固定資産税の引き落とし日と納付方法の完全ガイド
固定資産税の支払いは年に4回あり、引き落とし日を把握しておくことは資金計画や払い忘れ防止に重要です。
この記事では、固定資産税の引き落とし日の仕組み、口座振替の申込方法、支払い方法の選択肢とメリット・デメリット、そして引き落とし時の注意点を、総務省の公式情報や自治体の税務資料を元に解説します。
初めて固定資産税を納める方でも、支払いスケジュールと最適な納付方法を理解できるようになります。
この記事のポイント
- 固定資産税の納税通知書は4月-5月頃に届き、納期限は自治体により異なる(通知書で確認)
- 納付は年4回払い(4月末・7月末・12月末・2月末頃)または一括払いを選択可能
- 口座振替は払い忘れを防げるが、領収書が発行されず、残高不足時は再振替されない
- クレジットカードやスマホ決済ならポイント還元を受けられるが、手数料がかかる自治体もある
- 所有者変更(相続・売買等)時は口座振替の再登録が必要
固定資産税の引き落とし日とは?なぜ重要なのか
固定資産税は、毎年1月1日時点の土地・建物・償却資産の所有者に課される市町村税です。総務省によると、固定資産税は市町村税収の約40%を占める重要な財源で、2023年は約4,167万人が納税しています。
引き落とし日(納期限)を把握しておくことは、以下の理由で重要です。
- 資金計画: 年4回の納付に備えて口座残高を確保できる
- 延滞金の回避: 納期限を過ぎると延滞金(最大年14.6%)が発生する
- 払い忘れ防止: 口座振替を利用すれば自動的に納付される
自治体により納期限は異なるため、納税通知書で確認することが必須です。
固定資産税の納付時期と引き落とし日の仕組み
(1) 納税通知書が届くタイミング(4-5月頃)
納税通知書は、4月-5月頃に市町村から送付されます。この通知書には、年税額、納期限、支払方法が記載されています。
三菱UFJ銀行の解説によると、納税通知書の到着時期は自治体により若干異なりますが、4月中旬-5月上旬が一般的です。
(2) 年4回払いと一括払いの違い
固定資産税の納付方法は、以下の2つから選択できます。
| 納付方法 | 内容 | メリット |
|---|---|---|
| 年4回払い | 第1期-第4期に分割して納付 | 1回あたりの負担が軽い |
| 一括払い | 第1期納期限までに年税額を一括納付 | 払い忘れリスクが低い |
一括払いにしても税額の割引はありませんが、年4回の納付スケジュールを管理する手間を省けます。
(3) 自治体による納期限の違い(第1期4月末・第2期7月末・第3期12月末・第4期2月末が目安)
納期限は自治体により異なりますが、不動産売却マップによると、以下が一般的な目安です。
| 納期 | 納期限(目安) |
|---|---|
| 第1期 | 4月末 |
| 第2期 | 7月末 |
| 第3期 | 12月末 |
| 第4期 | 2月末 |
ただし、東京都23区では第1期が6月末、第2期が9月末、第3期が12月末、第4期が2月末など、自治体ごとに異なります。必ず納税通知書で確認してください。
口座振替の申込方法と引き落としの流れ
(1) 口座振替依頼書の提出方法
口座振替を利用するには、納税通知書に同封される「口座振替依頼書」を提出します。
東京都主税局によると、以下の方法で申込できます。
- 金融機関の窓口: 依頼書と通帳・印鑑を持参
- 市町村の窓口: 依頼書を提出
- 郵送: 依頼書を市町村に郵送
(2) 申込期限と振替開始時期
口座振替の申込期限は、振替日の1ヶ月程度前が多いです。申込が間に合わない場合、第1期は現金払いで納付し、第2期から口座振替が開始されます。
(3) 振替日前日までの残高確保
口座振替を利用する場合、振替日前日までに口座残高を確保してください。不動産売却マップによると、残高不足で引き落としできない場合、再振替は行われず、督促状で納付することになります。
支払い方法の選択肢とメリット・デメリット
(1) 口座振替(払い忘れ防止、領収書なし)
メリット:
- 自動的に納付されるため、払い忘れを防げる
- 納期ごとに金融機関や市町村に出向く必要がない
デメリット:
- 領収書が発行されない(確定申告等で必要な場合は不便)
- ポイント還元を受けられない
- 残高不足時は再振替されず、延滞金が発生するリスクがある
(2) 現金払い(領収書あり、払い忘れリスク)
メリット:
- 領収書が発行されるため、確定申告等で必要な場合に便利
- 納付したことを即座に確認できる
デメリット:
- 納期ごとに金融機関やコンビニに出向く必要がある
- 払い忘れのリスクがある
(3) クレジットカード・スマホ決済(ポイント還元、手数料の有無)
メリット:
- ポイント還元を受けられる(0.5-1.0%程度)
- 自宅で納付できる
- 分割払いやリボ払いも選択可能(ただし利息がかかる)
デメリット:
- 手数料がかかる自治体が多い(税額1万円ごとに73-83円程度)
- ポイント還元率が手数料を下回る場合、損をする可能性がある
HOME4Uでは、6つの支払方法の詳細な比較が解説されています。
引き落とし時の注意点とトラブル対処法
(1) 残高不足で引き落としできなかった場合の対応(督促状・延滞金最大14.6%)
残高不足で引き落としできなかった場合、以下の対応が必要です。
- 督促状で納付: 再振替は行われないため、督促状で納付してください
- 延滞金の発生: 納期限を過ぎた日数に応じて延滞金(最大年14.6%)が発生する可能性があります
- 早期納付: 延滞金を最小限に抑えるため、督促状が届いたらすぐに納付してください
オウチーノニュースによると、延滞金は納期限の翌日から発生し、高額になる場合があるため、早期納付が重要です。
(2) 所有者変更時の再登録手続き
所有者変更(相続・売買等)時は、口座振替は自動では継続されません。新所有者が再度口座振替の申込手続きを行う必要があります。
手続きを忘れると、納期限を過ぎて督促状が届く可能性があるため、所有者変更時は早めに手続きを行ってください。
(3) 過去年度分の滞納分は口座振替対象外
口座振替は現年度分のみ対象です。過去年度分の滞納分は、別途現金払いまたはクレジットカード払い等で納付する必要があります。
まとめ:状況別の納付方法の選び方
固定資産税の引き落とし日は自治体により異なりますが、一般的には第1期4月末、第2期7月末、第3期12月末、第4期2月末が目安です。納税通知書で必ず確認してください。
口座振替は払い忘れを防げますが、領収書が発行されず、残高不足時は再振替されないため注意が必要です。クレジットカードやスマホ決済ならポイント還元を受けられますが、手数料がかかる自治体もあります。
以下の表を参考に、ご自身の状況に合った納付方法を選択してください。
| 状況 | 推奨納付方法 |
|---|---|
| 払い忘れを防ぎたい | 口座振替 |
| 確定申告で領収書が必要 | 現金払い |
| ポイント還元を受けたい | クレジットカード・スマホ決済(手数料とポイント還元率を比較) |
| 初めて固定資産税を納める | 現金払いまたは口座振替 |
所有者変更時は口座振替の再登録を忘れずに行い、納期限を過ぎないよう注意してください。
