日商岩井鶴見マンションの概要と中古マンション購入のチェックポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/18

日商岩井マンションとは(歴史と供給実績)

日商岩井マンションは、1970年代を中心に全国で供給された中古マンションシリーズです。現在は双日グループが事業を継承しています。

(1) 日商岩井のマンション事業(1969年開始、1974~1975年業界1位)

日商岩井(現:双日)は、1969年に不動産事業に参入し、マンション供給を開始しました。

主な実績双日歴史館より):

  • 1969年: 日商岩井上目黒マンション供給開始
  • 1974~1975年: マンション供給戸数で業界1位を獲得
  • 1998年まで: 全国約400棟、25,000戸を供給

日商岩井マンションは、駅近・交通利便性が高い物件が多く、当時の供給戸数トップクラスのブランドでした。

(2) 長谷工コーポレーションとの提携(コンバス工法による大量供給)

日商岩井は、長谷川工務店(現:長谷工コーポレーション)と提携し、低コストのコンバス工法で大量供給を実現しました。

コンバス工法とは: 長谷工コーポレーションが開発した低コストの集合住宅建築工法

この提携により、品質を保ちながら価格を抑えたマンションを大量供給することが可能になりました。

(3) 双日新都市開発への事業承継(現在の「インプレスト」ブランド)

日商岩井は2003年にニチメン(日綿)と合併し、双日(Sojitz)として統合されました。

不動産事業は双日新都市開発が継承し、現在は「インプレスト」ブランドで新築マンションを供給しています。

日商岩井マンションは中古市場で流通しており、築40年超の物件が多いですが、管理状況が良好な物件も存在します。

この記事のポイント

  • 日商岩井マンションは1970年代を中心に供給された築40~50年超の中古マンション
  • 日商岩井鶴見マンションは1977年築・269戸、鶴見駅徒歩12分の好立地
  • 築古マンション購入時は耐震基準(1981年6月以前は旧耐震)、管理状態、修繕履歴を必ず確認
  • 売却時に買い手が見つかりにくく資産価値が下落するリスクがある

日商岩井鶴見マンションと方南町マンションの概要

日商岩井マンションの具体例として、鶴見マンションと方南町マンションを紹介します。

(1) 日商岩井鶴見マンションの建物スペック(1977年築、7階建、269戸)

日商岩井鶴見マンションは、横浜市鶴見区に所在する大規模マンションです。

建物スペックSUUMOより):

  • 竣工: 1977年11月
  • 構造: RC造(鉄筋コンクリート造)
  • 階数: 7階建
  • 総戸数: 269戸
  • 最寄駅: JR鶴見駅徒歩12分、京急鶴見駅徒歩10分

築47年超(2025年時点)の物件ですが、鶴見川沿いの遊歩道が整備され、散歩に最適な環境です。

(2) 日商岩井方南町マンションの建物スペック(1971年築、11階建、182戸)

日商岩井方南町マンションは、東京都杉並区に所在するマンションです。

建物スペックSUUMOより):

  • 竣工: 1971年4月
  • 構造: SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)
  • 階数: 11階建
  • 総戸数: 182戸
  • 最寄駅: 東京メトロ丸ノ内線方南町駅徒歩10分

築54年超(2025年時点)の物件で、日商岩井マンションの中でも特に築年数が古いですが、2018年1月に大規模修繕を実施しています。

(3) 両物件のアクセス・周辺環境・大規模修繕履歴

日商岩井鶴見マンション:

  • アクセス: JR鶴見駅(京浜東北線、鶴見線)、京急鶴見駅(京急本線)の2路線利用可能
  • 周辺環境: 鶴見川沿い、商業施設が充実、川崎・横浜・東京へのアクセス良好
  • 大規模修繕: 情報なし(物件により異なる)

日商岩井方南町マンション:

  • アクセス: 東京メトロ丸ノ内線方南町駅(新宿・池袋方面へ直通)
  • 周辺環境: 閑静な住宅街、商店街あり
  • 大規模修繕: 2018年1月実施(外壁塗装、防水工事、玄関扉・サッシ交換)

大規模修繕実施済み物件は、今後10~15年は大きな修繕費用が発生しにくいため、安心して購入できます。

横浜市鶴見区エリアの特徴とアクセス

横浜市鶴見区は、川崎市と横浜市の間に位置し、交通利便性が高いエリアです。

(1) JR鶴見駅・京急鶴見駅の交通利便性(川崎・横浜・東京へのアクセス)

JR鶴見駅と京急鶴見駅は、2路線が利用可能で、主要駅へのアクセスが良好です。

JR鶴見駅(京浜東北線、鶴見線):

  • 横浜駅まで: 約7分
  • 川崎駅まで: 約5分
  • 品川駅まで: 約15分
  • 東京駅まで: 約25分

京急鶴見駅(京急本線):

  • 横浜駅まで: 約8分
  • 川崎駅まで: 約6分
  • 品川駅まで: 約12分(快特利用)

通勤・通学に便利な立地です。

(2) 鶴見区の住環境(商業施設、教育施設、鶴見川沿いの遊歩道等)

鶴見区の住環境は充実しています。

商業施設:

  • 鶴見駅周辺: CIAL鶴見、西友、ダイエー等
  • 商店街: 鶴見銀座商店街、鶴見中央商店街

教育施設:

  • 小学校: 鶴見小学校、豊岡小学校等
  • 中学校: 鶴見中学校、寺尾中学校等
  • 高校: 鶴見高校、鶴見総合高校等

公園・緑地:

  • 鶴見川沿いの遊歩道: サイクリング・ジョギングに最適
  • 三ツ池公園: 桜の名所

子育て世帯にも適した環境です。

(3) 鶴見区の不動産市場動向(中古マンション相場)

鶴見区の中古マンション相場は、築年数、駅距離、広さにより大きく異なります。

相場の目安(2025年時点):

  • 築10年以内: 3,000~4,500万円(70㎡)
  • 築20~30年: 2,000~3,000万円(70㎡)
  • 築40年超(日商岩井鶴見マンション等): 1,500~2,500万円(70㎡)

※物件により大きく異なるため、複数の不動産会社に査定を依頼することを推奨します。

築40年超の中古マンション購入時のチェックポイント

築40年超の中古マンションを購入する際は、以下のポイントを必ず確認してください。

(1) 耐震基準の確認(旧耐震基準と新耐震基準の違い)

耐震基準は、1981年6月1日を境に大きく変わりました。

旧耐震基準(1981年5月31日以前の建築確認):

  • 震度5程度で倒壊しない基準
  • 震度6強~7では倒壊のリスクあり

新耐震基準(1981年6月1日以降の建築確認):

  • 震度6強~7でも倒壊しない基準
  • 現在の基準

日商岩井鶴見マンション(1977年築)、日商岩井方南町マンション(1971年築)は、いずれも旧耐震基準の可能性が高いです。

(2) 大規模修繕の実施履歴と修繕計画

マンションは12~15年周期で大規模修繕が必要です。

確認すべき項目:

  • 過去の大規模修繕の実施時期・内容
  • 次回の大規模修繕予定(時期、予算)
  • 修繕積立金の残高(不足していないか)

大規模修繕を実施していない築40年超物件は、近い将来に多額の修繕費用が発生する可能性があります。

(3) 管理状態の確認(管理組合の議事録、修繕積立金の残高)

管理状態が良好なマンションは、資産価値が維持されやすいです。

確認方法:

  • 管理組合の議事録を閲覧(総会資料で修繕計画、収支報告を確認)
  • 修繕積立金の残高を確認(総戸数 × 100万円以上が目安)
  • 管理会社の実績・評判を確認
  • 共用部分の清掃状況、設備の劣化状況を現地で確認

管理組合が機能していない、修繕積立金が不足している物件は避けるべきです。

日商岩井マンション購入時の注意点(耐震性・修繕積立金・資産価値)

日商岩井マンションを購入する際の具体的な注意点を解説します。

(1) 耐震診断・耐震補強の有無確認

旧耐震基準の物件は、耐震診断・耐震補強の実施状況を確認してください。

確認方法:

  • 管理組合に耐震診断の実施履歴を問い合わせ
  • 耐震補強工事の実施有無・内容を確認
  • 実施していない場合、今後の計画があるか確認

耐震診断・耐震補強を実施している物件は、安心して購入できます。実施していない場合、将来的に多額の費用が発生するリスクがあります。

(2) 修繕積立金不足による一時金徴収リスク

築40年超物件は、大規模修繕費用が高額化する傾向にあります。

リスク:

  • 修繕積立金が不足している場合、一時金徴収(数十万円~数百万円)のリスクあり
  • 修繕積立金の値上げ(月額数千円~数万円)のリスクあり

修繕積立金の残高、直近の収支報告、長期修繕計画を必ず確認してください。

(3) 住宅ローン控除の適用要件(1982年1月以降の建築確認または耐震基準適合証明)

築古マンションは、住宅ローン控除の適用外となる場合があります。

適用要件(2025年時点):

  • 1982年1月1日以降に建築確認を受けた住宅
  • または、耐震基準適合証明書を取得した住宅

日商岩井鶴見マンション(1977年築)、日商岩井方南町マンション(1971年築)は、建築確認が1982年1月以前のため、耐震基準適合証明書を取得しないと住宅ローン控除を受けられません。

耐震基準適合証明書の取得費用は10~20万円程度かかります。

まとめ:築古マンション選びのポイント

日商岩井マンションをはじめとする築40年超の中古マンションは、価格が安い反面、耐震性、修繕積立金、資産価値などのリスクがあります。

購入前の確認事項:

  • 耐震基準(旧耐震か新耐震か)
  • 耐震診断・耐震補強の実施状況
  • 大規模修繕の実施履歴と次回予定
  • 修繕積立金の残高と長期修繕計画
  • 管理組合の議事録と収支報告
  • 住宅ローン控除の適用可否

これらを確認せずに購入すると、後悔するリスクが高いです。

購入を検討すべき物件:

  • 大規模修繕実施済み(過去5年以内)
  • 耐震診断・耐震補強実施済み
  • 修繕積立金が十分(総戸数 × 100万円以上)
  • 管理組合が機能している

これらの条件を満たす物件は、築古でも安心して購入できます。

詳細は不動産会社や建築士への相談を推奨します。

よくある質問

Q1日商岩井マンションは今でも販売されていますか?

A1日商岩井は2003年に双日として統合されました。現在は双日新都市開発が「インプレスト」ブランドで新築マンションを供給しています。日商岩井マンションは中古市場で流通しており、築40年超の物件が多いですが、管理状況が良好な物件も存在します。

Q2築40年超の日商岩井マンションは購入しても大丈夫ですか?

A2管理状況・修繕履歴・耐震性を確認し、大規模修繕実施済み物件を選ぶことが重要です。耐震診断・耐震補強の有無も必須確認事項です。修繕積立金が不足している場合、一時金徴収のリスクがあります。また、旧耐震基準(1981年5月以前)の物件は、耐震基準適合証明書を取得しないと住宅ローン控除を受けられません。

Q3日商岩井鶴見マンションの相場価格はいくらですか?

A3築年数・階数・間取り・リノベーション有無により異なります。鶴見区の築40年超中古マンションの相場は1,500~2,500万円(70㎡)程度が目安ですが、物件により大きく異なります。最新の相場は複数の不動産会社への査定依頼を推奨します(執筆時点2025年)。

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Room Match編集部

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