土地の持ち主を調べる方法:登記簿・ネット検索・手続きの流れを解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/8

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なぜ土地の持ち主を調べる必要があるのか

「隣の土地は誰の所有だろう」「購入したい土地の所有者を知りたい」「相続した土地の登記を確認したい」など、土地の持ち主を調べる必要が生じることがあります。

この記事では、土地所有者の調べ方(登記情報提供サービス・登記簿謄本)、ネットでの検索方法、必要な費用、所有者不明土地の調査方法を、法務局国土交通省の公式情報を元に解説します。

土地所有者の調査が必要な方が、目的に応じた適切な方法を選択できるようになります。

この記事のポイント

  • 土地所有者を調べるには登記情報提供サービス(141円)または登記簿謄本(500〜600円)を利用
  • 地番が分からない場合はブルーマップ・公図・法務局地図データで確認
  • 登記情報提供サービスは平日23時まで、土日祝も利用可能でネットから調べられる
  • 登記簿謄本は法的証明力があり、公的手続きに必要な場合に取得
  • 2024年4月から相続登記が義務化され、所有者不明土地の解消が進んでいる

土地所有者を調べる3つの方法

土地所有者を調べる主な方法は3つあります。

登記情報提供サービス(オンライン・141円)

登記情報提供サービスは、インターネットで登記情報を閲覧できる有料サービスです。

項目 内容
費用 1筆141円(税込)
利用時間 平日8:30〜23:00、土日祝8:30〜18:00
取得方法 オンライン閲覧(PDF)
法的証明力 なし

単に所有者を確認したいだけであれば、最も安価で手軽な方法です。ただし、法的証明力がないため、公的手続きには使用できません。

登記簿謄本の取得(法務局・500〜600円)

登記簿謄本(登記事項証明書)は、法務局で取得できる公的書類です。

取得方法 費用 所要時間
法務局窓口 600円 即日
オンライン請求(郵送受取) 500円 2〜3日
オンライン請求(窓口受取) 480円 翌日以降

法的証明力があるため、不動産売買、相続手続き、裁判などの公的手続きに必要な場合は登記簿謄本を取得します。

地番の調べ方(ブルーマップ・公図・法務局地図)

登記情報を取得するには「地番」が必要です。地番は住居表示(住所)とは異なるため、以下の方法で確認します。

  • ブルーマップ: 住宅地図に地番が記載された地図。図書館や法務局で閲覧可能
  • 公図: 土地の位置・形状を示す図面。法務局で閲覧無料(写しは約300円)
  • 法務局地図データ: 2023年1月から無料公開。インターネットで地番を確認可能

ネットで土地の持ち主を調べる方法:登記情報提供サービス

インターネットで土地の持ち主を調べるなら、登記情報提供サービスが便利です。

登録方法と利用時間(平日23時まで・土日祝も対応)

登記情報提供サービスの利用手順は以下の通りです。

  1. 公式サイトで利用登録(クレジットカード登録が必要)
  2. 地番を入力して土地を検索
  3. 登記情報を選択してオンラインで閲覧
  4. 費用はクレジットカードで即時決済

平日は23時まで、土日祝も18時まで利用可能なため、仕事終わりでも調べられます。

地番が分からない場合の対処法

住所(住居表示)だけでは登記情報を取得できません。地番が分からない場合の対処法は以下の通りです。

  • 法務局地図データ: 2023年1月23日から無料公開。インターネットで確認可能
  • 法務局への電話問い合わせ: 管轄の法務局に電話で確認
  • ブルーマップの閲覧: 図書館で無料閲覧可能

登記情報と登記簿謄本の違い(法的証明力)

項目 登記情報提供サービス 登記簿謄本
費用 141円 500〜600円
法的証明力 なし あり
取得場所 オンライン 法務局・郵送
用途 確認・閲覧 公的手続き

単なる確認目的なら登記情報提供サービス、公的手続きには登記簿謄本と使い分けましょう。

法務局で登記簿謄本を取得する手順と費用

法的証明力のある登記簿謄本を取得する方法を解説します。

窓口・郵送・オンライン請求の手順

法務局によると、登記簿謄本の取得方法は3つあります。

窓口請求

  1. 最寄りの法務局に行く(全国どの法務局でも可)
  2. 申請書に地番を記入して提出
  3. 600円の収入印紙を貼付
  4. 即日交付

オンライン請求

  1. 登記・供託オンライン申請システムで申請
  2. 郵送受取(500円)または窓口受取(480円)を選択
  3. クレジットカードまたはペイジーで決済
  4. 2〜3日後に届く(郵送の場合)

必要な情報(地番・家屋番号)の準備

登記簿謄本を取得するには、土地の「地番」が必要です。建物の場合は「家屋番号」も必要となります。

住居表示(〇〇市〇〇町1-2-3)と地番(〇〇市〇〇町1番2)は異なるため注意してください。

2023年から無料公開の法務局地図データ

2023年1月23日から、法務局の地図データがインターネットで無料公開されています。これにより、自宅にいながら地番を確認できるようになりました。

従来はブルーマップや法務局窓口でしか確認できなかった地番が、オンラインで簡単に調べられるようになっています。

所有者不明土地の調査方法と注意点

登記簿を確認しても所有者が不明な場合があります。

相続未登記で所有者が不明な場合

政府広報オンラインによると、所有者不明土地は全国で九州の面積を超えています。主な原因は相続登記がされていないことです。

所有者不明土地の調査方法は以下の通りです。

  • 戸籍調査: 登記名義人の相続人を追跡
  • 住民票・戸籍の附票: 所有者の現住所を確認
  • 固定資産課税台帳: 利害関係者のみ閲覧可能
  • 隣接者への聞き取り: 過去の経緯を確認

ただし、これらの調査は時間と費用がかかるため、専門家への依頼を検討しましょう。

2024年4月からの相続登記義務化

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続で取得した不動産は、取得を知った日から3年以内に登記する必要があります。

この制度により、今後は所有者不明土地の発生が抑制されることが期待されています。

専門家(土地家屋調査士・司法書士)への依頼

所有者調査が複雑な場合は、専門家への依頼を検討しましょう。

専門家 依頼内容 費用目安
土地家屋調査士 資料調査・現地調査 2〜7万円
司法書士 相続人調査・登記手続き 5〜15万円
弁護士 法的紛争・訴訟対応 案件による

所有者が不明・相続未処理の場合は、調査に数か月から1年以上かかることもあります。

まとめ:目的に応じた調査方法の選び方

土地の持ち主を調べる方法は、目的に応じて選択することが重要です。

  • 単なる確認目的: 登記情報提供サービス(141円、ネットで完結)
  • 公的手続きに使用: 登記簿謄本(500〜600円、法務局で取得)
  • 所有者不明の場合: 専門家(土地家屋調査士・司法書士)に相談

地番が分からない場合は、2023年から無料公開されている法務局地図データを活用しましょう。

登記情報は最新でない場合があり、相続未登記等で実際の所有者と異なる可能性があります。正確な情報が必要な場合は、専門家への相談を推奨します。

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よくある質問

Q1土地の持ち主を無料で調べる方法はありますか?

A1完全無料で所有者名を確認する方法はありませんが、地番を調べる方法は無料で利用できます。2023年1月から法務局の地図データが無料公開されており、インターネットで地番を確認可能です。また、法務局で公図を閲覧するのも無料です。所有者名の確認は、登記情報提供サービス(141円)が最も安価な方法となります。

Q2登記簿謄本と登記情報提供サービスの違いは何ですか?

A2主な違いは法的証明力の有無と費用です。登記簿謄本(500〜600円)は法的証明力があり、不動産売買、相続手続き、裁判などの公的手続きに使用できます。登記情報提供サービス(141円)は閲覧のみで法的証明力がなく、確認目的に適しています。単に所有者を確認したいだけなら登記情報提供サービス、公的手続きには登記簿謄本と使い分けましょう。

Q3地番が分からない場合はどうすればよいですか?

A3地番を調べる方法は複数あります。2023年1月から法務局の地図データが無料公開されており、インターネットで確認できます。図書館でブルーマップ(住宅地図に地番が記載された地図)を閲覧するのも有効です。法務局窓口で公図を閲覧したり、管轄法務局に電話で問い合わせることも可能です。住居表示(住所)と地番は異なるため、登記情報取得前に必ず確認しましょう。

Q4市役所で土地所有者を調べられますか?

A4一般の方が市役所で土地所有者を調べることは困難です。固定資産課税台帳の閲覧は、土地所有者本人、借地人・借家人、固定資産税の納税義務者など利害関係者に限定されています。土地所有者を調べるには、法務局で登記簿謄本を取得するか、登記情報提供サービスを利用するのが一般的な方法です。

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Room Match編集部

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