年収300万円で住宅ローンは組めるのか
年収300万円で住宅ローンを検討する際、「審査に通るだろうか」「いくらまで借りられるのか」と不安を感じる方は少なくありません。
この記事では、年収300万円の借入可能額(返済負担率25%で約1,050万円、35%で約1,470万円)、審査基準(返済負担率・勤続年数・信用情報)、審査通過のポイント(頭金を増やす・ペアローン検討・フラット35活用)、無理のない返済計画の重要性を解説します。
住宅金融支援機構の公式データと金融機関の審査基準を元に、実務視点で判断材料を提供します。
この記事のポイント
- 年収300万円で住宅ローンは組める(フラット35利用者の15%が年収300万円台)
- 借入可能額は1,500万円~2,100万円程度が目安、返済負担率25%以内で約1,800万円が推奨
- 最低年収基準は多くの金融機関で300万円、SBI新生銀行は前年度税込み年収300万円以上が申込条件
- 審査通過のポイント: 収入合算・ペアローン、頭金準備、複数金融機関への相談、価格の安い中古物件選び
- 「借りられる額」ではなく「返せる額」を念頭に置き、返済負担率は20~25%以内に抑えることが重要
フラット35利用者の15%が年収300万円台
LIFULL HOME'Sによると、フラット35利用者の15%が年収300万円台です。年収300万円で住宅ローンを借りることは可能で、実際に多くの方が利用しています。
フラット35は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローンで、年収基準なし、返済負担率のみで審査されるため、比較的通りやすいとされています。
多くの金融機関の最低年収基準は300万円
モゲチェックによると、審査に通過する年収の下限は300万円が目安です。SBI新生銀行は前年度税込み年収300万円以上が申込条件で、多くの金融機関で300万円が最低基準となっています。
ただし、年収だけでなく勤続年数、他の借入状況、健康状態なども審査に影響します。
借りられる額と返せる額は異なる
重要: 「借りられる額」ではなく「返せる額」を念頭に置く必要があります。
リクルートによると、返済負担率を25%以内に抑えると約1,800万円が推奨されます。無理のない返済額は月6.2万円程度までです。
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年収300万円の借入可能額と返済負担率
年収300万円の借入可能額は、返済負担率により異なります。
返済負担率25%で約1,050万円、35%で約1,470万円
返済負担率(返済比率)は、年収に対する年間返済額の割合です。
| 返済負担率 | 年間返済額 | 月額返済額 | 借入可能額(目安) |
|---|---|---|---|
| 25% | 75万円 | 6.2万円 | 約1,800万円 |
| 30% | 90万円 | 7.5万円 | 約2,100万円 |
| 35% | 105万円 | 8.7万円 | 約2,400万円 |
(試算条件: 金利1.5%、返済期間35年)
フラット35では、年収300万円の場合、返済負担率30%以下が基準となります。
フラット35の借入可能額シミュレーション
フラット35公式サイトの「年収から借入可能額を計算」シミュレーターで、具体的な借入可能額を計算できます。
年収300万円、返済期間35年、金利1.5%の場合、返済負担率30%で約2,100万円が借入可能額の目安です。
無理のない返済額の目安(月6.2万円程度まで)
リクルートによると、無理のない返済額は手取り年収の20~25%以内です。年収300万円の場合、手取り年収は約240万円(税金・社会保険料控除後)で、月6.2万円程度までが理想です。
返済負担率が30%を超えると返済不能のリスクが高まります。
住宅ローン審査の基準と通過のポイント
住宅ローン審査では、年収以外にも複数の項目が評価されます。
返済負担率・勤続年数・信用情報の重要性
審査項目:
- 返済負担率: 年収に対する年間返済額の割合(30%以下が目安)
- 勤続年数: 1~3年以上が目安(金融機関により異なる)
- 信用情報: 過去の借入・返済履歴、延滞の有無
- 健康状態: 団体信用生命保険(団信)加入のため
- 他の借入: 車ローン、カードローン等は審査に悪影響
三井住友銀行によると、事前審査と本審査の2段階で実施され、本審査は1~4週間ほどかかります。
頭金を用意すると審査に通りやすくなる
頭金を用意すると、以下のメリットがあります。
- 借入額が減る: 頭金分、借入額が少なくなり審査に通りやすい
- 利息が減る: 借入額が少ないほど、支払う利息も少ない
- 返済負担率が下がる: 月々の返済額が減り、審査基準を満たしやすい
頭金は物件価格の10~20%が目安ですが、少額でも効果があります。
収入合算・ペアローンの活用方法
収入合算:
- 配偶者など家族の収入を合算して借入可能額を増やす方法
- 世帯年収で審査を受けられる
- 夫婦合算で年収500万円になれば、借入可能額が大幅に増える
ペアローン:
- 夫婦それぞれが住宅ローンを借りる方法
- 2人とも住宅ローン控除を受けられるメリットがある
- 2人とも団信に加入する必要がある
LIFULL HOME'Sによると、収入合算・ペアローンは審査通過のポイントとして有効です。
年収300万円で審査に通った事例と活用法
年収300万円で審査に通るためのコツを解説します。
複数の金融機関に相談するメリット
審査基準は金融機関により異なるため、複数の金融機関に相談することが重要です。
- A銀行で落ちてもB銀行で通る可能性: 審査基準が異なるため、複数相談が有効
- 金利比較: 金融機関により金利が異なるため、低金利の金融機関を選べる
- 諸費用比較: 事務手数料、保証料等の諸費用も金融機関により異なる
足利銀行によると、複数金融機関への相談は審査通過のコツです。
中古物件など価格の安い物件を選ぶ
価格の安い物件を選ぶと、借入額が少なく審査に通りやすくなります。
- 中古一戸建て: 新築より価格が手頃
- 中古マンション: 立地が良い物件も低価格で購入できる
- 郊外エリア: 都心より価格が手頃
足利銀行によると、価格の安い中古物件を選ぶと借りやすいです。
フラット35は返済負担率のみで審査される
フラット35は、年収基準なし、返済負担率のみで審査されるため、年収が低くても審査に通りやすいとされています。
- 年収300万円台の利用者が15%: 実際に多くの方が利用
- 返済負担率30%以下が基準: 年収300万円の場合、月7.5万円まで
- 全期間固定金利: 金利変動リスクがなく、返済計画が立てやすい
ただし、フラット35は民間金融機関より金利が高めの場合があるため、比較検討してください。
無理のない返済計画の立て方
住宅ローンは長期的な返済計画が重要です。
返済負担率は20〜25%以内に抑える
理想的な返済負担率は手取り年収の20~25%以内です。年収300万円の場合、手取り年収は約240万円で、月4万円~5万円が理想です。
足利銀行によると、返済比率を20~25%程度に設定することが推奨されます。
他の借金(車ローン・カードローン)の完済
他の借金は審査に悪影響を与えます。住宅ローン審査前に、以下を完済してください。
- 車ローン: 残債を完済
- カードローン: 残債を完済、不要なカードは解約
- 未払い税金: 税金の未払いは審査に悪影響
足利銀行によると、未払い税金や借金を完済してから審査に臨むことが推奨されます。
住宅ローン控除と2025年の制度変更
住宅ローン控除は、所得税・住民税から一定額を控除できる制度です。
2025年の制度:
- 借入限度額: 省エネ等の基準を満たさない住宅は基本的に減税適用不可
- 控除率: 年末残高の0.7%
- 控除期間: 新築最長13年、中古最長10年
2024年から住宅ローン控除の借入限度額が変更され、2025年も継続しています。詳細は国税庁の公式サイトで確認してください。
まとめ:年収300万円の住宅ローン戦略
年収300万円で住宅ローンは組めます(フラット35利用者の15%が年収300万円台)。借入可能額は1,500万円~2,100万円程度が目安ですが、返済負担率を25%以内に抑えると約1,800万円が推奨されます。
審査通過のポイントは、収入合算・ペアローンの活用、頭金準備、複数金融機関への相談、他の借金の完済、価格の安い中古物件選びです。フラット35は年収基準なし、返済負担率のみで審査されるため比較的通りやすいです。
「借りられる額」ではなく「返せる額」を念頭に置き、返済負担率は20~25%以内に抑えることが重要です。住宅ローン選びは長期的な返済計画に関わるため、ファイナンシャルプランナーや宅地建物取引士などの専門家に相談しながら、無理のない返済計画を立てましょう。


