楽天銀行住宅ローンのデメリットと選び方のポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/20

楽天銀行住宅ローンのデメリットを知る重要性

住宅ローンは数千万円規模の長期債務です。金利の低さだけで選ぶと、手数料・保障内容・審査基準などの見落としで後悔する可能性があります。

この記事では、楽天銀行住宅ローンのデメリットとメリットを、モゲチェック、ZUU online、auじぶん銀行などの情報を元にバランスよく解説します。

ネット銀行の住宅ローンを検討している方が、自分に合った銀行を選べるようになります。

この記事のポイント

  • 変動金利1.002%~は他のネット銀行(0.3%台)より高め
  • 融資事務手数料33万円定額は、借入金額が大きい場合に有利
  • 無料で全疾病保障+がん50%保障が付帯するが、就業不能期間1年超の条件あり
  • 単身者には融資しない方針、対面相談もできない
  • 金利・団信・手数料を総合比較し、ファイナンシャルプランナーへの相談を推奨

楽天銀行住宅ローンの基礎知識

楽天銀行住宅ローンは、ネット銀行の一つとして、低金利と団信の充実を特徴としています。

金利タイプと最新金利(2025年時点)

楽天銀行の住宅ローン金利は以下の通りです。

金利タイプ 金利(2025年時点)
変動金利 1.002%~
固定金利 取扱いあり(要確認)

(出典: モゲチェック

変動金利とは、市場金利に応じて定期的に見直される金利タイプです。一般的に固定金利より低いですが、金利上昇リスクがあります。楽天銀行は毎月金利を見直しているため、金利動向に注意が必要です。

変動金利1.002%~は、他のネット銀行(auじぶん銀行・ソニー銀行の0.3%台)より高めです。金利だけで比較すると、他のネット銀行が有利に見えますが、手数料・団信を含めた総コストで判断することが重要です。

融資事務手数料の仕組み

楽天銀行の融資事務手数料は33万円(税込)定額です。

融資事務手数料とは、住宅ローン契約時に金融機関に支払う手数料です。

一般的なネット銀行の手数料体系は以下の通りです。

銀行 融資事務手数料
楽天銀行 33万円(税込)定額
auじぶん銀行 借入金額×2.2%
ソニー銀行(変動セレクト) 借入金額×2.2%
ソニー銀行(住宅ローン) 44,000円(税込)定額
住信SBIネット銀行 借入金額×2.2%

借入金額が大きい場合、定額手数料の楽天銀行が有利です。

例(3,000万円借入の場合):

  • 楽天銀行: 33万円
  • auじぶん銀行: 3,000万円 × 2.2% = 66万円

借入金額が1,500万円以下の場合は、借入金額×2.2%の方が安くなる可能性があるため、総コストでの比較が必要です。

団信(全疾病保障・がん保障)の内容

楽天銀行住宅ローンには、無料で以下の保障が付帯します。

  • 全疾病保障:病気・ケガで就業不能になった場合にローン返済を保障
  • がん50%保障:がんと診断された場合、ローン残高の50%を保障

**団信(団体信用生命保険)**とは、住宅ローン契約者が死亡・高度障害時にローン残高が保険金で完済される保険です。

全疾病保障は、病気・ケガで就業不能になった場合にローン返済を保障する保険ですが、楽天銀行の場合、就業不能期間が1年超が適用条件です。

この条件は、他のネット銀行(auじぶん銀行など)より厳しい傾向があります。最新の保障内容は、楽天銀行公式サイトで確認することを推奨します。

楽天銀行住宅ローンの主なデメリット

楽天銀行住宅ローンのデメリットを4つ解説します。

変動金利が他のネット銀行より高め

楽天銀行の変動金利1.002%~は、主要ネット銀行と比較して高めです。

銀行 変動金利(2025年時点)
楽天銀行 1.002%~
auじぶん銀行 0.3%台
ソニー銀行 0.3%台
住信SBIネット銀行 0.3%台

(出典: モゲチェック、各銀行公式サイト)

変動金利は毎月見直されるため、金利上昇リスクを考慮した返済計画が必要です。

ただし、金利だけで判断せず、融資事務手数料・団信を含めた総コストで比較することが重要です。

単身者には融資しない方針

楽天銀行は、単身者には融資しない方針を取っています。(出典: モゲチェック

単身者の方は、以下のネット銀行を検討する必要があります。

  • auじぶん銀行
  • ソニー銀行
  • 住信SBIネット銀行

単身者向けの住宅ローンを提供している銀行の中から、金利・団信・手数料を総合的に比較して選ぶことを推奨します。

団信の保障適用条件が厳しい

楽天銀行の全疾病保障は、就業不能期間が1年超が適用条件です。(出典: ゼロ仲介

他のネット銀行では、就業不能期間が6ヶ月や3ヶ月で保障が適用される場合もあります。

保障内容を重視する方は、以下の点を確認することを推奨します。

  • 就業不能期間の条件
  • がん保障の範囲(診断時、治療時等)
  • 保障の上乗せオプション(有料)の有無

最新の保障内容は、各銀行の公式サイトで確認してください。

楽天銀行口座以外を返済口座にすると金利上乗せ

楽天銀行以外の口座を返済口座にすると、年0.3%金利上乗せされます。(出典: モゲチェック

このため、楽天銀行口座を返済口座にするのが必須です。

すでにメガバンクや他のネット銀行を給与振込口座としている方は、以下の対応が必要になります。

  • 楽天銀行口座を開設
  • 給与振込口座を楽天銀行に変更、または毎月手動で資金移動

口座管理の手間が増える点を考慮して、検討することを推奨します。

ネット銀行住宅ローン共通のデメリット

楽天銀行に限らず、ネット銀行全般に共通するデメリットを4つ解説します。

対面相談ができない

ネット銀行は店舗を持たないため、対面相談ができません。(出典: モゲチェック

以下のような方には不向きです。

  • 住宅ローンの仕組みを詳しく知らない初心者
  • 複雑な家族構成・収入状況で、個別相談が必要な方
  • 対面で直接質問したい方

ネット銀行を検討する場合でも、ファイナンシャルプランナー(FP)や宅建士に事前相談することを推奨します。

審査が厳格(書類のみで機械的に審査)

ネット銀行は、書類のみで機械的に審査するため、メガバンクより厳格な傾向があります。(出典: モゲチェック

特に、以下の点が厳しくチェックされます。

  • クレジットカードの支払い延滞
  • 他のローンの返済状況
  • 勤続年数・年収の安定性

信用情報とは、クレジットカード・ローンの支払い履歴のことで、CIC・JICCなどの信用情報機関に記録され、住宅ローン審査で参照されます。

審査に不安がある方は、事前にCICやJICCで自身の信用情報を確認することを推奨します。

つなぎ融資に対応していない

多くのネット銀行は、つなぎ融資に対応していません。(出典: モゲチェック

つなぎ融資とは、注文住宅の着工金・中間金を支払うための短期融資です。

注文住宅を建てる場合、以下の支払いが必要になります。

  • 着工金(契約時)
  • 中間金(工事中)
  • 残金(完成時)

住宅ローンは物件完成後に実行されるため、着工金・中間金の支払いにはつなぎ融資が必要です。

つなぎ融資が必要な方は、以下の銀行を検討してください。

  • メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行等)
  • 地方銀行
  • つなぎ融資対応のネット銀行(要確認)

再建築不可物件・築古物件は取扱い不可

ネット銀行は、再建築不可物件や築年数が古い物件を取り扱っていないケースがほとんどです。(出典: モゲチェック

以下のような物件を検討している方は、ネット銀行では融資を受けられない可能性があります。

  • 再建築不可物件(建築基準法の接道要件を満たさない等)
  • 築年数が極端に古い物件(築40年超等)
  • 私道の所有権・使用許諾権に問題がある物件

このような物件を検討している方は、メガバンクや地方銀行に相談することを推奨します。

楽天銀行住宅ローンのメリットと他行比較

デメリットだけでなく、楽天銀行住宅ローンのメリットも解説します。

融資事務手数料33万円定額の強み

楽天銀行の融資事務手数料33万円定額は、借入金額が大きい場合に有利です。

例(3,000万円借入の場合):

銀行 融資事務手数料
楽天銀行 33万円
auじぶん銀行(借入金額×2.2%) 66万円

借入金額が大きいほど、定額手数料のメリットが大きくなります。

ただし、借入金額が1,500万円以下の場合は、借入金額×2.2%の方が安くなる可能性があるため、具体的な金額で計算することを推奨します。

無料で全疾病保障+がん50%保障

楽天銀行住宅ローンには、無料で以下の保障が付帯します。

  • 全疾病保障
  • がん50%保障

他のネット銀行では、全疾病保障が有料オプションの場合もあります。

ただし、就業不能期間が1年超という条件があるため、保障内容を詳しく確認することが重要です。

他のネット銀行(auじぶん・ソニー・住信SBI)との比較

主要ネット銀行を比較すると、以下の通りです。

銀行 変動金利 融資事務手数料 団信 特徴
楽天銀行 1.002%~ 33万円定額 全疾病+がん50%(無料) 定額手数料が強み
auじぶん銀行 0.3%台 借入金額×2.2% 全疾病(無料) 金利が最も低い
ソニー銀行 0.3%台 44,000円定額 or 借入金額×2.2% 追加保障は有料 長期固定金利が強み
住信SBIネット銀行 0.3%台 借入金額×2.2% 全疾病(無料) 2024年融資実行額No.1

(出典: モゲチェック住宅ローン比較.netauじぶん銀行住信SBIネット銀行

金利を重視するならauじぶん銀行、融資事務手数料を抑えたいなら楽天銀行、長期固定金利を検討するならソニー銀行が有力な選択肢です。

まとめ:楽天銀行住宅ローンの選び方

楽天銀行住宅ローンは、融資事務手数料33万円定額と無料の全疾病保障+がん50%保障が強みです。変動金利は他のネット銀行より高めですが、総コストで比較すると有利な場合があります。

一方、単身者融資不可、対面相談不可、つなぎ融資非対応などのデメリットもあります。

住宅ローンは数千万円規模の長期債務です。以下のステップで慎重に検討することを推奨します。

  1. 複数のネット銀行(auじぶん・ソニー・住信SBI等)の金利・団信・手数料を総合比較
  2. 自身の信用情報をCIC・JICCで事前確認
  3. ファイナンシャルプランナー(FP)や宅建士に相談
  4. 最新情報は各銀行の公式サイトで確認

変動金利は市場金利により変動するため、金利上昇リスクを考慮した返済計画を立てることが重要です。

よくある質問

Q1楽天銀行の住宅ローン金利は他のネット銀行より高いのか?

A1変動金利1.002%~で、auじぶん銀行・ソニー銀行の0.3%台より高めです。ただし、融資事務手数料が33万円定額のため、借入金額が大きい場合は総コストで有利になる可能性があります。金利だけでなく、融資事務手数料・団信を含めた総コストで比較することが重要です。最新金利は楽天銀行公式サイトでご確認ください。

Q2楽天銀行は単身者でも借りられるのか?

A2楽天銀行は単身者には融資しない方針です。単身者の方は、auじぶん銀行、ソニー銀行、住信SBIネット銀行などを検討する必要があります。各銀行の審査基準は異なるため、複数の銀行に相談することを推奨します。詳細は各銀行の公式サイトでご確認ください。

Q3ネット銀行の住宅ローン審査は厳しいのか?

A3ネット銀行は書類のみで機械的に審査するため、メガバンクより厳格な傾向があります。特に、クレジットカードの支払い延滞は厳しく見られます。審査に不安がある方は、事前にCIC・JICCで自身の信用情報を確認することを推奨します。信用情報は住宅ローン審査で必ず参照される重要な情報です。

Q4つなぎ融資は利用できるのか?

A4多くのネット銀行はつなぎ融資に非対応です。注文住宅で着工金・中間金が必要な場合は、つなぎ融資対応のメガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行等)や地方銀行を検討してください。一部のネット銀行でつなぎ融資に対応している場合もあるため、各銀行に直接お問い合わせください。

Q5団信の保障内容はどう違うのか?

A5楽天銀行は無料で全疾病保障+がん50%保障が付帯します。ただし、就業不能期間が1年超という条件があり、他行より厳しい傾向です。auじぶん銀行、住信SBIネット銀行なども全疾病保障を無料で提供していますが、保障の適用条件は銀行により異なります。最新の保障内容は各銀行の公式サイトで確認することを推奨します。

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Room Match編集部

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