島根県松江市の不動産市場|地方都市の特性と価格動向
島根県松江市で不動産の売却や購入を検討する際、「地方都市の価格相場はどのくらいか」「どのエリアが人気なのか」と疑問に感じる方は少なくありません。
この記事では、松江市の不動産相場(土地・戸建て・マンション別)、人気エリアの特徴、売却・購入時のポイント、諸費用の詳細を、SUUMO・地域密着型不動産会社などの情報を元に解説します。
松江市で不動産取引を検討する方が、適正価格の判断と安心できる取引を実現できるようになります。
この記事のポイント
- 松江市の土地坪単価は約15.6万円で、前年比で戸建て+0.04%、土地+0.82%、マンション+0.36%と緩やかな上昇傾向
- 賃貸相場は1Kで約4万円、1LDKで約8.5万円と比較的手頃な価格帯
- 松江駅周辺・宍道湖周辺(殿町、浜乃木、西嫁島等)が人気エリア
- 不動産取引は現況引き渡しが一般的で、ハウスクリーニング・修繕は買主負担
- 地域密着型不動産会社(創業50年以上の実績)が多く、地域特性に詳しい
(1) 松江市の不動産市場の特徴
松江市は島根県の県庁所在地で、宍道湖に面した歴史と自然が豊かな地方都市です。人口は約20万人で、観光業・商業・公共機関が主要産業です。
不動産市場は、UIターン需要(都市部からの移住者)、地元需要(県内転居・相続等)、観光・ビジネス需要(短期賃貸等)が中心です。地方都市のため、大都市圏と比較して価格は手頃ですが、人気エリアでは需要が高く、価格が維持されています。
(2) 2025年の市場動向(前年比で緩やかな価格上昇)
SUUMOのデータによると、松江市の土地坪単価は約15.6万円で、前年比で戸建て+0.04%、土地+0.82%、マンション+0.36%と緩やかな上昇傾向です。
2025年11月時点で松江市の不動産市場は活発で、主要不動産会社では744件(イチエイ松江店)、657件以上(マチリブ不動産)の物件を取り扱い中です。2025年12月には松江市や出雲市で新築住宅のオープンハウスイベントが開催予定で、市場の活況が続いています。
(3) UIターン需要と地域密着型不動産会社の役割
UIターン(都市部から地方への移住)需要が増加しており、リモートワークの普及や生活コストの低さが背景にあります。地域密着型の不動産会社(創業50年以上の実績がある会社も複数存在)は、地域特性や生活環境に詳しく、UIターン希望者のニーズに応えています。
松江市の不動産相場|土地・戸建て・マンション別の価格
(1) 土地価格(坪単価15.6万円、前年比+0.82%)
SUUMOのデータによると、松江市の土地坪単価は約15.6万円です(2025年時点)。前年比+0.82%と緩やかな上昇傾向にあります。
坪単価とは、1坪(約3.3m²)あたりの土地価格で、日本の不動産取引で一般的に使われる単位です。松江駅周辺や宍道湖周辺の人気エリアは平均より高く、郊外エリアは平均より低い傾向があります。
(2) 戸建て価格(前年比+0.04%)
戸建て価格は前年比+0.04%と微増です。松江市では戸建て物件が170件以上流通しており、中古戸建て・新築戸建ての両方が選択肢となります。
中古戸建ては築年数や状態により価格が大きく異なるため、複数の物件を比較検討することが重要です。
(3) マンション価格(前年比+0.36%、新築マンション7物件)
新築マンションレビューによると、松江市の新築マンションは7物件です。前年比+0.36%と上昇傾向にあります。
宍道湖近くの高級物件(アルファステイツ西嫁島等)や、殿町、浜乃木、西嫁島などのエリアで開発が進んでいます。マンション物件数は戸建てより少ないため、希望条件に合う物件が見つかりにくい場合があります。
(4) 賃貸相場(1K約4万円、1LDK約8.5万円)
松江市の賃貸相場は1Kで約4万円、1LDKで約8.5万円と比較的手頃な価格帯です(2025年時点)。
1Kはキッチン+居室1部屋の間取り、1LDKはリビング・ダイニング・キッチン+居室1部屋の間取りです。大都市圏と比較して賃貸価格は低く、生活コストを抑えられます。
人気エリアと特徴|松江駅周辺・宍道湖周辺の魅力
(1) 松江駅周辺の利便性
松江駅は山陰本線の主要駅で、出雲市・鳥取方面へのアクセスが良好です。駅周辺は商業施設・飲食店・公共施設が集積しており、生活利便性が高いエリアです。
通勤・通学の利便性から、賃貸需要・売買需要ともに高く、価格は市内平均より高めに設定される傾向があります。
(2) 宍道湖周辺の高級物件エリア(殿町、浜乃木、西嫁島等)
宍道湖周辺は景観が良く、高級物件が多いエリアです。殿町、浜乃木、西嫁島などで新築マンション・戸建ての開発が進んでいます。
宍道湖の夕日は「日本の夕日百選」に選ばれており、自然環境を重視する層に人気があります。高級物件が中心で、価格は市内平均より高めです。
(3) その他の注目エリア
松江市内の郊外エリアは、広い土地を確保しやすく、価格も手頃です。自動車があれば生活に支障はなく、子育て世帯や静かな環境を求める層に適しています。
不動産売却のポイント|査定方法と不動産会社の選び方
(1) 複数社への査定依頼の重要性
不動産売却時には、複数の不動産会社に査定を依頼し、相場を正確に把握することが重要です。1社のみの査定では、相場より高い(売却に時間がかかる)または低い(損をする)価格設定になる可能性があります。
最低3社以上に査定を依頼し、査定額、対応、実績を比較して選定してください。
(2) 地域密着型不動産会社の活用(創業50年以上の実績)
松江市では、地域密着型の不動産会社が多く、創業50年以上の実績がある会社も複数存在します。地域特性(学区、商業施設、交通アクセス、地価動向等)に詳しく、適切なアドバイスを得られます。
大手不動産会社と地域密着型不動産会社の両方に査定を依頼し、メリット・デメリットを比較検討することを推奨します。
(3) 仲介手数料の仕組み(400万円超は3%+6万円+税)
不動産会社経由で売却する場合、仲介手数料がかかります。物件価格400万円超の場合、3%+6万円+消費税が上限です(宅地建物取引業法で規定)。
例えば、2,000万円の物件を売却する場合、仲介手数料は(2,000万円×3%+6万円)×1.1=72.6万円が上限です。
仲介手数料とは、不動産会社に支払う手数料で、売買契約成立時に発生します。
不動産購入のポイント|諸費用と現況引き渡しの注意点
(1) 購入時の諸費用(仲介手数料、住宅ローン費用、登記費用、登録免許税、印紙税、不動産取得税)
不動産購入時には、物件価格以外に以下の諸費用がかかります(2025年時点)。
| 項目 | 内容 | 目安額 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社への手数料 | 400万円超の物件は(3%+6万円)+税 |
| 住宅ローン費用 | 融資手数料、保証料等 | 数十万円 |
| 登記費用 | 司法書士への報酬 | 5万~15万円 |
| 登録免許税 | 所有権移転登記・抵当権設定登記の税金 | 固定資産税評価額×税率 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼付する収入印紙 | 契約金額により異なる |
| 不動産取得税 | 不動産取得時に一度だけ課される地方税 | 固定資産税評価額×3% |
登録免許税は不動産の所有権移転登記や抵当権設定登記の際に課される国税、不動産取得税は土地や建物を取得したときに一度だけ課される地方税、印紙税は売買契約書に貼付する収入印紙の税金です。
(2) 2,000万円物件の諸費用例(仲介手数料72.6万円等)
島根売買ネットによると、2,000万円の物件を購入する場合、仲介手数料は72.6万円(税込)です。住宅ローン費用、登記費用、税金を合わせると、総額で100万~150万円程度の諸費用がかかる可能性があります。
購入前に諸費用を正確に見積もり、資金計画を立てることが重要です。
(3) 現況引き渡しの注意点(ハウスクリーニング・修繕は買主負担)
松江市の不動産取引では、現況引き渡しが一般的です。現況引き渡しとは、物件を現在の状態のまま引き渡す方式で、ハウスクリーニングや内外装の修繕は売主側では行いません。
引き渡し後に買主が対応する必要があるため、購入前に物件の状態を十分確認し、修繕費用を見積もることが重要です。
(4) 物件の状態確認と修繕費用の見積もり
現況引き渡しの物件では、床・柱・屋根・水道管の状態、雨漏り、シロアリ被害などを専門家(ホームインスペクター、建築士等)に依頼してチェックすることを推奨します。
修繕費用が高額になる場合、購入価格との兼ね合いを検討し、交渉することも可能です。
まとめ|松江市で不動産を売却・購入する際の判断ポイント
松江市の土地坪単価は約15.6万円で、前年比で戸建て+0.04%、土地+0.82%、マンション+0.36%と緩やかな上昇傾向です。賃貸相場は1Kで約4万円、1LDKで約8.5万円と比較的手頃な価格帯です。
人気エリアは松江駅周辺(生活利便性)、宍道湖周辺(景観・高級物件)です。不動産取引は現況引き渡しが一般的で、ハウスクリーニング・修繕は買主負担のため、購入前に物件の状態を十分確認してください。
地域密着型の不動産会社(創業50年以上の実績)は地域特性に詳しいため、複数社に査定を依頼し、宅地建物取引士や建築士に相談しながら、安心できる取引を実現しましょう。
