住宅ローン借入可能額早見表|年収別の借入限度額と返済シミュレーション

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/26

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住宅ローン借入可能額とは|借入可能額と借入適正額の違い

住宅購入を検討する際、「年収に対していくらまで借りられるのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、主要金融機関のシミュレーションツールおよび住宅金融普及協会の公式情報を元に、年収別の住宅ローン借入可能額、返済負担率の計算方法、審査基準を詳しく解説します。

初めての住宅ローン検討でも、無理なく返済できる借入額を正確に把握できるようになります。

この記事のポイント

  • 借入可能額は年収の5〜7倍が目安だが、無理なく返済できる借入適正額とは異なる
  • 年収300万円で1,500万円〜2,100万円、年収500万円で2,500万円〜3,500万円が借入可能額の目安
  • 返済負担率は手取り収入の20〜25%以下が理想(金融機関の審査基準は25〜35%以下)
  • 完済時年齢(80歳未満)、健康状態(団信加入)が住宅ローン審査で最も重視される

(1) 借入可能額の定義(金融機関が貸せる上限)

借入可能額とは、金融機関が審査に基づいて貸し出せる上限金額です。年収の5〜7倍が一般的な目安とされています。

ただし、借入可能額は金融機関が「貸せる金額」であり、家計に「無理なく返済できる金額」とは異なります。

(2) 借入適正額の定義(無理なく返済できる金額)

借入適正額とは、家計に無理なく返済できる金額です。借入可能額とは異なり、教育費や老後資金等も考慮して決定する必要があります。

借入可能額の上限まで借りると、教育費や老後資金等の支出に支障が出る可能性があるため、家計全体を考慮して借入額を決めることが重要です。

(3) 年収の5〜7倍が一般的な目安

住宅ローンの借入可能額は年収の5〜7倍が一般的な目安です。ただし、金利、返済期間、他の借入状況により変動します。

年収別の借入可能額目安

年収 借入可能額目安(年収の5倍) 借入可能額目安(年収の7倍)
300万円 1,500万円 2,100万円
500万円 2,500万円 3,500万円
800万円 4,000万円 5,600万円

これはあくまで目安であり、実際の借入可能額は金融機関の審査により決定されます。

借入可能額の決まり方|返済負担率と審査基準

(1) 返済負担率の基準(審査基準25〜35%以下)

返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合です(年間返済額÷年収×100)。金融機関の審査基準は25〜35%以下、無理なく返済できる理想は手取り収入の20〜25%以下です。

返済負担率の基準

基準 返済負担率
金融機関の審査基準 25〜35%以下
無理なく返済できる理想 手取り収入の20〜25%以下

(出典: 住宅金融普及協会

(2) 金利と返済期間の影響

借入可能額は金利と返済期間により大きく変動します。金利が低いほど、返済期間が長いほど、借入可能額は増えます。

金利別の借入可能額の違い(年収500万円、返済期間35年の場合)

金利 借入可能額目安 月々の返済額(35年)
変動金利0.5% 約3,800万円 約10万円
固定金利1.5% 約3,200万円 約10万円

金利上昇リスクを考慮する必要があります。変動金利の場合、金利上昇で返済額が増える可能性があります。

(3) 他の借入の影響(クレジットカード・分割払い等)

返済負担率の計算には、住宅ローン以外の借入(クレジットカードのリボ払い、スマホ分割払い等)も含める必要があります。

他の借入がある場合、住宅ローンの借入可能額が減少します。住宅ローン申込前に、他の借入を完済することで借入可能額を増やせる場合があります。

年収別・住宅ローン借入可能額早見表

(1) 年収300万円の借入可能額(1,500万円〜2,100万円)

年収300万円の借入可能額早見表

金利 返済期間 借入可能額目安 月々の返済額 返済負担率
0.5% 35年 約2,100万円 約5.5万円 約22%
1.0% 35年 約1,900万円 約5.4万円 約22%
1.5% 35年 約1,700万円 約5.2万円 約21%

(出典: 三菱UFJ銀行シミュレーションを参考に作成)

(2) 年収400万円の借入可能額(2,000万円〜2,800万円)

年収400万円の借入可能額早見表

金利 返済期間 借入可能額目安 月々の返済額 返済負担率
0.5% 35年 約2,800万円 約7.3万円 約22%
1.0% 35年 約2,500万円 約7.1万円 約21%
1.5% 35年 約2,300万円 約7.0万円 約21%

(3) 年収500万円の借入可能額(2,500万円〜3,500万円)

年収500万円の借入可能額早見表

金利 返済期間 借入可能額目安 月々の返済額 返済負担率
0.5% 35年 約3,500万円 約9.1万円 約22%
1.0% 35年 約3,100万円 約8.8万円 約21%
1.5% 35年 約2,800万円 約8.6万円 約21%

(出典: FLAT35シミュレーションを参考に作成)

(4) 年収600万円・700万円・800万円の借入可能額

年収600万円〜800万円の借入可能額早見表(金利1.0%、返済期間35年の場合)

年収 借入可能額目安 月々の返済額 返済負担率
600万円 約3,700万円 約10.5万円 約21%
700万円 約4,400万円 約12.5万円 約21%
800万円 約5,000万円 約14.2万円 約21%

(5) 年収1,000万円の借入可能額(5,000万円以上)

年収1,000万円の借入可能額早見表

金利 返済期間 借入可能額目安 月々の返済額 返済負担率
0.5% 35年 約7,000万円 約18.2万円 約22%
1.0% 35年 約6,200万円 約17.6万円 約21%
1.5% 35年 約5,600万円 約17.1万円 約21%

年収1,000万円の場合、5,000万円以上の借入が可能ですが、教育費や老後資金を考慮して借入適正額を決定することが重要です。

(6) 金利別の借入可能額の違い(変動金利0.5% vs 固定金利1.5%)

同じ年収でも、金利により借入可能額は大きく変わります。

年収500万円の場合の金利別借入可能額比較

金利タイプ 金利 借入可能額目安 差額
変動金利 0.5% 約3,500万円 -
固定金利 1.5% 約2,800万円 -700万円

変動金利の方が借入可能額は多くなりますが、金利上昇リスクがあります。固定金利は借入時に全期間の金利が確定するため、返済計画が立てやすいメリットがあります。

返済負担率の計算方法と適正範囲

(1) 返済負担率の計算式(年間返済額÷年収×100)

返済負担率は以下の式で計算されます。

計算式: 年間返済額 ÷ 年収 × 100 = 返済負担率(%)

(出典: 住宅金融普及協会

(2) 理想的な返済負担率(手取り収入の20〜25%以下)

理想的な返済負担率は手取り収入の20〜25%以下です。金融機関の審査基準は25〜35%以下ですが、上限まで借りると生活費や貯蓄に余裕がなくなる可能性があります。

返済負担率の目安

返済負担率 評価
20%以下 余裕あり
20〜25% 適正範囲
25〜35% 審査基準内だが生活費に余裕なし
35%超 審査に通らない可能性が高い

(3) 年収500万円の返済負担率シミュレーション

年収500万円の場合の返済負担率計算例

月々の返済額 年間返済額 返済負担率 評価
8万円 96万円 19.2% 余裕あり
10万円 120万円 24.0% 適正範囲
12万円 144万円 28.8% 生活費に余裕なし
15万円 180万円 36.0% 審査に通らない可能性

年収500万円で月々10万円(年間120万円)の場合、返済負担率は24%となり、適正範囲内です。

(4) 返済負担率に含まれる借入の範囲

返済負担率の計算には、住宅ローン以外の借入も含める必要があります。

返済負担率に含まれる借入

  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • クレジットカードのリボ払い
  • スマホ・家電の分割払い
  • カードローン
  • 教育ローン

他の借入がある場合、住宅ローンの借入可能額が減少します。住宅ローン申込前に、可能な限り他の借入を完済することを推奨します。

住宅ローン審査で重視される項目と対策

(1) 完済時年齢(98.5%の金融機関が重視、80歳未満が基準)

完済時年齢は、住宅ローンを完済する時点での年齢です。98.5%の金融機関が重視し、80歳未満が一般的な基準です。

完済時年齢は80歳未満が基準ですが、定年退職後の収入減を考慮すると、65歳までの完済計画が安全です。

(出典: SBI新生銀行

(2) 健康状態(96.6%の金融機関が重視、団信加入が必須)

健康状態は96.6%の金融機関が重視します。**団体信用生命保険(団信)**への加入が事実上の必須条件です。

**団体信用生命保険(団信)**とは、住宅ローン契約者が死亡・高度障害になった場合、保険金でローンを完済する保険です。

団信に加入できない健康状態の場合、住宅ローン審査に通らない可能性があります。持病がある場合は、ワイド団信(引受基準緩和型団信)の利用を検討しましょう。

(3) 年収(94.0%の金融機関が重視)

年収は94.0%の金融機関が重視します。年収が高いほど借入可能額は増えますが、返済負担率の範囲内で借入額が決定されます。

(4) 勤続年数(93.6%の金融機関が重視)

勤続年数は93.6%の金融機関が重視します。勤続年数が短い場合(1年未満等)、審査に通りにくくなります。

転職直後の住宅ローン申込は慎重に検討する必要があります。一般的には勤続年数2〜3年以上が望ましいとされています。

(5) 事前審査と本審査の違い

住宅ローン審査には事前審査本審査の2段階があります。

事前審査と本審査の違い

項目 事前審査 本審査
目的 融資可能性の判断 詳細な審査
審査内容 年収、勤続年数、借入状況等 詳細な書類審査と物件審査
期間 3〜7日程度 1〜2週間程度
結果 仮承認 正式承認

事前審査通過後も、本審査で否決される可能性があるため、事前審査通過 = 融資確定ではありません。

まとめ:無理なく返済できる借入額の決め方

(1) 借入可能額の上限まで借りるリスク

借入可能額の上限まで借りると、以下のリスクがあります。

借入上限のリスク

  • 教育費や老後資金等の支出に支障が出る
  • 突発的な支出(医療費、冠婚葬祭等)に対応できない
  • 金利上昇時に返済額が増えて家計が圧迫される
  • 収入減(転職、病気等)時に返済が困難になる

借入可能額と借入適正額は異なるため、家計全体を考慮して借入額を決めることが重要です。

(2) 教育費・老後資金を考慮した資金計画

借入額を決定する際は、以下の将来支出を考慮しましょう。

考慮すべき将来支出

  • 教育費(子ども1人あたり1,000万円〜2,000万円が目安)
  • 老後資金(65歳時点で2,000万円〜3,000万円が目安)
  • 住宅の修繕費(10年〜15年ごとに100万円〜200万円)
  • 車の買い替え費用
  • 突発的な支出(医療費、冠婚葬祭等)

専門家(ファイナンシャルプランナー等)への相談を推奨します。

(3) 金融機関シミュレーションツールの活用方法

金融機関のシミュレーションツール(三菱UFJ銀行FLAT35等)を活用すると、具体的な借入可能額を簡単に試算できます。

複数の金融機関で試算し、比較することを推奨します。

(4) 専門家(FP・金融機関)への相談推奨

住宅ローンは人生最大の借入です。借入額の決定には、教育費、老後資金、突発的な支出等も考慮する必要があります。

不明点がある場合は、専門家(ファイナンシャルプランナー、金融機関の住宅ローン相談窓口)に相談することを推奨します。

審査基準は金融機関ごとに異なるため、記載の基準はあくまで一般的な目安です(2025年時点の情報)。実際の審査結果は個別に異なります。

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よくある質問

Q1年収別の住宅ローン借入可能額の目安はいくらですか?

A1年収300万円で1,500万円〜2,100万円、年収500万円で2,500万円〜3,500万円、年収800万円で4,000万円以上が目安です(金利・返済期間により変動)。ただし、これは借入可能額の上限であり、無理なく返済できる借入適正額とは異なります。教育費・老後資金・突発的な支出等を考慮して、借入適正額を決定することが重要です。金融機関のシミュレーションツール(三菱UFJ銀行、FLAT35等)で具体的な金額を試算できます。

Q2返済負担率はどのくらいが適正ですか?

A2金融機関の審査基準は25〜35%以下ですが、無理なく返済できる理想は手取り収入の20〜25%以下です。返済負担率は「年間返済額÷年収×100」で計算します。住宅ローン以外の借入(クレジットカードのリボ払い、スマホ分割払い、自動車ローン等)も含める必要があります。年収500万円で月々10万円(年間120万円)の場合、返済負担率は24%となり、適正範囲内です。

Q3借入可能額と借入適正額の違いは何ですか?

A3借入可能額は金融機関が貸せる上限額(年収の5〜7倍程度)で、借入適正額は家計に無理なく返済できる金額です。借入可能額の上限まで借りると、教育費・老後資金等の支出に支障が出る可能性があります。教育費(子ども1人あたり1,000万円〜2,000万円)、老後資金(65歳時点で2,000万円〜3,000万円)、住宅の修繕費(10年〜15年ごとに100万円〜200万円)等を考慮して、借入適正額を決定することが重要です。

Q4住宅ローン審査で最も重視される項目は何ですか?

A4完済時年齢が最も重視され、98.5%の金融機関が審査項目としています(80歳未満が一般的な基準)。次いで健康状態96.6%(団体信用生命保険への加入が事実上必須)、年収94.0%、勤続年数93.6%の順で重視されます(2024年時点)。完済時年齢は80歳未満が基準ですが、定年退職後の収入減を考慮すると65歳までの完済計画が安全です。

Q5住宅ローンの借入可能額はどうやって計算しますか?

A5金融機関のシミュレーションツール(三菱UFJ銀行、FLAT35等)を活用すると簡単に試算できます。年収、金利、返済期間、返済方法を入力することで、借入可能額の目安が算出されます。複数の金融機関で試算し、比較することを推奨します。審査基準は金融機関ごとに異なるため、実際の借入可能額は個別の審査により決定されます。不明点がある場合は、ファイナンシャルプランナーや金融機関の住宅ローン相談窓口に相談してください。

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Room Match編集部

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