不動産における土地取引の基礎知識と注意点を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/30

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不動産における土地取引の重要性

「土地を購入したいが、何から始めればいいのか」「価格相場はどうやって調べるのか」と悩む方は少なくありません。

この記事では、土地取引の基礎知識、価格相場の調べ方、土地選びのポイント、購入の流れ、かかる費用と税金を、国土交通省や国税庁の公式情報を元に解説します。

初めて土地購入を検討する方でも、必要な知識を体系的に理解できるようになります。

この記事のポイント

  • 土地価格の相場は国土交通省の公示地価・基準地価、不動産取引価格情報で確認できる
  • 土地選びでは建築基準法の接道義務、地盤調査、インフラ整備、災害リスクを必ず確認
  • 購入の流れは土地探しから決済まで7ステップ、全体で2-3ヶ月が目安
  • 諸費用は土地価格の5-10%が必要(印紙税・登録免許税・不動産取得税等)
  • 地盤改良費100-300万円等の追加費用リスクを事前に把握しておくことが重要

土地の価格相場を調べる方法

土地購入の第一歩は、価格相場の正確な把握です。以下の公的データと民間サイトを組み合わせることで、適正価格を見極めることができます。

(1) 公示地価・基準地価の確認

公示地価は、国土交通省が毎年3月に公表する土地価格の指標で、1月1日時点の1㎡あたりの価格を示します。基準地価は、都道府県が毎年9月に公表し、7月1日時点の価格を基準とします。

国土交通省「不動産情報ライブラリ」では、これらの公的データに加え、災害リスク情報や周辺施設情報も閲覧できます。

(2) 不動産取引価格情報の活用

実際の取引価格を知るには、国土交通省の「不動産取引価格情報」が有用です。過去の売買実績を地域別・時期別に検索でき、相場感を掴むことができます。

また、不動産ジャパン(不動産流通4団体運営)や大手ポータルサイト(SUUMO、HOME'S、アットホーム等)で実際の販売価格を比較検討することも推奨されます。

(3) 2024-2025年の市場動向

2025年、全国の土地価格は4年連続で上昇しています。三大都市圏と地方四市(札幌、仙台、広島、福岡)は上昇が続いている一方、その他の地方圏の住宅地は下落傾向にあります。

東京23区では、住宅用地価格が2025年で前年比7.9%増、商業用地は11.8%増と上昇が加速しています(2024年は住宅用5.4%、商業用7%)。

また、2024年3月にマイナス金利政策が解除され、7月には追加利上げが実施されたため、住宅ローンの変動金利にも上昇圧力がかかっています。購入時には最新の金利動向を確認することが重要です。

(出典: 北進不動産「2025年版 日本の地価変動について」JLL「2025年の日本不動産投資市場動向の展望」

土地選びの重要ポイント

土地購入では、価格だけでなく法規制、地盤、インフラ、災害リスクを総合的に確認することが不可欠です。

(1) 建築基準法の接道義務と建蔽率・容積率

建築基準法では、接道義務が定められています。建物を建てるには、幅員4m以上の道路に2m以上接していることが必要です。この要件を満たさない土地は建築不可となるため、購入前に必ず確認してください。

また、建蔽率(敷地面積に対する建築面積の割合)と容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)は、用途地域によって制限されています。建蔽率は30-80%、容積率は50-1000%の範囲で設定されており、希望する間取りの建物が建てられるかどうかを事前に確認することが重要です。

(2) 地盤調査と改良工事費用

地盤調査は必須です。軟弱地盤の場合、地盤改良工事が必要となり、費用は100-300万円程度かかります。

表層改良、柱状改良、鋼管杭工事など、地盤の状態に応じた工法があります。購入前に地盤調査を実施することが理想ですが、購入後に実施するケースも多いため、追加費用リスクを予算に計上しておくことが推奨されます。

(3) インフラ整備状況(水道・ガス・電気)

水道・ガス・電気のインフラが整備されていない土地の場合、引き込み費用が数十万円~数百万円追加で必要になります。

特に私道に接する土地は、道路の舗装・修理費用を個人負担する必要がある場合があるため、購入前に確認が必須です。

(4) 災害リスク(ハザードマップ確認)

洪水、土砂災害、地震、液状化などの災害リスクは、ハザードマップで必ず確認してください。

国土交通省「不動産情報ライブラリ」では、災害リスク情報も提供されており、安全性を判断する重要な材料となります。

土地購入の流れと期間

土地購入は7つのステップで進み、全体で2-3ヶ月が目安です。

(1) 土地探しから買付証明書提出まで

大手ポータルサイトで相場を確認した後、不動産会社に相談して詳細をチェックします。気に入った土地が見つかったら、買付証明書を提出し、購入意思を示します。

(2) 住宅ローン事前審査と本審査

売買契約前に住宅ローン事前審査(3-4日)を受け、契約後に本審査(1-2週間)を受けます。

ローン審査の結果次第で契約が白紙解約となる場合があるため、事前審査の段階で借入可能額を確認しておくことが重要です。

(3) 重要事項説明・売買契約・決済(2-3ヶ月)

宅地建物取引士による重要事項説明を受けた後、売買契約を締結します。契約時には印紙税(1-3万円)が必要です。

その後、本審査を経て、決済・引き渡しへと進みます。全体で2-3ヶ月を要するため、余裕を持ったスケジュールを組むことが推奨されます。

(出典: 株式会社住宅市場「土地購入の基本の流れ」SUUMO「土地購入の流れとは」

土地購入にかかる費用と税金

土地購入には、土地代金以外に諸費用が土地価格の5-10%必要です。

(1) 諸費用の内訳(土地価格の5-10%)

主な諸費用は以下の通りです。

項目 内容 目安額
仲介手数料 土地価格の3%+6万円+消費税 土地価格による
司法書士報酬 登記手続き代行費用 5-10万円
地盤調査費 地盤の強度確認 5-10万円
測量費 境界未確定の場合 数十万円

土地代金には消費税は非課税ですが、仲介手数料・司法書士報酬には消費税がかかります。

(出典: LIFULL HOME'S「土地を購入する際、税金や手数料その他の費用はいくらかかる?」

(2) 印紙税・登録免許税・不動産取得税

印紙税は、売買契約書に貼付する収入印紙代です。土地代金1,000万~5,000万円なら1万円、5,000万円~1億円なら3万円が必要です。

登録免許税は、土地の所有権移転登記時に納める税金で、不動産評価額の1.5%(軽減税率適用時)です。

不動産取得税は、土地取得時に都道府県が課す税金で、固定資産税評価額×3%(軽減措置適用時、本則は4%)が目安です。

(3) 継続的な支出(固定資産税・都市計画税)

購入後も、毎年1月1日時点の土地所有者に固定資産税都市計画税が課されます。固定資産税は固定資産税評価額×1.4%が標準税率です。

税金の詳細は自治体により異なるため、税理士への相談を推奨します。

まとめ:土地購入を成功させるために

土地購入では、価格相場の確認、法規制・地盤・インフラ・災害リスクのチェック、購入の流れと期間の把握、諸費用と税金の計上が不可欠です。

公示地価・基準地価・取引価格情報を活用し、接道義務・建蔽率・容積率を確認することで、希望する建物が建てられる土地を選べます。また、地盤改良費やインフラ引き込み費用など、追加費用リスクを予算に計上しておくことが重要です。

購入前には、信頼できる不動産会社、宅地建物取引士、土地家屋調査士、税理士に相談し、正確な情報を基に判断することを推奨します。

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よくある質問

Q1土地の価格相場はどうやって調べますか?

A1国土交通省の不動産情報ライブラリで公示地価・基準地価・取引価格情報を確認できます。公示地価は毎年3月公表(1月1日時点)、基準地価は9月公表(7月1日時点)です。また、大手ポータルサイト(SUUMO、HOME'S等)で実際の販売価格を比較検討することも有効です。公的データと民間サイトを組み合わせることで、適正価格を見極めることができます。

Q2土地購入にかかる税金はいくらですか?

A2印紙税(1-3万円)、登録免許税(不動産評価額の1.5%)、不動産取得税(固定資産税評価額×3%、軽減措置適用時)が主な税金です。購入後も固定資産税・都市計画税が年1回必要です。固定資産税は固定資産税評価額×1.4%が標準税率です。税金の詳細は自治体により異なるため、税理士への相談を推奨します。

Q3土地購入の流れと期間はどれくらいですか?

A3土地探し→買付証明書提出→住宅ローン事前審査(3-4日)→重要事項説明・売買契約→本審査(1-2週間)→決済・引き渡しの7ステップで進みます。全体で2-3ヶ月が目安です。事前審査で借入可能額を確認し、契約後の本審査で正式にローンが決定します。余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。

Q4地盤調査は必須ですか?

A4必須です。軟弱地盤の場合は地盤改良工事が必要となり、費用は100-300万円程度かかります。表層改良、柱状改良、鋼管杭工事など、地盤の状態に応じた工法があります。購入前に地盤調査を実施することが理想ですが、購入後に実施するケースも多いため、追加費用リスクを予算に計上しておくことが推奨されます。

Q5土地購入でよくある失敗は何ですか?

A5予算オーバー(諸費用・地盤改良費未計上)、建築制限未確認(建蔽率・容積率)、インフラ未整備、境界未確定、災害リスク未確認の5つが主な失敗例です。特に接道義務を満たさない土地は建築不可、インフラ未整備の土地は引き込み費用が数十万~数百万円かかります。購入前に宅地建物取引士や土地家屋調査士に相談し、詳細を確認することが重要です。

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Room Match編集部

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