固定資産税の一括納付を検討する前に知っておきたいこと
固定資産税の納付書が届いたとき、「一括で支払うべきか、分割で支払うべきか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、固定資産税の一括納付のメリット・デメリット、分割納付との違い、賢い支払い方法を、総務省の公式情報や自治体の納税案内を元に解説します。
不動産所有者が、自分に合った納付方法を選び、キャッシュフロー管理を最適化できるようになります。
この記事のポイント
- 固定資産税の一括払いと分割払いは合計額が同じで、割引制度はない(2024年現在)
- 一括払いの最大のメリットは納付忘れ防止(年度初めに一度支払えば翌年まで納税の心配不要)
- まとまった資金が必要(4〜6月に十数万〜数十万円の支払いが発生)で、無理して一括納付する金銭的メリットはない
- キャッシュレス決済(スマホ決済・クレジットカード)でポイント還元を受けられる
- 第1期の納付期限を過ぎると延滞金が発生(最大年14.6%の追加納税)
固定資産税の一括納付とは|分割納付との違い
固定資産税の納付方法には、一括納付と分割納付の2種類があります。
(1) 一括納付の仕組み(第1期の納期限内に全額納付)
一括納付とは、固定資産税の年税額を第1期の納期限内に全額納付する方法です(4期分をまとめて支払う)。納付書に「全期分」と記載されている欄を使用して納付します。
納期限は自治体により異なりますが、東京23区は7月1日、横浜市は4月末日が第1期の納期限です(2024年)。
(2) 分割納付の仕組み(年4回に分けて納付)
分割納付とは、固定資産税の年税額を年4回に分けて納付する方法です。一般的な納付方法で、多くの納税者が分割納付を選択しています。
MeetsMoreによると、年4回の分割払いが基本で、納付書に第1期〜第4期までの納付書が同封されています。
(3) 納期限の自治体差(東京23区は7月・9月・12月・2月)
納期限は自治体により異なります。
| 自治体 | 第1期 | 第2期 | 第3期 | 第4期 |
|---|---|---|---|---|
| 東京23区 | 7月1日 | 9月30日 | 12月27日 | 2月28日 |
| 横浜市 | 4月末日 | 7月末日 | 12月末日 | 翌年2月末日 |
お住まいの市区町村の公式サイトで最新情報を確認してください。
一括納付のメリット|納付忘れ防止と心理的負担軽減
一括納付の主なメリットは以下の通りです。
(1) 最大のメリットは納付忘れ防止(年度初めに一度支払えば安心)
大樹不動産によると、一括払いの最大のメリットは納付忘れ防止です。年度初めに一度支払えば、翌年まで納税の心配が不要になります。
納付忘れによる延滞金の発生リスクを軽減できます。
(2) 心理的な負担の軽減(年4回の手続きが不要)
年4回の納付手続きが1回で済むため、心理的な負担が軽減されます。毎回納付書を用意し、窓口や金融機関に行く手間が省けます。
(3) 延滞金の発生リスク軽減
納期限までに納めなかった場合、延滞金が発生します(最大年14.6%、滞納日数に応じて増加)。一括納付により、第2期以降の納付忘れによる延滞金の発生リスクを完全に回避できます。
一括納付のデメリット|まとまった資金が必要、割引なし
一括納付のデメリットも理解したうえで、選択することが重要です。
(1) まとまった資金が必要(4〜6月に十数万〜数十万円)
一括納付では、4〜6月にまとまった資金(十数万〜数十万円)の支払いが発生します。資金繰りが厳しい場合は、分割納付を推奨します。
キャッシュフロー管理の観点から、無理のない納付方法を選択してください。
(2) 一括払いしても割引がない(年金・健康保険とは異なる)
日野市の公式サイトによると、全期分を一度に支払っても割引はありません(2024年現在)。
割引制度の比較:
| 税金・保険 | 一括払いの割引 |
|---|---|
| 固定資産税 | なし |
| 国民年金 | あり(2年前納で約15,000円割引) |
| 国民健康保険 | 自治体により異なる |
固定資産税は年金・健康保険とは異なり、一括納付の金銭的メリットはありません。
(3) 第1期の納付期限を過ぎると延滞金が発生(最大年14.6%)
第1期の納付期限を過ぎると、延滞金が発生します。延滞金の税率は最大年14.6%で、滞納日数に応じて増加します(2024年)。
期限内に納付できるかどうか、事前に資金計画を立ててください。
賢い支払い方法|キャッシュレス決済でポイント還元
固定資産税は、キャッシュレス決済を活用することで、ポイント還元を受けられます。
(1) スマホ決済(PayPay、楽天Pay、d払い)は手数料無料でポイント付与
KaikeiZineによると、スマホ決済(PayPay、楽天Pay、d払い等)は決済手数料無料でポイントが付与されます。
スマホ決済のメリット:
- 決済手数料無料
- ポイント還元率0.5〜1%
- 自宅から納付可能
- 領収書が発行されない場合あり(自治体により異なる)
(2) クレジットカード払いは手数料0.8〜1.0%、還元率1%のカードならプラス
クレジットカード払いは手数料0.8〜1.0%かかりますが、還元率1%のカードなら手数料を上回るポイントを獲得できます。
試算例(固定資産税10万円の場合):
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 固定資産税 | 10万円 |
| 手数料(1%) | 1,000円 |
| ポイント還元(1%) | 1,000円 |
| 実質負担 | 10万円(±0円) |
還元率が手数料を上回るか確認してください。
(3) ポイント二重取りのコツ(クレジットカード+QRコード決済)
COZUCHIによると、クレジットカードでスマホ決済アプリにチャージし、そのアプリで納付することで、両方でポイントを獲得できます(ポイント二重取り)。
例(楽天カード+楽天Pay):
- 楽天カードから楽天キャッシュへチャージ(0.5%還元)
- 楽天Payで納付(0.5%還元)
- 合計1%の還元
ポイント還元を最大化する方法として、ポイント二重取りを検討してください。
まとめ:自分に合った納付方法を選ぶために
固定資産税の一括払いと分割払いは合計額が同じで、割引制度はありません(2024年現在)。一括払いの最大のメリットは納付忘れ防止で、年度初めに一度支払えば翌年まで納税の心配が不要になります。
ただし、まとまった資金が必要(4〜6月に十数万〜数十万円)で、無理して一括納付する金銭的メリットはありません。資金繰りが厳しい場合は、分割納付を推奨します。
キャッシュレス決済(スマホ決済・クレジットカード)を活用することで、ポイント還元を受けられます。スマホ決済は決済手数料無料でポイント付与、クレジットカードは手数料0.8〜1.0%ですが還元率1%のカードならプラスになります。ポイント二重取りも可能です。
お住まいの市区町村の公式サイトで最新の納期限を確認し、自分のキャッシュフロー管理に合った納付方法を選びましょう。詳細は専門家(税理士、ファイナンシャルプランナー)に相談することを推奨します。


