固定資産税のPayPay払いでポイントがつかない理由
固定資産税をPayPayで支払ったのに「ポイントがつかない」と気づいた方は少なくありません。PayPayは通常の買い物ではポイントが付与されますが、税金の支払いでは異なる扱いとなっています。
この記事では、PayPayで固定資産税を支払ってもポイントがつかない理由、PayPayステップのカウント対象としての活用方法、他のお得な支払い方法を解説します。自分に合った支払い方法を選ぶことで、少しでもお得に固定資産税を納付できます。
2024年時点の最新情報を元に、実用的な知識をお届けします。
この記事のポイント
- PayPay請求書払いは2022年4月以降ポイント付与の対象外となり、固定資産税を支払ってもPayPayポイントは貯まらない
- PayPayステップの決済回数・利用金額にはカウントされるため、他の買い物での還元率アップに間接的に貢献する
- クレジットカードから電子マネー(nanaco等)にチャージしてコンビニで支払う方法が、手数料無料でカードポイントが貯まるため有効
- クレジットカード払いは還元率1%なら10万円で1,000円分のポイントが貯まるが、決済手数料(1万円につき73円程度)がかかるため還元率と手数料を比較して判断すべき
- au PAYやファミペイなど、2024年時点で税金支払いにポイント還元がある決済アプリを活用すると、PayPayより得になる場合がある
(1) 2022年4月以降の変更内容
2022年4月以降、PayPay請求書払いはポイント付与の対象外となりました。
それまでは、PayPayで税金や公共料金を支払うと、0.5〜1.5%の特典ポイントが付与されていましたが、この制度は廃止されました。
変更の経緯:
- 2022年3月まで: PayPay請求書払いで0.5〜1.5%のポイント付与
- 2022年4月以降: PayPay請求書払いはポイント付与の対象外
- 現在: 固定資産税を含む税金の支払いではPayPayポイントは貯まらない
この変更により、PayPayで固定資産税を支払っても、直接的なポイント還元は期待できなくなりました。
(2) 請求書払いがポイント対象外となった背景
PayPay請求書払いがポイント対象外となった背景には、サービスの運営方針の変更があります。
推測される理由:
- コスト削減: 税金支払いは高額になりやすく、ポイント付与のコストが大きい
- 利益率の低さ: 税金支払いは決済手数料が低く、ポイント付与を続けると採算が取れない
- ユーザー獲得後の方針転換: PayPayが十分に普及した後、キャンペーンから収益性重視へシフト
このような事情から、PayPayは税金や公共料金の支払いに対するポイント付与を終了しました。
(3) 2025年4月以降の追加変更
2025年4月2日以降、公共料金の各社ウェブページや店頭でPayPayで支払う際も、PayPay請求書払いと同様にポイント付与対象外となる変更が予定されています。
この変更により、PayPayでの税金・公共料金支払いに対するポイント付与は、さらに限定的になります。最新情報はPayPay公式サイトで確認できます。
PayPayで固定資産税を支払う方法とメリット
ポイントはつきませんが、PayPayで固定資産税を支払うメリットもあります。ここでは、具体的な支払い方法と利点を解説します。
(1) eL-QRコードを使った支払い手順
固定資産税の納付書に印刷されている**eL-QRコード(地方税統一QRコード)**を使って、PayPayで簡単に支払いができます。
支払い手順:
- PayPayアプリを開く
- ホーム画面の「税金の支払い」アイコンをタップ(2024年4月23日から追加)
- 納付書のeL-QRコードをスキャン
- 支払い金額を確認
- 支払い方法を選択(PayPay残高またはPayPayクレジット)
- 「支払う」をタップして完了
eL-QRコードは2023年4月から導入され、PayPay以外の複数のキャッシュレス決済アプリでも利用できるようになりました。
(2) 決済手数料無料で自宅から簡単支払い
PayPayで固定資産税を支払う最大のメリットは、決済手数料が無料で、自宅から簡単に支払える点です。
PayPay払いのメリット:
- 決済手数料無料: クレジットカード払いのような決済手数料がかからない
- 24時間いつでも支払い可能: 自宅から好きな時間に支払える
- 窓口やコンビニに行く必要がない: 時間節約になる
- PayPay残高を活用できる: 普段の買い物で貯めたPayPay残高を税金支払いに充てられる
特に、忙しくて窓口やコンビニに行く時間がない方、高齢で外出が難しい方にとって、自宅で簡単に支払えるのは大きなメリットです。
(3) 支払い上限額(30万円)と注意点
PayPay請求書払いには上限額が30万円という制限があります。
注意点:
- 高額な固定資産税(30万円超)を一括で支払えない
- 分割払いまたは他の支払い方法を検討する必要がある
- 領収書が発行されないため、納税証明書が必要な場合(車検、住宅ローン申込等)は後日市区町村で取得する必要がある
領収書が必要な場合は、窓口払いや口座振替を選択することが推奨されます。
PayPayステップのカウント対象としての活用
PayPay請求書払いはポイント付与の対象外ですが、PayPayステップのカウント対象には含まれます。
(1) PayPayステップとは
PayPayステップとは、PayPayの利用状況(決済回数・利用金額)に応じて、翌月のポイント還元率が優遇される仕組みです。
PayPayステップの仕組み(2024年時点):
- 月間の決済回数と利用金額に応じて、翌月のポイント還元率が決定
- 条件を満たすと、最大で1.5%のポイント還元(基準還元率0.5% + 条件達成ボーナス)
詳細な条件は頻繁に変更されるため、PayPay公式サイトで最新情報を確認することが推奨されます。
(2) 決済回数・利用金額のカウント
PayPayで固定資産税を支払うと、以下がPayPayステップのカウント対象となります。
- 決済回数: 1回としてカウント
- 利用金額: 支払った固定資産税の金額がカウント
例:
- 固定資産税を10万円PayPayで支払った場合、決済回数+1、利用金額+10万円としてカウントされる
- これにより、翌月のポイント還元率が上がる可能性がある
(3) 間接的なポイント還元率アップ効果
PayPayで固定資産税を支払うこと自体ではポイントは貯まりませんが、PayPayステップのカウントにより、他の買い物でのポイント還元率が上がるという間接的な効果があります。
具体例:
- 固定資産税10万円をPayPayで支払い、PayPayステップの条件を達成
- 翌月のポイント還元率が0.5%から1.0%にアップ
- 翌月に5万円の買い物をした場合、500円分のポイントが貯まる(還元率0.5%なら250円)
- 差額250円分が間接的な恩恵
このように、固定資産税の支払いを戦略的に活用することで、間接的にポイント還元のメリットを得ることが可能です。
固定資産税をお得に支払う他の方法
PayPay以外にも、固定資産税をお得に支払う方法があります。ここでは、代表的な方法を紹介します。
(1) クレジットカード払いとポイント還元
クレジットカード払いは、還元率に応じてポイントが貯まります。
クレジットカード払いのメリット:
- ポイント還元: 還元率1%のカードなら10万円で1,000円分のポイント
- 分割払い可能: 高額な税金を分割で支払える(分割手数料に注意)
デメリット:
- 決済手数料がかかる: 1万円につき73円程度(自治体により異なる)
- 還元率と手数料を比較する必要がある
計算例:
- 固定資産税: 10万円
- 還元率1%のクレジットカードで支払い
- ポイント: 1,000円分
- 決済手数料: 730円(10万円 ÷ 1万円 × 73円)
- 実質的な得: 1,000円 - 730円 = 270円
還元率が高いクレジットカードを使えば、決済手数料を上回るポイントが貯まる場合があります。
(2) 電子マネー(nanaco等)の活用
**電子マネー(nanaco、WAON等)**を活用する方法も、手数料無料でポイントが貯まるため有効です。
nanaco払いの仕組み:
- クレジットカードからnanacoにチャージ(チャージ時にカードポイント獲得)
- セブンイレブンでnanacoを使って固定資産税を支払う(手数料無料)
- カードのポイントのみが貯まる
メリット:
- 決済手数料無料
- クレジットカードのチャージポイントが貯まる
- 高額な税金でも上限なく支払える(nanaco1枚あたりの上限50万円)
注意点:
- nanacoチャージでポイントが貯まるクレジットカードは限定的(セブンカード・プラス等)
- 2020年以降、多くのクレジットカードがnanacoチャージのポイント付与を終了
(3) au PAY・ファミペイ等の還元率が高いアプリ
2024年時点で、税金支払いにポイント還元がある決済アプリもあります。
au PAY:
- 一部のキャンペーンで税金支払いにポイント還元がある場合がある
- Pontaポイントが貯まる
ファミペイ:
- 税金支払いで一定のポイント還元がある場合がある
- ファミペイボーナスが貯まる
これらのアプリは、キャンペーン内容が頻繁に変更されるため、利用前に公式サイトで最新情報を確認することが推奨されます。
支払い方法別のポイント還元率と手数料の比較
各支払い方法のポイント還元率と手数料を比較し、自分に合った方法を選びましょう。
(1) クレジットカード:還元率1%だが決済手数料あり
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ポイント還元率 | 0.5〜1.0%(カードにより異なる) |
| 決済手数料 | 1万円につき73円程度 |
| メリット | ポイントが貯まる、分割払い可能 |
| デメリット | 決済手数料がかかる |
おすすめの人: 還元率が高いクレジットカードを持っている人、分割払いを希望する人
計算例(還元率1%、固定資産税10万円):
- ポイント: 1,000円分
- 決済手数料: 730円
- 実質的な得: 270円
(2) 電子マネー:チャージ時のポイント獲得
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ポイント還元率 | クレジットカードのチャージポイント(0.5〜1.0%) |
| 決済手数料 | 無料 |
| メリット | 手数料無料、高額でも上限なく支払える |
| デメリット | チャージできるクレジットカードが限定的 |
おすすめの人: セブンカード・プラス等、nanacoチャージでポイントが貯まるカードを持っている人
計算例(セブンカード・プラス、還元率0.5%、固定資産税10万円):
- ポイント: 500円分
- 決済手数料: 0円
- 実質的な得: 500円
(3) PayPay:手数料無料だが直接ポイント付与なし
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ポイント還元率 | 0%(直接的なポイント付与なし) |
| 決済手数料 | 無料 |
| メリット | 手数料無料、自宅から簡単支払い、PayPayステップのカウント対象 |
| デメリット | 直接的なポイント還元なし、上限30万円 |
おすすめの人: PayPayステップの条件達成を目指している人、手軽に支払いたい人
間接的な効果:
- PayPayステップのカウント対象となり、翌月の還元率アップに貢献
- 他の買い物でのポイント還元率が上がる可能性がある
まとめ:自分に合った固定資産税の支払い方法の選び方
固定資産税のPayPay払いは、2022年4月以降ポイント付与の対象外となり、直接的なポイント還元は期待できません。ただし、PayPayステップの決済回数・利用金額にカウントされるため、他の買い物での還元率アップに間接的に貢献します。
クレジットカード払いは還元率1%なら10万円で1,000円分のポイントが貯まりますが、決済手数料(1万円につき73円程度)がかかるため、還元率と手数料を比較して判断すべきです。クレジットカードから電子マネー(nanaco等)にチャージしてコンビニで支払う方法が、手数料無料でカードポイントが貯まるため有効です。
au PAYやファミペイなど、2024年時点で税金支払いにポイント還元がある決済アプリを活用すると、PayPayより得になる場合があります。ただし、キャンペーン内容は頻繁に変更されるため、利用前に公式サイトで最新情報を確認することが重要です。
自分に合った支払い方法を選ぶ基準:
- ポイント重視: クレジットカード払い(還元率 > 手数料の場合)、または電子マネー(nanacoチャージ)
- 手軽さ重視: PayPay払い(決済手数料無料、自宅から支払い)
- 領収書が必要: 窓口払いまたは口座振替
- 高額(30万円超): クレジットカード払い、電子マネー、窓口払い
自分の状況に合わせて、最もお得で便利な支払い方法を選びましょう。詳細な税務判断や具体的な節税対策が必要な場合は、税理士への相談を推奨します。
