マンション売却で失敗する人の共通点と背景
マンション売却を検討する際、「失敗して後悔したくない」と不安に感じる方は少なくありません。
この記事では、マンション売却でよくある失敗事例、失敗を避けるための具体的な対策、成功のポイントを、不動産会社や経験者の体験談を元に解説します。
失敗事例から学び、後悔しないマンション売却を実現できるようになります。
この記事のポイント
- 売却経験者の27.6%が後悔しており、市場価格未調査(33.9%)、諸費用未調査(31.2%)が失敗理由のトップ
- 高い査定額だけで不動産会社を選ぶと、後で大幅な値下げを迫られる可能性(釣り査定のリスク)
- 売り急ぎで相場より安く売却すると、数百万円単位の損失になる
- 売却後に譲渡所得税・契約不適合責任により想定外の費用がかかる可能性がある
- 対策:複数社(4-6社)に査定依頼、市場価格を自分で調査、余裕のあるスケジュール(6ヶ月)確保
(1) 売却経験者の27.6%が後悔している実態(2025年調査)
2025年の調査によると、マンション売却経験者の72.4%は売却に満足していますが、27.6%は後悔しています。
後悔した理由のトップは「市場価格を調べなかった」(33.9%)、次いで「諸費用を調べなかった」(31.2%)です。
これらの失敗は、事前準備と情報収集により避けることができます。
(2) 失敗の主な理由(市場価格未調査33.9%、諸費用未調査31.2%)
失敗の主な理由は以下の通りです。
| 失敗の理由 | 割合 |
|---|---|
| 市場価格を調べなかった | 33.9% |
| 諸費用を調べなかった | 31.2% |
| 不動産会社選びのミス | 25.4% |
| スケジュール不足 | 22.1% |
これらの失敗は、複数社への査定依頼、市場価格の自主調査、余裕のあるスケジュール確保により回避できます。
(3) 失敗事例から学ぶ重要性
失敗事例を学ぶことで、同じ過ちを避け、成功率を高めることができます。
以下では、売却前・売却中・売却後の各段階で起こりやすい失敗事例と対策を解説します。
売却前の失敗事例:不動産会社選びのミス
不動産会社選びのミスは、マンション売却で最も多い失敗の一つです。
(1) 高い査定額だけで不動産会社を選ぶ失敗(釣り査定のリスク)
HOMESによると、高い査定額だけで不動産会社を選ぶと、後で大幅な値下げを迫られる可能性があります。
これは「釣り査定」と呼ばれ、媒介契約を取るために相場より高い査定額を提示する行為です。
実際には、高い査定額で売り出しても買い手が付かず、数ヶ月後に相場以下の価格まで値下げを迫られるケースがあります。
(2) 1社のみに査定依頼して適正価格が分からない失敗
1社のみに査定を依頼すると、適正価格が分からず、失敗リスクが高まります。
査定額は不動産会社により数百万円の差が出ることがあり、複数社の査定を比較しないと、相場より大幅に安く売却してしまう可能性があります。
(3) 両手仲介による利益相反のリスク
両手仲介とは、1つの不動産会社が売主と買主の両方を仲介することです。
両手仲介では、不動産会社が売主・買主双方から仲介手数料を受け取るため、売主の利益が優先されない可能性があります。
例えば、より高い価格で購入したい他の買主がいるにもかかわらず、早く契約を成立させるため、安い価格で契約を進められるケースがあります。
(4) 対策:複数社(4-6社)に査定依頼し、根拠と販売戦略を確認
対策として、以下を推奨します。
- 複数社(4-6社)に査定依頼:査定額を比較し、適正価格を把握する
- 査定の根拠を確認:「なぜこの査定額なのか」を明確に説明してもらう
- 販売戦略を確認:どのように買主を募集するのかを聞く
- REINS登録を確認:広く買主を募集してもらうため、REINS(不動産流通標準情報システム)への登録を依頼する
売却中の失敗事例:価格設定と売り急ぎの失敗
売却中の失敗で最も多いのは、価格設定と売り急ぎのミスです。
(1) 相場より高すぎる価格設定で売れ残る失敗
相場より高すぎる価格設定をすると、買い手が付かず、売れ残ります。
イエウールによると、売れ残ると「売れない物件」というイメージが付き、値下げしても買い手が見つかりにくくなる悪循環に陥ります。
(2) 売り急ぎで相場より安く売却する失敗(数百万円の損失)
転勤・離婚・相続等でスケジュールに余裕がなく、売り急ぐと、相場より安く売却してしまう可能性があります。
3,000万円が相場の物件を2,700万円で売却すると、300万円の損失になります。
売却スケジュールは余裕を持って6ヶ月程度確保することを推奨します。
(3) 市場価格を自分で調べずに価格設定する失敗
不動産会社の査定額だけを信じ、自分で市場価格を調べないと、適正価格が分からず、失敗リスクが高まります。
REINS(レインズ)やSUUMOで、同じエリア・築年数・間取りの物件の売却価格を調べることができます。
(4) 対策:REINS・SUUMOで市場価格を確認、余裕のあるスケジュール(6ヶ月)
対策として、以下を推奨します。
- REINS・SUUMOで市場価格を確認:同じエリア・築年数・間取りの物件の売却価格を調べる
- 売却スケジュールは6ヶ月程度確保:売り急ぎを避ける
- 内覧対応を丁寧に行う:清掃・整理整頓を徹底し、買い手に良い印象を与える
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売却後の失敗事例:税金・契約不適合責任のトラブル
売却後にも、想定外の費用やトラブルが発生する可能性があります。
(1) 譲渡所得税・住民税を事前試算せず想定外の負担
URILABOによると、売却後に譲渡所得税・住民税が想定外に高額で、資金計画が崩れるケースがあります。
譲渡所得税は、売却益(売却価格-購入価格-諸費用)に対して課税されます。
所有期間5年以下の短期譲渡所得の場合、税率は約39%(所得税30%+住民税9%)と高額になります。
(2) 契約不適合責任による修繕費請求のトラブル
契約不適合責任とは、売却後に物件の不具合が見つかった場合、売主が負う修繕や損害賠償の責任です(2020年民法改正で瑕疵担保責任から変更)。
例えば、引き渡し後に雨漏りや給排水設備の不良が見つかり、修繕費を請求されるケースがあります。
契約不適合責任の範囲と期間は契約書で明確にし、売却前にインスペクション(建物状況調査)を受けることを推奨します。
(3) オーバーローン(残債>売却価格)で売却できない失敗
オーバーローンとは、住宅ローン残債が売却価格を上回る状態です。
売却してもローンを完済できないため、抵当権を抹消できず、売却が成立しません。
オーバーローンの場合は、自己資金で差額を補填するか、任意売却を検討する必要があります。
(4) 対策:税金の事前試算、契約不適合責任の範囲明確化、ローン残債確認
対策として、以下を推奨します。
- 譲渡所得税を事前試算:税理士に相談し、売却後の税負担を把握する
- 契約不適合責任の範囲を明確化:契約書で責任範囲と期間を明記する
- インスペクション(建物状況調査)を受ける:売却前に物件の状態を把握し、買主に開示する
- 住宅ローン残債を確認:売却価格でローンを完済できるか事前に確認する
失敗を避けるための具体的な対策と成功のポイント
マンション売却を成功させるための対策を、段階別にまとめます。
(1) 売却前:複数社査定・市場価格調査・ローン残債確認
- 複数社(4-6社)に査定依頼:査定額だけでなく、根拠と販売戦略も確認
- 市場価格を自分で調査:REINS・SUUMOで同エリアの売却価格を調べる
- 住宅ローン残債を確認:オーバーローンの場合は対策を立てる
(2) 売却中:適正価格設定・売り急ぎ回避・内覧対応の工夫
- 適正価格で売り出す:相場を基に、高すぎず安すぎない価格設定
- 売却スケジュールは6ヶ月程度確保:売り急ぎを避ける
- 内覧対応を丁寧に行う:清掃・整理整頓を徹底、買い手の質問に誠実に答える
(3) 売却後:税金の事前試算・契約不適合責任の明確化
- 譲渡所得税を事前試算:税理士に相談し、売却後の税負担を把握
- 契約不適合責任の範囲を明確化:契約書で責任範囲と期間を明記
- インスペクションを受ける:売却前に物件の状態を把握し、買主に開示
(4) 専門家(宅建士・税理士)への相談タイミング
以下のタイミングで専門家に相談することを推奨します。
- 売却前:宅建士に相談し、市場価格や販売戦略を確認
- 売却中:契約書の内容を宅建士に確認してもらう
- 売却後:税理士に相談し、譲渡所得税を正確に試算する
まとめ:マンション売却を成功させる判断基準
マンション売却でよくある失敗は、価格設定のミス、不動産会社選びの失敗、スケジュール不足です。売却経験者の27.6%が後悔しており、市場価格を調べなかった(33.9%)、諸費用を調べなかった(31.2%)が失敗理由のトップです。
高い査定額だけで不動産会社を選ぶと、後で大幅な値下げを迫られる可能性(釣り査定)があります。複数社(4-6社)に査定を依頼し、査定の根拠と販売戦略を確認してください。
売り急ぎで相場より安く売却すると、数百万円単位の損失になります。売却スケジュールは6ヶ月程度確保し、REINS・SUUMOで市場価格を自分で調査することが重要です。
売却後には、譲渡所得税や契約不適合責任により想定外の費用がかかる可能性があります。事前に税金を試算し、契約不適合責任の範囲を明確化してください。専門家(宅建士・税理士)に相談しながら、後悔しないマンション売却を実現しましょう。
