楽天銀行の住宅ローンを選ぶメリット
住宅ローンを検討する際、「楽天銀行はネット銀行だけど、本当に安心なのか」「金利や手数料は他行と比べてどうなのか」と迷う方は少なくありません。
この記事では、楽天銀行住宅ローンの特徴、金利・手数料・団信の詳細、メリット・デメリット、審査基準と手続きの流れを、楽天銀行公式サイトや第三者機関の評価を元に解説します。
ネット銀行の住宅ローンが自分に合っているか、楽天銀行を選ぶべきかを判断できるようになります。
この記事のポイント
- 事務手数料が一律33万円で、借入額3,000万円以上なら他行より割安
- 保証料・繰上げ返済手数料が無料、全疾病保障・がん50%保障が無料付帯
- 変動金利は年0.5%台~0.7%台で、他のネット銀行より高め
- 審査基準は年収400万円以上、返済負担率35%以下、単身者は融資不可
- 楽天経済圏との連携でポイント還元率が高まる
(1) ネット銀行としての金利の低さと手数料の特徴
楽天銀行は、店舗を持たないネット銀行として、以下のコストメリットがあります。
金利:
- 変動金利: 年0.5%台~0.7%台(2025年1月時点)
- 他のネット銀行: 年0.3%台~0.4%台
ネット銀行全体と比較すると、楽天銀行の変動金利はやや高めですが、メガバンク(年0.8%~1.0%台)よりは低い水準です。
手数料:
- 事務手数料: 一律33万円(税込)
- 保証料: 無料
- 繰上げ返済手数料: 無料
事務手数料が一律33万円という点が最大の特徴で、借入額が大きいほど割安になります(詳細は後述)。
(2) 楽天経済圏との連携メリット
楽天銀行の住宅ローンは、楽天経済圏(楽天市場、楽天カード等)との連携により、以下のメリットがあります。
- 楽天住宅ローン + 楽天カード + 給与振り込み口座を統一すると、楽天スーパーVIP会員に認定
- 楽天市場でのポイント還元率が高まる
- 楽天ポイントを貯めている方には魅力的
楽天経済圏を活用している方は、住宅ローンを楽天銀行にまとめることで、さらなるメリットを享受できます。
楽天銀行住宅ローンの基本情報と商品内容
楽天銀行の住宅ローンには、金利選択型とフラット35の2種類があります。ここでは、それぞれの特徴と2024年の主な変更点を解説します。
(1) 金利選択型とフラット35の2種類
楽天銀行の住宅ローンは、以下の2種類から選択できます。
| 種類 | 特徴 | 金利タイプ |
|---|---|---|
| 金利選択型 | 変動金利または固定特約(2年・3年・5年・7年・10年)を選択可能 | 変動・固定特約 |
| フラット35 | 住宅金融支援機構と提携した最長35年固定金利 | 全期間固定 |
(出典: 楽天銀行住宅ローン公式サイト)
金利選択型:
- 変動金利: 半年ごとに金利を見直し
- 固定特約: 一定期間金利を固定、期間終了後は変動金利に移行
フラット35:
- 全期間固定金利で、金利上昇リスクを回避
- 審査基準が比較的緩やか(年収制限なし)
(2) 借入可能額と返済期間
金利選択型:
- 借入可能額: 500万円~1億円(50年ローンは2億円)
- 返済期間: 1年~35年(50年も選択可能)
フラット35:
- 借入可能額: 100万円~8,000万円
- 返済期間: 15年~35年
借入額・返済期間は、審査により決定されます。
(3) 2024年の主な変更点(50年ローン拡充、返済予定表WEB化等)
2024年、楽天銀行住宅ローンには以下の変更がありました。
- 2024年10月: 50年住宅ローンの最大融資額を1億円から2億円に引き上げ
- 2024年12月: 2025年1月の住宅ローン基準金利の引き下げを発表
- 2025年4月予定: 返済予定表がWEB化され、紙の郵送が廃止(楽天銀行口座利用者)
- 2024年3月: パナソニック ホームズと提携して返済期間最長40年の残価設定型住宅ローン取り扱い開始
(出典: 楽天銀行住宅ローン お知らせ 2024年)
最新情報は、楽天銀行公式サイトで確認することを推奨します。
金利・手数料・団信の詳細
住宅ローンを比較する際、金利だけでなく、手数料や団信(団体信用生命保険)も重要です。ここでは、楽天銀行の金利・手数料・団信を詳しく解説します。
(1) 変動金利と固定特約の金利水準(年0.5%台~0.7%台)
楽天銀行の変動金利は、年0.5%台~0.7%台(2025年1月時点)です。
他のネット銀行との比較:
- 他のネット銀行: 年0.3%台~0.4%台
- メガバンク: 年0.8%~1.0%台
楽天銀行の変動金利は、ネット銀行の中ではやや高めですが、メガバンクよりは低い水準です。
金利の決定方法:
- 基準金利 - 金利引下げ幅 = お借入金利
- 金利は毎月見直され、借入時の金利が適用される
金利は借入時点で確定するため、申込時と借入時で金利が変わる可能性があります。
(2) 事務手数料が一律33万円のメリット(他行2.2%と比較)
楽天銀行の事務手数料は一律33万円(税込)です。多くのネット銀行は「借入額の2.2%」のため、借入額が大きいほど楽天銀行が割安になります。
他行との比較:
| 借入額 | 楽天銀行 | 他行(2.2%) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 1,500万円 | 33万円 | 33万円 | 0円 |
| 3,000万円 | 33万円 | 66万円 | -33万円(楽天が有利) |
| 4,000万円 | 33万円 | 88万円 | -55万円(楽天が有利) |
| 5,000万円 | 33万円 | 110万円 | -77万円(楽天が有利) |
借入額が1,500万円以下では割高ですが、3,000万円以上では大きく割安になります。
(3) 保証料・繰上げ返済手数料が無料
楽天銀行では、以下の費用が無料です。
- 保証料: 無料(他行では借入額の2%程度かかる場合がある)
- 繰上げ返済手数料: 無料(一部繰上げ返済・全額繰上げ返済とも無料)
これらの費用が無料であることで、初期費用を軽減できます。
(4) 全疾病保障・がん50%保障が無料付帯
楽天銀行の住宅ローンには、以下の保障が無料で付帯します(2020年1月から)。
- 全疾病保障: 病気やケガで就業不能になった場合、住宅ローン返済が免除される
- がん50%保障: がんと診断された場合、住宅ローン残高の50%が保険金で支払われる
オプション:
- がん100%保障: 年0.2%の金利上乗せで、がん診断時に残高の100%が保険金で支払われる
団信が充実している点は、楽天銀行の大きなメリットです。
(5) 他行口座指定による年0.3%上乗せに注意
楽天銀行の住宅ローンは、返済口座を楽天銀行口座に指定することが推奨されます。
他行口座を指定した場合:
- 年0.3%の金利上乗せ
この上乗せにより、変動金利が年0.8%~1.0%台になり、メガバンクと同水準になってしまいます。楽天銀行の住宅ローンを利用する場合は、楽天銀行口座を返済口座に指定することを推奨します。
楽天銀行住宅ローンのメリットとデメリット
ここでは、楽天銀行住宅ローンのメリット・デメリットを公平に整理します。他行との比較も含め、どのような人に向いているかを明示します。
(1) メリット:事務手数料の割安さ、団信の充実、楽天ポイント連携
主なメリット:
- 事務手数料が一律33万円: 借入額3,000万円以上で他行より割安
- 保証料・繰上げ返済手数料が無料: 初期費用を軽減
- 全疾病保障・がん50%保障が無料付帯: 団信が充実
- 楽天経済圏との連携: 楽天スーパーVIP会員でポイント還元率アップ
- WEB申込で手続きが簡単: 店舗に行く必要がない
これらのメリットは、特に借入額が大きい方、楽天経済圏を活用している方に魅力的です。
(2) デメリット:金利が他ネット銀行より高め、単身者不可、審査が厳しい
主なデメリット:
- 変動金利が他のネット銀行より高め: 年0.5%台~0.7%台(他行0.3%台~0.4%台)
- 単身者(未婚者)は融資を受けられない: 既婚者・内縁関係が条件
- 審査が厳しい: クレジットカードの延滞履歴があると通りにくい
- 中古住宅の担保評価が低め: 借入額が減る可能性がある
- 対面相談が制限される: ネット銀行のため、対面サポートが少ない
これらのデメリットは、特に単身者、クレジット履歴に不安がある方には大きな制約となります。
(3) メガバンク・地方銀行との比較
楽天銀行住宅ローンを、メガバンク・地方銀行と比較すると、以下のような違いがあります。
| 項目 | 楽天銀行 | メガバンク | 地方銀行 |
|---|---|---|---|
| 変動金利 | 年0.5%~0.7%台 | 年0.8%~1.0%台 | 年0.6%~0.9%台 |
| 事務手数料 | 一律33万円 | 借入額の2.2% | 借入額の2.2% |
| 保証料 | 無料 | 有料(借入額の2%程度) | 有料(借入額の2%程度) |
| 団信 | 全疾病保障無料付帯 | 基本のみ無料 | 基本のみ無料 |
| 対面相談 | 制限あり | 充実 | 充実 |
金利・手数料ではネット銀行が有利ですが、対面相談の充実度ではメガバンク・地方銀行が優位です。
(4) 借り換えでメリットが出やすいケース
楽天銀行は、以下のケースで借り換えメリットが出やすいとされています。
- 現在の住宅ローン残高が3,000万円以上: 事務手数料の割安さが活きる
- 現在の金利が年1.0%以上: 金利差により返済額を削減できる
- 保証料を支払った方: 楽天銀行は保証料無料のため、総費用を削減できる
借り換えを検討する場合は、複数社の見積もりを取り、総費用(金利・手数料・保証料等)を比較することを推奨します。
審査基準と手続きの流れ
楽天銀行住宅ローンの審査基準と、WEB申込から融資実行までの流れを解説します。
(1) 年収400万円以上、返済負担率35%以下が必要
楽天銀行の住宅ローン審査では、以下の基準があります。
年収:
- 年収400万円以上(収入合算含む)
- 自営業の場合は、過去2年の平均所得
返済負担率:
- 年収に占める年間返済額の割合が30~35%以下
- 他の借入(カーローン、教育ローン等)も含めて計算
雇用形態:
- 会社員、公務員、自営業、契約社員等(収入が安定していること)
(出典: 楽天銀行住宅ローン WEB申込)
(2) クレジットカード延滞に厳しい審査基準
楽天銀行の住宅ローン審査では、クレジットカードの延滞履歴が重視されます。
審査で不利になるケース:
- 過去2年以内にクレジットカードの延滞(61日以上)
- 消費者金融の利用履歴
- 債務整理(自己破産、個人再生等)の履歴
クレジット履歴に不安がある場合は、事前に信用情報機関(CIC、JICC等)で自分の信用情報を確認することを推奨します。
(3) 事前審査1~2週間、融資実行まで最短26日・通常45営業日
楽天銀行住宅ローンの手続き期間は、以下の通りです。
事前審査:
- 期間: 1~2週間
- 結果: メールで通知
本審査~融資実行:
- 最短: 26日
- 通常: 約45営業日
スケジュール例:
- WEB申込(1日目)
- 事前審査(1~2週間)
- 本審査(2~3週間)
- 契約手続き(1週間)
- 融資実行(約45営業日後)
急ぎの場合は、事前審査申込時に「融資希望日」を明記することで、スムーズに進む場合があります。
(4) WEB申込の手順と必要書類
楽天銀行住宅ローンは、WEB申込が基本です。
申込手順:
- 楽天銀行公式サイトで「事前審査申込」
- 必要書類をアップロード
- 事前審査結果を待つ(1~2週間)
- 本審査申込
- 契約手続き(電子契約)
- 融資実行
必要書類:
- 本人確認書類(運転免許証、パスポート等)
- 収入証明書(源泉徴収票、確定申告書等)
- 物件資料(売買契約書、重要事項説明書等)
- その他(住民票、印鑑証明書等)
詳細は、楽天銀行公式サイトで確認してください。
まとめ:楽天銀行住宅ローンが向いている人
楽天銀行の住宅ローンは、事務手数料が一律33万円で、借入額3,000万円以上なら他行より割安です。保証料・繰上げ返済手数料が無料、全疾病保障・がん50%保障が無料付帯という点も魅力的です。
一方、変動金利は年0.5%台~0.7%台で、他のネット銀行より高めです。単身者は融資を受けられず、審査も厳しいため、すべての人に向いているわけではありません。
楽天銀行住宅ローンが向いている人は、以下の通りです。
- 借入額が3,000万円以上で、事務手数料を節約したい
- 楽天経済圏を活用しており、ポイント還元を重視
- 既婚者で、クレジット履歴に問題がない
- WEB手続きに抵抗がなく、対面相談をあまり必要としない
住宅ローン選びは個別の状況により最適解が異なるため、複数社の見積もりを取り、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しながら、総合的に判断することを推奨します。
