目黒区の不動産市場の特徴と魅力
高級住宅地としてのブランド力
目黒区は、東京23区の南西部に位置する高級住宅地として知られるエリアです。中目黒や自由が丘といったおしゃれな街並みがあり、閑静な住宅街としても人気があります。
高所得者が多く住むエリアであり、防犯意識が高い住民が多いため、安心して暮らせる環境が整っています。不動産市場においても、目黒区のブランド力は価格に反映されており、他の23区と比較しても高い価格水準を維持しています。
治安の良さ:犯罪認知件数は23区で3番目の少なさ
令和4年の犯罪認知件数は1,327件で、23区の中で3番目に少なく、安全性が高いエリアと言えます。生活安全課による24時間365日のパトロールや、地域住民によるパトロールなど、安全確保への取り組みが熱心に行われています。
治安の良さは、ファミリー層にとって特に重要な要素です。目黒区は、全体的に事件の発生が少なく、子育て世帯にとって安心して住める環境が整っています。
交通アクセス:新宿駅まで約12分、東京駅へ約20分
目黒区は、新宿駅まで約12分、東京駅へは約20分と短時間でアクセスできるため、通勤・通学だけでなく買い物やおでかけにも便利です。
中目黒駅、自由が丘駅、学芸大学駅などの主要駅は、複数の鉄道路線が利用できるため、都心へのアクセスが良好です。この交通利便性が、目黒区の不動産価値を支える重要な要素となっています。
目黒区のエリア別不動産価格相場:2025年最新データ
この記事のポイント
- 目黒区の不動産価格は2025年の公示地価平均で161万円/m²、前年比+11.93%の大幅上昇
- 住宅地は123万円/m²、商業地は232万円/m²で、駅別では恵比寿駅が最高で310万円/m²
- 中目黒、自由が丘、学芸大学が人気エリアで、中古マンションは2LDKで約2,500万〜1.95億円
- 売却完了までには3〜6ヶ月かかり、複数の不動産会社(2〜3社)への査定依頼を推奨
- 価格変動リスク(2024年第1四半期で前年比-14.04%下落)と金利上昇リスクに注意
全区平均:公示地価161万円/m²、前年比+11.93%
2025年の目黒区の平均公示地価は160万9,693円/m²、坪単価では532万1,302円/坪で、前年からの変動率は+11.93%の大幅上昇となりました。
2019年から2024年の5年間で、住宅地価格+18.3%、商業地+19.9%と継続的な上昇傾向が見られます。渋谷駅周辺などマンション開発が進むエリアでは、+30〜49.9%の大幅上昇を記録しています。
用途別価格:住宅地123万円/m²、商業地232万円/m²
用途別の価格は以下の通りです。
| 用途 | 公示地価平均(m²) | 前年比 |
|---|---|---|
| 住宅地 | 123万2,031円 | +12.52% |
| 商業地 | 232万0,588円 | +10.80% |
住宅地と商業地を比較すると、商業地の価格が約1.9倍高いですが、上昇率は住宅地の方が高い傾向にあります。
駅別価格ランキング:恵比寿駅が最高で310万円/m²
駅別の公示地価ランキングは以下の通りです。
| 順位 | 駅名 | 公示地価平均(m²) | 坪単価 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 恵比寿駅 | 310万0,909円 | 1,024万9,609円 |
| 2位 | 中目黒駅 | データなし | - |
| 3位 | 自由が丘駅 | データなし | - |
| 最低 | 駒沢大学駅 | 88万8,100円 | 293万5,537円 |
恵比寿駅は、目黒区内で最も高い公示地価を記録しており、駒沢大学駅と比較すると約3.5倍の価格差があります。
人気エリアの相場:中目黒・自由が丘・学芸大学
目黒区で人気のエリアは、中目黒、自由が丘、学芸大学です。
- 中目黒: 目黒川沿いの桜が有名で、おしゃれなカフェやレストランが集積。都心へのアクセスも良好
- 自由が丘: おしゃれなカフェや雑貨屋が多く、女性に人気。商業施設も充実
- 学芸大学: 閑静な住宅街で、治安が良く、ファミリー層に人気
これらのエリアは、交通利便性と住環境のバランスが良く、不動産価格も高い水準を維持しています。
マンション相場:2LDK約2,500万〜1.95億円、3LDK約4,000万〜1.85億円
目黒区の中古マンション価格相場は、以下の通りです。
| 間取り | 価格相場 |
|---|---|
| 2LDK(二人暮らし向け) | 約2,500万〜1億9,500万円 |
| 3LDK・4LDK(ファミリー向け) | 約4,000万〜1億8,500万円 |
価格幅が非常に広いのは、駅からの距離、築年数、設備、ビューなどにより価格が大きく変動するためです。
目黒区で物件を選ぶ際のポイント:立地・利便性・将来性
人気エリアの特徴:中目黒の桜、自由が丘のおしゃれな街並み
中目黒は、目黒川沿いの桜並木が有名で、春には多くの花見客が訪れます。おしゃれなカフェやレストランが集積しており、都心へのアクセスも良好です。東京メトロ日比谷線、東急東横線が利用でき、渋谷駅まで1駅、新宿駅まで約12分です。
自由が丘は、おしゃれなカフェや雑貨屋が多く、女性に人気のエリアです。商業施設も充実しており、買い物や外食に便利です。東急東横線、東急大井町線が利用できます。
学芸大学は、閑静な住宅街で、治安が良く、ファミリー層に人気です。東急東横線が利用でき、渋谷駅まで約10分です。
駅距離と交通利便性:複数路線利用可能な駅
物件選びでは、駅からの距離が重要です。徒歩10分以内の物件が理想的で、雨天時や荷物が多い場合でも負担が少なくなります。
複数の鉄道路線が利用できる駅であれば、遅延や運休時にも代替ルートが確保できるため、通勤リスクを軽減できます。中目黒駅のように、東京メトロ日比谷線と東急東横線が乗り入れる駅は、アクセス面で大きなメリットがあります。
商業施設・教育施設の充実度
物件選びでは、商業施設や教育施設の充実度を必ず確認してください。
確認すべきポイント:
- 商業施設: スーパー、コンビニ、商業施設の有無と距離
- 教育施設: 小中学校の距離、評判、学区
- 医療機関: 総合病院、クリニック、歯科医院の有無
- 公共施設: 図書館、公園、児童館等
目黒区は、子育て支援サービスや教育施設が充実しており、ファミリー層にとって魅力的な環境が整っています。
自然災害リスク:ほとんどの地域が台地上で災害リスク少
目黒区は、ほとんどの地域が台地上にあり、地震や洪水などの大規模な自然災害リスクが少ないエリアです。
ただし、地域によってはハザードマップで浸水リスクが指定されている場合もあるため、購入前に必ずハザードマップを確認してください。目黒区のハザードマップは、目黒区の公式サイトで確認できます。
目黒区の不動産取引の流れと税金
購入の流れ:物件探し→内見→契約→決済
不動産購入の流れは、以下の通りです。
| ステップ | 内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 1. 物件探し | 不動産ポータルサイトや仲介会社で物件を探す | 1〜3ヶ月 |
| 2. 内見 | 実際に物件を見学し、周辺環境を確認 | 数日〜1ヶ月 |
| 3. 購入申込 | 購入意思を伝え、価格交渉を行う | 1週間 |
| 4. 売買契約 | 契約書を締結し、手付金を支払う | 1週間 |
| 5. 住宅ローン審査 | 金融機関で住宅ローンの審査を受ける | 1〜2週間 |
| 6. 決済・引渡し | 残金を支払い、所有権を移転 | 1〜2ヶ月 |
売却の流れ:査定→媒介契約→売却活動→契約→決済(3〜6ヶ月)
不動産売却の流れは、以下の通りです。
| ステップ | 内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 1. 査定 | 複数の不動産会社(2〜3社)に査定を依頼 | 1週間 |
| 2. 媒介契約 | 不動産会社と媒介契約を締結 | 1週間 |
| 3. 売却活動 | 広告掲載、内見対応 | 1〜3ヶ月 |
| 4. 売買契約 | 買主と契約書を締結 | 1週間 |
| 5. 決済・引渡し | 売却代金を受け取り、所有権を移転 | 1〜2ヶ月 |
売却完了までには3〜6ヶ月ほどかかります。売却活動の準備に2週間、売買契約成約後さらに1〜2ヶ月ほど期間がかかります。
不動産取得税:固定資産税評価額を基準に計算、購入時に1回のみ
不動産取得税は、不動産を取得したときに1回だけ課税される都税です。目黒区の公式サイトによると、固定資産税評価額を基準に計算されます。
税率は、土地・建物ともに3%です。ただし、住宅用土地の場合は、固定資産税評価額の1/2が課税標準となるため、実質的な税率は1.5%です。
固定資産税:標準税率1.4%、毎年1月1日時点の所有者に課税
固定資産税は、毎年1月1日時点の不動産所有者に課される市区町村税です。標準税率は1.4%ですが、自治体により1.5%や1.6%の場合もあります。
固定資産税は、固定資産税評価額(課税標準額)に税率を乗じて算出されます。固定資産税評価額は、実際の売買価格とは異なる点に注意してください。
住宅用地には、以下の軽減措置が適用されます。
| 住宅用地の区分 | 軽減措置 |
|---|---|
| 小規模住宅用地(200㎡以下) | 評価額を1/6に軽減 |
| 一般住宅用地(200㎡超) | 評価額を1/3に軽減 |
目黒区の不動産購入・売却で失敗しないための注意点
価格変動リスク:2024年第1四半期で前年比-14.04%の下落
目黒区の土地取引価格は、2024年第1四半期の平均で101万6,428円/m²、坪単価336万0,094円で、前年同期比-14.04%と大幅な下落を記録しました。
公示地価は上昇傾向にありますが、実際の取引価格は短期的に変動する可能性があります。価格変動リスクを考慮し、購入時期を慎重に判断することが重要です。
金利上昇リスク:変動金利の住宅ローン金利上昇の可能性
2024年2月時点で、変動金利の住宅ローン金利が4月頃から上昇し始めるとの予測があります。長期固定金利は既に上昇を開始しています。
変動金利で住宅ローンを組む場合、金利上昇により返済額が増加するリスクがあります。固定金利との比較や、返済シミュレーションを行い、無理のない返済計画を立てることが重要です。
複数社への査定依頼:2〜3社の比較を推奨
不動産売却時は、複数の不動産仲介会社(2〜3社)に査定を依頼することが推奨されます。査定額は会社により異なるため、比較検討することで適正価格を把握できます。
査定依頼時は、以下の点を確認してください。
- 査定根拠: なぜその価格なのか、根拠を明確に説明できるか
- 販売戦略: どのような方法で販売するのか
- 手数料: 仲介手数料の金額(物件価格の3%+6万円+消費税が上限)
契約条件の確認:仲介手数料、決済方法、ローン条項
不動産取引では、契約条件を必ず確認してください。
確認すべきポイント:
- 仲介手数料: 物件価格の3%+6万円+消費税が上限
- 決済方法: 売却代金の受け取りと住宅ローンの完済、抵当権の抹消手続きを同時に行う「同日決済」が一般的
- ローン条項: 住宅ローンが承認されない場合、契約を白紙に戻す特約
- 瑕疵担保責任: 売主が負う瑕疵(欠陥)の責任範囲と期間
契約内容は個別に異なるため、宅地建物取引士に詳細を確認し、不明点は必ず質問してください。
まとめ:目黒区での不動産取引の最適な進め方
目黒区の不動産価格は、2025年の公示地価平均で160万9,693円/m²、坪単価532万1,302円/坪で、前年比+11.93%の大幅上昇となりました。住宅地は123万2,031円/m²、商業地は232万0,588円/m²で、駅別では恵比寿駅が最高で310万0,909円/m²です。
中目黒、自由が丘、学芸大学が人気エリアで、中古マンションは2LDKで約2,500万〜1億9,500万円、3LDK・4LDKで約4,000万〜1億8,500万円と幅広い価格帯です。
売却完了までには3〜6ヶ月かかります。売却活動の準備に2週間、売買契約成約後さらに1〜2ヶ月ほど期間がかかります。複数の不動産会社(2〜3社)への査定依頼を推奨します。
価格変動リスク(2024年第1四半期で前年比-14.04%の下落)と金利上昇リスク(変動金利の住宅ローン金利上昇の可能性)に注意してください。
税金は、不動産取得税(固定資産税評価額を基準に計算、購入時に1回のみ)、固定資産税(標準税率1.4%、毎年1月1日時点の所有者に課税)があります。住宅用地には軽減措置が適用されます。
不動産取引は、専門家(宅地建物取引士、税理士、ファイナンシャルプランナー等)への相談を推奨します。契約内容、税金、将来の価格動向など、専門知識が必要な事項が多いため、信頼できる専門家に相談し、安心して取引を進めてください。
