離 | JR京浜東北線北浦和駅 徒歩10分 |
| 築年数 | 竣工年月 | 1982年3月竣工 |
| 管理会社 | 物件の管理会社名 | 〇〇管理株式会社 |
| デベロッパー | 建設会社名 | 豊栄建設など |
SUUMOやHOME'Sなどのポータルサイトで検索する際は、「ときわマンション + 駅名」または「ときわマンション + 市区町村名」で絞り込むことを推奨します。
主な物件の特徴と事例
(1) 豊栄浦和ときわマンションの事例
「豊栄浦和ときわマンション」は、「ときわマンション」の代表的な事例の一つです。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 竣工年月 | 1982年3月 |
| 階数 | 10階建て |
| 総戸数 | 199戸 |
| 所在地 | さいたま市浦和区北浦和5丁目 |
| 最寄り駅 | JR京浜東北線北浦和駅 徒歩10分 |
| 主な設備 | 1階住戸は専用庭付き、天井高2.4m、ペット飼育可(犬猫1匹まで) |
(情報元: 東急リバブル物件情報)
ファミリー向けの大型マンションで、1980年代築としては標準的な設備を備えています。
(2) その他の「ときわマンション」の事例
全国には以下のような「ときわマンション」が存在します。
- 吹田市のときわマンション: 大阪府吹田市
- 荒川区のときわマンション: 東京都荒川区
- 生野区のときわマンション: 大阪市生野区
- 神戸市のときわマンション: 兵庫県神戸市
家賃は4万円~12.5万円と、立地・築年数により大きく異なります。物件を選ぶ際は、名称だけでなく具体的な立地と設備を確認することが重要です。
(3) 築年数と価格の関係
中古マンションの価格は、築年数によって以下のように推移する傾向があります。
| 築年数 | 価格推移 | 特徴 |
|---|---|---|
| 築0~10年 | 新築価格から緩やかに下落 | 設備が新しく、資産価値が高い |
| 築10~20年 | 下落が加速 | 価格が底値に近づく |
| 築20~30年 | 底値に到達 | 価格が下げ止まり |
| 築30年以上 | 価格が安定 | 資産価値が維持されやすい |
(参考: 中古マンションの買い時は?築年数と相場から考える)
築20年で価格が底値に達し、築30年以上は価格が安定して資産価値が維持されやすい傾向があります。ただし、設備の老朽化やバリアフリー非対応などのリスクがあるため、大規模修繕計画の確認が必須です。
エリア別の特徴と立地のポイント
(1) 立地の重要性(駅距離・資産価値)
マンション購入時に最も重要なのは**立地(駅距離)**です。将来の売却時の資産価値を左右する最大の要因となります。
不動産のプロが選ぶ「中古マンション購入時にチェックするべきポイント」ランキングでは、1位が立地、2位が管理費・修繕積立金となっています。
(参考: アットホーム調査)
駅距離の目安
| 駅距離 | 資産価値への影響 |
|---|---|
| 徒歩5分以内 | 資産価値が非常に高い |
| 徒歩10分以内 | 資産価値が高い |
| 徒歩15分以内 | 標準的な資産価値 |
| 徒歩15分以上 | 資産価値が下がりやすい |
(2) 周辺環境の確認ポイント
物件の周辺環境は、以下の時間帯・曜日で複数回確認することを推奨します。
- 平日の昼間: スーパー・病院・学校などの生活利便施設
- 平日の夜間: 夜道の安全性、騒音の有無
- 休日: 周辺の混雑状況、公園の利用状況
(3) ハザードマップの確認
災害リスクを把握するため、必ず国土交通省のハザードマップポータルサイトで以下を確認してください。
- 洪水リスク: 河川の氾濫による浸水想定
- 土砂災害リスク: 急傾斜地・土石流の危険区域
- 地震リスク: 地盤の液状化リスク
購入・賃貸時の確認事項
(1) 管理費・修繕積立金の確認
マンション購入後の毎月の支出として、以下の費用が発生します。
| 項目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 管理費 | 共用部分の清掃・設備点検などの費用 | 月1~3万円 |
| 修繕積立金 | 将来の大規模修繕に備えて積み立てる費用 | 月1~3万円 |
| 固定資産税 | 毎年支払う税金 | 年10~30万円 |
管理費・修繕積立金は将来変動する可能性があるため、以下を確認してください。
- 過去の値上げ履歴
- 長期修繕計画の内容
- 修繕積立金の残高
(2) 大規模修繕計画の確認
マンションは10~15年周期で大規模修繕を行う必要があります。
大規模修繕の主な工事内容
- 外壁の塗装・タイル補修
- 屋上の防水工事
- 配管の更新
- エレベーターの改修
購入前に以下を確認することを推奨します。
- 直近の大規模修繕の実施時期
- 次回の大規模修繕の予定時期
- 修繕積立金の残高が計画に対して十分か
(3) 諸費用の見積もり(物件価格の5~8%)
中古マンション購入時の諸費用は、物件価格の**5~8%**が目安です。
| 項目 | 内容 | 目安額(3,000万円の物件) |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格の3%+6万円+消費税 | 約105万円 |
| 登記費用 | 所有権移転登記・抵当権設定登記 | 約20~30万円 |
| 不動産取得税 | 固定資産税評価額の3%(軽減措置あり) | 約30~50万円 |
| 火災保険 | 10年一括払い | 約20~30万円 |
| 印紙税 | 売買契約書・住宅ローン契約書 | 約2~3万円 |
引越し費用・税金を含めると、物件価格の**約10%**を見込む必要があります。
まとめ|「ときわマンション」選びの次のアクション
「ときわマンション」という名称は全国に複数存在するため、物件を特定する際は住所・駅名・築年数を併せて確認することが重要です。
マンション購入時は立地(駅距離)が最も重要で、次に管理費・修繕積立金の適正性を確認してください。周辺環境は昼夜・平日休日で確認し、災害リスクはハザードマップで必ず確認しましょう。
築年数が古い物件は価格が安定しやすい一方、設備の老朽化リスクがあるため、大規模修繕計画の確認が必須です。
信頼できる不動産会社や宅地建物取引士に相談しながら、無理のない資金計画を立てましょう。
