不動産売買仲介とは?仲介手数料の仕組みと業者選びのポイントを解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/22

不動産売買仲介とは?仲介業者の役割

不動産の売却や購入を検討する際、「仲介業者に依頼すべきか」「仲介手数料はいくらかかるのか」「どのように業者を選べばよいか」と悩む方は少なくありません。

この記事では、不動産売買仲介の仕組み、仲介手数料の計算方法、媒介契約の種類、業者選びのポイントを、信頼できる情報源を元に解説します。

仲介業者の役割と選び方を理解することで、安心して不動産取引を進められるようになります。

(1) 売主と買主の間に立つサポート業務

SUUMOによると、不動産仲介会社は売主と買主の間に立ち、複雑な法的手続と契約を成立させる役割を担います。

具体的な業務内容は以下の通りです。

  • 物件調査: 物件の権利関係、建築基準法適合性、周辺環境の確認
  • 買主募集: インターネット広告、チラシ、オープンハウス等の販売活動
  • 契約サポート: 重要事項説明、契約書作成、決済・引渡しの立会い
  • 価格交渉: 売主と買主の間で価格や条件を調整

これらの業務を専門家に任せることで、不動産取引の複雑な手続をスムーズに進められます。

(2) 宅地建物取引士による専門的な対応

SUUMOによると、不動産仲介会社は宅地建物取引士の資格を持つスペシャリストが対応します。

**宅地建物取引士(宅建士)**は、不動産取引の専門家資格で、重要事項説明や契約書への記名・押印が法律で義務付けられています。この資格を持つ担当者が対応することで、法的リスクを回避できます。

(3) 大手と地域密着型の特徴の違い

SUUMOによると、不動産会社には大手と地域密着型があり、それぞれ特徴が異なります。

タイプ メリット
大手 広告予算が豊富、全国規模の情報網、ブランド力がある
地域密着型 地域情報に精通、顧客基盤が強い、柔軟な対応が可能

売却する物件の特性や希望する売却期間に応じて、適切なタイプの会社を選ぶことが重要です。

仲介手数料の計算方法と支払いタイミング

(1) 計算式(200万円以下:5%、200~400万円:4%、400万円超:3%+6万円)

HOME4Uによると、仲介手数料の計算式は以下の通りです。

成約価格 仲介手数料(上限)
200万円以下 5% + 消費税
200万円超~400万円以下 4% + 消費税
400万円超 3% + 消費税

この上限を超える手数料は請求できません。ただし、下限はないため、業者により異なる場合があります。

(2) 簡易計算式(400万円超:成約価格×3%+6万円+消費税)

SUUMOによると、400万円以上の物件なら「成約価格×3%+6万円(+消費税)」の簡易式で計算できます。

計算例(成約価格3,000万円の場合):

  • 仲介手数料 = 3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円
  • 消費税(10%) = 96万円 × 10% = 9.6万円
  • 合計 = 105.6万円

この計算式を覚えておくと、おおよその仲介手数料を素早く把握できます。

(3) 支払いタイミング(契約時と引渡し時に分割が一般的)

HOME4Uによると、売買契約成立時に半金、引渡し時に残りの半金を支払うのが一般的です。

支払いの流れ:

  1. 売買契約締結時: 仲介手数料の50%を支払う
  2. 物件引渡し時: 残りの50%を支払う

仲介手数料は成功報酬のため、契約が成立したときのみ支払います。査定や物件紹介の段階では費用は発生しません。

(4) 売主・買主双方が支払う場合の考え方

HOME4Uによると、売主と買主が同じ不動産会社に依頼した場合、両者が手数料を支払うのが一般的です。

これを「両手仲介」と呼びます。不動産会社は売主・買主の両方から手数料を受け取るため、利益相反の可能性が指摘される場合もあります。透明性の高い取引を求める場合は、売主専門・買主専門の業者を選ぶことも一つの選択肢です。

不動産売買の流れとレインズの仕組み

(1) 査定依頼から引渡しまでのステップ

8shiroによると、不動産売買の流れは以下の通りです。

  1. 査定依頼: 不動産会社に物件の査定を依頼
  2. 媒介契約: 仲介を依頼する会社と契約
  3. 売却活動: 広告・オープンハウス等で買主を募集
  4. 売買契約: 買主と売買契約を締結(手付金を受領)
  5. 引渡し: 残代金を受領し、物件を引き渡す

各ステップで不動産会社が専門的なサポートを行い、スムーズな取引を実現します。

(2) レインズ(不動産流通標準情報システム)の役割

8shiroによると、仲介業者はレインズ(不動産流通標準情報システム)を活用して物件情報を共有します。

**レインズ(REINS)**は、不動産会社間で物件情報を共有するシステムで、全国の不動産会社が利用できます。専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、不動産会社はレインズへの登録が義務付けられています。

これにより、広範囲の買主候補に物件情報が届き、早期売却の可能性が高まります。

(3) 売買契約締結時の手付金

8shiroによると、売買契約締結時に買主から手付金を受け取るのが一般的です。

手付金は、売買契約の成立を証明する金銭で、通常は物件価格の5~10%程度です。買主が契約を解除する場合は手付金を放棄し、売主が解除する場合は手付金の倍額を返還します。

媒介契約の種類と選び方

(1) 専属専任媒介契約(1社のみ・自己発見取引禁止)

専属専任媒介契約は、1社のみに依頼し、自己発見取引(自分で買主を見つけること)も禁止される契約です。最も拘束力が強い契約形態です。

メリット:

  • 不動産会社が全力で販売活動を行う
  • レインズへの登録が義務(契約後5日以内)
  • 1週間に1回以上の報告義務

デメリット:

  • 他社に依頼できない
  • 自分で買主を見つけても仲介手数料が発生

(2) 専任媒介契約(1社のみ・自己発見取引可能)

専任媒介契約は、1社のみに依頼するが、自己発見取引は可能な契約です。

メリット:

  • 不動産会社が積極的に販売活動を行う
  • レインズへの登録が義務(契約後7日以内)
  • 2週間に1回以上の報告義務
  • 自分で買主を見つけた場合、仲介手数料が不要

デメリット:

  • 他社に依頼できない

(3) 一般媒介契約(複数社同時依頼可能)

一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に依頼できる契約です。最も自由度が高い契約形態です。

メリット:

  • 複数社に依頼して比較できる
  • 自己発見取引も可能
  • レインズへの登録義務なし(任意)

デメリット:

  • 不動産会社の販売意欲が下がる可能性がある
  • 報告義務がない

(4) 状況に応じた契約形態の選び方

状況 推奨契約
早期売却を優先したい 専任・専属専任媒介
複数社を比較したい 一般媒介
人気エリアで需要が高い 一般媒介
売却が難しい物件 専任・専属専任媒介

物件の特性や売却期限に応じて、適切な契約形態を選択してください。

仲介業者の選び方とチェックポイント

(1) 実績・取引件数の確認

ナカジツによると、取引実績が豊富な会社は市場動向や地域特性に精通しています。

確認すべきポイント:

  • 年間の売買仲介取扱件数
  • 担当エリアでの実績
  • 同じ物件タイプ(マンション・戸建て等)の売却経験

三井不動産リアルティのように、2023年度に38,680件で38年連続No.1を達成した企業は、豊富な実績とノウハウを持っています。

(2) スタッフの対応と査定根拠の明確性

ナカジツによると、査定根拠の明確性、ヒアリングの充実度で信頼性を判断することが重要です。

チェックポイント:

  • 査定額の根拠を明確に説明できるか
  • 類似物件の成約事例を提示できるか
  • ヒアリングで希望や不安を丁寧に聞いてくれるか
  • 質問に対して誠実に回答してくれるか

(3) 地域の知識とヒアリングの充実度

地域密着型の不動産会社は、地域の市場動向、学区、交通利便性、商業施設等の情報に精通しています。

これらの情報を活用した適切な売却価格の設定や、ターゲット層へのアプローチが可能です。

(4) 営業担当者との相性と信頼性

ナカジツによると、営業担当者が意見を押し付けてこないかをチェックすることが重要です。

信頼できる担当者の特徴:

  • こちらの希望を丁寧に聞いてくれる
  • メリット・デメリットを両方説明してくれる
  • 無理な値引きや早期決断を迫らない
  • 連絡がスムーズで対応が迅速

複数の不動産会社に査定を依頼し、担当者との相性を確認してから決めることを推奨します。

まとめ:状況別の仲介業者活用法

不動産売買仲介は、売主と買主の間に立ち、複雑な法的手続と契約成立をサポートする専門業務です。仲介手数料は400万円超の物件なら「成約価格×3%+6万円+消費税」で計算でき、3000万円なら105.6万円(税込)が目安です。

媒介契約には専属専任・専任・一般の3種類があり、早期売却を優先なら専任・専属専任、複数社を比較したいなら一般媒介を選びます。物件の特性や売却期限に応じて選択してください。

仲介業者選びでは、実績・スタッフの対応の丁寧さ・査定根拠の明確性・ヒアリングの充実度を確認します。複数の不動産会社に査定を依頼し、担当者との相性を確認してから決めることを推奨します。

不動産取引は高額で複雑なため、信頼できる仲介業者と宅地建物取引士のサポートを受けながら、慎重に進めましょう。

よくある質問

Q1仲介手数料はいくらかかる?

A1400万円超の物件なら「成約価格×3%+6万円+消費税」の簡易式で計算できます。例えば、成約価格3,000万円なら、仲介手数料は96万円、消費税9.6万円を含めて合計105.6万円です。この金額は上限であり、下限はないため業者により異なる場合があります。契約時に半金、引渡し時に残りの半金を支払うのが一般的です。詳細は不動産会社にご確認ください。

Q2仲介手数料は誰が支払うのか?

A2売主と買主が同じ不動産会社に依頼した場合、両者が仲介手数料を支払うのが一般的です。これを「両手仲介」と呼びます。仲介手数料は成功報酬のため、契約が成立したときのみ発生します。査定や物件紹介の段階では費用は発生しません。透明性の高い取引を求める場合は、売主専門・買主専門の業者を選ぶことも一つの選択肢です。

Q3専任媒介と一般媒介はどちらが良い?

A3専任媒介は1社に集中して販売活動を依頼でき、不動産会社が全力でサポートします。レインズへの登録が義務で、定期的な報告があります。一般媒介は複数社に依頼して比較でき、自由度が高いですが、不動産会社の販売意欲が下がる可能性があります。早期売却を優先なら専任、複数社を比較したいなら一般媒介が適しています。物件の特性や売却期限に応じて選択してください。

Q4不動産会社の選び方のポイントは?

A4実績・取引件数、スタッフの対応の丁寧さ、査定根拠の明確性、ヒアリングの充実度で信頼できる会社を見極めます。査定額の根拠を明確に説明できるか、類似物件の成約事例を提示できるか、質問に誠実に回答してくれるかを確認してください。営業担当者が意見を押し付けてこないか、無理な値引きや早期決断を迫らないかもチェックポイントです。複数の不動産会社に査定を依頼し、担当者との相性を確認してから決めることを推奨します。

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Room Match編集部

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