固定資産税納税通知書とは?届く時期と内容を理解する
固定資産税の納税通知書が届いたとき、「記載内容の見方がわからない」「いつまでに支払えばいいの?」と不安に感じる方は少なくありません。
この記事では、固定資産税納税通知書の内容、納期限、納付方法(分割・一括・カード払い)を、総務省や各自治体の公式情報を元に解説します。
初めて固定資産税を納める方でも、通知書の見方と最適な支払い方法を理解できるようになります。
この記事のポイント
- 固定資産税納税通知書は毎年4~5月に市町村から送付される
- 納期限は自治体により異なるが、一般的に年4回(4月、7月、12月、翌年2月)に分割
- 分割払いと一括払いで合計額は同じで、資金繰りに応じて選択可能
- クレジットカード払いは手数料がかかるが、電子マネー(nanaco、WAON)は手数料無料でお得
- 延滞金は納期限翌日から発生(令和7年は初月2.4%、2ヶ月目以降8.7%)
固定資産税と納税通知書の基礎知識
固定資産税とは(課税対象・税率・計算方法)
固定資産税は、土地・家屋・償却資産を所有している方に課される地方税です。総務省によると、税率は標準で1.4%(市町村により異なる場合があります)です。
課税標準額(固定資産税評価額から軽減措置を適用した額)に税率を乗じて計算されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課税対象 | 土地、家屋、償却資産 |
| 税率 | 標準1.4%(自治体により異なる) |
| 計算式 | 課税標準額 × 税率 |
(出典: 総務省)
納税通知書が届く時期(毎年4~5月)
三菱UFJ銀行によると、納税通知書は毎年4~5月に市町村から発送され、到着まで1~10日程度かかります。
届いたらすぐに記載内容を確認し、納期限を把握することが重要です。納税通知書は再発行できないため、大切に保管してください。
評価替えと2024年度税制改正
固定資産税の評価額は3年ごとに見直されます。2024年は評価替え年にあたり、建築資材高騰により再建築費補正率が上昇(木造1.11倍、非木造1.07倍)しました。
山田&パートナーズによると、2024年度税制改正で負担調整措置が3年延長(2027年3月31日まで)され、急激な税額上昇が緩和されています。
固定資産税納税通知書の内容と見方
納税通知書の記載内容(評価額・課税標準額・税額)
納税通知書には以下の情報が記載されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 固定資産税評価額 | 市町村が決定した資産の価値(土地・家屋別) |
| 課税標準額 | 評価額から軽減措置を適用した額 |
| 税額 | 課税標準額 × 税率(1.4%等) |
| 納期限 | 各期の納付期限(自治体により異なる) |
評価額が妥当かどうか確認したい場合は、縦覧制度を利用できます。
縦覧制度の利用方法
大阪市によると、縦覧制度では同一区内の土地・家屋の価格を比較できます。利用期間は4月1日~第1期納期限までで、市税事務所で無料利用可能です。
自分の資産の評価額が周辺と比べて適正かどうか確認したい場合に有効です。
償却資産の申告義務
事業用の機械・器具等の償却資産を所有している場合、毎年1月31日までに市町村へ申告する義務があります。申告漏れがあると後日追徴課税される可能性があるため、注意が必要です。
納税通知書を紛失した場合の対処法(名寄帳)
納税通知書は再発行できません。紛失した場合は、市町村で「名寄帳」(納税者が所有する固定資産の一覧表)を取得して情報を確認できます。延滞金を避けるため、早めに対応しましょう。
固定資産税の納期限と分割払い
納期限の確認方法(自治体により異なる)
納期限は自治体により異なります。一般的には年4回(4月、7月、12月、翌年2月)ですが、横浜市の例では具体的な月が異なる場合もあります。
届いた納税通知書で必ず確認してください。
年4回の分割払いと一括払い
固定資産税は年4回に分割して納付するのが基本ですが、第1期に一括で納付することも可能です。
MeetsMoreによると、分割払いと一括払いで合計額は同じで、割引制度はありません。資金繰りに応じて選択してください。
延滞金のリスク(令和7年:初月2.4%、2ヶ月目以降8.7%)
納期限を過ぎると、翌日から延滞金が発生します。三菱UFJ銀行によると、令和7年は初月2.4%、2ヶ月目以降年8.7%と高率です。
滞納が続くと財産差し押さえのリスクもあるため、期限厳守が重要です。
固定資産税の納付方法(窓口・コンビニ・口座振替・カード払い)
窓口・コンビニでの納付
納付書を持参して、以下の場所で納付できます。
- 市町村の窓口
- 金融機関
- コンビニエンスストア(納付額が30万円以下の場合)
窓口・コンビニでの納付は領収証書が発行されるため、納税証明が必要な場合に便利です。
口座振替(支払い忘れ防止)
口座振替を利用すれば、納期限に自動引き落としされるため、支払い忘れを防止できます。延滞金のリスクを回避したい方におすすめです。
ただし、口座振替利用中にクレジットカード払いする場合は、事前に口座振替を停止する必要があり、二重払いのリスクに注意が必要です。
スマホアプリ・eLTAX(24時間納付可能)
スマートフォン決済アプリやeLTAX(地方税の電子申告・納税システム)を利用すれば、24時間365日納付可能です。
手数料無料の場合が多く、外出不要で便利です。
クレジットカード払いと電子マネー払いの比較
クレジットカード払いの手数料とポイント還元
対応自治体では、専用サイトでクレジットカード払いが可能です。JCBによると、手数料は東京都の例で最初の1万円まで37円、以降1万円ごとに75円です。
ポイント還元率と手数料を比較して、損益分岐点を計算することが重要です。
| 納付額 | 手数料(東京都の例) | 1%還元カードの場合 | 損益 |
|---|---|---|---|
| 5万円 | 337円(37+75×4) | 500円 | +163円 |
| 10万円 | 712円(37+75×9) | 1,000円 | +288円 |
(出典: JCB)
電子マネー(nanaco、WAON)が最もお得な理由
MeetsMoreによると、電子マネー(nanaco、WAON)での支払いが手数料無料でポイントも貯まり最もお得です。
クレジットカードで電子マネーにチャージすることで、チャージ時のポイントと支払い時のポイントを二重取りできる場合もあります。
クレジットカード払いの注意点(領収証書不発行、口座振替停止)
クレジットカード払いには以下の注意点があります。
- 領収証書が発行されない: 納税証明が必要な場合は別途申請が必要
- 口座振替を事前停止: 口座振替利用中にクレジットカード払いする場合は、事前に口座振替を停止する必要がある
まとめ:固定資産税の納付方法を選ぶ際のポイント
固定資産税納税通知書は毎年4~5月に届き、納期限は自治体により異なりますが、一般的に年4回に分割して納付します。分割払いと一括払いで合計額は同じなので、資金繰りに応じて選択してください。
最もお得な支払い方法は電子マネー(nanaco、WAON)で、手数料無料でポイントも貯まります。口座振替は支払い忘れ防止に有効です。
延滞金は納期限翌日から発生し、令和7年は初月2.4%、2ヶ月目以降8.7%と高率なため、期限厳守が重要です。納税通知書は再発行できないため、届いたら大切に保管しましょう。
