土地購入の基礎知識|価格相場と購入時の注意点

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/24

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土地購入の基本と土地探しのポイント

注文住宅を建てるための土地を探す際、「どうやって土地を見つけるか」「価格相場はどれくらいか」「法的に問題ない土地かどうか」といった疑問を抱く方は多いでしょう。

この記事では、土地購入の基礎知識、価格の決まり方、法的チェックポイント、購入手順を、最新の情報を元に解説します。

初めて土地を購入する方でも、適切な土地を選び、後悔のない購入ができるようになります。

この記事のポイント

  • 土地探しは複数の方法を併用することが重要(ポータルサイト、非公開物件、土地探しアプリ等)
  • 用途地域・接道義務・建ぺい率・容積率の確認が必須
  • 地盤調査は約10万円だが、地盤改良が必要になると数十万~数百万円の追加コストが発生
  • 買付証明書で土地を仮押さえし、重要事項説明を受けてから売買契約を締結
  • 諸費用は土地代の5-10%が目安(仲介手数料・印紙税・登記費用等)

土地価格の決まり方と相場の見方

土地価格は、複数の要素により決まります。相場を正しく理解することで、適正価格かどうかを判断できます。

(1) 土地価格の構成要素(立地・面積・形状・接道)

土地価格は、以下の要素により決まります。

立地

  • 駅からの距離(徒歩圏内か、バス利用か)
  • 周辺環境(商業施設、学校、病院へのアクセス)
  • 治安・騒音・日当たり

面積

  • 広いほど総額は高いが、坪単価は安くなる傾向

形状

  • 整形地(長方形)は建物設計がしやすく価格が高い
  • 旗竿地・変形地は建築制約が大きく価格が安い

接道

  • 幅4m以上の道路に2m以上接している土地が望ましい
  • 接道義務を満たさない土地は建築不可で、価格が大幅に安い(または売買不可)

(2) 坪単価の目安と公示地価の確認方法

土地価格は「坪単価」で表されることが多いです。坪単価はエリアにより大きく異なります。

一般的な目安

  • 都市部:数十万~数百万円/坪
  • 郊外:数万~数十万円/坪

相場を確認する方法として、国土交通省の「地価公示」「都道府県地価調査」があります。これらは公的機関が毎年発表する土地価格の指標で、信頼性が高い情報です。

国土交通省 地価公示・都道府県地価調査のサイトで、購入を検討しているエリアの相場を確認しましょう。

また、国土交通省の「不動産取引価格情報」では、実際の取引価格を検索できます。地価公示は標準的な土地の価格ですが、不動産取引価格情報は実際の売買価格のため、より現実的な相場を把握できます。

(3) 建築条件付き土地と建築条件なし土地の違い

土地には「建築条件付き土地」と「建築条件なし土地」の2種類があります。

建築条件付き土地

  • 土地売主が指定する建築会社で家を建てることが条件
  • 3~6か月以内に建築請負契約を結ぶ必要がある
  • 契約に至らなければ土地契約は白紙撤回され、手付金が返還される
  • 価格は比較的安いが、建築会社を自由に選べない

建築条件なし土地

  • 建築会社を自由に選べる
  • 注文住宅を希望する方に適している
  • 価格は建築条件付き土地より高い

注文住宅を建てたい方は、建築条件なし土地を選ぶことを推奨します。

土地選びで確認すべき法的要件

土地を購入する前に、法的要件を必ず確認しましょう。これを怠ると、希望する建物が建てられない可能性があります。

(1) 用途地域と建築制限(建ぺい率・容積率)

用途地域とは、都市計画で定められた土地の利用目的です。住居系・商業系・工業系など13種類に分かれており、用途地域により建物の用途・高さ・建ぺい率・容積率が制限されます。

建ぺい率

  • 土地面積に対する建築面積の割合
  • 例:建ぺい率60%の場合、100㎡の土地に60㎡までの建物(1階部分)を建てられる

容積率

  • 土地面積に対する延床面積の割合
  • 例:容積率200%の場合、100㎡の土地に200㎡までの建物(全階合計)を建てられる

用途地域は、市区町村の都市計画課で確認できます。Webサイトで公開している自治体も多いので、購入前に必ず確認しましょう。

(第一種低層住居専用地域):

  • 建ぺい率:30%~60%
  • 容積率:50%~200%
  • 建物の高さ:10m~12m以下
  • 用途:低層住宅のみ(店舗・事務所は不可)

(2) 接道義務(幅4m以上の道路に2m以上接する)

建築基準法では、**「幅4m以上の道路に2m以上接する」**ことが義務付けられています(接道義務)。

この要件を満たさない土地は建築不可であり、将来の売却も困難です。

接道義務の確認方法

  • 不動産会社に確認する
  • 市区町村の建築指導課で確認する
  • 道路幅をメジャーで実測する

注意:私道の場合、道路幅が4m未満でも建築可能な場合がありますが、自治体の許可が必要です。

(3) 境界線の確認とセットバック

境界線の確認: 隣地との境界線が不明確な場合、後日トラブルになる可能性があります。購入前に、売主に境界標の有無を確認し、必要に応じて測量を依頼しましょう。

セットバック: 道路幅が4m未満の場合、道路の中心線から2mの位置まで敷地を後退させる必要があります(セットバック)。セットバック部分は建築できないため、実質的な敷地面積が減少します。

例:道路幅3mの場合、0.5m(片側)のセットバックが必要。100㎡の土地でも、セットバック後は95㎡程度になる。

地盤調査とインフラ整備の確認

(1) 地盤調査の重要性と費用(約10万円)

地盤調査は、地盤の強度を調べる調査です。建物の安全性を確保するため、必ず実施しましょう。

地盤調査の方法

  • スウェーデン式サウンディング試験が一般的
  • 費用:約10万円
  • 調査期間:1日程度

地盤調査の結果、地盤が軟弱と判定された場合、地盤改良工事が必要になります。

(2) 地盤改良費用のリスク(数十万~数百万円)

地盤が軟弱な場合、地盤改良工事で地盤を強化する必要があります。

地盤改良の方法

  • 表層改良:数十万円
  • 柱状改良:100-200万円
  • 鋼管杭工事:200-300万円

地盤改良費用は地盤の状態により大きく変動するため、地盤調査を必ず実施し、予算に組み込んでおくことが重要です。

地盤調査の推奨タイミング

  • 売買契約前に実施が理想(費用負担は売主と交渉)
  • 契約後に実施する場合、地盤改良費用を予算に余裕をもって組み込む

(3) 電気・ガス・水道の引き込み状況と費用

土地によっては、電気・ガス・水道のインフラが未整備の場合があります。この場合、引き込み工事で数十万~数百万円の追加費用がかかります。

確認事項

  • 敷地内に電気・ガス・水道の引き込みがあるか
  • 前面道路にインフラが整備されているか
  • 引き込み工事の費用見積もり

費用の目安

  • 電気:10-30万円
  • ガス:20-50万円
  • 水道:50-100万円(前面道路にない場合はさらに高額)

購入前に、インフラの整備状況を不動産会社に確認し、引き込み費用を見積もっておきましょう。

土地購入の流れと諸費用

(1) 買付証明書の提出と仮押さえ

気に入った土地が見つかったら、買付証明書を提出して土地を仮押さえします。

買付証明書とは

  • 土地の購入意思を示す書類
  • 金銭不要(サインと印鑑のみ)
  • 通常1~2週間の交渉期間を確保できる

買付証明書を提出することで、他の購入希望者よりも優先的に交渉できます。ただし、法的拘束力はないため、契約前であればキャンセル可能です。

(2) 重要事項説明と売買契約

買付証明書の提出後、重要事項説明を受けます。

重要事項説明

  • 宅地建物取引士が行う
  • 土地の権利関係、法令上の制限、契約解除の条件等を説明
  • 説明を受けてから売買契約を締結

売買契約時に必要なもの

  • 本人確認書類(免許証、パスポート等)
  • 印鑑(実印)
  • 手付金(売買価格の5-10%が一般的)
  • 印紙税(売買価格により異なる)

売買契約から引き渡しまで1~2か月かかります。全体で半年~1年程度が一般的です。

(3) 諸費用の内訳(仲介手数料・印紙税・登記費用)

土地購入には、土地代以外に諸費用がかかります。諸費用は土地代の5-10%が目安です。

諸費用の内訳

項目 金額の目安
仲介手数料 (土地価格×3%+6万円)×1.1
印紙税 1-6万円(売買価格により異なる)
登記費用 10-30万円(司法書士報酬含む)
固定資産税(日割り) 数万円
ローン保証料・手数料 数十万円

(土地価格2,000万円の場合):

  • 仲介手数料:72.6万円
  • 印紙税:1-2万円
  • 登記費用:15万円
  • 合計:約90-100万円(土地代の4.5-5%)

諸費用は現金で用意する必要があるため、事前に予算に組み込んでおきましょう。

まとめ:土地購入で後悔しないためのチェックリスト

土地購入は、用途地域・接道義務・地盤調査・インフラ整備の確認が必須です。これらを怠ると、希望する建物が建てられない、または予算を大幅にオーバーする可能性があります。

土地探しは複数の方法を併用し(ポータルサイト、非公開物件、土地探しアプリ等)、複数の候補を比較検討しましょう。買付証明書で土地を仮押さえし、重要事項説明を受けてから売買契約を締結します。

諸費用は土地代の5-10%、地盤改良費用は数十万~数百万円が追加でかかる可能性があるため、予算に余裕をもって計画しましょう。

チェックリスト

  • 用途地域・建ぺい率・容積率を確認
  • 接道義務(幅4m以上の道路に2m以上接する)を満たすか確認
  • 境界線の確認、セットバックの有無を確認
  • 地盤調査を実施(約10万円)
  • 電気・ガス・水道の引き込み状況を確認
  • ハザードマップで災害リスクを確認
  • 買付証明書を提出して土地を仮押さえ
  • 重要事項説明を受けて内容を理解
  • 諸費用(土地代の5-10%)を予算に組み込む
  • 地盤改良費用の予備費を確保

信頼できる不動産会社、宅地建物取引士、土地家屋調査士、建築士に相談しながら、納得のいく土地を見つけましょう。

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よくある質問

Q1土地の坪単価はどれくらいが目安?

A1坪単価はエリアにより大きく異なります。都市部は数十万~数百万円/坪、郊外は数万~数十万円/坪が一般的です。国土交通省の地価公示・都道府県地価調査で公的な相場を確認できます。また、国土交通省の不動産取引価格情報では、実際の売買価格を検索でき、より現実的な相場を把握できます。購入前に複数の情報源で相場を確認しましょう。

Q2建築条件付き土地とは?

A2建築条件付き土地とは、土地売主が指定する建築会社で家を建てることが条件の土地です。3~6か月以内に建築請負契約を結ぶ必要がありますが、契約に至らなければ土地契約は白紙撤回され、手付金が返還されます。価格は比較的安いですが、建築会社を自由に選べません。注文住宅を建てたい方は、建築条件なし土地を選ぶことを推奨します。

Q3造成費用はいくらかかる?

A3造成費用は、傾斜地の整地、地盤改良、擁壁工事などで数十万~数百万円かかります。傾斜が大きい土地や地盤が軟弱な土地は高額になります。地盤改良は表層改良で数十万円、柱状改良で100-200万円、鋼管杭工事で200-300万円が目安です。購入前に地盤調査(約10万円)を実施し、造成費用の見積もりを取得することを推奨します。

Q4用途地域の確認方法は?

A4用途地域は、市区町村の都市計画課で確認できます。多くの自治体がWebサイトで公開しており、地図上で用途地域を検索できます。用途地域により建物の用途・高さ・建ぺい率・容積率が制限されるため、購入前に必ず確認しましょう。例えば、第一種低層住居専用地域では低層住宅のみ建築可能で、店舗・事務所は建てられません。

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Room Match編集部

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