固定資産税の平均額と計算方法:物件種別・地域別の相場を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/24

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固定資産税の基本:なぜ毎年支払うのか

マンションや一戸建てを購入する際、「固定資産税はいくらかかるのか」「物件種別で金額は変わるのか」「どのように計算されるのか」と疑問を持つ方は多いでしょう。

この記事では、固定資産税の平均額に焦点を当て、マンション・戸建て・土地の物件種別ごと、都市部・地方などの地域別に具体的な金額例を提示し、計算方法、評価額の決まり方、減税措置の活用法、納付時期などを実務的に解説します。

購入前のコスト試算に役立つ実践的情報を理解することで、適切な資金計画を立てられるようになります。

この記事のポイント

  • 一戸建ての固定資産税の平均額は年間10万円~15万円程度(取得費用2,000万円~4,500万円の場合)
  • 固定資産税は「固定資産税評価額 × 税率1.4%」で計算(標準税率)
  • 住宅用地は200㎡まで課税標準額が1/6、200㎡超の部分は1/3に軽減される特例がある
  • 新築住宅は3年間(マンションは5年間)、固定資産税が2分の1に減額される軽減措置がある(2026年3月31日まで延長)
  • 認定長期優良住宅は減額期間がさらに2年延長され、一戸建て5年間、マンション7年間の軽減が受けられる

(1) 固定資産税とは何か

固定資産税は、毎年1月1日時点で土地・建物を所有している人に課される地方税です。

固定資産税の特徴:

  • 毎年支払う必要がある(所有し続ける限り)
  • 市町村(東京23区は東京都)が課税・徴収
  • 使途: 道路・学校・公共施設の整備等

不動産を所有すると、購入時だけでなく、毎年固定資産税が発生することを理解しておく必要があります。

(2) 納付義務者と納付時期

固定資産税の納付義務者と納付時期は以下の通りです。

納付義務者:

  • 毎年1月1日時点の不動産所有者
  • 登記簿に記載された所有者

納付時期:

  • 毎年4月~6月頃に納税通知書が届く
  • 年4回払い(4月・7月・12月・2月など)または一括払いを選択
  • 自治体により納期が異なる

例えば、大阪市では4月・7月・12月・2月の年4回、大田区(東京都)では6月・9月・12月・2月の年4回となっています。

(3) 固定資産税と都市計画税の違い

不動産を所有すると、固定資産税と併せて都市計画税が課される場合があります。

都市計画税の特徴:

  • 市街化区域内の不動産に課税
  • 税率: 0.3%が上限(自治体により異なる)
  • 使途: 都市計画事業・土地区画整理事業等

固定資産税と都市計画税を合わせた税額が、実際の負担額となります。

固定資産税の計算方法と評価額の仕組み

固定資産税の計算方法と評価額の仕組みについて解説します。

(1) 基本計算式:固定資産税評価額 × 1.4%

固定資産税の基本計算式は以下の通りです。

計算式:

固定資産税 = 課税標準額 × 税率1.4%

課税標準額は、固定資産税評価額に各種軽減措置を適用した後の金額です。

(出典: HOME4U

(2) 土地の固定資産税評価額の目安

土地の固定資産税評価額は、時価の約70%が目安です。

土地の評価額の例:

  • 時価3,000万円の土地 → 評価額約2,100万円
  • 時価5,000万円の土地 → 評価額約3,500万円

東京都主税局によると、固定資産税評価額は「固定資産評価基準」に基づき市町村が決定します。

(3) 建物の固定資産税評価額の目安

建物の固定資産税評価額は、新築時請負工事金額の約50~60%が目安です。

建物の評価額の例:

  • 新築時2,000万円の建物 → 評価額約1,000~1,200万円
  • 新築時3,000万円の建物 → 評価額約1,500~1,800万円

建物の評価額は、築年数により減価償却され、年々減少していきます。

(4) 3年に1度の評価替えと税額の変動

固定資産税評価額は、3年に1度見直しが行われます。

評価替えの特徴:

  • 土地の市況変動を反映
  • 建物の経年劣化を考慮
  • 評価替えにより税額が変動する可能性

固定資産税は毎年同じ金額ではなく、評価替えにより変動することに注意が必要です。

物件種別・地域別の固定資産税平均額

物件種別・地域別の固定資産税平均額について解説します。

(1) 一戸建ての固定資産税平均額:年間10万円~15万円

一戸建ての固定資産税の平均額は、年間10万円~15万円程度です。

前提条件:

  • 取得費用: 2,000万円~4,500万円
  • 一般的な一戸建て住宅を想定

(出典: HOME4U

地域により固定資産税額に大きな差があるため、あくまで目安として参考にしてください。

(2) マンションの固定資産税平均額

マンションの固定資産税は、同価格帯の一戸建てよりやや高めです。

マンションの特徴:

  • 土地:建物 = 3:7の比率
  • 建物評価額が高い(鉄筋コンクリート造)
  • 耐用年数が長い(47年 vs 一戸建て22年)

(出典: ポラスネット

同じ購入価格ならマンションの方が固定資産税が高い傾向にあります。

(3) 地域別の固定資産税額の目安(首都圏・近畿圏・東海圏)

地域別の固定資産税額の目安は以下の通りです。

地域 固定資産額の目安
首都圏 51.8万円(全国最高額)
近畿圏 46.2万円
東海圏 43.7万円

(出典: SUUMO

首都圏は全国で最も固定資産税額が高く、地域差が非常に大きいことが分かります。

マンションと一戸建ての固定資産税の違い

マンションと一戸建ての固定資産税の違いについて詳しく解説します。

(1) 土地・建物比率の違い(マンション3:7、一戸建て7:3)

マンションと一戸建てでは、土地と建物の価格比率が大きく異なります。

物件種別 土地:建物 特徴
マンション 3:7 建物評価額が高い
一戸建て 7:3 土地評価額が高い

(出典: ポラスネット

マンションは建物の比率が高いため、建物の固定資産税が高くなります。

(2) 耐用年数の違いと評価額への影響

マンションと一戸建てでは、建物の耐用年数が異なります。

耐用年数の違い:

  • マンション(鉄筋コンクリート造): 47年
  • 一戸建て(木造): 22年

(出典: リクルート

マンションは耐用年数が長いため、建物評価額が高く見積もられ、固定資産税が高くなる傾向があります。

(3) 新築軽減期間の違い(一戸建て3年、マンション5年)

新築住宅の軽減措置は、一戸建てとマンションで期間が異なります。

新築軽減期間:

  • 一戸建て: 3年間、固定資産税が1/2に減額
  • マンション: 5年間、固定資産税が1/2に減額

マンションの方が軽減期間が長く設定されています。

固定資産税の軽減措置と減税の活用法

固定資産税の軽減措置を活用することで、税額を抑えることができます。

(1) 住宅用地の特例(200㎡まで1/6、200㎡超1/3)

住宅用地には、課税標準額を大幅に軽減する特例があります。

住宅用地の特例:

  • 200㎡まで: 課税標準額が1/6に軽減
  • 200㎡超の部分: 課税標準額が1/3に軽減

(出典: 東京都主税局

計算例:

  • 評価額2,100万円、300㎡の土地
  • 200㎡分: 2,100万円 × (200/300) × 1/6 = 233万円
  • 100㎡分: 2,100万円 × (100/300) × 1/3 = 233万円
  • 課税標準額: 233万円 + 233万円 = 466万円
  • 固定資産税: 466万円 × 1.4% = 約6.5万円

この特例により、土地の固定資産税が大幅に軽減されます。

(2) 新築住宅の軽減措置(2026年3月31日まで延長)

新築住宅には、一定期間、固定資産税が1/2に減額される軽減措置があります。

新築住宅の軽減措置:

  • 一戸建て: 3年間、固定資産税が1/2に減額
  • マンション: 5年間、固定資産税が1/2に減額
  • 適用期限: 2026年3月31日まで延長
  • 床面積要件: 50㎡以上280㎡以下(貸家住宅は40㎡以上)

(出典: 国土交通省

2025年現在、この軽減措置は2026年3月31日まで延長されています。

(3) 認定長期優良住宅の軽減措置(一戸建て5年、マンション7年)

認定長期優良住宅は、軽減期間がさらに2年延長されます。

認定長期優良住宅の軽減措置:

  • 一戸建て: 5年間、固定資産税が1/2に減額
  • マンション: 7年間、固定資産税が1/2に減額

(出典: 長谷工

認定長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用できる構造・設備を備えた住宅として認定された住宅です。

(4) 申請方法と注意点(翌年1月31日が期限)

固定資産税の軽減措置を受けるには、自己申告が必要です。

申請方法:

  • 申請先: 市町村の税務課(東京23区は都税事務所)
  • 申請期限: 翌年1月31日
  • 必要書類: 建築確認済証、登記事項証明書等

注意点:

  • 申請漏れがあると軽減が受けられない
  • 期限を過ぎると原則として遡及適用されない

軽減措置を活用するには、期限内に必ず申請することが重要です。

まとめ:固定資産税の納付時期と次のアクション

一戸建ての固定資産税の平均額は年間10万円~15万円程度(取得費用2,000万円~4,500万円の場合)です。固定資産税は「固定資産税評価額 × 税率1.4%」で計算され、住宅用地は200㎡まで課税標準額が1/6、200㎡超の部分は1/3に軽減される特例があります。

新築住宅は3年間(マンションは5年間)、固定資産税が2分の1に減額される軽減措置があり、2026年3月31日まで延長されています。認定長期優良住宅は減額期間がさらに2年延長され、一戸建て5年間、マンション7年間の軽減が受けられます。

(1) 納付通知書の到着時期と支払方法

毎年4月~6月頃に納税通知書が届き、年4回払い(4月・7月・12月・2月など)または一括払いを選択します。自治体により納期が異なるため、通知書を確認してください。

(2) 特定空家・管理不全空家のリスク

2023年時点で全国の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%に達しています。特定空家や管理不全空家に指定されると住宅用地特例が適用外となり、税額が最大6倍に増加する可能性があります。

(出典: LENDEX

(3) 専門家への相談(税理士・宅建士・FP)

固定資産税は地域により大きな差があるため、具体的な金額は自治体や専門家(税理士・宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー等)に確認することを推奨します。不動産購入前に、固定資産税を含めた総コストを試算し、無理のない資金計画を立てましょう。

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よくある質問

Q1固定資産税の平均額はいくらですか?

A1一戸建ての固定資産税の平均額は年間10万円~15万円程度です(取得費用2,000万円~4,500万円の一戸建て住宅を想定)。マンションは同価格帯でやや高めになります。地域差が非常に大きく、首都圏の固定資産額の目安は51.8万円で全国最高額、次いで近畿圏46.2万円、東海圏43.7万円となっています。具体的な金額は、物件の評価額、地域、軽減措置の適用により大きく異なります。

Q2固定資産税はどのように計算しますか?

A2固定資産税は「課税標準額 × 標準税率1.4%」で計算されます。課税標準額は固定資産税評価額に各種軽減措置を適用した後の金額です。土地の評価額は時価の約70%、建物の評価額は新築時請負工事金額の約50~60%が目安です。住宅用地の特例により、200㎡までは課税標準額が1/6、200㎡超の部分は1/3に軽減されます。新築住宅は一戸建て3年間、マンション5年間、固定資産税が1/2に減額されます。

Q3マンションと一戸建て、どちらが固定資産税が高いですか?

A3同じ購入価格ならマンションの方が固定資産税が高い傾向があります。マンションは土地:建物=3:7で建物の比率が高く、鉄筋コンクリート造のため建物評価額が高く見積もられます。一戸建ては土地:建物=7:3で土地の比率が高いです。マンションの耐用年数は47年、一戸建て(木造)は22年と、マンションの方が耐用年数が長いため、建物評価額が高くなります。新築軽減期間はマンション5年、一戸建て3年とマンションの方が長く設定されています。

Q4新築住宅の軽減措置はいつまでですか?

A4新築住宅の固定資産税軽減措置は2026年3月31日まで延長されています。一戸建ては3年間、マンションは5年間、固定資産税が1/2に減額されます。認定長期優良住宅はさらに2年延長され、一戸建て5年間、マンション7年間の軽減が受けられます。床面積要件は50㎡以上280㎡以下(貸家住宅は40㎡以上)です。軽減措置を受けるには自己申告が必要で、申請期限は翌年1月31日です。申請漏れがあると軽減が受けられないため、期限内に必ず申請してください。

Q5固定資産税はいつ支払いますか?

A5固定資産税は毎年4月~6月頃に納税通知書が届き、年4回払い(4月・7月・12月・2月など)または一括払いを選択します。自治体により納期が異なり、例えば大阪市では4月・7月・12月・2月の年4回、大田区(東京都)では6月・9月・12月・2月の年4回となっています。納付義務者は毎年1月1日時点の不動産所有者で、登記簿に記載された所有者が対象です。納税通知書に記載された納期限までに支払う必要があります。

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Room Match編集部

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