不動産業者の選び方:信頼できる会社の見極めポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/15

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不動産業者選びの重要性

不動産を売却したり購入したりする際、「どの不動産会社を選べばいいのか」「信頼できる業者はどう見分けるのか」と悩む方は多いです。

この記事では、信頼できる不動産業者の選び方を、宅建業免許番号の確認方法、行政処分歴のチェック、大手と地域密着型の比較、悪質業者の特徴、契約前の確認事項まで、具体的なチェックポイントを交えて解説します。

不動産業者選びは取引の成否に直結します。正しい選び方を理解し、信頼できる業者を見極めることで、安心できる不動産取引を実現しましょう。

この記事のポイント

  • 宅建業免許番号は国土交通省のデータベースで確認できる
  • 行政処分歴はネガティブ情報等検索サイトでチェック可能
  • 大手は実績豊富だが柔軟な交渉が困難、地域密着型は細やかなサービスが強み
  • 仲介手数料の上限は物件価格の3%+6万円+消費税(400万円超の場合)
  • 不動産取引トラブルの約半数は売買取引に関するもので、境界問題・契約内容・設備が主な原因

不動産取引は高額で専門的な知識が必要です。複数の業者を比較検討し、専門家のアドバイスを受けながら、慎重に選びましょう。

信頼性確認のチェックポイント

(1) 宅建業免許番号の確認方法

不動産会社は、宅地建物取引業法に基づき、国土交通大臣または都道府県知事から宅建業免許を取得する必要があります。

免許番号の形式:

  • 国土交通大臣免許: 「国土交通大臣(3)第〇〇号」
  • 都道府県知事免許: 「〇〇県知事(2)第〇〇号」

カッコ内の数字の意味:

  • 免許の更新回数を示す(5年ごとに更新)
  • 数字が大きいほど営業歴が長い
  • (1) = 5年未満、(2) = 5年以上10年未満、(3) = 10年以上15年未満

確認方法:

  1. 国土交通省の「宅地建物取引業者検索データベース」にアクセス
  2. 会社名または免許番号で検索
  3. 免許番号、代表者名、所在地、免許年月日を確認

注意点:

  • 免許番号がない、または表示を拒否する会社は避ける
  • カッコ内の数字が(1)の場合、営業歴が短いため慎重に判断

(2) 行政処分歴のチェック

行政処分とは、宅地建物取引業法違反等により、監督官庁から受ける業務停止命令や免許取消等の処分です。

確認方法:

  1. 国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」にアクセス
  2. 会社名または免許番号で検索
  3. 過去の行政処分歴を確認

行政処分の種類:

  • 指示処分: 軽微な違反に対する是正指示
  • 業務停止命令: 一定期間の営業停止
  • 免許取消: 重大な違反による免許剥奪

判断基準:

  • 過去5年以内に業務停止命令や免許取消を受けている会社は避ける
  • 指示処分のみで、その後改善されている場合は検討可能

(3) 実績と口コミの確認

実績の確認方法:

  • 公式サイトで取引実績(年間取引件数、売上高等)を確認
  • 設立年数・営業年数を確認
  • 宅地建物取引士の在籍人数を確認

口コミの確認方法:

  • Googleマップ・口コミサイトでレビューを確認
  • SNS(Twitter、Instagram等)で評判を検索
  • 知人・友人に紹介を依頼

口コミの見方:

  • 評価が極端に高い(5点満点中4.8点以上)場合、操作されている可能性
  • 評価が極端に低い(2点以下)場合、サービス品質に問題がある可能性
  • 評価の分布を見て、4-4.5点程度が自然

注意点:

  • 口コミは参考程度に留め、実際に問い合わせて対応を確認する
  • 複数の情報源を組み合わせて総合的に判断する

大手と地域密着型の比較

(1) 大手不動産会社のメリット・デメリット

メリット:

  • 実績豊富: 年間数千〜数万件の取引実績
  • 信用性が高い: ブランド力があり、トラブル時の対応も安心
  • 情報量が多い: 全国ネットワークで幅広い物件情報
  • 広告力: 大規模な広告展開で買主を見つけやすい
  • 専門スタッフ: 法務・税務等の専門スタッフが在籍

デメリット:

  • 柔軟な交渉が困難: マニュアル対応が多く、個別の要望に応じにくい
  • 初期費用・賃料の交渉余地が限られる: 価格交渉が難しい
  • 担当者の異動が多い: 長期的な関係構築が難しい
  • 手数料が高め: 割引サービスが少ない

向いている人:

  • 全国的に物件を探したい
  • ブランド力・信用性を重視
  • 大規模広告で早く買主を見つけたい

(2) 地域密着型のメリット・デメリット

メリット:

  • 地元の土地勘: そのエリアの相場・物件情報に詳しい
  • 細やかなサービス: 個別の要望に柔軟に対応
  • 人脈が豊富: 地元の売主・買主とのネットワーク
  • 長期的な関係: 担当者が長く在籍し、継続的なサポート
  • 手数料の交渉余地: 割引サービスを提供する会社も

デメリット:

  • 情報量が限られる: 地域外の物件情報は少ない
  • 広告力が弱い: 大手に比べて広告予算が少ない
  • 専門スタッフが少ない: 法務・税務等の専門家が不在の場合も
  • 信用性: 大手に比べてブランド力が劣る

向いている人:

  • 特定エリアで物件を探したい
  • 柔軟な対応・細やかなサービスを重視
  • 地元の情報に詳しい業者に相談したい

(3) 状況別の選び方

状況 おすすめタイプ 理由
都市部の物件 大手 物件数が多く、広告力が強い
地方都市の物件 地域密着型 地元の土地勘と人脈が強み
高額物件 大手 専門スタッフが充実、信用性が高い
中古・リフォーム 地域密着型 柔軟な対応、リフォーム提案が得意
急いで売却 大手 広告力が強く、早く買主を見つけやすい
じっくり売却 地域密着型 長期的なサポート、個別対応が丁寧

推奨アプローチ:

  • 大手と地域密着型の両方に相談し、比較検討する
  • 物件タイプ・エリア・予算に応じて使い分ける

悪質業者の特徴と回避方法

(1) おとり物件広告

おとり物件とは:

  • 実際には存在しない、または既に成約済みの物件を広告に掲載して集客する違法行為

おとり物件の見分け方:

  • 相場より極端に安い: 周辺相場の半額以下の物件は要注意
  • 写真が古い: 写真の画質が悪い、または他のサイトからの転用
  • 詳細情報が不足: 住所・築年数・間取り図が明記されていない
  • 問い合わせ後の対応: 「既に成約しました」と言って他の物件を勧める

回避方法:

  • 複数のサイトで同じ物件を確認
  • 不動産会社に「この物件はまだ募集中か」を直接確認
  • 相場より極端に安い物件は避ける

(2) 囲い込み行為

囲い込みとは:

  • 売主から預かった物件情報を他社に公開せず、自社で買主を見つけようとする違法行為

囲い込みのリスク:

  • 売主は適正価格で売却できない
  • 買主とのマッチング機会を失う
  • 宅地建物取引業法違反

囲い込みの見分け方:

  • REINS登録証明書を受け取れない
  • 「REINS Market Information」で自分の物件が掲載されていない
  • 他の不動産会社に問い合わせると「その物件は扱っていない」と言われる

回避方法:

  • 専任媒介契約・専属専任媒介契約を結んだ場合、REINS登録証明書を必ず受け取る
  • 定期的に「REINS Market Information」で自分の物件が掲載されているか確認
  • 他の不動産会社に「この物件は紹介可能か」と問い合わせてみる

(3) 仲介手数料の不当請求

仲介手数料の上限:

物件価格 仲介手数料の上限
200万円以下 物件価格の5% + 消費税
200万円超〜400万円以下 物件価格の4% + 2万円 + 消費税
400万円超 物件価格の3% + 6万円 + 消費税

: 物件価格3,000万円の場合

  • 仲介手数料の上限 = 3,000万円 × 3% + 6万円 + 消費税 = 105.6万円(消費税10%の場合)

不当請求の見分け方:

  • 上限を超える請求
  • 「広告費」「調査費」等の名目で追加請求
  • 見積もりを書面で出さない

回避方法:

  • 仲介手数料の見積もりを必ず書面で受け取る
  • 上限以内かどうか自分で計算して確認
  • 追加費用がないか確認

(4) 悪質業者の見極め方

悪質業者の特徴:

  • 宅建業免許番号の表示がない、または拒否する
  • 行政処分歴がある(過去5年以内に業務停止命令等)
  • 強引な勧誘・契約を急がせる
  • 重要事項説明を省略する、または形式的に行う
  • 契約書の内容を明確に説明しない
  • 口コミ・レビューが極端に悪い(2点以下)

回避方法:

  • 複数の不動産会社を比較検討する
  • 宅建業免許番号・行政処分歴を必ず確認
  • 焦らせる・強引な勧誘をする会社は避ける
  • 契約前に必ず重要事項説明を受け、内容を理解する

契約前の確認事項とトラブル対策

(1) 重要事項説明の確認

重要事項説明とは:

  • 宅地建物取引士が買主に対して、物件や取引条件に関する重要な事項を説明する義務

確認すべきポイント:

  • 物件の詳細: 所在地、面積、構造、築年数
  • 権利関係: 所有権、抵当権、借地権等
  • 法令上の制限: 用途地域、建ぺい率、容積率
  • インフラ: 上下水道、ガス、電気の整備状況
  • 設備: 付帯設備の有無と状態
  • 契約条件: 手付金、残金、引き渡し時期
  • 特約事項: 契約解除条件、瑕疵担保責任等

注意点:

  • 重要事項説明は契約の直前ではなく、事前に受け取って熟読する
  • 不明点は必ず質問し、納得してから契約する
  • 宅地建物取引士証を確認し、本人確認を行う

(2) 媒介契約の種類

不動産を売却する際、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には3種類あります。

媒介契約の種類 特徴 向いている人
専属専任媒介 1社のみに依頼、自己発見取引も禁止 確実に売却したい
専任媒介 1社のみに依頼、自己発見取引は可能 専門家に任せつつ自分でも探したい
一般媒介 複数社に依頼可能 複数社から提案を受けたい

詳細は、[不動産流通の仕組みと業者選びの完全ガイド]の「媒介契約の種類と特徴」セクションを参照してください。

(3) よくあるトラブル事例

不動産取引でよくあるトラブルは以下の通りです。

トラブルの種類 内容 対策
境界問題 隣地との境界が不明確 購入前に測量・境界確定
契約内容 契約書の内容に誤り・漏れ 重要事項説明を熟読、不明点を質問
設備 設備の故障・不具合 ホームインスペクション(住宅診断)を活用
地中埋設物 地中に廃棄物等が埋まっている 契約前に地歴調査を実施

トラブル回避のポイント:

  • ホームインスペクション(住宅診断)を活用し、建物の劣化状況や欠陥の有無を診断
  • 測量・境界確定を実施し、隣地との境界を明確にする
  • 重要事項説明を丁寧に確認し、不明点は必ず質問
  • 契約書の内容を熟読し、納得してから署名

(4) 公的相談窓口

トラブルが発生した場合、以下の公的相談窓口に相談できます。

相談窓口 内容
消費生活センター 消費者トラブル全般
宅地建物取引業保証協会 業者の違法行為、仲介手数料のトラブル等
東京都住宅政策本部(不動産相談) 不動産取引トラブル(東京都内)
弁護士 契約内容、法的紛争

相談時の準備:

  • 契約書、重要事項説明書、見積書等の書類を用意
  • トラブルの経緯を時系列で整理
  • 不動産会社とのやり取り(メール、録音等)を記録

業者選びの総合的な判断基準

信頼できる不動産業者を選ぶには、以下のチェックリストを活用しましょう。

チェックリスト:

  1. 免許番号の確認: 宅建業免許番号を国土交通省のデータベースで確認
  2. 行政処分歴: ネガティブ情報等検索サイトで過去の処分歴をチェック
  3. 実績: 取引実績、設立年数、宅建士の在籍人数を確認
  4. 口コミ: Googleマップ・口コミサイトでレビューを確認
  5. 対応: 問い合わせ時の対応が丁寧か、質問に誠実に答えるか
  6. 説明: 契約内容・重要事項を分かりやすく説明してくれるか
  7. 透明性: 仲介手数料・追加費用を明示しているか
  8. REINS登録: 専任媒介契約時にREINS登録を徹底しているか
  9. 両手仲介: 両手仲介を行わない(片手仲介のみ)か
  10. アフターフォロー: 契約後のサポート体制が整っているか

判断基準:

  • 10項目中8項目以上を満たす業者を選ぶ
  • 複数の業者を比較し、総合的に判断する
  • 1社に絞らず、大手と地域密着型の両方に相談する

まとめ

不動産業者選びは取引の成否に直結します。宅建業免許番号の確認、行政処分歴のチェック、実績・口コミの確認、大手と地域密着型の比較、悪質業者の回避、契約前の確認事項など、この記事で解説したチェックポイントを押さえて、信頼できる業者を見極めましょう。

不動産取引は高額で専門的な知識が必要です。複数の業者を比較検討し、宅地建物取引士や弁護士等の専門家のアドバイスを受けながら、慎重に選ぶことを推奨します。

トラブルが発生した場合は、公的相談窓口(消費生活センター、宅地建物取引業保証協会等)に早めに相談してください。

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よくある質問

Q1信頼できる不動産会社かどうかを見極める方法は?

A1宅建業免許番号を国土交通省の「宅地建物取引業者検索データベース」で確認し、行政処分歴を「ネガティブ情報等検索サイト」でチェックします。実績・口コミも複数社を比較検討することが重要です。過去5年以内に業務停止命令や免許取消を受けている会社は避け、取引実績・宅建士の在籍人数・顧客レビューを総合的に判断してください。

Q2大手と地域密着型、どちらを選ぶべき?

A2大手不動産会社は実績豊富で信用性が高く、広告力が強いですが、柔軟な交渉が困難な場合が多いです。地域密着型は地元の土地勘と人脈を活かした細やかなサービスと柔軟な対応が強みです。都市部の物件や高額物件は大手、地方都市の物件や中古・リフォーム物件は地域密着型が向いています。両方に相談して比較検討するのが効果的です。

Q3仲介手数料はどれくらいかかる?

A3仲介手数料の上限は、物件価格400万円超の場合「物件価格の3%+6万円+消費税」です。例えば、物件価格3,000万円の場合、仲介手数料の上限は105.6万円(消費税10%の場合)です。この上限を超える請求は違法です。近年は仲介手数料無料や割引サービスを提供する不動産会社も増えており、複数社を比較することを推奨します。

Q4不動産取引でよくあるトラブルは?

A4不動産取引トラブルの約半数は売買取引に関するもので、境界問題、契約内容、設備、地中埋設物が主なトラブル原因です。トラブル回避には、ホームインスペクション(住宅診断)の活用、測量・境界確定の実施、重要事項説明の丁寧な確認が有効です。トラブル発生時は、消費生活センターや宅地建物取引業保証協会等の公的相談窓口に早めに相談してください。

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Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

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