戸建ての買取とは?仲介との違いを理解する
戸建てを売却する方法には、大きく分けて「買取」と「仲介」の2つがあります。どちらを選ぶべきかは、売却の目的や状況により異なります。
買取とは、不動産会社が直接物件を買い取る方法です。仲介とは、不動産会社が買主を探して売買を仲介する方法です。それぞれにメリット・デメリットがあるため、状況に応じて選択することが重要です。
この記事のポイント
- 買取は最短3週間前後で現金化可能、仲介は平均3〜6ヶ月かかる
- 買取相場は市場価格の7〜8割、仲介は市場価格で売れる可能性あり
- 買取は仲介手数料が不要、契約不適合責任が免責されるメリットがある
- 買取は早期現金化・訳あり物件に向き、仲介は高値売却・時間に余裕がある場合に向く
- 悪質な業者に注意し、複数社で査定比較することが重要
(1) 買取の仕組み(不動産会社が直接買い取る)
買取では、不動産会社が直接物件を買い取ります。買取後、不動産会社はリフォームして再販売(買取再販)するビジネスモデルです。
不動産会社は利益を確保する必要があるため、買取価格は市場価格の7〜8割が相場です。ただし、最短数日から数週間で現金化できるため、急ぎで売却したい方に向いています。
(2) 仲介の仕組み(買主を探して売買を仲介)
仲介では、不動産会社が買主を探して売買を仲介します。市場価格で売れる可能性がありますが、買主が見つかるまで時間がかかります(平均3〜6ヶ月)。
仲介の場合、仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税が上限)が発生します。例えば、3,000万円で売却する場合、仲介手数料は最大105.6万円です。
(3) 即時買取と買取保証の違い
買取には「即時買取」と「買取保証」の2つの方法があります。
即時買取は、不動産会社が直接買い取る方法です。最短数日から数週間で現金化できます。
買取保証は、仲介で買主を探し、一定期間内に見つからなければ不動産会社が買い取る方法です。仲介で高値売却を狙いつつ、売れなかった場合のリスクを回避できます。
買取の3つのメリット
買取には以下の3つのメリットがあります。
(1) 最短3週間前後で現金化可能
買取の最大のメリットは、現金化のスピードです。仲介では買主が見つかるまで平均3〜6ヶ月かかりますが、買取では最短3週間前後で現金化できます。
相続税の納付期限が迫っている、離婚で財産分与が必要、転勤で急いで引越す必要がある、といった事情がある方に向いています。
(2) 仲介手数料が不要(諸費用削減)
買取の場合、仲介手数料が不要です。仲介の場合、物件価格の3%+6万円+消費税が上限の仲介手数料が発生しますが、買取ではこの費用を削減できます。
例えば、3,000万円で売却する場合、仲介手数料は最大105.6万円です。買取ではこの費用が不要になるため、諸費用を大幅に削減できます。
(3) 契約不適合責任が免責(シロアリ・雨漏り等)
契約不適合責任とは、売却後に発見された欠陥(シロアリ、雨漏り、給排水管の故障等)に対する売主の責任です。仲介の場合、売却後に欠陥が発見されると、売主が修繕費用を負担する必要があります。
買取の場合、契約不適合責任が免責されるのが一般的です。ただし、契約書に明記されているかを必ず確認しましょう。
買取のデメリットと注意すべきリスク
買取にはメリットがある一方、以下のデメリットとリスクがあります。
(1) 買取相場は市場価格の7~8割
買取相場は市場価格の7〜8割が目安です。例えば、市場価格3,000万円の物件の場合、買取価格は2,100万円〜2,400万円程度です。
築年数により変動し、築浅物件は相場に近い価格、築古物件は相場より低くなる傾向があります。高値で売却したい場合は、仲介を検討することを推奨します。
(2) 査定時と契約時の価格差リスク
悪質な業者の中には、査定時に高額提示し、契約時に価格を下げるケースがあります。「測量費用が必要」「解体費用が発生」などの理由をつけて、査定額から大幅に減額されることがあります。
査定時に、測量費用・解体費用等の負担有無を明確にすることが重要です。複数社で査定を依頼し、相場を把握することで、こうした悪質な業者を見分けられます。
(3) 測量費用・解体費用の負担有無を確認
査定額と手取り額は異なる場合があります。測量費用(50万円〜100万円程度)、解体費用(100万円〜300万円程度)を売主が負担する契約になっていないか、事前に確認しましょう。
契約書に記載されている負担条件を、宅地建物取引士に確認することを推奨します。
買取と仲介の使い分け方
買取と仲介のどちらを選ぶべきかは、以下の基準で判断しましょう。
(1) 買取が向いているケース(早期現金化・訳あり物件)
買取が向いているケースは以下の通りです。
- 早期現金化が必要: 相続税の納付期限、離婚、転勤等の事情がある
- 訳あり物件: 築古物件、事故物件、再建築不可物件等、仲介では買主が見つかりにくい
- 周囲に知られたくない: 仲介では広告掲載が必要だが、買取では広告不要
- 契約不適合責任を負いたくない: 売却後のトラブルを避けたい
(2) 仲介が向いているケース(高値売却・時間に余裕)
仲介が向いているケースは以下の通りです。
- 高値で売却したい: 市場価格で売却できる可能性がある
- 時間に余裕がある: 買主が見つかるまで3〜6ヶ月待てる
- 築浅物件: 築10年以内の物件は買主が見つかりやすい
- 人気エリア: 駅近、学区が良い等、需要が高いエリア
(3) 買取保証で両方のメリットを活用
買取保証は、仲介で高値売却を狙いつつ、売れなかった場合のリスクを回避できる方法です。一定期間(3ヶ月〜6ヶ月)仲介で買主を探し、見つからなければ不動産会社が買い取ります。
時間に多少の余裕があり、高値売却を狙いたい方に向いています。
買取業者の選び方と悪質業者の見分け方
買取業者を選ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。
(1) 複数社で査定比較すべき理由
複数の不動産会社に査定を依頼して比較することで、適正価格を把握できます。1社だけでは、相場より安く買い取られるリスクがあります。
最低でも3社以上に査定を依頼し、査定額の根拠を説明してもらいましょう。査定額が極端に高い業者は、契約時に減額するリスクがあるため、注意が必要です。
(2) 悪質業者の特徴(土地整備代・不当な手数料要求)
悪質な業者の特徴は以下の通りです。
- 土地整備代や不当な手数料を要求: 買取の場合、仲介手数料は不要です。土地整備代などの名目で費用を要求する業者は避けましょう。
- 査定時に高額提示し、契約時に減額: 契約直前に「測量費用が必要」「解体費用が発生」などの理由で減額する。
- 契約を急がせる: 「今なら高く買い取ります」「他の人も検討中」など、契約を急がせる。
- 宅地建物取引士の資格を持っていない: 宅地建物取引業法に基づく免許番号を確認しましょう。
(3) 2025年の買取業者ランキング(カチタス・レジデンシャル等)
2025年の買取再販ランキングは、以下の通りです。
- カチタス: 買取再販戸数トップ、地方都市に強い
- レジデンシャル: 首都圏に強い、リフォーム品質が高い
- リプライス: 築古物件に強い、幅広いエリア対応
これらの大手会社は実績が豊富で、買取価格も適正な場合が多いです。ただし、地域密着型の中小業者の方が高値で買い取ってくれる場合もあるため、複数社で比較することを推奨します。
買取の流れと必要書類
買取の流れは以下の通りです。
(1) 査定依頼から契約までの流れ
- 査定依頼: 複数の不動産会社に査定を依頼
- 現地調査: 不動産会社が現地を訪問し、建物の状態を確認
- 査定額の提示: 査定額の根拠を説明してもらう
- 条件交渉: 測量費用・解体費用の負担有無、引渡し時期等を交渉
- 売買契約: 契約書の内容を宅地建物取引士に確認
- 決済・引渡し: 代金を受け取り、物件を引き渡す
(2) 必要書類(登記簿謄本・測量図等)
買取の際に必要な書類は以下の通りです。
- 登記簿謄本(登記事項証明書)
- 測量図(境界確定図)
- 建築確認済証・検査済証
- 固定資産税納税通知書
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証等)
- 実印・印鑑証明書
これらの書類を事前に準備しておくと、手続きがスムーズに進みます。
(3) 契約不適合責任の免責を契約書で確認
契約書に「契約不適合責任の免責」が明記されているかを必ず確認しましょう。免責されていない場合、売却後にシロアリや雨漏りが発見されると、売主が修繕費用を負担する必要があります。
契約書の内容は、宅地建物取引士に確認することを推奨します。
まとめ
戸建ての買取は、最短3週間前後で現金化でき、仲介手数料が不要、契約不適合責任が免責されるメリットがあります。一方、買取相場は市場価格の7〜8割であり、高値で売却したい場合は仲介が向いています。
買取と仲介のどちらを選ぶべきかは、状況により異なります。早期現金化が必要、訳あり物件、契約不適合責任を負いたくない場合は買取、高値で売却したい、時間に余裕がある場合は仲介を検討しましょう。
悪質な業者に注意し、複数社で査定を依頼して比較することが重要です。宅地建物取引士や不動産コンサルタントに相談しながら、慎重に判断することをおすすめします。


