200坪の土地の固定資産税はいくら?
200坪(約661㎡)の土地とは
200坪の土地を所有している、または購入を検討している方にとって、「固定資産税はいくらになるのか」は大きな関心事です。
200坪は**約661平方メートル(㎡)**で、一般的な戸建て住宅の敷地(30-50坪)の4-6倍に相当します。郊外の広い戸建て、相続した土地、アパート・マンション敷地等で見られる規模です。
固定資産税の目安(住宅用地 vs 更地)
200坪の土地の固定資産税は、住宅が建っているか、更地かによって大きく異なります。
住宅が建っている場合:
- 住宅用地の特例が適用され、200㎡以下の部分は評価額の1/6、200㎡超の部分は評価額の1/3に軽減されます。
更地の場合:
- 住宅用地の特例が適用されず、評価額そのままで課税されます。
具体的な税額は、土地の評価額(路線価・固定資産税評価額)により決まりますが、住宅が建っている場合は更地より税額が1/3〜1/6になる可能性があります。
この記事のポイント
- 200坪(約661㎡)の土地では、200㎡以下の小規模住宅用地部分は評価額1/6、200㎡超の一般住宅用地部分は評価額1/3に軽減される
- 固定資産税評価額は公示価格の約70%が目安で、3年に1度評価替えが行われる
- 広い土地で戸数の多い賃貸住宅を建てると、1戸あたり200㎡まで小規模住宅用地特例が適用され節税効果が高い
- 更地のままでは住宅用地特例が適用されず、固定資産税が大幅に高くなる
固定資産税の計算方法
固定資産税の基本(課税標準額×税率1.4%)
固定資産税は、土地や建物などの固定資産に対して、毎年1月1日時点の所有者に課される市町村税です。計算式は以下の通りです。
固定資産税 = 課税標準額 × 税率
- 課税標準額: 固定資産税評価額から各種軽減措置を適用した金額
- 税率: 標準税率は1.4%(自治体により異なる場合あり)
(出典: 総務省「固定資産税の概要」)
固定資産税評価額の決定(公示価格の約70%)
固定資産税評価額は、**公示価格の約70%**が目安です。
例:
- 公示価格: 30万円/㎡
- 固定資産税評価額: 30万円 × 70% = 21万円/㎡
評価額は、市区町村が土地の所在地・形状・用途等を考慮して決定します。
評価替え(3年に1度)
固定資産税評価額は、3年に1度評価替えが行われます(次回は2027年度)。地価が上昇すれば評価額も上がり、固定資産税も増加します。
(出典: 横浜市「令和7年度固定資産税(土地)の税額計算の仕組み」)
200坪の土地の固定資産税シミュレーション
住宅が建っている場合の計算例
条件:
- 土地面積: 200坪(約661㎡)
- 固定資産税評価額: 21万円/㎡(公示価格30万円/㎡の70%)
- 税率: 1.4%
- 住宅が建っている(住宅用地特例適用)
ステップ1: 評価額を計算
総評価額 = 21万円/㎡ × 661㎡ = 13,881万円
ステップ2: 住宅用地特例を適用
- 小規模住宅用地(200㎡以下): 21万円/㎡ × 200㎡ × 1/6 = 700万円
- 一般住宅用地(200㎡超): 21万円/㎡ × 461㎡ × 1/3 = 3,227万円
課税標準額 = 700万円 + 3,227万円 = 3,927万円
ステップ3: 固定資産税を計算
固定資産税 = 3,927万円 × 1.4% = 約54.98万円(年間)
更地の場合の計算例
条件:
- 土地面積: 200坪(約661㎡)
- 固定資産税評価額: 21万円/㎡
- 税率: 1.4%
- 更地(住宅用地特例なし)
計算:
課税標準額 = 21万円/㎡ × 661㎡ = 13,881万円
固定資産税 = 13,881万円 × 1.4% = 約194.33万円(年間)
住宅用地と更地の税額比較
| 項目 | 住宅用地 | 更地 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 課税標準額 | 3,927万円 | 13,881万円 | - |
| 固定資産税(年間) | 約54.98万円 | 約194.33万円 | 約139万円 |
住宅が建っている場合、更地より年間約139万円(約72%)も固定資産税が安くなります。
広い土地ほど住宅建築による節税効果が大きいといえます。
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住宅用地の特例(小規模・一般)
小規模住宅用地(200㎡以下は評価額の1/6)
住宅用地のうち、200㎡以下の部分は「小規模住宅用地」として、課税標準額が評価額の1/6に軽減されます。
例:
- 評価額: 21万円/㎡ × 200㎡ = 4,200万円
- 課税標準額: 4,200万円 × 1/6 = 700万円
一般住宅用地(200㎡超は評価額の1/3)
住宅用地のうち、200㎡を超える部分は「一般住宅用地」として、課税標準額が評価額の1/3に軽減されます。
例:
- 評価額: 21万円/㎡ × 461㎡ = 9,681万円
- 課税標準額: 9,681万円 × 1/3 = 3,227万円
200坪の土地における特例の適用(200㎡と461㎡に分かれる)
200坪(約661㎡)の土地では、以下のように分割して特例が適用されます。
| 区分 | 面積 | 軽減率 | 課税標準額 |
|---|---|---|---|
| 小規模住宅用地 | 200㎡ | 1/6 | 評価額の1/6 |
| 一般住宅用地 | 461㎡ | 1/3 | 評価額の1/3 |
重要: 「200坪」ではなく「200㎡」が基準なので混同に注意してください。
住宅用地特例の適用要件と注意点
適用要件:
- 土地の上に住宅が建っていること
- 住宅の敷地として使用されていること
注意点:
- 土地の面積が住宅の床面積×10を超える部分は対象外
- 例: 床面積50㎡の住宅の場合、500㎡を超える部分は住宅用地特例が適用されません。
- 更地は対象外: 住宅を取り壊すと、翌年から住宅用地特例が適用されなくなります。
(出典: SUUMO「土地にかかる固定資産税について知りたい!計算方法や評価額の調べ方を解説」)
200坪の土地の固定資産税を安くする節税方法
住宅を建てる(住宅用地特例を適用)
最もシンプルな節税方法は、住宅を建てることです。
効果:
- 住宅用地特例により、200㎡以下は評価額の1/6、200㎡超は1/3に軽減
- 前述の例では、年間約139万円の節税効果
注意点:
- 建築費用(数千万円)がかかるため、費用対効果を検討する必要があります。
- 相続した土地等で住宅建築が難しい場合は、他の方法を検討します。
アパート・マンション建設(戸数分の小規模住宅用地特例)
広い土地で特に効果的なのが、アパート・マンション建設です。
効果:
- 戸数の多い賃貸住宅を建てると、**1戸あたり200㎡まで小規模住宅用地特例(評価額1/6)**が適用されます。
例:
- 200坪の土地に4戸のアパートを建てた場合
- 200㎡ × 4戸 = **800㎡分が小規模住宅用地特例(評価額1/6)**の対象となります(200坪=661㎡なので、全面積をカバー)。
注意点:
- 建築費用・維持費がかかるため、賃料収入との収支シミュレーションが重要です。
- 空室リスク・修繕費等も考慮する必要があります。
(出典: HOME4Uオーナーズ「土地固定資産税は節税できる?計算方法や特例について解説」)
分筆による節税(登記費用に注意)
分筆とは、1つの土地を複数の土地に分割する登記手続きです。
効果:
- 土地を複数に分割し、それぞれに住宅を建てる(または売却・貸し出す)ことで、各土地に小規模住宅用地特例を適用できる場合があります。
注意点:
- 登記費用(測量費・登記手数料等)が100万円以上になることもあります。
- 費用対効果を慎重に検討する必要があります。
- 分筆後の土地が建築基準法の接道要件を満たすかも確認が必要です。
土地の一部を貸し出す
土地の一部を他人に貸し出し、借主が住宅を建てる場合も、住宅用地特例が適用される場合があります。
効果:
- 賃料収入を得ながら、固定資産税を軽減できます。
注意点:
- 借地権設定により、土地の処分が制限される場合があります。
- 契約内容・税務処理については専門家(税理士・弁護士)への相談を推奨します。
まとめ:広い土地の固定資産税を最小化するポイント
200坪(約661㎡)の土地の固定資産税は、住宅が建っている場合、200㎡以下の部分は評価額の1/6、200㎡超の461㎡部分は評価額の1/3に軽減されます。
固定資産税評価額が公示価格の約70%(例: 21万円/㎡)の場合、住宅用地の年間固定資産税は約55万円、更地は約194万円と、年間約139万円の差があります。
広い土地で戸数の多い賃貸住宅を建てると、1戸あたり200㎡まで小規模住宅用地特例(評価額1/6)が適用され節税効果が高くなります。分筆による節税も可能ですが、登記費用(100万円以上になることも)との費用対効果を検討する必要があります。
広い土地の固定資産税対策は、建築費用・賃料収入・将来の資産価値を含めた総合的な判断が必要です。税理士や宅地建物取引士への相談を推奨します。
執筆時点: 2025年。税率・評価額は自治体により異なり、3年ごとの評価替えで変動する可能性があるため、最新情報は総務省や各市区町村の税務課でご確認ください。
