不動産買取業者の選び方と注意点|仲介との違いを徹底比較

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/25

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不動産買取業者を利用する前に知っておくべきこと

不動産を売却する際、「すぐに現金化したい」「訳あり物件で仲介では売りにくい」と感じている方は、不動産買取業者の利用を検討されているかもしれません。

この記事では、不動産買取と仲介の違い、買取のメリット・デメリット、信頼できる業者の選び方を、国土交通省の宅地建物取引業法ガイドラインや国民生活センターのトラブル事例を元に解説します。

不動産売却が初めての方でも、適切な売却方法を選び、悪質業者を避けられるようになります。

この記事のポイント

  • 買取は不動産会社が直接買主となり、数日~1カ月で現金化できるが、売却価格は市場価格の7~8割が目安
  • 仲介手数料不要で契約不適合責任も免除されることが多いため、早期売却・訳あり物件に適している
  • 業者選びは宅地建物取引業免許の確認、複数社(最低3社以上)への査定依頼と比較が重要
  • 悪質業者のトラブル(極端に安い査定額、不当請求、決済遅延等)を避けるため、契約書内容を専門家に確認することを推奨

不動産買取業者とは(不動産会社が直接買主となる)

不動産買取業者とは、中古物件を直接買い取り、リフォーム・リノベーションして再販売する事業(買取再販)を行う不動産会社です。

仲介と異なり、不動産会社自身が買主となるため、売主は一般個人の買主を探す必要がありません。

国土交通省によると、不動産買取業者は宅地建物取引業法に基づく免許(国土交通大臣または都道府県知事)を持つ必要があります。

不動産買取が向いているケース(早期売却希望、築年数が古い、訳あり物件等)

以下のようなケースでは、仲介よりも買取が適している場合があります。

買取が向いているケース:

  • 早期売却希望: 相続税納付、離婚財産分与など期限がある
  • 築年数が古い: 築30年以上で仲介では買主が見つかりにくい
  • 訳あり物件: 事故物件、再建築不可、接道義務違反、擁壁問題等
  • プライバシー重視: 近隣に知られずに売却したい
  • 手間を減らしたい: 内覧対応や交渉の手間を省きたい

逆に、時間に余裕があり、高値で売りたい場合は仲介が適している場合が多いです。

本記事で学べること(買取と仲介の違い・業者選びのポイント・トラブル対策)

この記事では、以下の内容を詳しく解説します。

  • 不動産買取と仲介の違い(買主・期間・価格・手数料・責任・プライバシー)
  • 買取のメリット・デメリット
  • 信頼できる業者の選び方(免許確認、複数査定、口コミ評判等)
  • よくあるトラブル事例と対策

不動産買取と仲介の違いを徹底比較

買主の違い(買取:不動産会社、仲介:一般個人)

買取:

  • 買主は不動産会社
  • 売主と不動産会社の1対1の取引

仲介:

  • 買主は一般個人
  • 不動産会社は売主と買主の間に入り、契約成立を仲介

この違いにより、売却期間・価格・手数料等が大きく異なります。

売却期間の違い(買取:数日~1カ月、仲介:3~6カ月)

買取:

  • 査定から決済まで数日~1カ月
  • 不動産会社との合意だけで売却が成立

仲介:

  • 売却まで3~6カ月が一般的
  • 買主が見つかるまで時間がかかる
  • 人気エリア・条件の良い物件は早く売れる場合もある

売却価格の違い(買取:市場価格の7~8割、仲介:市場価格相当)

買取:

  • 市場価格の7~8割(2~3割安い)が目安
  • 買取業者はリフォーム費用・転売リスク・利益を考慮して価格を設定

仲介:

  • 市場価格相当で売れる可能性が高い
  • 買主との交渉次第で値下げする場合もある
項目 買取 仲介
売却価格 市場価格の7~8割 市場価格相当
売却期間 数日~1カ月 3~6カ月
買主 不動産会社 一般個人

(出典: HOME'S

仲介手数料の有無(買取:不要、仲介:物件価格の3%+6万円+消費税)

買取:

  • 仲介手数料は不要
  • 不動産会社が買主のため、仲介ではない

仲介:

  • 仲介手数料が発生
  • 上限: 物件価格の3%+6万円+消費税
  • 例: 3,000万円の物件 → 約105万円(3%+6万円+消費税10%)

買取では仲介手数料が不要になる分、実質的な手取り額の差は小さくなる場合があります。

契約不適合責任の有無(買取:多くの場合免除、仲介:売主が負担)

契約不適合責任とは、売却後に物件の欠陥(雨漏り、シロアリ被害、設備故障等)が見つかった場合の売主の責任です。

買取:

  • 多くの場合、契約不適合責任が免除される
  • 不動産会社がプロとして物件を引き取るため

仲介:

  • 売主が契約不適合責任を負う(一般的に引渡しから3カ月~1年)
  • 欠陥が見つかった場合、修理費用や損害賠償を請求される可能性

物件の状態に不安がある場合、買取の方が安心です。

プライバシー(買取:保持しやすい、仲介:広告掲載が一般的)

買取:

  • 広告掲載不要
  • 近隣に知られずに売却できる
  • 内覧対応も不要

仲介:

  • 広告掲載が一般的(SUUMO、HOME'S等のポータルサイト、チラシ)
  • 複数の買主候補が内覧に来る
  • 近隣に売却活動を知られる可能性

プライバシーを重視する場合(離婚、経済的事情等)、買取が適しています。

不動産買取のメリットとデメリット

メリット①:短期間で現金化(数日~1カ月)

査定額に納得すれば、数日~1カ月で現金化できます。

具体例:

  • 相続税の納付期限が迫っている
  • 離婚財産分与で早期に現金を分けたい
  • 転勤・引越しで早く売却したい

このような場合、買取の即時現金化は大きなメリットです。

メリット②:仲介手数料が不要

買取では仲介手数料が発生しないため、諸費用を抑えられます。

:

  • 3,000万円の物件を買取で売却 → 仲介手数料0円
  • 3,000万円の物件を仲介で売却 → 仲介手数料約105万円

買取価格が市場価格の7~8割でも、仲介手数料がない分、実質的な手取り額の差は小さくなる場合があります。

メリット③:契約不適合責任が免除される

多くの買取業者は、契約不適合責任を免除する契約を結びます。

メリット:

  • 売却後のトラブル(雨漏り、シロアリ被害等)に対応する必要がない
  • 物件の状態に不安があっても売却できる

築年数が古い物件、設備の状態が不明な物件は、契約不適合責任の免除が大きな安心材料です。

メリット④:プライバシーを保ちながら売却できる

広告掲載・内覧対応が不要なため、近隣に知られずに売却できます。

適したケース:

  • 離婚による財産分与
  • 経済的事情(住宅ローン返済困難等)
  • 相続物件で近隣との関係を保ちたい

デメリット①:売却価格が仲介より2~3割安い

最大のデメリットは、売却価格が市場価格の7~8割(2~3割安い)になることです。

理由:

  • 買取業者はリフォーム費用を考慮
  • 転売リスクを考慮
  • 利益を確保する必要

対策:

  • 複数業者に査定を依頼して、最も高い査定額を提示する業者を選ぶ
  • 買取保証(一定期間仲介で売却活動を行い、売れなかった場合に買取)を検討

デメリット②:買取を断られる物件もある(エリア外、特殊物件等)

買取業者にも得意・不得意があり、買取を断られる場合があります。

買取を断られやすい物件:

  • エリア外(業者が対応していない地域)
  • 再販が困難な特殊物件(傾斜地、接道義務違反等)
  • 事故物件でも内容が深刻(孤独死から長期間経過等)

複数業者に相談し、買取可能な業者を見つけることが重要です。

不動産買取業者の選び方と注意点

宅地建物取引業免許の確認(国土交通大臣または都道府県知事の免許)

国土交通省によると、不動産買取業者は宅地建物取引業法に基づく免許が必要です。

免許の種類:

  • 国土交通大臣免許: 複数の都道府県に事務所がある
  • 都道府県知事免許: 1つの都道府県のみに事務所がある

免許番号の確認方法:

免許番号の見方:

  • (1)東京都知事免許 → 免許取得1回目(5年以内)
  • (5)東京都知事免許 → 免許更新5回目(25年以上)

更新回数が多いほど、長期間営業している信頼性の目安になります。

買取実績・地域での実績の確認

買取再販の実績が高い業者ほど、適正な買取価格を提示できる傾向があります。

確認項目:

  • 年間買取件数
  • 物件のある地域での実績
  • 買取再販の事業規模

参考: 住まいステップによると、2024年度の買取再販年間販売戸数ランキングでは、カチタスが10年連続1位を維持しています。

ただし、大手だけでなく、地域密着型の中小業者も独自の強みを持つ場合があるため、複数社を比較することが重要です。

得意とする物件種別の確認(マンション・戸建て・土地等)

業者により、得意とする物件種別が異なります。

確認方法:

  • ウェブサイトの実績ページ
  • 担当者に直接質問

:

  • A社: マンション買取が得意(都心エリア)
  • B社: 戸建て買取が得意(郊外エリア)
  • C社: 訳あり物件(再建築不可、事故物件等)が得意

自分の物件種別が得意な業者を選ぶことで、適正価格での買取が期待できます。

複数業者への査定依頼と比較(最低3社以上)

複数業者に査定を依頼して、査定額を比較することが最も重要です。

理由:

  • 業者により査定額が大きく異なる(数百万円の差がある場合も)
  • 適正価格の目安を把握できる
  • 悪質業者(極端に安い査定額を提示)を避けられる

推奨:

  • 最低3社以上に査定を依頼
  • 一括査定サイト(HOME'S、SUUMO等)を活用すると効率的

担当者とのコミュニケーション・対応の確認

担当者の対応も、業者選びの重要なポイントです。

チェック項目:

  • 説明が分かりやすいか
  • 質問に丁寧に答えてくれるか
  • 支払いスケジュールを明確に提示するか
  • 契約を急がせないか(冷静な判断時間を与えてくれるか)

過度に契約を急がせる業者は、悪質業者の可能性があるため注意が必要です。

口コミ・評判の確認

実際の利用者からの口コミ・評判を確認しましょう。

確認方法:

  • Google口コミ、マンションレビュー等のレビューサイト
  • SNS(X、Instagram等)での評判
  • 知人・不動産関係者からの紹介

注意点:

  • サクラ(業者による自作自演)の口コミに注意
  • 極端に良い口コミばかりの場合は疑う
  • 複数のソースで確認する

支払いスケジュール・契約内容の事前確認

契約前に、支払いスケジュール・契約内容を詳細に確認しましょう。

確認項目:

  • 決済日(売却金の振込日)
  • 支払い方法(銀行振込、小切手等)
  • 手数料・諸費用の有無
  • 契約解除の条件

注意点:

  • 小切手での支払いは現金化できないリスクがあるため、銀行振込を推奨
  • 手数料名目での不当請求に注意

契約書の内容は、宅地建物取引士や弁護士に確認してもらうことを推奨します。

不動産買取でよくあるトラブルと対策

トラブル事例①:相場より極端に安い査定額を提示される

悪質業者は、相場より圧倒的に安い金額で査定し、安値で買い取ろうとします。

対策:

  • 複数業者に査定を依頼して相場を把握
  • 市場価格の7~8割が目安であることを理解
  • 極端に安い査定額を提示する業者は避ける

トラブル事例②:手数料名目で不当な費用を請求される

買取では仲介手数料は不要ですが、「手数料」「事務手数料」「調査費用」等の名目で不当な費用を請求される場合があります。

対策:

  • 契約前に費用の内訳を詳細に確認
  • 不明瞭な費用は支払わない
  • 契約書に記載のない費用の請求は拒否

トラブル事例③:決済日に売却金が振り込まれない

決済日になっても売却金が振り込まれない、または小切手で支払われるトラブルがあります。

対策:

  • 支払い方法を銀行振込に限定
  • 決済日・振込先を契約書に明記
  • 決済日当日は、振込を確認してから物件を引き渡す

トラブル事例④:査定後に価格を下げられる

査定時は高額を提示し、契約直前に「物件の状態が悪い」と理由を付けて価格を下げる業者がいます。

対策:

  • 査定時に物件の状態を正直に伝える
  • 「査定額は確定額か」を確認
  • 価格変更の条件を契約書に明記

トラブル対策①:複数社の査定を比較して適正価格を把握

最も効果的なトラブル対策は、複数社の査定を比較して適正価格を把握することです。

推奨:

  • 最低3社以上に査定を依頼
  • 査定額だけでなく、査定の根拠を確認
  • 市場価格の7~8割が目安であることを理解

トラブル対策②:契約書の内容を専門家に確認してもらう

契約書の内容は、専門家(宅地建物取引士、弁護士等)に確認してもらうことを推奨します。

確認項目:

  • 売却価格、決済日、支払い方法
  • 手数料・諸費用の内訳
  • 契約解除の条件
  • 契約不適合責任の免除条項

トラブル対策③:悪質業者の見分け方(宅建業免許の確認、過度な営業)

悪質業者の特徴を知り、避けることが重要です。

悪質業者の特徴:

  • 宅地建物取引業免許を持っていない
  • 過度に契約を急がせる(「今日中に契約しないと価格が下がる」等)
  • 査定額の根拠を説明しない
  • 口コミ・評判が極端に悪い
  • 事務所の所在地が不明確

このような業者は避け、信頼できる業者を選びましょう。

トラブル時の相談先(消費者ホットライン188、宅地建物取引業保証協会)

国民生活センターによると、不動産買取でトラブルが発生した場合は、以下の相談先に連絡できます。

相談先:

  • 消費者ホットライン: 188(いやや!)
  • 宅地建物取引業保証協会: 各都道府県に設置
  • 弁護士: 契約トラブル、法的対応が必要な場合

注意: 自宅の売却契約はクーリング・オフできない(事業者の事務所で契約した場合)ため、契約前の慎重な判断が重要です。

まとめ:不動産買取業者を賢く選ぶためのポイント

不動産買取は、数日~1カ月で現金化でき、仲介手数料不要で契約不適合責任も免除されるため、早期売却・訳あり物件に適しています。ただし、売却価格は市場価格の7~8割(2~3割安い)が目安です。

業者選びは、宅地建物取引業免許の確認、複数社(最低3社以上)への査定依頼と比較、口コミ・評判の確認が重要です。悪質業者のトラブル(極端に安い査定額、不当請求、決済遅延等)を避けるため、契約書の内容を専門家に確認することを推奨します。

個別の判断は、宅地建物取引士や弁護士への相談を推奨します。

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よくある質問

Q1不動産買取と仲介の違いは何?

A1買取は不動産会社が直接買主となり、数日~1カ月で現金化できますが、売却価格は市場価格の7~8割が目安です。仲介は一般個人が買主で、売却まで3~6カ月かかりますが市場価格相当で売れる可能性が高いです。買取は仲介手数料不要で契約不適合責任も免除されることが多く、早期売却や訳あり物件に適しています。

Q2買取の相場は仲介と比べてどれくらい安い?

A2一般的に仲介の市場価格の7~8割(2~3割安い)が目安です。買取業者はリフォーム費用や転売リスクを考慮して価格を設定するためです。物件の状態・立地により異なるため、複数業者(最低3社以上)に査定を依頼して適正価格を把握することを推奨します。仲介手数料が不要になる分、実質的な手取り額の差は小さくなる場合があります。

Q3どのような物件が買取に向いている?

A3早期売却希望(相続税納付、離婚財産分与等)、築年数が古い(築30年以上)、訳あり物件(事故物件・再建築不可・接道義務違反等)、プライバシーを保ちながら売却したい場合に適しています。契約不適合責任が免除されることが多いため、物件の状態に不安がある場合も買取が向いています。時間に余裕があり高値で売りたい場合は仲介が適しています。

Q4不動産買取業者の選び方は?

A4①宅地建物取引業免許の確認(国土交通大臣または都道府県知事の免許)、②買取実績・地域での実績の確認、③得意物件種別の確認(マンション・戸建て・土地等)、④複数業者(最低3社以上)への査定依頼と比較、⑤担当者の対応・口コミ評判の確認、⑥支払いスケジュール・契約内容の事前確認が重要です。契約書の内容は宅地建物取引士や弁護士への相談を推奨します。

Q5不動産買取でよくあるトラブルは?

A5①相場より極端に安い査定額を提示される、②手数料名目で不当な費用を請求される、③決済日に売却金が振り込まれない、④査定後に価格を下げられる等のトラブルがあります。対策として、複数社の査定比較、契約書内容の専門家確認、宅地建物取引業免許の確認、過度な営業をする業者を避けることを推奨します。トラブル時は消費者ホットライン188に相談できます。

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Room Match編集部

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