楽天銀行の住宅ローンの特徴と審査のポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/18

楽天銀行の住宅ローンを選ぶメリット

住宅ローンを検討する際、「楽天銀行はネット銀行だけど、本当に安心なのか」「金利や手数料は他行と比べてどうなのか」と迷う方は少なくありません。

この記事では、楽天銀行住宅ローンの特徴、金利・手数料・団信の詳細、メリット・デメリット、審査基準と手続きの流れを、楽天銀行公式サイトや第三者機関の評価を元に解説します。

ネット銀行の住宅ローンが自分に合っているか、楽天銀行を選ぶべきかを判断できるようになります。

この記事のポイント

  • 事務手数料が一律33万円で、借入額3,000万円以上なら他行より割安
  • 保証料・繰上げ返済手数料が無料、全疾病保障・がん50%保障が無料付帯
  • 変動金利は年0.5%台~0.7%台で、他のネット銀行より高め
  • 審査基準は年収400万円以上、返済負担率35%以下、単身者は融資不可
  • 楽天経済圏との連携でポイント還元率が高まる

(1) ネット銀行としての金利の低さと手数料の特徴

楽天銀行は、店舗を持たないネット銀行として、以下のコストメリットがあります。

金利:

  • 変動金利: 年0.5%台~0.7%台(2025年1月時点)
  • 他のネット銀行: 年0.3%台~0.4%台

ネット銀行全体と比較すると、楽天銀行の変動金利はやや高めですが、メガバンク(年0.8%~1.0%台)よりは低い水準です。

手数料:

  • 事務手数料: 一律33万円(税込)
  • 保証料: 無料
  • 繰上げ返済手数料: 無料

事務手数料が一律33万円という点が最大の特徴で、借入額が大きいほど割安になります(詳細は後述)。

(2) 楽天経済圏との連携メリット

楽天銀行の住宅ローンは、楽天経済圏(楽天市場、楽天カード等)との連携により、以下のメリットがあります。

  • 楽天住宅ローン + 楽天カード + 給与振り込み口座を統一すると、楽天スーパーVIP会員に認定
  • 楽天市場でのポイント還元率が高まる
  • 楽天ポイントを貯めている方には魅力的

楽天経済圏を活用している方は、住宅ローンを楽天銀行にまとめることで、さらなるメリットを享受できます。

楽天銀行住宅ローンの基本情報と商品内容

楽天銀行の住宅ローンには、金利選択型とフラット35の2種類があります。ここでは、それぞれの特徴と2024年の主な変更点を解説します。

(1) 金利選択型とフラット35の2種類

楽天銀行の住宅ローンは、以下の2種類から選択できます。

種類 特徴 金利タイプ
金利選択型 変動金利または固定特約(2年・3年・5年・7年・10年)を選択可能 変動・固定特約
フラット35 住宅金融支援機構と提携した最長35年固定金利 全期間固定

(出典: 楽天銀行住宅ローン公式サイト

金利選択型:

  • 変動金利: 半年ごとに金利を見直し
  • 固定特約: 一定期間金利を固定、期間終了後は変動金利に移行

フラット35:

  • 全期間固定金利で、金利上昇リスクを回避
  • 審査基準が比較的緩やか(年収制限なし)

(2) 借入可能額と返済期間

金利選択型:

  • 借入可能額: 500万円~1億円(50年ローンは2億円)
  • 返済期間: 1年~35年(50年も選択可能)

フラット35:

  • 借入可能額: 100万円~8,000万円
  • 返済期間: 15年~35年

借入額・返済期間は、審査により決定されます。

(3) 2024年の主な変更点(50年ローン拡充、返済予定表WEB化等)

2024年、楽天銀行住宅ローンには以下の変更がありました。

  • 2024年10月: 50年住宅ローンの最大融資額を1億円から2億円に引き上げ
  • 2024年12月: 2025年1月の住宅ローン基準金利の引き下げを発表
  • 2025年4月予定: 返済予定表がWEB化され、紙の郵送が廃止(楽天銀行口座利用者)
  • 2024年3月: パナソニック ホームズと提携して返済期間最長40年の残価設定型住宅ローン取り扱い開始

(出典: 楽天銀行住宅ローン お知らせ 2024年

最新情報は、楽天銀行公式サイトで確認することを推奨します。

金利・手数料・団信の詳細

住宅ローンを比較する際、金利だけでなく、手数料や団信(団体信用生命保険)も重要です。ここでは、楽天銀行の金利・手数料・団信を詳しく解説します。

(1) 変動金利と固定特約の金利水準(年0.5%台~0.7%台)

楽天銀行の変動金利は、年0.5%台~0.7%台(2025年1月時点)です。

他のネット銀行との比較:

  • 他のネット銀行: 年0.3%台~0.4%台
  • メガバンク: 年0.8%~1.0%台

楽天銀行の変動金利は、ネット銀行の中ではやや高めですが、メガバンクよりは低い水準です。

金利の決定方法:

  • 基準金利 - 金利引下げ幅 = お借入金利
  • 金利は毎月見直され、借入時の金利が適用される

金利は借入時点で確定するため、申込時と借入時で金利が変わる可能性があります。

(2) 事務手数料が一律33万円のメリット(他行2.2%と比較)

楽天銀行の事務手数料は一律33万円(税込)です。多くのネット銀行は「借入額の2.2%」のため、借入額が大きいほど楽天銀行が割安になります。

他行との比較:

借入額 楽天銀行 他行(2.2%) 差額
1,500万円 33万円 33万円 0円
3,000万円 33万円 66万円 -33万円(楽天が有利)
4,000万円 33万円 88万円 -55万円(楽天が有利)
5,000万円 33万円 110万円 -77万円(楽天が有利)

借入額が1,500万円以下では割高ですが、3,000万円以上では大きく割安になります。

(3) 保証料・繰上げ返済手数料が無料

楽天銀行では、以下の費用が無料です。

  • 保証料: 無料(他行では借入額の2%程度かかる場合がある)
  • 繰上げ返済手数料: 無料(一部繰上げ返済・全額繰上げ返済とも無料)

これらの費用が無料であることで、初期費用を軽減できます。

(4) 全疾病保障・がん50%保障が無料付帯

楽天銀行の住宅ローンには、以下の保障が無料で付帯します(2020年1月から)。

  • 全疾病保障: 病気やケガで就業不能になった場合、住宅ローン返済が免除される
  • がん50%保障: がんと診断された場合、住宅ローン残高の50%が保険金で支払われる

オプション:

  • がん100%保障: 年0.2%の金利上乗せで、がん診断時に残高の100%が保険金で支払われる

団信が充実している点は、楽天銀行の大きなメリットです。

(5) 他行口座指定による年0.3%上乗せに注意

楽天銀行の住宅ローンは、返済口座を楽天銀行口座に指定することが推奨されます。

他行口座を指定した場合:

  • 年0.3%の金利上乗せ

この上乗せにより、変動金利が年0.8%~1.0%台になり、メガバンクと同水準になってしまいます。楽天銀行の住宅ローンを利用する場合は、楽天銀行口座を返済口座に指定することを推奨します。

楽天銀行住宅ローンのメリットとデメリット

ここでは、楽天銀行住宅ローンのメリット・デメリットを公平に整理します。他行との比較も含め、どのような人に向いているかを明示します。

(1) メリット:事務手数料の割安さ、団信の充実、楽天ポイント連携

主なメリット:

  1. 事務手数料が一律33万円: 借入額3,000万円以上で他行より割安
  2. 保証料・繰上げ返済手数料が無料: 初期費用を軽減
  3. 全疾病保障・がん50%保障が無料付帯: 団信が充実
  4. 楽天経済圏との連携: 楽天スーパーVIP会員でポイント還元率アップ
  5. WEB申込で手続きが簡単: 店舗に行く必要がない

これらのメリットは、特に借入額が大きい方、楽天経済圏を活用している方に魅力的です。

(2) デメリット:金利が他ネット銀行より高め、単身者不可、審査が厳しい

主なデメリット:

  1. 変動金利が他のネット銀行より高め: 年0.5%台~0.7%台(他行0.3%台~0.4%台)
  2. 単身者(未婚者)は融資を受けられない: 既婚者・内縁関係が条件
  3. 審査が厳しい: クレジットカードの延滞履歴があると通りにくい
  4. 中古住宅の担保評価が低め: 借入額が減る可能性がある
  5. 対面相談が制限される: ネット銀行のため、対面サポートが少ない

これらのデメリットは、特に単身者、クレジット履歴に不安がある方には大きな制約となります。

(3) メガバンク・地方銀行との比較

楽天銀行住宅ローンを、メガバンク・地方銀行と比較すると、以下のような違いがあります。

項目 楽天銀行 メガバンク 地方銀行
変動金利 年0.5%~0.7%台 年0.8%~1.0%台 年0.6%~0.9%台
事務手数料 一律33万円 借入額の2.2% 借入額の2.2%
保証料 無料 有料(借入額の2%程度) 有料(借入額の2%程度)
団信 全疾病保障無料付帯 基本のみ無料 基本のみ無料
対面相談 制限あり 充実 充実

金利・手数料ではネット銀行が有利ですが、対面相談の充実度ではメガバンク・地方銀行が優位です。

(4) 借り換えでメリットが出やすいケース

楽天銀行は、以下のケースで借り換えメリットが出やすいとされています。

  • 現在の住宅ローン残高が3,000万円以上: 事務手数料の割安さが活きる
  • 現在の金利が年1.0%以上: 金利差により返済額を削減できる
  • 保証料を支払った方: 楽天銀行は保証料無料のため、総費用を削減できる

借り換えを検討する場合は、複数社の見積もりを取り、総費用(金利・手数料・保証料等)を比較することを推奨します。

審査基準と手続きの流れ

楽天銀行住宅ローンの審査基準と、WEB申込から融資実行までの流れを解説します。

(1) 年収400万円以上、返済負担率35%以下が必要

楽天銀行の住宅ローン審査では、以下の基準があります。

年収:

  • 年収400万円以上(収入合算含む)
  • 自営業の場合は、過去2年の平均所得

返済負担率:

  • 年収に占める年間返済額の割合が30~35%以下
  • 他の借入(カーローン、教育ローン等)も含めて計算

雇用形態:

  • 会社員、公務員、自営業、契約社員等(収入が安定していること)

(出典: 楽天銀行住宅ローン WEB申込

(2) クレジットカード延滞に厳しい審査基準

楽天銀行の住宅ローン審査では、クレジットカードの延滞履歴が重視されます。

審査で不利になるケース:

  • 過去2年以内にクレジットカードの延滞(61日以上)
  • 消費者金融の利用履歴
  • 債務整理(自己破産、個人再生等)の履歴

クレジット履歴に不安がある場合は、事前に信用情報機関(CIC、JICC等)で自分の信用情報を確認することを推奨します。

(3) 事前審査1~2週間、融資実行まで最短26日・通常45営業日

楽天銀行住宅ローンの手続き期間は、以下の通りです。

事前審査:

  • 期間: 1~2週間
  • 結果: メールで通知

本審査~融資実行:

  • 最短: 26日
  • 通常: 約45営業日

スケジュール例:

  1. WEB申込(1日目)
  2. 事前審査(1~2週間)
  3. 本審査(2~3週間)
  4. 契約手続き(1週間)
  5. 融資実行(約45営業日後)

急ぎの場合は、事前審査申込時に「融資希望日」を明記することで、スムーズに進む場合があります。

(4) WEB申込の手順と必要書類

楽天銀行住宅ローンは、WEB申込が基本です。

申込手順:

  1. 楽天銀行公式サイトで「事前審査申込」
  2. 必要書類をアップロード
  3. 事前審査結果を待つ(1~2週間)
  4. 本審査申込
  5. 契約手続き(電子契約)
  6. 融資実行

必要書類:

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート等)
  • 収入証明書(源泉徴収票、確定申告書等)
  • 物件資料(売買契約書、重要事項説明書等)
  • その他(住民票、印鑑証明書等)

詳細は、楽天銀行公式サイトで確認してください。

まとめ:楽天銀行住宅ローンが向いている人

楽天銀行の住宅ローンは、事務手数料が一律33万円で、借入額3,000万円以上なら他行より割安です。保証料・繰上げ返済手数料が無料、全疾病保障・がん50%保障が無料付帯という点も魅力的です。

一方、変動金利は年0.5%台~0.7%台で、他のネット銀行より高めです。単身者は融資を受けられず、審査も厳しいため、すべての人に向いているわけではありません。

楽天銀行住宅ローンが向いている人は、以下の通りです。

  • 借入額が3,000万円以上で、事務手数料を節約したい
  • 楽天経済圏を活用しており、ポイント還元を重視
  • 既婚者で、クレジット履歴に問題がない
  • WEB手続きに抵抗がなく、対面相談をあまり必要としない

住宅ローン選びは個別の状況により最適解が異なるため、複数社の見積もりを取り、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しながら、総合的に判断することを推奨します。

よくある質問

Q1楽天銀行の住宅ローンの金利は他行と比べて高いですか?

A1変動金利は年0.5%台~0.7%台で、他のネット銀行の0.3%台~0.4%台より高めです。ただし事務手数料が一律33万円(他行は借入額の2.2%)のため、借入額が3,000万円以上なら総費用は割安になる可能性があります。金利だけでなく、手数料・保証料も含めた総費用で比較することが重要です。

Q2事務手数料が一律33万円のメリットは何ですか?

A2他行の事務手数料(借入額の2.2%)と比較すると、借入額が1,500万円以下では割高ですが、3,000万円以上では割安になります。例えば4,000万円借入の場合、他行88万円に対し楽天銀行は33万円で、55万円節約できます。借入額が大きいほどメリットが大きくなります。

Q3楽天銀行の住宅ローン審査は厳しいですか?

A3年収400万円以上、返済負担率35%以下が必要で、クレジットカードの延滞履歴があると審査に通りにくい傾向があります。また単身者(未婚者)は融資を受けられない制限があります。既婚者で、安定した収入があり、クレジット履歴に問題がない方に向いています。

Q4審査にどれくらい時間がかかりますか?

A4事前審査は1~2週間、本審査を含め融資実行まで最短26日、通常は約45営業日かかります。WEB申込により手続きは比較的スムーズですが、書類不備があると遅れる可能性があります。融資希望日を明記することで、スケジュールを調整できる場合があります。

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Room Match編集部

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