固定資産税をQRコード決済で払うメリット
固定資産税の納付方法を選ぶ際、「QRコード決済は便利なのか」と気になる方は少なくありません。2023年4月から地方税統一QRコード(eL-QR)が導入され、全国1,700以上の自治体でスマホアプリによる納付が可能になりました。
この記事では、固定資産税をQRコード決済で支払う方法、利用可能なアプリ、メリット・注意点を解説します。総務省や東京都主税局等の公式情報を元に、2025年時点の最新情報をお伝えします。
この記事のポイント
- 地方税統一QRコード(eL-QR)により、全国1,700以上の自治体でQRコード決済が利用可能
- PayPay、楽天ペイ、au PAY、d払い等の主要スマホ決済アプリが対応
- 手数料無料(クレジットカードは約0.8%の手数料が必要)
- 24時間365日、自宅から納付可能
- 領収書は発行されず、納付確認に2〜3週間かかる点に注意
地方税統一QRコード(eL-QR)の仕組み
(1) 2023年4月導入の全国統一規格
地方税統一QRコード(eL-QR)は、総務省が2023年4月1日に導入した全国統一規格のQRコードです。従来は自治体ごとに異なる納付方法でしたが、eL-QRの導入により、全国どこでも同じ方法で納付できるようになりました。
eL-QRの特徴:
- 納付書に印刷されたQRコードをスマホで読み取るだけで納付可能
- 地方税お支払サイトを経由して、クレジットカードやインターネットバンキングでも支払える
- 全国の金融機関・コンビニで利用可能
eL-QRは、固定資産税だけでなく、住民税、軽自動車税、国民健康保険料等の地方税全般に対応しています。
(2) 対応自治体と確認方法
2025年時点で、全国1,700以上の自治体がeL-QRに対応しています。お住まいの自治体が対応しているかは、納付書にeL-QRが印刷されているかで確認できます。
確認方法:
- 納付書の下部にQRコードが印刷されているか確認
- 自治体の公式サイトで「地方税統一QRコード」「eL-QR」「スマホ決済」等のキーワードで検索
- 不明な場合は、自治体の税務担当課に問い合わせ
例えば、東京都主税局では、対応アプリや納付手順の詳細を公開しています。
利用可能なQRコード決済アプリ
(1) PayPay・楽天ペイ・au PAY・d払い
主要なスマホ決済アプリが、eL-QRに対応しています。
PayPay:
- 本人確認済みのPayPayマネー残高が必要
- PayPayポイントやあと払いは税金の支払いに使用不可
- 手数料無料
楽天ペイ:
- 楽天キャッシュ(チャージ残高)が必要
- 期間限定ポイントも利用可能(ポイント消化に便利)
- 手数料無料
- 2024年6月以降、ポイント還元は廃止
au PAY:
- au PAY残高が必要
- au PAYポイントも利用可能
- 手数料無料
d払い:
- d払い残高が必要
- dポイントも利用可能
- 手数料無料
(2) FamiPay・J-Coin Pay等その他アプリ
その他にも、以下のアプリが対応しています。
- FamiPay: ファミリーマート発のスマホ決済、FamiPayポイント利用可能
- J-Coin Pay: みずほ銀行系のスマホ決済
- モバイルレジ: 地方税収納サービス
- 楽天銀行アプリ: 楽天銀行口座からの引き落とし
対応アプリは自治体により異なる場合があるため、お住まいの自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。
QRコード決済での納付手順
(1) スマホアプリでの読み取りから支払いまで
QRコード決済での納付手順は、以下の通りです。
手順:
- スマホ決済アプリを起動
- 「請求書払い」「バーコード読取」等のメニューを選択
- 納付書に印刷されたeL-QR(QRコード)をカメラで読み取る
- 納付金額が表示されるので確認
- 支払い方法(残高・ポイント)を選択
- 「支払う」ボタンをタップして完了
所要時間は1〜2分程度です。金融機関やコンビニに行く手間がなく、自宅から24時間365日いつでも納付できます。
(2) 複数納付書のまとめ払い
固定資産税を分割払いにしている場合、複数の納付書のQRコードを連続で読み取り、合計額をまとめて納付することも可能です。
まとめ払いの手順:
- 1枚目の納付書のQRコードを読み取る
- 「追加する」ボタンをタップ
- 2枚目、3枚目のQRコードを順次読み取る
- 合計金額を確認して支払い
まとめ払いにより、1回の操作で複数期分を納付できるため、手間が省けます。
QRコード決済の注意点と制限事項
(1) 領収書が発行されない点
QRコード決済では、領収書が発行されません。納税証明書が即座に必要な場合は、金融機関窓口またはコンビニでの納付を選択してください。
領収書が必要な場合の対応:
- 金融機関窓口で現金払い(領収書発行)
- コンビニで現金または電子マネー払い(領収書発行)
- 納付後2〜3週間経過してから、市区町村の窓口で納税証明書を取得(手数料300円程度)
QRコード決済後は、アプリの支払い履歴で納付記録を確認できます。
(2) 納付確認に時間がかかる点
QRコード決済で納付した場合、自治体のシステムへの反映に2〜3週間かかります。納付直後に納税証明書を取得しようとしても、納付記録が反映されていないため発行されません。
注意すべきケース:
- 不動産売却時の納税証明書が必要な場合
- 住宅ローン審査で納税証明書が必要な場合
- 補助金申請で納税証明書が必要な場合
これらのケースでは、納期限の2〜3週間前までに納付するか、即座に領収書が発行される方法(窓口・コンビニ)を選択してください。
まとめ:QRコード決済を活用した納付のポイント
固定資産税のQRコード決済は、手数料無料で24時間いつでも納付できる便利な方法です。2023年4月の地方税統一QRコード(eL-QR)導入により、全国1,700以上の自治体で利用可能になりました。
QRコード決済がおすすめのケース:
- 自宅から手軽に納付したい
- 金融機関・コンビニに行く時間がない
- 期間限定ポイントを消化したい(楽天ペイ等)
- 手数料をかけたくない
QRコード決済が不向きなケース:
- 領収書が即座に必要
- 納税証明書を早急に取得したい
- ポイント還元を期待したい(2024年以降は基本的に廃止)
QRコード決済を活用することで、納税手続きの手間を大幅に削減できます。ただし領収書が発行されない点と、納付確認に2〜3週間かかる点には注意してください。お住まいの自治体の対応状況や利用可能なアプリは、公式サイトで最新情報をご確認ください。


