不動産ブローカーとは?違法性と正規業者との違い

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/24

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

不動産ブローカーとは:記事の目的と重要性

不動産取引において「ブローカー」という言葉を耳にすることがありますが、その意味や正規の不動産会社との違い、違法性の有無について疑問を持つ方は少なくありません。

この記事では、不動産ブローカーの定義、宅建業法との関係、違法行為の事例、正規業者の見分け方を、法律と実例を元に解説します。

不動産取引のトラブルを避け、安全に取引を進めるための知識を身につけることができます。

この記事のポイント

  • 不動産ブローカーは宅建業免許を持たずに仲介・斡旋を行う個人や団体を指す俗称
  • 無免許で仲介業を行うと宅建業法違反で3年以下の懲役または300万円以下の罰金
  • 物件情報の紹介のみであれば合法だが、直接仲介すると違法
  • 正規業者は宅建業免許番号を持ち、宅建士の設置が義務付けられている
  • 宅建業免許番号の確認、契約書・領収書の有無でブローカーを見分けられる

不動産ブローカーの基礎知識:定義と業務内容

(1) 不動産ブローカーの定義

不動産ブローカーとは、宅地建物取引業の免許を持たずに、不動産取引の仲介や斡旋を行う個人や団体を指します。日本では俗称として使われ、無免許で仲介業を行う者を指す場合が多いです。

項目 ブローカー 正規仲介業者
宅建業免許 なし あり
宅建士の設置 不要 義務
直接仲介 違法 合法
業務範囲 情報提供・紹介 契約締結・重要事項説明

(参考: マネーフォワード クラウド「ブローカーとは?」

(2) ブローカーの主な業務(物件情報提供・売主買主の紹介)

ブローカーの主な業務は、以下の通りです。

業務内容 詳細
物件情報の提供 未公開物件や市場に出回らない情報を提供
売主・買主の紹介 売り手と買い手をつなぐ紹介業務
正規業者への橋渡し 契約実務は宅建業免許を持つ会社に依頼

ブローカー自身は契約締結や重要事項説明を行わず、正規業者と連携して業務を進めるケースもあります。

(参考: イエウール「不動産ブローカーとは?仕事内容や違法性を解説」

(3) ブローカーの収入源(仲介手数料の10〜50%、企画料等)

ブローカーの収入源は、以下の名目で報酬を受け取ることが一般的です。

名目 金額の目安 内容
紹介料 仲介手数料の10〜50% 正規業者から受け取る
企画料 数十万〜数百万円 物件情報提供の対価
コンサルティング料 数十万〜数百万円 取引支援の対価

企画料やコンサルティング料は、仲介手数料に該当しない名目として使われるため、合法的に報酬を受け取ることが可能です。

不動産ブローカーの違法性と宅建業法との関係

(1) 宅建業法上の規制と免許の必要性

**宅地建物取引業法(宅建業法)**は、不動産取引の適正化を図る法律で、免許なしでの仲介業を禁止しています。

宅建業法第3条では、「宅地建物取引業を営もうとする者は、免許を受けなければならない」と定められています。不動産の売買・交換・賃貸の仲介・代理を業として行う場合は、国土交通大臣または都道府県知事の免許が必要です。

(2) 合法的な活動範囲(紹介のみなら合法)

ブローカーが合法的に活動できる範囲は、以下の通りです。

活動内容 合法性
物件情報の提供 合法
売主・買主の紹介 合法
正規業者への橋渡し 合法
契約締結・重要事項説明 違法(免許必要)

物件情報の紹介や売主・買主の紹介のみであれば、宅建業法違反にはなりません。

(参考: 行政書士みやうち事務所「不動産ブローカーとは」

(3) 違法となるケース(無免許で直接仲介)

以下のケースは、宅建業法違反となります。

違法行為 内容
無免許で契約締結 売買契約書の作成・締結を行う
重要事項説明の実施 宅建士資格なしで重要事項を説明
仲介手数料の直接受領 免許なしで仲介手数料を受け取る

これらの行為を免許なしで行うと、宅建業法第12条第1項違反となります。

(4) 罰則規定(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)

宅建業法違反の罰則は、以下の通りです。

違反内容 罰則
無免許営業 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
無免許で重要事項説明 1年以下の懲役または100万円以下の罰金

悪質な場合は、懲役と罰金の両方が科される可能性があります。

不動産ブローカーのリスクとトラブル事例

(1) 保険未加入による全額損失リスク

正規の不動産業者は、以下の保証制度があります。

保証制度 内容
供託金制度 宅建業者が預ける保証金(取引トラブル時の補償)
保証協会への加入 宅建協会の保証制度(消費者保護)

ブローカーはこれらの保証制度に加入していないため、トラブル時に全額損失のリスクがあります。

(参考: マネーフォワード クラウド「ブローカーとは?」

(2) 手付金詐欺の被害実例(領収書なし・連絡不通)

実際に発生した被害事例:

被害内容 詳細
手付金詐欺 手付金を預けても領収書や契約書がもらえず、連絡が取れなくなる
無断解約 ブローカーが勝手に契約を解除し、返金されない
物件情報の虚偽 実際には存在しない物件や権利関係が不明な物件を紹介

これらの被害に遭った場合、ブローカーは保険未加入のため、損失を全額自己負担するリスクがあります。

(参考: 違法行為?不動産ブローカーの実態と被害実例を紹介

(3) 無断コンサルティング料請求のトラブル

ブローカーが、以下のような名目で無断請求するトラブルがあります。

名目 金額 問題点
コンサルティング料 数十万〜数百万円 事前説明なしで請求
企画料 数十万〜数百万円 実際の業務内容が不明確
紹介料 数十万円 正規業者から既に受け取っているのに二重請求

契約書に明記されていない費用を請求された場合は、支払い義務はありません。

(4) 宅建協会への相談や供託金補償が受けられない

正規業者との取引であれば、以下の相談・補償が受けられます。

制度 内容
宅建協会への相談 トラブル時の相談窓口
供託金からの補償 取引トラブル時の金銭補償

ブローカーとの取引では、これらの制度が一切利用できません。

正規業者の見分け方と安全な取引のための自衛策

(1) 宅建業免許番号の確認方法

正規業者かどうかを見分ける最も確実な方法は、宅建業免許番号の確認です。

確認方法:

  1. 名刺・ホームページを確認: 免許番号は「国土交通大臣(○)第○○○○号」または「都道府県知事(○)第○○○○号」の形式
  2. 国土交通省の検索システムで照会: 国土交通省 宅建業者検索で免許番号を検索
  3. 免許番号がない場合は要注意: 免許番号が明記されていない業者は避ける

(2) 契約書・領収書の有無を必ず確認

以下の書類が発行されない場合は、悪質なブローカーの可能性があります。

書類 確認ポイント
契約書 契約内容・手数料・解約条件が明記されているか
領収書 手付金・仲介手数料の支払い証明
重要事項説明書 宅建士の署名・捺印があるか

これらの書類が発行されない場合は、取引を中止し、正規業者を利用しましょう。

(3) 宅建士の設置義務(正規業者の証明)

正規の不動産業者には、事務所ごとに5人に1人以上の宅建士の設置が義務付けられています

項目 正規業者 ブローカー
宅建士の設置 義務 不要
重要事項説明 宅建士が実施 実施不可
宅建士証の提示 義務 なし

契約前に宅建士証の提示を求め、正規業者であることを確認しましょう。

(4) トラブル時の相談先(宅建協会・消費生活センター)

万が一トラブルに遭った場合は、以下の相談先に連絡してください。

相談先 連絡先 対応内容
宅建協会 都道府県ごとに設置 正規業者とのトラブル相談
消費生活センター 188(消費者ホットライン) 消費者被害の相談
弁護士 法律事務所 法的対応が必要な場合

ただし、ブローカーとの取引では宅建協会の供託金補償が受けられないため、被害回復が困難な場合があります。

まとめ:安全な不動産取引のために知っておくべきこと

不動産ブローカーは宅建業免許を持たずに仲介・斡旋を行う個人や団体で、無免許で直接仲介すると宅建業法違反となります。物件情報の紹介のみであれば合法ですが、保険未加入で全額損失のリスクがあります。

正規業者を見分けるには、宅建業免許番号の確認、契約書・領収書の有無、宅建士の設置義務を確認しましょう。トラブル時は宅建協会や消費生活センターに相談できますが、ブローカーとの取引では供託金補償が受けられません。

安全な不動産取引のために、必ず宅建業免許を持つ正規業者を利用し、信頼できる専門家に相談しながら取引を進めましょう。

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

広告

よくある質問

Q1不動産ブローカーとは何か?

A1宅地建物取引業の免許を持たずに、不動産取引の仲介や斡旋を行う個人や団体を指します。日本では俗称として使われ、無免許で仲介業を行う者を指す場合が多いです。正規業者と異なり、宅建士の設置義務がなく、契約締結や重要事項説明を行うことができません。主な業務は物件情報の提供や売主・買主の紹介で、契約実務は正規業者に依頼します。

Q2不動産ブローカーは違法なのか?

A2免許なしで仲介業を行うと宅建業法違反で違法となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。ただし、物件情報の紹介や売主・買主の紹介のみであれば合法です。違法となるのは、無免許で契約締結・重要事項説明・仲介手数料の直接受領を行った場合です。合法的に活動するブローカーは、正規業者と連携して業務を進めます。

Q3正規業者との違いは何か?

A3正規業者は宅建業免許を保有し、宅建士の設置が義務付けられています。契約締結や重要事項説明を行うことができ、供託金制度や保証協会への加入により消費者保護が図られています。一方、ブローカーは免許なしで紹介を行い、契約実務は正規業者に依頼します。保険未加入のためトラブル時に全額損失のリスクがあり、宅建協会への相談や供託金補償が受けられません。

Q4どうやって正規業者を見分けるのか?

A4宅建業免許番号の有無を必ず確認しましょう。免許番号は「国土交通大臣(○)第○○○○号」または「都道府県知事(○)第○○○○号」の形式で、名刺やホームページに明記されています。国土交通省の検索システムで免許番号を照会できます。契約書や領収書が発行されない場合は悪質なブローカーの可能性があります。正規業者は宅建士の設置が義務付けられており、契約前に宅建士証の提示を求めることができます。

Q5ブローカーとの取引で被害に遭った場合はどうすればいいか?

A5宅建協会や消費生活センター(188:消費者ホットライン)に相談してください。法的対応が必要な場合は弁護士に相談しましょう。ただし、ブローカーは保険未加入が多く供託金補償も受けられないため、全額損失のリスクがあります。被害を避けるには、正規業者を利用することが最善です。取引前に宅建業免許番号を確認し、契約書・領収書の有無を必ず確認してください。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事