不動産買取とは?仲介との違いとメリット・デメリットを徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/2

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不動産買取とは何か?なぜ注目されるのか

不動産を売却する方法には、大きく分けて「仲介」と「買取」の2種類があります。仲介が一般的ですが、近年では「買取」を選ぶ方が増えています。相続した物件や築古物件を早く現金化したい、周囲に売却を知られたくないといったニーズに応えるため、買取が注目されています。

この記事では、不動産買取の仕組み、仲介との違い、メリット・デメリット、買取価格の相場、そして買取・仲介の使い分け方を解説します。不動産売却を検討している方が、自分に合った売却方法を正しく選べるようになります。

この記事のポイント

  • 買取は不動産会社が直接買主となり、最短数日〜1ヶ月で現金化可能
  • 買取価格は仲介価格の70-80%が相場(例:仲介5000万円なら買取3500万〜4000万円)
  • 仲介手数料不要、契約不適合責任免除、プライバシー保護がメリット
  • 急いで売りたい、訳あり物件、周囲に知られたくない場合は買取が向いている
  • 複数社(3社以上)に査定依頼することで、高額買取を実現できる

(1) 不動産買取の仕組み

不動産買取とは、不動産会社が直接買主となり、売主から物件を購入する売却方法です。仲介のように買主を探す必要がないため、早期売却が可能です。

買取の流れ:

  1. 査定依頼: 買取業者に査定を依頼
  2. 現地調査: 業者が物件を調査
  3. 買取価格提示: 業者が買取価格を提示
  4. 契約: 売買契約を締結
  5. 決済: 代金決済・物件引き渡し

最短で数日〜1ヶ月程度で完了し、仲介の3〜6ヶ月と比べて大幅に早い点が特徴です。

(2) 買取が注目される背景(相続物件、築古物件の増加)

買取が注目される背景には、以下の社会的要因があります。

  • 相続物件の増加: 高齢化により相続物件が増加し、早期現金化のニーズが高まっている
  • 築古物件の増加: 築30年以上の物件が増加し、仲介では買主が見つかりにくい
  • 多様な売却ニーズ: 離婚・転勤・資金繰り等、急ぎの売却ニーズが増加
  • プライバシー志向: 周囲に売却を知られたくない方が増えている

こうした背景から、買取は「早く」「確実に」「静かに」売却したい方の選択肢として定着しています。

買取と仲介の違い(買主・期間・価格・手数料)

(1) 買主の違い(不動産会社 vs 個人)

買取と仲介の最大の違いは、買主が誰かという点です。

項目 買取 仲介
買主 不動産会社 個人(エンドユーザー)
売買形態 直接取引 不動産会社が仲介
契約相手 不動産会社 個人(買主)

買取では不動産会社が直接買主となるため、買主を探す必要がなく、確実に売却できます。仲介では不動産会社が買主を探し、売主と買主の間を仲介します。

(2) 売却期間の違い(最短2週間 vs 3-6ヶ月)

売却にかかる期間も大きく異なります。

項目 買取 仲介
売却期間 最短数日〜1ヶ月 3〜6ヶ月(平均)
買主探し 不要 必要
内覧対応 原則不要 何度も対応が必要

買取は不動産会社が直接買主となるため、買主を探す時間が不要です。仲介は買主を探すため、広告活動・内覧対応が必要で、売却まで時間がかかります。

(3) 売却価格の違い(仲介の70-80% vs 市場価格)

価格面では、買取は仲介より低くなります。

項目 買取 仲介
売却価格 仲介価格の70-80% 市場価格(100%)
価格例(仲介5000万円の場合) 3500万〜4000万円 5000万円
価格差 1000万〜1500万円安い -

買取価格が低い理由は、不動産会社の利益(約10%)とリフォーム費用(約10%)が差し引かれるためです。詳細は後述します。

(4) 仲介手数料の有無

仲介手数料の有無も重要な違いです。

項目 買取 仲介
仲介手数料 不要 必要
手数料の計算式 - (売却価格×3%+6万円)+消費税
手数料例(5000万円の場合) 0円 約171万円

買取では不動産会社が直接買主となるため、仲介手数料が不要です。仲介では仲介手数料が発生し、売却価格の約3%+6万円+消費税がかかります。

不動産買取のメリット

(1) 早期現金化(最短数日〜1ヶ月)

買取の最大のメリットは、早期現金化が可能な点です。

メリット:

  • 最短で数日〜1週間、通常1ヶ月以内に現金化可能
  • 仲介のように買主を探す時間が不要
  • 資金繰りが急ぐ場合に有効

向いているケース:

  • 相続税の納税期限が迫っている
  • 離婚・転勤等で早く売却したい
  • 住宅ローンの返済に困っている

(2) 仲介手数料が不要

買取では仲介手数料がかからないため、売却費用を抑えられます。

項目 買取 仲介
仲介手数料 0円 約171万円(5000万円の場合)
その他費用 登記費用、印紙代のみ 登記費用、印紙代、仲介手数料

仲介では仲介手数料が高額になるため、買取では手元に残る金額が増える場合があります。

(3) 契約不適合責任の免除

買取では、契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)が免除されることが一般的です。

契約不適合責任とは:

  • 売却後に物件の欠陥(雨漏り、シロアリ被害等)が見つかった場合の売主の責任
  • 仲介では売主が責任を負う(修繕費用の負担、損害賠償、契約解除等)
  • 買取では不動産会社が責任を負うため、売主は免責される

メリット:

  • 売却後のトラブルリスクがない
  • 築古物件や訳あり物件でも安心して売却できる
  • 修繕費用を負担する必要がない

(4) プライバシー保護(周囲に知られない)

買取では、周囲に売却を知られずに売却できます。

仲介の場合:

  • 不動産ポータルサイトに物件情報を掲載
  • チラシ・看板等で広告活動
  • 内覧対応で何度も人が訪れる

買取の場合:

  • 広告活動は原則不要
  • 内覧対応は不動産会社のみ
  • 近隣に知られずに売却可能

向いているケース:

  • 離婚・相続等のデリケートな事情
  • 近隣に知られたくない
  • 静かに売却したい

不動産買取のデメリットと注意点

(1) 売却価格が低い(仲介の70-80%)

買取の最大のデメリットは、売却価格が仲介より低い点です。

仲介価格 買取価格(70-80%) 価格差
5000万円 3500万〜4000万円 1000万〜1500万円
3000万円 2100万〜2400万円 600万〜900万円
2000万円 1400万〜1600万円 400万〜600万円

価格差が大きいため、急ぎでない場合は仲介も検討することをおすすめします。

(2) 対応業者が少ない

買取に対応する業者は、仲介に対応する業者より少ない傾向があります。

理由:

  • 買取は不動産会社が自己資金で物件を購入するため、資金力が必要
  • リフォーム・再販のノウハウが必要
  • リスクを取れる業者が限られる

対策:

  • 複数の買取業者を探す
  • 一括査定サイトを活用する
  • 大手不動産会社も検討する(買取部門を持つ会社が増えている)

(3) 買取不可の物件がある

すべての物件が買取対象になるわけではありません。

買取不可になりやすい物件:

  • 再建築不可の物件(建築基準法に適合しない)
  • 接道義務を満たさない物件(道路に接していない)
  • 違法建築物件(確認申請なし、建ぺい率・容積率オーバー等)
  • 極端に立地が悪い物件(再販の見込みがない)

買取業者に査定を依頼し、買取可能かどうか確認することが重要です。

(4) 業者により査定額が大きく異なる

買取業者により、査定額が大きく異なる場合があります。

理由:

  • 業者の得意分野が異なる(マンション、戸建て、土地等)
  • リフォーム費用の見積もりが異なる
  • 再販価格の見通しが異なる

対策:

  • 必ず複数社(3社以上)に査定依頼する
  • 査定額だけでなく、契約条件・実績・口コミも確認する
  • 宅建業免許を持つ業者を選ぶ

買取価格の相場と高額買取のコツ

(1) 買取価格の相場(仲介価格の70-80%)

買取価格の相場は、仲介価格の70-80%が一般的です。

物件タイプ 買取価格の相場
マンション 仲介価格の70-80%
戸建て 仲介価格の70-80%
土地 仲介価格の70-80%
築古物件 仲介価格の60-70%(リフォーム費用が高い)

築年数が古い物件や状態が悪い物件は、リフォーム費用が高額になるため、買取価格が低くなる傾向があります。

(2) 買取価格が低い理由(利益とリフォーム費用)

買取価格が仲介価格の70-80%になる理由は、不動産会社の利益とリフォーム費用が差し引かれるためです。

価格の内訳(仲介価格5000万円の場合):

  • 仲介価格: 5000万円(100%)
  • 不動産会社の利益: 500万円(約10%)
  • リフォーム費用: 500万円(約10%)
  • 再販時の諸費用: 500万円(約10%)
  • 買取価格: 3500万円(70%)

不動産会社は買い取った物件をリフォーム・リノベーションして再販売するため、これらの費用を差し引いた価格で買取ります。

(3) 高額買取のコツ(複数社査定、買取保証の活用)

高額買取を実現するためのコツは以下の通りです。

1. 複数社(3社以上)に査定依頼する

  • 業者により査定額が異なるため、必ず比較する
  • 一括査定サイトを活用すると効率的

2. 買取保証を活用する

  • 一定期間(3〜6ヶ月)仲介で売却を試み、売れなければ事前に決めた価格で買取る方法
  • 仲介で高値売却を狙いつつ、売れなければ買取で確実に売却できる

3. 物件の状態を整える

  • 清掃・整理整頓で第一印象を良くする
  • 軽微な修繕(壁紙の張替え、水回りの清掃等)は効果的

4. 築年数・立地の良い物件は高額買取になりやすい

  • 築浅物件、駅近物件は再販しやすいため、高額買取になる

(4) 買取価格の調べ方

買取価格の目安を調べる方法は以下の通りです。

1. 仲介価格を調べる

  • 不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME'S等)で類似物件の価格を確認
  • その価格の70-80%が買取価格の目安

2. 一括査定サイトで査定依頼

  • 複数の買取業者に一括で査定依頼できる
  • 無料で利用可能

3. 不動産会社に直接査定依頼

  • 大手不動産会社は買取部門を持つ場合が多い
  • 地域密着型の買取専門業者も検討

まとめ:買取・仲介の使い分けガイド

不動産買取は、仲介価格の70-80%の価格で、最短数日〜1ヶ月で現金化できる売却方法です。早期売却、仲介手数料不要、契約不適合責任免除、プライバシー保護がメリットですが、価格が低い点がデメリットです。

(1) 買取が向いているケース

こんな方に買取がおすすめ:

  • 急いで売りたい: 相続税の納税期限、離婚・転勤等で早期売却が必要
  • 訳あり物件: 築古物件、相続物件、再建築不可物件等、仲介では買主が見つかりにくい
  • 周囲に知られたくない: 広告活動をせず、静かに売却したい
  • 売却後のトラブルを避けたい: 契約不適合責任を負いたくない
  • 仲介手数料を節約したい: 手元に残る金額を増やしたい

(2) 仲介が向いているケース

こんな方に仲介がおすすめ:

  • 高値で売りたい: 時間をかけてでも市場価格で売却したい
  • 売却を急いでいない: 3〜6ヶ月程度の売却期間を許容できる
  • 物件の状態が良い: 築浅、駅近、人気エリア等、買主が見つかりやすい
  • 広告活動に協力できる: 内覧対応、広告掲載に協力できる

(3) 買取保証という選択肢

買取と仲介のどちらを選ぶか迷う場合は、「買取保証」という選択肢もあります。

買取保証の流れ:

  1. 一定期間(3〜6ヶ月)仲介で売却を試みる
  2. 売れなければ、事前に決めた価格で不動産会社が買取る
  3. 高値売却を狙いつつ、確実に売却できる

メリット:

  • 仲介で高値売却のチャンスを逃さない
  • 売れなければ買取で確実に売却できる
  • 売却期限を明確にできる

向いているケース:

  • 高値で売りたいが、売却期限がある
  • 仲介で売れるか不安
  • 両方のメリットを享受したい

不動産買取は、状況によっては非常に有効な売却方法です。買取価格は仲介より低いですが、早期売却・確実性・手間の少なさを重視する方には最適です。複数社(3社以上)に査定依頼し、契約条件・実績・口コミを総合的に判断しながら、信頼できる買取業者を見つけましょう。買取か仲介か迷う場合は、買取保証という選択肢も検討してみてください。

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よくある質問

Q1買取価格の相場はどれくらいですか?

A1買取価格の相場は、仲介価格の70-80%が一般的です。例えば、仲介価格が5000万円の物件であれば、買取価格は3500万〜4000万円程度になります。買取価格が低い理由は、不動産会社の利益(約10%)とリフォーム費用(約10%)が差し引かれるためです。築年数が古い物件や状態が悪い物件は、リフォーム費用が高額になるため、買取価格が60-70%程度になる場合もあります。

Q2買取の流れはどうなっていますか?

A2買取の流れは、①査定依頼、②現地調査、③買取価格提示、④契約、⑤決済という順序で進みます。最短で数日〜1ヶ月程度で完了し、仲介の3〜6ヶ月と比べて大幅に早いのが特徴です。不動産会社が直接買主となるため、買主を探す必要がなく、早期売却が可能です。ただし、業者により対応スピードが異なるため、複数社に査定依頼することをおすすめします。

Q3即金で売却できますか?

A3業者により異なりますが、最短で数日〜1週間程度で現金化可能です。即金対応を謳う買取業者も存在しますが、即金対応には条件がある場合があります(物件の権利関係がシンプル、必要書類が揃っている等)。即金対応の可否・条件は業者により異なるため、複数社に確認し、契約条件を比較することをおすすめします。

Q4買取業者はどうやって選べばいいですか?

A4買取業者を選ぶ際は、必ず複数社(3社以上)に査定依頼し、査定額だけでなく、契約条件・実績・口コミを総合的に判断してください。宅地建物取引業免許を持つ業者を選ぶことも重要です。一括査定サイトを活用すると効率的に複数社に査定依頼できます。また、大手不動産会社の買取部門や、地域密着型の買取専門業者も検討することをおすすめします。

Q5買取と仲介はどう使い分ければいいですか?

A5急いで売りたい、訳あり物件、周囲に知られたくない場合は買取が向いています。時間をかけてでも高値で売りたい場合は仲介が向いています。また、両方のメリットを享受したい場合は「買取保証」という選択肢もあります。買取保証は、一定期間(3〜6ヶ月)仲介で売却を試み、売れなければ事前に決めた価格で不動産会社が買取る方法です。状況に応じて最適な方法を選びましょう。

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Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

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