なぜ固定資産税の納期限が重要なのか
「固定資産税の納税通知書が届いたけど、4期分の納期限はいつだろう?」「支払いを忘れたらどうなるのか不安」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
固定資産税は年4回に分けて納付するのが一般的で、納期限は自治体によって異なります。この記事では、全4期の納付スケジュール、一括払いと分割払いの違い、支払いが遅れた場合の延滞金とリスク、支払い方法を詳しく解説します。
不動産を所有している方でも、固定資産税の納期限を正しく理解できるようになります。
この記事のポイント
- 固定資産税の4期分の納期限は一般的には翌年2月末日だが、自治体により異なる
- 納期限は「4月・7月・12月・翌年2月」または「6月・9月・12月・翌年2月」のパターンが多い
- 一括払いと分割払いで金額は同じで割引はない(分割払いが家計管理しやすい)
- 納期限を過ぎると延滞金が発生し、督促状→催告書→差押えと進む
固定資産税の納期限(全4期のスケジュール)
(1) 一般的な納期限(4月・7月・12月・翌年2月または6月・9月・12月・翌年2月)
固定資産税の納期限は、国で大まかに決められていますが、各自治体が条例で定めるため自治体によって異なります。
一般的なパターンは以下の2つです。
| パターン | 第1期 | 第2期 | 第3期 | 第4期 |
|---|---|---|---|---|
| パターンA | 4月末日 | 7月末日 | 12月末日 | 翌年2月末日 |
| パターンB | 6月末日 | 9月末日 | 12月末日 | 翌年2月末日 |
どちらのパターンも、第4期分の納期限は翌年2月末日であることが多いです。
(2) 第4期分の納期限(一般的には翌年2月末日)
固定資産税の第4期分の納期限は、一般的には翌年2月末日です。
例えば、2024年度(令和6年度)の固定資産税の場合、第4期分の納期限は2025年2月末日となります。
ただし、自治体によっては異なる場合があるため、必ず納税通知書で確認してください。
(3) 自治体による納期限の違い(横浜市、神戸市など)
自治体によって納期限が異なる具体例を以下に示します。
| 自治体 | 第1期 | 第2期 | 第3期 | 第4期 |
|---|---|---|---|---|
| 横浜市 | 4月末日 | 7月末日 | 12月末日 | 翌年2月末日 |
| 神戸市 | 6月末日 | 9月末日 | 12月末日 | 翌年2月末日 |
| 東京23区 | 6月末日 | 9月末日 | 12月末日 | 翌年2月末日 |
このように、第1期と第2期の納期限は自治体によって数ヶ月異なる場合がありますが、第4期分は翌年2月末日が多いです。
必ずお住まいの自治体の納税通知書で納期限を確認しましょう。
(4) 納期限が土日祝日の場合
納期限が土日祝日の場合は、翌営業日が納期限となります。
例えば、2月末日が土曜日の場合、翌月曜日(または祝日を挟む場合は翌火曜日)が納期限となります。
(5) 納税通知書の送付時期(4~5月)
固定資産税の納税通知書は、毎年4~5月に所有者に送付されます。
納税通知書には以下の情報が記載されています。
- 固定資産税の年税額
- 各期の納付額
- 各期の納期限
- 納付書(全期一括用・各期分納用)
送付時期は自治体により異なるため、4~5月になっても届かない場合は自治体に確認しましょう。
一括払いと分割払いの違い
(1) 一括払いのメリット・デメリット
一括払いは、年4回の分割払いではなく、第1期に全額をまとめて納付する方法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 一度に納付が完了し、その後の支払いを気にしなくて済む |
| デメリット | 一度に大きな金額が必要、家計への負担が大きい |
| 割引 | なし(分割払いと金額は同じ) |
一括払いでも割引はないため、無理に一括払いする必要はありません。
(2) 分割払いのメリット・デメリット
分割払いは、年4回(第1期~第4期)に分けて納付する方法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 1回あたりの支払額が少なく、家計管理がしやすい |
| デメリット | 4回の納付期限を管理する必要がある |
分割払いが一般的な納付方法で、家計負担を分散できます。
(3) 金額の違い(割引なし)
一括払いと分割払いで金額は同じで、割引もありません。
どちらを選んでも納付額は変わらないため、ご自身の家計状況に合わせて選択しましょう。
固定資産税の支払いが遅れた場合
(1) 延滞金の計算(2024年東京都:1ヶ月以内2.4%、1ヶ月超8.7%)
納期限を過ぎると、納期限の翌日から延滞金が発生します。
延滞金率は自治体により異なりますが、2024年東京都の場合は以下の通りです。
| 期間 | 延滞金率(2024年東京都) |
|---|---|
| 納期限の翌日から1ヶ月以内 | 2.4% |
| 1ヶ月を超えた場合 | 8.7% |
ただし、1,000円未満の延滞金は徴収されません。
延滞金は1ヶ月を超えると高率(8.7%)になるため、早期に納付することが重要です。
(2) 支払い遅延のリスク(督促状→催告書→財産調査→差押え)
固定資産税を滞納し続けると、以下の流れで対応が進みます。
| 段階 | タイミング | 内容 |
|---|---|---|
| 督促状 | 納期限後20日以内 | 支払い催促の書類が送付される |
| 催告書 | 督促状送付後も支払わない場合 | 法的措置の警告が含まれる |
| 財産調査 | 催告書送付後も支払わない場合 | 銀行口座、勤務先の給与、不動産などが調査される |
| 差押え・強制換価 | 財産調査後も支払わない場合 | 財産が強制的に押さえられ、競売等により現金化される |
最悪の場合、銀行口座や給与、不動産が差し押さえられます。
(3) 対処法(自治体に相談、分納申請)
支払いが困難な場合は、早期に自治体に相談しましょう。
自治体に相談することで、以下の対応が可能になる場合があります。
- 分納(分割納付): 一度に全額を納付するのが困難な場合、自治体に相談して分割で納付する制度
- 納付猶予: やむを得ない事情がある場合、納付を猶予してもらえる場合がある
放置せず、早期に自治体に相談することが重要です。
固定資産税の支払い方法
固定資産税の支払い方法は、以下の4つがあります。
(1) 口座振替
口座振替は、指定した銀行口座から自動的に引き落とされる方法です。
- メリット: 支払い忘れがない、毎回の手続き不要
- デメリット: 事前に口座振替の申請が必要
支払い忘れを防ぐために、口座振替がおすすめです。
(2) クレジットカード払い
クレジットカード払いは、自治体の公式サイトや専用サイトからクレジットカードで納付する方法です。
- メリット: ポイントが貯まる、24時間いつでも納付可能
- デメリット: 決済手数料がかかる場合がある
クレジットカードのポイント還元を重視する方におすすめです。
(3) スマホ決済(PayPay、LINE Payなど)
スマホ決済は、PayPay、LINE Pay、d払い等のスマホ決済アプリで納付する方法です。
- メリット: 納付書のバーコードを読み取るだけで簡単、ポイント還元がある場合も
- デメリット: 決済手数料がかかる場合がある、自治体により対応していない場合がある
スマホで手軽に納付したい方におすすめです。
(4) コンビニ払い・市役所・金融機関窓口
コンビニ払い・窓口払いは、納付書を持ってコンビニ、市役所、金融機関窓口で納付する方法です。
- メリット: 現金で納付できる、コンビニは24時間営業
- デメリット: 納付書を持ち歩く必要がある、窓口は営業時間に制限がある
現金で納付したい方、近くにコンビニがある方におすすめです。
**ただし、納期限を過ぎた納付書の場合、一部の自治体ではコンビニで支払えない場合があります。**その場合は市役所や金融機関窓口で納付しましょう。
まとめ:固定資産税の支払いを忘れないポイント
固定資産税の4期分の納期限は、一般的には翌年2月末日ですが、自治体により異なります。納期限は「4月・7月・12月・翌年2月」または「6月・9月・12月・翌年2月」のパターンが多く、必ず納税通知書で確認しましょう。
一括払いと分割払いで金額は同じで割引はないため、分割払いが家計管理しやすくおすすめです。
納期限を過ぎると延滞金が発生し(2024年東京都の場合、1ヶ月以内2.4%、1ヶ月超8.7%)、督促状→催告書→財産調査→差押えと進みます。支払いが困難な場合は、早期に自治体に相談して分納(分割納付)を申請しましょう。
支払い忘れを防ぐために、口座振替やクレジットカード払いを設定し、納期限を守って納付することを推奨します。
