マンション売却で失敗する人の割合と原因
マンション売却を検討する際、「失敗したらどうしよう」「後悔しない売却方法は?」と不安に感じる方は多いでしょう。実は、マンション売却では3人に1人が失敗しており、不動産会社選びで過半数の57%が後悔しているという統計があります。
本記事の要点
- マンション売却は3人に1人が失敗、不動産会社選びで57%が後悔している
- よくある失敗:査定額だけで不動産会社を選ぶ、1社のみに査定依頼、売出価格が高すぎる、売り急ぎ
- 不動産会社選びのポイント:複数社(4〜6社)に査定依頼、査定根拠を確認、実績と対応の早さをチェック
- 売却期間は半年を見込む、ベストタイミングは春(3月前後)や秋(9月前後)
- 売却後の税金は売却益の約20%、諸費用を含めて手元に残る金額を事前計算
3人に1人が失敗している現状
マンション売却において、3人に1人が何らかの失敗を経験しているというデータがあります。これは、不動産取引が複雑で専門的な知識を必要とするためです。
よくある失敗のパターン:
- 相場より安く売ってしまった
- 売却期間が長引き、値下げを余儀なくされた
- 売却後に想定外の税金・諸費用が発生した
- 不動産会社選びで失敗し、売却活動が進まなかった
不動産会社選びで57%が後悔
特に注目すべきは、不動産会社選びで過半数の57%が後悔しているという事実です。不動産会社選びはマンション売却の成否を大きく左右します。
後悔の理由:
- 査定額だけで選び、実際には売れなかった
- 担当者の対応が遅く、売却活動が進まなかった
- 売却活動が不十分で、内覧希望者が少なかった
- 売却のプロセスや費用について十分な説明がなかった
失敗の主な原因(売り急ぎ・査定額のみで判断・スケジュール不足)
マンション売却の失敗には、以下の3つの主な原因があります:
1. 売り急ぎ
スケジュールに余裕がない状態(3ヶ月未満)で売却を進めると、相場より安く売る結果につながります。買主側に「急いでいる」と察知されると、価格交渉で不利になります。
2. 査定額のみで判断
不動産会社によっては、契約を取るためにわざと高い査定価格を提示する場合があります。この査定額を信じて売り出すと、売れずに値下げを余儀なくされます。
3. スケジュール不足
売却準備から引渡しまでには、通常半年程度の時間がかかります。この期間を見込まずに売却を進めると、売り急ぎや書類準備の不備につながります。
よくある失敗事例とパターン
査定額の高さだけで不動産会社を選ぶ失敗
失敗事例:
Aさんは3社に査定を依頼し、最も高い査定額を提示した不動産会社に売却を依頼しました。しかし、その査定額では内覧希望者が現れず、3ヶ月後に大幅な値下げを余儀なくされました。最終的に、他社の査定額より低い価格で売却する結果になりました。
原因:
不動産会社によっては、契約を取るためにわざと高い査定価格を提示します。この査定額は実際に売れる価格ではないため、売れ残りの印象を与え、さらに値下げや不動産会社のアピール活動が減少する悪循環に陥ります。
対策:
- 査定価格の根拠を確認する(近隣成約事例・競合物件価格)
- 複数社(4〜6社)に査定を依頼し、平均的な査定額を把握する
- 査定額だけでなく、売却実績や担当者の対応を総合的に判断する
1社のみに査定依頼して後悔
失敗事例:
Bさんは、友人に紹介された不動産会社1社のみに査定を依頼し、その査定額(3,500万円)で売却を進めました。売却後、近隣で同じような物件が3,800万円で成約していたことを知り、300万円の損失に気づきました。
原因:
1社のみの査定では、その査定額が適正かどうかを判断できません。不動産会社によって査定額は数百万円単位で変わることがあります。
対策:
- 必ず複数社(4〜6社程度)に査定を依頼する
- 査定額の幅を把握し、適正価格を見極める
- 査定額が極端に高い・低い場合は、その理由を確認する
住宅ローン残高を把握せずオーバーローンになる
失敗事例:
Cさんは、マンションを売却して新居を購入する計画でした。しかし、売却額3,000万円に対し、住宅ローン残高が3,200万円あることを売却直前に知りました。200万円の自己資金を用意できず、売却を断念する結果になりました。
原因:
オーバーローン(住宅ローン残高が売却額を上回る状態)の場合、売却には自己資金で不足分を補う必要があります。住宅ローン残高を事前に把握していないと、このような事態に陥ります。
対策:
- 売却を検討し始めた時点で、住宅ローン残高を確認する
- オーバーローンの場合、自己資金を用意するか、売却時期を見直す
- 金融機関に相談し、住み替えローンの利用可否を確認する
売出価格を高く設定しすぎて売れ残る
失敗事例:
Dさんは、「高く売りたい」という気持ちから、相場価格4,000万円に対し、売出価格を4,500万円に設定しました。半年経っても内覧希望者が現れず、最終的に3,800万円に値下げして売却しました。当初から適正価格で売り出していれば、4,000万円で売却できたはずでした。
原因:
売出価格を相場より高く設定しすぎると、売れ残りの印象を与え、買主からの興味が薄れます。また、不動産会社のアピール活動も減少し、売却期間が長引きます。
対策:
- 相場価格を正確に把握する(複数社の査定額・近隣成約事例)
- 売出価格は相場価格の±5%以内に設定する
- 売却期間が長引いた場合は、早めに価格を見直す
不動産会社選びで失敗しないポイント
複数社(4〜6社)に査定依頼する
不動産会社選びの第一歩は、複数社(4〜6社程度)に査定を依頼することです。
複数社に査定を依頼するメリット:
- 査定額の幅を把握でき、適正価格を見極められる
- 各社の売却戦略・サービス内容を比較できる
- 担当者の対応を比較し、信頼できる会社を選べる
- 査定額が極端に高い・低い会社を除外できる
査定依頼の流れ:
- 一括査定サイトで4〜6社に査定を依頼
- 各社の査定書を受領し、査定額と根拠を確認
- 気になる会社に訪問査定を依頼
- 担当者と面談し、売却戦略を聞く
査定価格の根拠を確認する(近隣成約事例・競合物件価格)
査定額だけでなく、査定価格の根拠を確認することが重要です。
確認すべき根拠:
- 近隣成約事例:同じマンションや近隣の類似物件の成約価格
- 競合物件価格:現在売り出し中の類似物件の価格
- 市場動向:不動産市場の状況(需要が高い時期か否か)
- 物件の特徴:階数・向き・リフォーム履歴等の評価
根拠が明確な査定書のポイント:
- 具体的な成約事例(住所・築年数・専有面積・成約価格)が記載されている
- 競合物件と比較して、査定額の妥当性が説明されている
- 市場動向を踏まえた売却戦略が提案されている
マンション売却実績と担当者の対応の早さをチェック
不動産会社のマンション売却実績と担当者の対応の早さも重要な判断基準です。
マンション売却実績のチェックポイント:
- 同じマンションでの売却実績があるか
- エリア内での売却実績(年間何件程度か)
- マンション売却の得意不得意(戸建て専門の会社もある)
担当者の対応の早さのチェックポイント:
- メール・電話の返信が早いか(24時間以内が目安)
- 査定書の提出が早いか(1週間以内が目安)
- 質問に対する回答が丁寧で分かりやすいか
不動産会社や担当者の対応が遅い場合(メール返信遅延・折り返し電話なし・書類提出遅延)は、売却活動に悪影響を及ぼします。初期段階での対応を見て、信頼できる会社を選びましょう。
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売却価格・タイミングの失敗を避ける方法
売却準備から引渡しまで半年を見込む
マンション売却では、売却準備から引渡しまで半年程度の時間を見込むことが適切です。
マンション売却のタイムライン:
| フェーズ | 期間 | 内容 |
|---|---|---|
| 準備期間 | 1ヶ月 | 不動産会社選び・査定依頼・媒介契約 |
| 売却活動 | 3ヶ月 | 売り出し・内覧対応・価格交渉 |
| 契約・決済 | 2ヶ月 | 売買契約・住宅ローン手続き・引渡し |
| 合計 | 6ヶ月 |
売り急ぎ(3ヶ月未満)は相場より安く売る原因になります。スケジュールに余裕を持って売却を進めましょう。
売却のベストタイミング(春3月前後・秋9月前後)
不動産市場が活発になるのは、転勤や入学などで人が動く**春(3月前後)や秋(9月前後)**です。
年間の売却スケジュール:
| 時期 | 需要 | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1-3月 | 高 | ★★★ | 新生活・新学期前、需要が最も高い |
| 4-6月 | 中 | ★★☆ | 春の繁忙期後、落ち着いた時期 |
| 7-9月 | 高 | ★★★ | 秋の転勤・入学準備、需要が高い |
| 10-12月 | 中 | ★☆☆ | 年末で引越しを避ける人が多い |
ベストタイミングで売却するには:
- 春(3月前後)に売却したい場合:前年の秋(9-10月)から準備を開始
- 秋(9月前後)に売却したい場合:春(4-5月)から準備を開始
築年数が浅いマンションほど高値で売却でき、引っ越しが多くなる前の1月から2月や7月から8月が需要高です。
内覧前の清掃・手入れの重要性
内覧時の印象は、成約に直結する重要な要素です。印象が悪いと、価格交渉で不利になったり、成約に結びつかなかったりします。
内覧前の準備チェックリスト:
清掃:
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ)の徹底清掃
- 窓・サッシの清掃
- 床・壁の汚れ除去
整理整頓:
- 不要な家具・荷物の処分または収納
- 玄関・リビングをすっきりさせる
- クローゼット内も整理(内覧時に開けられることがある)
手入れ:
- 照明の電球を明るいものに交換
- カーテン・カーペットのクリーニング
- 換気して臭い対策
高額なリフォームをしても、必ず物件の売却価格に上乗せできるわけではありません。結果的にリフォームしない方が良い場合もあるため、不動産会社に相談して判断しましょう。
売却後のトラブルと税金の注意点
契約不適合責任(隠れた欠陥の告知義務)
契約不適合責任とは、マンション売却後に契約書に記載のない不具合や欠陥が見つかった場合に、売主が負う責任です。
対象となる不具合・欠陥:
- 雨漏り
- シロアリ被害
- 給排水管の腐食
- 構造上の欠陥
- 騒音問題(近隣トラブル)
これらの不具合を知っていたにもかかわらず買主に告知しなかった場合、修繕費用の負担や損害賠償を求められる可能性があります。
対策:
- 物件の欠陥・不備を買主に正直に告知する
- 告知事項を契約書に明記する
- 不明な点は専門家(建築士・ホームインスペクター)に調査を依頼
- 既存住宅売買瑕疵保険の加入を検討
売却後の税金(譲渡所得税・住民税で売却益の約20%)
売却益(譲渡所得)が発生した場合、譲渡所得税・住民税が課税されます。税率は所有期間により異なります。
譲渡所得税の税率:
| 所有期間 | 税率 |
|---|---|
| 5年以下(短期譲渡所得) | 約39%(所得税30%+住民税9%) |
| 5年超(長期譲渡所得) | 約20%(所得税15%+住民税5%) |
譲渡所得の計算式:
譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用 - 特別控除
具体例:
- 売却価格:5,000万円
- 取得費:3,500万円(購入価格・諸費用)
- 譲渡費用:200万円(仲介手数料等)
- 特別控除:3,000万円(居住用財産の特別控除)
- 譲渡所得:5,000万円 - 3,500万円 - 200万円 - 3,000万円 = -1,700万円(マイナスのため課税なし)
居住用財産の3,000万円特別控除を適用できる場合、多くのケースで課税されません。ただし、特別控除を適用できない場合や、売却益が3,000万円を超える場合は、税金が発生します。
売却益1,000万円の場合の税金:
1,000万円 × 20% = 約200万円
売却にかかる諸費用の見落とし(仲介手数料・印紙税・登記費用)
マンション売却では、以下の諸費用がかかります。これらを計算に入れないと、手元に残る金額が想定より少なくなります。
売却にかかる諸費用:
| 費用項目 | 金額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売却価格×3%+6万円+消費税 | 売却価格5,000万円の場合:約171.6万円 |
| 印紙税 | 1-6万円 | 売買契約書に貼付 |
| 登記費用 | 1-2万円 | 抵当権抹消登記(司法書士報酬含む) |
| 引越し費用 | 10-30万円 | 距離・荷物量による |
| ハウスクリーニング | 5-15万円 | 任意 |
| 合計 | 190-230万円 |
手元に残る金額の計算例:
- 売却価格:5,000万円
- 住宅ローン残高:3,000万円
- 諸費用:200万円
- 譲渡所得税:0円(3,000万円特別控除適用)
- 手元に残る金額:5,000万円 - 3,000万円 - 200万円 = 1,800万円
まとめ:後悔しないマンション売却の進め方
マンション売却では、3人に1人が失敗しており、不動産会社選びで57%が後悔しています。失敗を避けるには、以下のポイントを押さえましょう。
不動産会社選びのポイント:
- 複数社(4〜6社)に査定を依頼する
- 査定価格の根拠を確認する(近隣成約事例・競合物件価格)
- マンション売却実績と担当者の対応の早さをチェック
売却価格・タイミングのポイント:
- 売却準備から引渡しまで半年を見込む
- ベストタイミング(春3月前後・秋9月前後)を狙う
- 内覧前の清掃・手入れを徹底する
売却後のトラブル・税金対策:
- 契約不適合責任を避けるため、物件の欠陥を正直に告知
- 売却後の税金(売却益の約20%)を事前計算
- 諸費用(仲介手数料等)を含めて手元に残る金額を把握
次のアクション:
- 住宅ローン残高を確認し、オーバーローンかアンダーローンかを把握
- 複数社(4〜6社)に査定を依頼し、相場価格を把握
- 売却スケジュールを立て、半年程度の余裕を確保
- 信頼できる不動産会社を選び、媒介契約を締結
- 物件の欠陥を確認し、契約書に明記
- 税金・諸費用を計算し、手元に残る金額を事前把握
マンション売却は高額な取引です。失敗事例を学び、後悔しない売却を実現しましょう。専門的な判断が必要な場合は、宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーへの相談を推奨します。
