固定資産税をポイント還元で賢く支払う理由と2024年の最新状況
毎年納める固定資産税は、まとまった金額になるため「少しでもお得に支払いたい」と考える方は少なくありません。楽天ペイ、PayPay、d払いなど、スマホ決済アプリでの支払いが可能になり、ポイント還元を期待する声も多いでしょう。
しかし、2024年時点では、楽天ペイ(2024年6月4日以降)、PayPay(2022年4月1日以降)、d払い(基本的に)のいずれもポイント付与対象外となっています。この記事では、固定資産税の各支払い方法(現金・クレジットカード・スマホ決済・ペイジー)のメリット・デメリット、手数料とポイント還元率の比較、2024年の最新情報を整理し、あなたに最適な支払い方法を選べるようガイドします。
不動産を所有する30-60代の方が、支払い方法の選択で損をしないよう、公式情報を元に解説します。
この記事のポイント
- 楽天ペイ、PayPay、d払いは2024年時点で固定資産税のポイント付与対象外
- スマホ決済は手数料無料だが、ポイント還元も基本的にない
- クレジットカードは手数料(税額の0.8%前後)がかかり、還元率1%未満だと損をする
- d払いのキャンペーンやPayPayステップのカウント対象など、間接的なメリットはある
- 自治体により対応状況が異なるため、お住まいの自治体サイトで確認が必要
固定資産税の支払い方法一覧:現金・クレジットカード・スマホ決済・ペイジー
固定資産税の支払い方法は、大きく分けて以下の5つです。
| 支払い方法 | 手数料 | ポイント還元 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 現金・口座振替 | 無料 | なし | 窓口・コンビニで支払い可能 |
| クレジットカード | 税額の0.8%前後 | カードの還元率による(通常0.5-1%) | ポイント還元と手数料の比較が必要 |
| スマホ決済 | 無料 | 基本的になし(2024年時点) | 24時間いつでも支払い可能 |
| ペイジー | 無料 | なし | 金融機関のATM・ネットバンキングで支払い |
| eL-QR | 無料 | 基本的になし | 2023年4月導入、26種類のアプリ対応 |
(1) 現金・口座振替:手数料無料だがポイント還元なし
最もシンプルな方法です。市町村の窓口、コンビニエンスストア、金融機関で納付書を持参して支払います。口座振替を設定すれば、納期限に自動引き落としされます。手数料は無料ですが、ポイント還元はありません。
(2) クレジットカード:ポイント還元あり、手数料あり(税額の0.8%前後)
クレジットカードで固定資産税を支払うと、カードのポイント還元率(通常0.5-1%)に応じてポイントが貯まります。ただし、決済手数料として税額の0.8%前後がかかるため、ポイント還元率が1%未満のカードでは損をする計算になります。
例えば、固定資産税10万円をクレジットカード(還元率0.5%)で支払った場合:
- ポイント獲得:500円相当
- 決済手数料:800円
- 実質損失:300円
還元率1%以上のカードなら、手数料を上回るポイントが貯まる可能性があります。
(3) スマホ決済:手数料無料、2024年時点でほぼポイント付与なし
PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、ファミペイなど、スマホ決済アプリで固定資産税を支払うことができます。手数料は無料ですが、2024年時点では、主要なアプリのほとんどがポイント付与対象外となっています。
東急リバブルによると、2024年5月時点で26種類のスマホ決済アプリがeL-QR(地方税統一QRコード)に対応しています。
(4) ペイジー(Pay-easy):手数料無料、ポイント還元なし
ペイジーは、金融機関のATMやインターネットバンキングで税金・公共料金を支払えるサービスです。手数料は無料ですが、ポイント還元もありません。
(5) eL-QR(地方税統一QRコード)の導入:2023年4月から26種類のアプリ対応
2023年4月から、地方税統一QRコード(eL-QR)が導入されました。これにより、全国1,700以上の自治体で、複数のスマホ決済アプリを使った地方税の支払いが可能になりました。
d払い公式サイトによると、2023年4月17日からeL-QR対応が開始され、納付書のQRコードを読み取るだけで支払いができるようになっています。
楽天ペイでの支払い:2024年6月4日以降のポイント付与終了と楽天ポイント利用
(1) 楽天ペイ請求書払いの使い方:バーコード/QRコード読み取り
楽天ペイアプリの「請求書払い」機能を使えば、固定資産税の納付書に印字されたバーコードまたはQRコードを読み取って支払いができます。楽天キャッシュまたは楽天ポイントで支払うことができます。
(2) 2024年6月4日からポイント付与対象外に変更
楽天ペイ公式サイトによると、2024年6月4日から、請求書払いはポイント進呈の対象外となりました。それまでは、楽天カードから楽天キャッシュにチャージすることで0.5%のポイント還元を受けられましたが、この仕組みも終了しました。
(3) 楽天キャッシュ・楽天ポイントでの支払いは可能
2024年6月4日以降もポイント付与はありませんが、楽天ポイントを支払いに使うことは可能です。普段の買い物で貯めた楽天ポイントを固定資産税の支払いに充てることで、実質的な節約になります。
(4) 楽天カードでチャージしても0.5%還元がなくなった理由
楽天ペイは、他の決済サービスと同様に、税金支払いへのポイント付与を終了する方針に転換しました。これは、税金支払いによるポイント還元コストが大きくなったためと考えられます。
PayPay・d払いでの支払い:ポイント付与なしでもメリットはある?
(1) PayPayでの支払い:2022年4月1日以降ポイント付与なし
KaikeiZineによると、PayPayは2022年4月1日以降、固定資産税などの請求書払いでPayPayポイントを付与しないルールに変更されました。
(2) PayPayステップへのカウント対象:決済回数・金額が還元率向上に寄与
ただし、固定資産税の支払いでも、決済回数と支払い金額はPayPayステップのカウント対象となります。PayPayステップは、月間の決済回数や支払い金額に応じてポイント還元率が変動する仕組みです。税金の支払いで決済回数や金額を稼ぐことで、他の支払いでの還元率向上に寄与します。
(3) d払いでの支払い:基本的にdポイント付与なし
税金・マネー・計算によると、d払いの請求書払いで固定資産税を支払っても、dポイントは基本的に付与されません。
(4) d払いキャンペーン:抽選で500万dポイント山分け等の企画
ただし、d払いはキャンペーン時に「請求書払い利用で500万dポイント山分け」などの抽選企画を実施しています。納税時期にd払いの公式サイトでキャンペーン情報をチェックすると、抽選でポイントを獲得できる可能性があります。
(5) au PAY・ファミペイ等の他のスマホ決済アプリの状況
au PAY、ファミペイなど、他のスマホ決済アプリも同様に、固定資産税の支払いでポイント付与はほとんどありません。ただし、アプリやキャンペーン時期により異なるため、各サービスの公式情報を確認してください。
クレジットカード払いとスマホ決済の比較:手数料 vs ポイント還元率
(1) クレジットカード払いの手数料:税額の0.8%前後
クレジットカードで固定資産税を支払う場合、決済手数料として税額の0.8%前後がかかります。自治体により手数料率は異なりますが、10万円の税額なら800円程度です。
(2) ポイント還元率1%未満のカードは損をする計算
還元率0.5%のクレジットカードで10万円を支払った場合:
- ポイント獲得:500円相当
- 決済手数料:800円
- 実質損失:300円
還元率1%のクレジットカードで10万円を支払った場合:
- ポイント獲得:1,000円相当
- 決済手数料:800円
- 実質利益:200円
還元率1%以上のカードでないと、手数料を上回るポイントが貯まらない計算になります。
(3) スマホ決済は手数料無料だがポイント付与も基本的にない
スマホ決済は手数料無料のため、損をすることはありません。ただし、2024年時点ではポイント付与も基本的にないため、現金・口座振替と同じく「手数料無料・ポイント還元なし」の選択肢となります。
(4) 2024年時点で最もお得な支払い方法の選び方
2024年時点での支払い方法の選び方は、以下の通りです。
| 状況 | 推奨方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 還元率1%以上のクレジットカードを持っている | クレジットカード | 手数料を上回るポイントが貯まる |
| 還元率1%未満のクレジットカードしか持っていない | スマホ決済 | 手数料無料で損をしない |
| 楽天ポイントを大量に持っている | 楽天ペイ | ポイントを税金支払いに充てられる |
| d払いキャンペーン開催中 | d払い | 抽選でポイント獲得のチャンスがある |
| PayPayを普段から使っている | PayPay | PayPayステップのカウント対象になる |
ただし、自治体によってクレジットカード払いやスマホ決済に対応していない場合もあります。お住まいの自治体の公式サイトで、利用可能な支払い方法を確認してください。
まとめ:2024年時点で固定資産税を最もお得に支払う方法と注意点
固定資産税の支払い方法は多様化しましたが、2024年時点では、楽天ペイ、PayPay、d払いといった主要なスマホ決済アプリでポイント付与が終了しています。クレジットカードは手数料(税額の0.8%前後)がかかるため、還元率1%以上のカードでないと損をする計算になります。
スマホ決済は手数料無料のため、ポイント還元がなくても損をすることはありません。楽天ポイントを税金支払いに充てたり、d払いのキャンペーンで抽選ポイントを狙ったり、PayPayステップのカウント対象として活用したりするなど、間接的なメリットを活かす方法もあります。
お住まいの自治体の対応状況や、各決済サービスの最新キャンペーン情報を確認しながら、あなたに最適な支払い方法を選びましょう。
