固定資産税の電子納付とは?基本的な仕組み
固定資産税の納付方法は、従来の銀行窓口やコンビニエンスストアでの現金納付に加えて、オンラインで完結する電子納付が利用できるようになっています。
この記事では、固定資産税の電子納付方法を網羅的に解説し、各サービスの手数料、対応自治体、ポイント還元の有無を一覧化します。総務省の地方税共通納税システム解説や各自治体の公式サイトを元に、利用手順とメリット・デメリットを詳しく説明します。
30-50代の不動産所有者の方でも、電子納付の仕組みや対応サービス、手数料の有無を正確に把握し、利用開始に踏み切れるようになります。
この記事のポイント
- 固定資産税の電子納付方法は、スマホ決済アプリ、クレジットカード、ペイジー、eLTAX共通納税システムの4種類が主な選択肢
- 2023年4月開始のeL-QR(地方税統一QRコード)により、全国どの自治体でも統一的に電子納付が可能
- スマホ決済アプリは決済手数料が無料でポイント還元も受けられるため、最もお得な支払い方法の一つ
- クレジットカード払いは手数料(税額の0.8-1.0%)がかかるため、ポイント還元率との比較計算が必要
- eLTAX共通納税システムを利用すれば、複数の自治体への納付を一括で行え、法人・個人事業主の事務負担を大幅に軽減できる
(1) 従来の納付方法(銀行窓口・コンビニ)との違い
従来の固定資産税の納付方法は、以下の2つが主流でした。
| 納付方法 | 特徴 | 利用時間 |
|---|---|---|
| 銀行窓口 | 現金または口座振替で納付 | 平日9:00-15:00(金融機関により異なる) |
| コンビニ | 現金で納付(納付書1枚あたり30万円まで) | 24時間 |
電子納付は、これらの従来の方法に加えて、スマートフォンやパソコンから24時間365日納付できる点が大きな違いです。
(2) 2023年4月開始のeL-QR(地方税統一QRコード)システム
総務省の公式発表によると、2023年4月1日から「eL-QR(地方税統一QRコード)」システムが全国で開始されました。
eL-QRは、納付書に印字された全国統一規格のQRコードです。このQRコードを読み取ることで、スマホ決済アプリや地方税お支払サイトから簡単に納付できます。
(3) 電子納付の対応状況は自治体により異なる
eL-QRシステムは全国統一規格ですが、各自治体が提供する電子納付サービス(クレジットカード払い、スマホ決済アプリの種類等)は自治体により異なる場合があります。
事前にお住まいの自治体の公式サイトで確認することを推奨します。
固定資産税の電子納付方法4選
(1) スマホ決済アプリ(PayPay、LINE Pay等)
スマホ決済アプリを使った納付は、決済手数料が無料でポイント還元も受けられるため、最もお得な支払い方法の一つです。
東京都主税局によると、PayPay、LINE Pay等のスマホアプリで納付できます。
利用可能な主なアプリ:
- PayPay
- LINE Pay
- d払い
- au PAY
- 楽天ペイ(自治体により異なる)
手順:
- 納付書に印字されたバーコードまたはeL-QRコードを読み取る
- 納付金額を確認
- 支払い方法を選択(残高、銀行口座、クレジットカード等)
- 納付完了
(2) クレジットカード払い(地方税お支払サイト)
クレジットカード払いは、地方税お支払サイトまたは各自治体の納付サイトから利用できます。
手数料: 税額の0.8-1.0%程度(自治体により異なる)
利用可能なカード: Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club(自治体により異なる)
手順:
- 地方税お支払サイト(https://www.payment.eltax.lta.go.jp/)にアクセス
- 納付書に印字されたeL-QRコードを読み取る
- クレジットカード情報を入力
- 決済手数料を確認
- 納付完了
(3) ペイジー(Pay-easy)
ペイジーは、インターネットバンキングやATMから税金・公共料金を納付できる仕組みです。2023年4月から地方税への対応が拡大し、全国ほぼすべての地方公共団体で利用可能になりました。
手数料: 無料(金融機関により異なる場合がある)
手順(インターネットバンキング):
- 金融機関のインターネットバンキングにログイン
- ペイジー(税金・料金払込)を選択
- 納付書に記載された収納機関番号・納付番号等を入力
- 納付金額を確認
- 納付完了
手順(ATM):
- 金融機関のATMで「ペイジー」を選択
- 納付書に記載された収納機関番号・納付番号等を入力
- 納付金額を確認
- 現金またはキャッシュカードで納付
(4) eLTAX共通納税システム(ダイレクト納付)
eLTAX(エルタックス)は、地方税の電子申告・電子納税を行うためのシステムです。2019年10月に開始された共通納税システムを利用すれば、複数の自治体への地方税を一度の操作で納付できます。
手数料: 無料
ダイレクト納付の特徴:
- 事前登録した金融機関口座から直接納付
- インターネットバンキング契約不要
- 法人・個人事業主の事務負担を大幅に軽減
利用開始手順:
- PCdesk(eLTAXのクライアントソフト)をダウンロード
- 利用者ID取得
- 電子証明書の準備(マイナンバーカード等)
- ダイレクト納付の口座情報を登録
eL-QR(地方税統一QRコード)を使った納付方法
(1) eL-QRとは(2023年4月1日開始)
eL-QRは、総務省が導入を主導した地方税統一QRコードです。2023年4月1日から全国で開始され、全ての自治体で統一的な電子納付が可能になりました。
(2) 納付書のQRコードを読み取る手順
納付書には、eL-QRコード(QRコード)とバーコードが印字されています。
- eL-QRコード: スマホアプリ、地方税お支払サイト、ペイジー対応ATMで利用可能
- バーコード: スマホ決済アプリ(PayPay、LINE Pay等)で利用可能
(3) スマホアプリでの納付方法
スマホ決済アプリ(PayPay、LINE Pay等)を起動し、「請求書支払い」または「バーコード/QRコード読み取り」を選択します。納付書のバーコードまたはeL-QRコードをカメラで読み取り、納付金額を確認して支払いを完了します。
(4) 地方税お支払サイトでの納付方法
(5) 全国どの自治体でも統一的に利用可能
eL-QRシステムは全国統一規格のため、引っ越しや複数の不動産所有でも、同じ手順で納付できます。全国銀行協会の記事によると、スマホ・PCから24時間納付可能です。
電子納付のメリット・デメリット
(1) メリット:24時間365日納付可能
電子納付は、スマートフォンやパソコンから24時間365日いつでも納付できます。金融機関の営業時間や休日を気にする必要がありません。
(2) メリット:金融機関窓口に行く必要なし
従来の銀行窓口納付では、平日9:00-15:00に金融機関に行く必要がありました。電子納付を利用すれば、自宅やオフィスから納付できます。
(3) メリット:複数自治体への一括納付(eLTAX)
eLTAXの共通納税システムを利用すれば、複数の自治体への地方税を一度の操作で納付できます。複数の不動産を所有している法人・個人事業主にとって、事務負担を大幅に軽減できます。
(4) メリット:ポイント還元(スマホ決済)
スマホ決済アプリを利用すれば、決済手数料が無料でポイント還元も受けられます。ポイント還元率は0.5-1.0%程度が一般的です。
(5) デメリット:領収証書が発行されない場合がある
スマホ決済アプリでの納付は、領収証書が発行されない場合があります。確定申告等で領収証が必要な場合は、金融機関窓口またはペイジー(ATM)での納付を推奨します。
(6) デメリット:クレジットカード払いは手数料がかかる
クレジットカード払いは、決済手数料(税額の0.8-1.0%程度)がかかります。ポイント還元率が手数料を上回る場合のみメリットがあるため、事前に比較計算が必要です。
電子納付サービスの手数料とポイント還元比較
(1) スマホ決済:手数料無料、ポイント還元あり
HOME4Uの記事によると、スマホ決済(PayPay、LINE Pay等)は決済手数料が無料です。ポイント還元率は0.5-1.0%程度が一般的です。
| サービス | 決済手数料 | ポイント還元率 | 領収証書 |
|---|---|---|---|
| PayPay | 無料 | 0.5-1.5% | なし |
| LINE Pay | 無料 | 0.5-1.0% | なし |
| d払い | 無料 | 0.5-1.0% | なし |
| au PAY | 無料 | 0.5-1.0% | なし |
(2) クレジットカード:手数料0.8-1.0%、ポイント還元率と要比較
クレジットカード払いは、決済手数料(税額の0.8-1.0%程度)がかかります。ポイント還元率が手数料を上回る高還元率のカード(1.0%以上)でのみメリットがあります。
計算例(税額10万円の場合):
- 決済手数料(0.8%): 800円
- ポイント還元(1.0%): 1,000円
- 実質メリット: +200円
(3) ペイジー:手数料無料
ペイジーは、金融機関のインターネットバンキングやATMから納付でき、手数料は無料です(金融機関により異なる場合があります)。
(4) eLTAXダイレクト納付:手数料無料
eLTAXのダイレクト納付は、事前登録した金融機関口座から直接納付するため、手数料は無料です。インターネットバンキング契約も不要です。
(5) コンビニ払いの30万円制限との違い
コンビニエンスストアでの納付は、納付書1枚あたり30万円までの制限があります。電子納付(クレジットカード、ペイジー、eLTAX等)には、この制限がない場合が多いです(自治体により異なる場合があります)。
まとめ:固定資産税の電子納付を活用するポイント
固定資産税の電子納付方法は、スマホ決済アプリ、クレジットカード、ペイジー、eLTAX共通納税システムの4種類が主な選択肢です。2023年4月開始のeL-QR(地方税統一QRコード)により、全国どの自治体でも統一的に電子納付が可能になりました。
スマホ決済アプリは決済手数料が無料でポイント還元も受けられるため、最もお得な支払い方法の一つです。クレジットカード払いは手数料(税額の0.8-1.0%)がかかるため、ポイント還元率との比較計算が必要です。
eLTAX共通納税システムを利用すれば、複数の自治体への納付を一括で行え、法人・個人事業主の事務負担を大幅に軽減できます。
電子納付の対応状況は自治体により異なる場合があるため、事前にお住まいの自治体の公式サイトで確認してください。確定申告等で領収証が必要な場合は、金融機関窓口またはペイジー(ATM)での納付を推奨します。


