三井住友銀行の住宅ローン|金利・審査・特徴を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/17

三井住友銀行の住宅ローンとは

住宅ローンの借入先を検討する際、「メガバンクと信託銀行、どちらがいいのか」「金利や審査基準はどう違うのか」と悩む方は少なくありません。

この記事では、三井住友銀行の住宅ローンの特徴、金利タイプと水準、審査基準と申込の流れ、住宅ローン控除の最新情報を解説します。三井住友銀行の公式サイト国土交通省の公式情報を元に、他の金融機関との比較も紹介します。

初めて住宅ローンを検討する方でも、自分に合った借入先を選べるようになります。

この記事のポイント

  • 三井住友銀行はクロスサポート(夫婦どちらかの死亡時にローン残高ゼロ)や自然災害補償(全壊時に50%免除)などの独自サービスを提供
  • 三井住友銀行と三井住友信託銀行は別組織で、商品内容が異なる(信託銀行は40年返済・150%借入が可能)
  • 金利タイプは変動金利型・固定金利特約型・超長期固定金利型の3種類で、毎月見直される
  • 審査期間は事前審査が数日~1週間、本審査が1~4週間で、審査中の転職・新規借入は厳禁
  • 2024年1月以降の新築住宅は省エネ基準適合が必須となり、住宅ローン控除が受けられない場合がある

(1) 三井住友銀行と三井住友信託銀行の違い

三井住友銀行と三井住友信託銀行は名前が似ていますが、別組織で商品内容が異なります。

三井住友銀行は一般的な銀行業務を行い、住宅ローンではクロスサポート(夫婦どちらかの死亡時にローン残高ゼロ)や自然災害補償(地震・台風等で全壊時に50%免除)などの特約を提供しています。

三井住友信託銀行は信託業務を行い、三井住友信託銀行の公式サイトによると、最長40年返済、住宅購入価格の150%まで借入可能(リフォーム費用含む)、ジュニアサポ(子供の誕生・6歳・15歳時に各1年間0.1%金利優遇)などの柔軟な商品設計が特徴です。

項目 三井住友銀行 三井住友信託銀行
返済期間 最長35年 最長40年
借入限度額 物件価格の100% 物件価格の150%(リフォーム費用含む)
独自サービス クロスサポート、自然災害補償 ジュニアサポ、40年返済

三井住友銀行住宅ローンの特徴と独自サービス

(1) クロスサポート(夫婦どちらかの死亡時にローン残高ゼロ)

三井住友銀行の公式サイトによると、クロスサポートは夫婦どちらかが死亡・高度障害時にローン残高がゼロになる特約です(金利+0.18%)。

通常の団体信用生命保険(団信)は、主債務者が死亡した場合にのみローン残高がゼロになります。しかし、夫婦共働きで両方が債務者の場合、片方が死亡しても残った債務者がローンを返済し続ける必要があります。

クロスサポートを付けると、夫婦どちらかが死亡した時点でローン残高がゼロになるため、残された家族の負担を大幅に軽減できます。

(2) 自然災害補償(地震・台風等で全壊時に50%免除)

自然災害補償は、地震・台風等で住宅が全壊した場合、ローン残高の50%が免除される特約です(金利+0.5%)。

日本は地震・台風などの自然災害が多い国です。住宅が全壊した場合でも、住宅ローンの返済義務は残ります。自然災害補償を付けることで、ローン残高の半分が免除され、経済的な負担を軽減できます。

(3) 三井住友信託銀行のジュニアサポ(子育て世帯向け金利優遇)

三井住友信託銀行の公式サイトによると、ジュニアサポは子供の誕生・6歳・15歳時に各1年間0.1%金利優遇される子育て世帯向けのサービスです。

例えば、子供が誕生した年、6歳になった年、15歳になった年の3回、それぞれ1年間0.1%金利が下がります。子育て世帯にとって、経済的な負担を軽減できるメリットがあります。

(4) 40年返済・150%借入の柔軟性(三井住友信託銀行)

三井住友信託銀行は、最長40年返済、住宅購入価格の150%まで借入可能です。

40年返済にすることで、毎月の返済額を抑えられます。また、150%借入はリフォーム費用や諸費用を含めて借入できるため、自己資金が少ない場合でも対応できます。

ただし、返済期間が長くなると総返済額が増えるため、無理のない返済計画を立てることが重要です。

金利タイプと水準

(1) 変動金利型

変動金利型は、市場金利の変動に応じて適用金利が変わるタイプです。三井住友銀行の公式サイトによると、固定金利型より金利が低い傾向にあります。

金利は年2回(4月・10月)見直されますが、返済額は5年ごとに変更されます。金利が上昇した場合でも、返済額の増加幅は前回の1.25倍までに制限されます。

(2) 固定金利特約型

固定金利特約型は、一定期間(3年、5年、10年など)金利を固定するタイプです。期間終了後に変動金利か固定金利を選択できます。

固定期間中は金利が変わらないため、返済計画を立てやすいメリットがあります。一方、変動金利型より金利が高く設定されます。

(3) 超長期固定金利型

超長期固定金利型は、借入期間全体にわたって金利を固定するタイプです。金利上昇リスクを完全に回避できますが、変動金利型・固定金利特約型より金利が高く設定されます。

将来の金利上昇を懸念する方、返済額を確定させたい方に適しています。

(4) 2025年4月の金利動向

2025年4月、三井住友銀行が住宅ローン変動金利を0.25%引き上げました。金融政策の変更により、今後も金利が上昇する可能性があります。

金利は毎月見直しされ、借入実行日時点の金利が適用されます。申込時の金利とは異なる場合があるため、最新情報は三井住友銀行の公式サイトでご確認ください。

審査基準と申込の流れ

(1) 審査期間(事前審査:数日~1週間、本審査:1~4週間)

三井住友銀行の公式サイトによると、事前審査は最大1週間、本審査は2-3週間かかります。

事前審査は仮審査で、基本的な条件(年収、勤続年数、返済負担率等)を確認します。本審査では正式書類を提出し、最終的な審査結果が出ます。

余裕を持って申込みを行い、物件の引き渡し時期に間に合うようにスケジュールを調整してください。

(2) 審査基準(年収・勤続年数・返済負担率30-35%)

一般的な審査基準は以下の通りです。

  • 年収: 最低年収の基準(300-400万円が目安、金融機関により異なる)
  • 勤続年数: 三井住友銀行は勤続年数を必須条件とせず、3年未満でも所定の書類提出で申込可能
  • 返済負担率: 年収に占める年間返済額の割合、一般的に30-35%が目安
  • 審査金利: 三井住友銀行は4.0%で計算、実際の適用金利より高く設定

例えば、年収500万円の場合、返済負担率35%とすると、年間返済額は175万円(月14.6万円)が上限です。審査金利4.0%で計算すると、借入可能額は約3,500万円となります。

(3) 団体信用生命保険(団信)の加入要件

団体信用生命保険(団信)は、住宅ローン契約者が死亡・高度障害時にローン残高がゼロになる保険です。ほとんどの金融機関で加入が必須条件となっています。

団信に加入するには健康状態の告知が必要で、健康状態により加入できず審査が通らない場合があります。持病や治療歴がある場合、ワイド団信(引受基準緩和型団信)の検討も必要です。

(4) 審査時の注意点(転職・借入禁止)

三井住友銀行の公式サイトによると、審査時には以下の点に注意が必要です。

  • 審査中の転職は厳禁: 転職すると勤続年数がリセットされ、審査に悪影響を及ぼす
  • 審査中の新規借入は厳禁: 返済負担率が上昇し、審査に悪影響を及ぼす
  • 申告内容の一貫性: 事前審査と本審査の申告内容に違いがあると、本審査で否決される可能性がある

事前審査通過でも本審査で否決される可能性があるため、審査中は慎重に行動してください。

住宅ローン控除と2024年以降の変更点

(1) 住宅ローン控除の仕組み

住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、住宅ローンを利用して住宅を購入・建築した場合、所得税・住民税から控除を受けられる制度です。

国土交通省によると、控除率は年末ローン残高の0.7%、控除期間は新築住宅で13年、中古住宅で10年です。

(2) 2024年以降の変更点(省エネ基準適合必須)

2024年1月以降の建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準適合が必須となりました。省エネ基準不適合の新築住宅は住宅ローン控除が受けられません。

省エネ基準適合住宅とは、断熱性能や一次エネルギー消費量が一定基準を満たす住宅です。建築前に設計士や住宅会社に確認してください。

(3) 借入限度額の減額(子育て世帯・若夫婦世帯除く)

2024年入居分から、子育て世帯・若夫婦世帯以外は借入限度額が5-30万円減額されています。

国税庁の公式サイトで最新の控除額・借入限度額をご確認ください。税制は改正される可能性があるため、執筆時点(2025年)の情報として参考にしてください。

まとめ:三井住友銀行住宅ローンの選択ポイント

三井住友銀行の住宅ローンは、クロスサポートや自然災害補償などの独自サービスが特徴です。三井住友信託銀行は40年返済・150%借入・ジュニアサポなどの柔軟な商品設計を提供しています。

審査期間は事前審査が数日~1週間、本審査が1~4週間で、審査中の転職・新規借入は厳禁です。また、2024年1月以降の新築住宅は省エネ基準適合が必須となり、住宅ローン控除が受けられない場合があります。

金利タイプ、団信の内容、諸費用を比較し、ファイナンシャルプランナーや銀行担当者に相談しながら、無理のない返済計画を立てましょう。

よくある質問

Q1三井住友銀行と三井住友信託銀行の住宅ローンの違いは何ですか?

A1銀行・信託銀行で別組織であり、商品内容が異なります。三井住友銀行はクロスサポート(夫婦どちらかの死亡時にローン残高ゼロ)や自然災害補償(地震・台風等で全壊時に50%免除)が特徴です。三井住友信託銀行は40年返済が可能で、住宅購入価格の150%まで借入可能(リフォーム費用含む)、ジュニアサポ(子供の誕生・6歳・15歳時に各1年間0.1%金利優遇)などの柔軟な商品設計が特徴です。

Q2クロスサポートとは何ですか?

A2夫婦どちらかが死亡・高度障害時にローン残高がゼロになる三井住友銀行の特約です(金利+0.18%)。通常の団体信用生命保険は主債務者が死亡した場合のみですが、クロスサポートは夫婦どちらかが死亡した時点でローン残高がゼロになります。夫婦共働きで両方が債務者の場合に有用です。

Q3住宅ローンの審査期間はどのくらいですか?

A3事前審査は数日~1週間、本審査は1~4週間かかります。事前審査は仮審査で、基本的な条件(年収、勤続年数、返済負担率等)を確認します。本審査では正式書類を提出し、最終的な審査結果が出ます。物件の引き渡し時期に間に合うよう、余裕を持って申込みを行ってください。

Q42024年以降の住宅ローン控除の変更点は何ですか?

A42024年1月以降の建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準適合が必須となりました。省エネ基準不適合の新築住宅は住宅ローン控除が受けられません。また、子育て世帯・若夫婦世帯以外は借入限度額が5-30万円減額されています。最新情報は国土交通省や国税庁の公式サイトでご確認ください。

Q5審査時に注意すべきことは何ですか?

A5審査中の転職・新規借入は厳禁です。転職すると勤続年数がリセットされ、審査に悪影響を及ぼします。また、事前審査と本審査の申告内容に違いがあると重大な問題と見なされ、本審査で否決される可能性があります。団体信用生命保険(団信)への加入が必須条件で、健康状態により加入できず審査が通らない場合もあります。

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Room Match編集部

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