戸建て買取とは:仲介との違いと早期売却のメリット
戸建ての売却を検討する際、「買取と仲介どちらを選ぶべきか」「買取価格は安いのか」と悩む方は多いでしょう。
この記事では、戸建て買取の仕組み、仲介との違い、メリット・デメリット、買取価格の相場、信頼できる買取業者の選び方を詳しく解説します。
相続した物件、住み替え、離婚、転勤等で早期売却が必要な方、仲介で売れるか不安な方に向けて、公平で実用的な情報を提供します。
この記事のポイント
- 買取は不動産会社が直接買い取る方法で、売却期間1週間〜1ヶ月と早期売却が可能
- 買取価格は市場価格の7-8割が目安(標準的物件8割、築浅9割、老朽化5割程度)
- 買取では仲介手数料が不要、契約不適合責任も免責されるケースが多い
- 複数社への査定依頼で300万円以上差が出ることも珍しくない
- 時間に余裕があり高値で売りたい場合は仲介、急ぎや確実性を重視する場合は買取が向いている
戸建て買取は、不動産会社が直接物件を買い取る売却方法です。
仲介との違い
- 仲介:不動産会社に買主を探してもらう方法。売却期間4〜6ヶ月、市場価格で売れる可能性、仲介手数料必要
- 買取:不動産会社が直接買い取る方法。売却期間1週間〜1ヶ月、仲介手数料不要、契約不適合責任免責
買取の最大のメリットは、早期売却と確実性です。仲介では買主が見つかるまで時間がかかりますが、買取では不動産会社が即座に買い取るため、最短1週間程度で現金化できます。
借金返済、離婚による財産分与、相続税の納付等で現金化を急ぐ場合、買取は有力な選択肢となります。
買取vs仲介の比較:売却期間・価格・手数料・契約不適合責任
売却期間:買取1週間〜1ヶ月 vs 仲介4〜6ヶ月
買取の売却期間
- 査定依頼:複数社に一括査定(1〜2日)
- 現地調査:建物・土地の状態確認(1週間程度)
- 買取価格の提示:1週間程度で回答
- 契約・決済:最短1ヶ月で完了
仲介の売却期間
- 媒介契約:不動産会社と契約(1〜2週間)
- 販売活動:広告・内覧対応(3〜5ヶ月)
- 契約・決済:買主が見つかってから1〜2ヶ月
中古戸建ての成約日数平均は97.3日(約3ヶ月)ですが、人気がない物件は半年以上かかる場合もあります。
急ぎで売却したい場合、買取は圧倒的に早いです。
売却価格:買取は市場価格の7-8割 vs 仲介は市場価格
買取価格は、仲介売却で期待できる市場価格の7-8割が目安です。
買取価格が低い理由
- リフォーム費用:買取業者が再販前にリフォーム(100万円〜500万円)
- 再販コスト:広告費・人件費・税金等(物件価格の5-10%)
- 業者の利益:買取再販ビジネスの利益率(10-20%)
これらのコストを差し引いた金額が買取価格となるため、市場価格より2-3割安くなります。
価格差の具体例
| 物件状態 | 市場価格 | 買取価格(目安) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 標準的物件(築10年) | 5,000万円 | 4,000万円(8割) | -1,000万円 |
| 築浅物件(築5年) | 6,000万円 | 5,400万円(9割) | -600万円 |
| 老朽化物件(築30年) | 3,000万円 | 1,500万円(5割) | -1,500万円 |
時間に余裕があり、少しでも高く売りたい場合は仲介を検討すべきですが、早期売却を優先する場合は買取が適しています。
仲介手数料:買取は不要 vs 仲介は物件価格の3%+6万円+消費税
仲介手数料の計算
物件価格が400万円を超える場合、仲介手数料の上限は以下の通りです。
- 仲介手数料 = 物件価格 × 3% + 6万円 + 消費税
具体例
- 物件価格5,000万円の場合:156万円 + 消費税15.6万円 = 171.6万円
- 物件価格8,000万円の場合:246万円 + 消費税24.6万円 = 270.6万円
買取では仲介手数料が不要
買取では、不動産会社が直接買い取るため、仲介手数料が発生しません。この点は買取の大きなメリットです。
ただし、買取価格が市場価格の7-8割であることを考慮すると、仲介手数料を節約できても、売却価格の差額の方が大きくなる場合が多いです。
契約不適合責任:買取は免責 vs 仲介は売主が負担
契約不適合責任とは
売却後に物件の不具合(雨漏り、シロアリ被害、設備の故障等)が発覚した場合の売主の責任です。
仲介の場合
- 売主は契約不適合責任を負う(通常3ヶ月〜1年間)
- 不具合が発覚した場合、修繕費用を負担する必要がある
- 重大な欠陥の場合、契約解除や損害賠償を請求される可能性もある
買取の場合
- 契約不適合責任は免責されることが多い
- 売却後の不具合で責任を負う必要がない
- 古い物件や訳あり物件でも安心して売却できる
この点は、築年数が古い物件や、設備の状態に不安がある物件を売却する際に大きなメリットとなります。
戸建て買取価格の相場:市場価格の7-8割が目安
標準的物件:市場価格の8割程度
標準的な物件(築10年前後、設備の状態良好、人気エリア)の買取価格は、市場価格の8割程度が目安です。
5,000万円の物件の場合
- 買取価格:4,000万円(8割)
- 仲介手数料節約:171.6万円
- 実質的な差額:828.4万円
この差額を「早期売却の対価」「確実性の対価」「契約不適合責任免責の対価」と考えられるかどうかが判断のポイントです。
築浅物件:市場価格の9割程度
築5年以内の築浅物件は、需要が高く買取業者もリフォーム費用を抑えられるため、市場価格の9割程度で買い取られることがあります。
6,000万円の物件の場合
- 買取価格:5,400万円(9割)
- 仲介手数料節約:205.92万円
- 実質的な差額:394.08万円
築浅物件は、仲介でも早期に売却できる可能性が高いため、買取と仲介を比較検討することをおすすめします。
老朽化物件:市場価格の5割程度
築30年以上の老朽化物件、大規模リフォームや取り壊しが必要な物件は、市場価格の5割程度まで買取価格が下がります。
3,000万円の物件の場合
- 買取価格:1,500万円(5割)
- 取り壊し費用(150万円程度)を考慮すると実質的な価値はさらに低い
土地価格が150万円未満の物件は、取り壊し費用を考慮すると買取には適さない場合があります。
買取価格が低い理由:リフォーム費用・再販コスト・業者の利益
買取価格が市場価格より低い理由を詳しく解説します。
リフォーム費用
- キッチン・浴室・トイレ交換:150万円〜300万円
- 外壁塗装・屋根塗装:130万円〜250万円
- 全面リノベーション:500万円〜1,000万円
再販コスト
- 広告費:50万円〜100万円
- 仲介手数料(再販時):物件価格の3%+6万円+消費税
- 固定資産税・都市計画税(保有期間):年間20万円〜50万円
業者の利益
- 買取再販ビジネスの利益率:10-20%
- カチタス等の大手業者の平均利益率:15%前後
これらのコストを合計すると、市場価格の2-3割に相当するため、買取価格はその分低くなります。
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買取業者の選び方:複数社査定・宅建業免許・戸建専門業者
複数社への査定依頼:300万円以上差が出ることも
買取業者により得意な物件タイプや買取価格が異なるため、複数社への査定依頼が重要です。
査定依頼の目安
- 最低3社以上に依頼
- 大手業者と地域密着型業者を組み合わせる
- 一括査定サイトの活用も有効
実際に、同じ物件で300万円以上の査定額の差が出ることも珍しくありません。複数社を比較することで、最も有利な条件で売却できます。
宅建業免許番号の確認:信頼性の担保
買取業者を選ぶ際は、宅地建物取引業免許番号を必ず確認してください。
宅建業免許は、国土交通大臣または都道府県知事から交付される免許で、不動産業を営むために必要です。免許番号は、業者の公式サイトや広告に記載されています。
確認方法
- 業者の公式サイトで免許番号を確認
- 国土交通省の「宅地建物取引業者検索」で免許の有効性を確認
無免許業者との取引はトラブルの原因となるため、必ず確認してください。
戸建専門業者を選ぶ:カチタス等の実績確認
買取業者には、マンション専門、戸建専門、土地専門など、得意分野があります。
戸建買取に強い業者
- カチタス:中古戸建買取再販で11年連続No.1、年間買取戸数5,535戸
- 地方都市の戸建買取に強み
- 全国展開で幅広いエリアに対応
戸建を売却する場合は、戸建専門業者に依頼することで、より正確な査定と高値での買取が期待できます。
得意分野の確認:マンション専門業者は避ける
マンション専門業者に戸建を依頼すると、査定が不正確になったり、低い買取価格を提示されたりする可能性があります。
業者の得意分野を確認する方法
- 公式サイトで実績・事例を確認
- 口コミ・評判をチェック
- 担当者に直接質問する
得意分野に合った業者を選ぶことで、適正な査定と満足できる売却が実現します。
戸建て買取の流れと注意点:査定から決済まで
査定依頼:複数社に依頼
1. 一括査定サイトの利用
- 物件情報を入力(住所、築年数、間取り、土地面積等)
- 複数社から査定額が提示される(1〜2日程度)
2. 個別に業者に依頼
- 大手業者・地域密着型業者に直接依頼
- より詳細な査定が期待できる
現地調査:建物・土地の状態確認
査定額が提示された後、現地調査が実施されます。
調査内容
- 建物の外観・内装の状態
- 設備の劣化状況
- 土地の形状・接道状況
- 周辺環境・利便性
現地調査の結果を踏まえて、最終的な買取価格が提示されます。
買取価格の提示:1週間程度で回答
現地調査から1週間程度で、正式な買取価格が提示されます。
価格交渉のポイント
- 複数社の査定額を比較
- 低い査定額の理由を質問
- リフォーム済み箇所や設備の新しさをアピール
納得できる価格が提示されたら、契約に進みます。
契約・決済:最短1ヶ月で完了
契約時の流れ
- 売買契約書の締結
- 手付金の受領(買取価格の5-10%)
- 引渡し日の調整
- 決済・引渡し(残金受領、所有権移転登記)
最短1ヶ月程度で全ての手続きが完了し、現金化できます。
注意点:契約書の確認、契約不適合責任免責の有無
契約前に、以下の点を必ず確認してください。
契約書の確認ポイント
- 買取価格・支払い時期
- 引渡し日
- 契約不適合責任免責の有無
- 手付金の扱い(解約時の返還条件等)
- 特約事項(瑕疵担保責任、境界確定等)
不明な点があれば、宅建士や弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ:買取と仲介どちらを選ぶべきか
戸建ての売却方法は、買取と仲介それぞれにメリット・デメリットがあります。
買取が向いているケース
- 借金返済・離婚・相続等で早期現金化が必要
- 築古物件・訳あり物件(事故物件・再建築不可等)で仲介では売れにくい
- 仲介手数料を節約したい
- 契約不適合責任を負いたくない
- 確実に売却したい
仲介が向いているケース
- 時間に余裕があり、少しでも高く売りたい
- 人気エリア・築浅物件で早期売却が期待できる
- 市場価格での売却を目指したい
ご自身の状況と優先事項を整理し、専門家(宅建士、ファイナンシャルプランナー、税理士等)に相談しながら、最適な売却方法を選択してください。
買取は、早期売却と確実性を重視する方にとって有力な選択肢です。複数社への査定依頼と慎重な業者選びで、満足できる売却を実現しましょう。
