鹿児島の不動産市場の特徴
鹿児島県で不動産の購入や売却を検討する際、「価格相場はいくらなのか」「どのエリアが良いのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、鹿児島県の不動産市場の特徴、エリア別の価格相場、購入・売却時の注意点を、公的統計や業界団体の情報を元に解説します。
鹿児島市を中心とした市場動向と、地方都市ならではの特性を理解することで、より良い不動産取引の判断ができるようになります。
この記事のポイント
- 鹿児島市の土地価格は2025年平均139,286円/m²（坪単価約46万円）で、住宅地+0.32%、商業地+1.64%と緩やかな上昇傾向
- 鹿児島市のマンション価格は9年で23.5%上昇、過去3年で+12.3%と県内で最も堅調
- 県全体では住宅地価格-1.3%と下落傾向にあり、鹿児島市以外のエリアは慎重な判断が必要
- 不動産購入時は資金計画の確立と信頼できる業者選びが最優先
- 不動産売却方法は仲介・買取・個人売買の3種類があり、地元大手業者が豊富な実績を持つ
鹿児島の不動産市場の特徴（地方都市の特性）
鹿児島県の不動産市場は、地方都市特有の特性を持っています。
鹿児島市は県内で唯一の上昇エリア
2025年時点で、鹿児島市の地価は住宅地+0.32%、商業地+1.64%、工業地+2.20%と全用途で上昇しています。鹿児島県宅地建物取引業協会によると、鹿児島市は県内で最も不動産市場が活発なエリアです。
マンション価格も9年で23.5%上昇、過去3年で+32,000円/m²（+12.3%）と堅調に推移しており、鹿児島市・姶良市・霧島市の3市が県内の不動産価格上昇を牽引しています。
県全体では住宅地価格-1.3%と下落傾向
一方、鹿児島県全体で見ると、住宅地価格は-1.3%と下落傾向にあります。
鹿児島市以外のエリアでは、人口減少や高齢化の影響で不動産需要が低迷している地域もあるため、エリアごとの動向を慎重に見極める必要があります。
人口動態と不動産市場への影響
鹿児島県の人口は減少傾向にありますが、鹿児島市への人口集中は続いています。
この人口動態が、鹿児島市の不動産価格上昇と、周辺地域の価格下落という二極化を生んでいます。
鹿児島市の土地・マンション価格相場（2025年最新データ）
鹿児島市の不動産価格相場を、最新の公的統計データから見ていきます。
土地価格相場（平均139,286円/m²、坪単価約46万円）
2025年の鹿児島市の平均基準地価は139,286円/m²（坪単価約46万円）です。
住宅地と商業地では価格帯が大きく異なります。
| 用途 | 平均価格（円/m²） | 坪単価（万円） | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 住宅地 | 95,268 | 約31.5 | +0.32% |
| 商業地 | 257,014 | 約85 | +1.64% |
| 工業地 | - | - | +2.20% |
（出典: 鹿児島市の土地価格相場・公示地価・基準地価マップ・坪単価｜鹿児島県｜2025年［令和7年］）
用途別地価（住宅地+0.32%、商業地+1.64%、工業地+2.20%）
2025年時点で、鹿児島市の地価は全用途で上昇傾向にあります。
特に工業地の上昇率が+2.20%と高く、商業地も+1.64%と堅調です。住宅地は+0.32%と緩やかな上昇にとどまっていますが、県全体が下落傾向にある中では、相対的に強い市場と言えます。
マンション価格推移（9年で23.5%上昇、過去3年で+12.3%）
鹿児島市のマンション価格は長期的に上昇傾向にあります。
9年間で23.5%上昇、過去3年間でも+32,000円/m²（+12.3%）と、県内で最も堅調な価格推移を示しています。
この上昇は、鹿児島市への人口集中、新築マンションの供給増加、住宅ローン金利の低水準維持などが背景にあります。
公示地価と実取引価格のギャップ
注意すべき点として、公示地価と実取引価格にはギャップがある場合があります。
2024年Q1の実取引価格は90,100円/m²で前年比-3.78%と下落しており、公示地価の上昇傾向とは異なる動きを示しています。
実際の購入・売却時には、公示地価だけでなく、周辺の実取引事例も参照することが重要です。
エリア別価格動向（鹿児島市・姶良市・霧島市等）
鹿児島県内のエリア別価格動向を見ていきます。
鹿児島市が県内1位（平均156,300円/m²、前年比+1.30%）
鹿児島市は県内で最も地価が高く、2025年の平均地価は156,300円/m²、前年比+1.30%と上昇しています。
県庁所在地として商業・行政・教育機能が集中しており、不動産需要が最も高いエリアです。
姶良市・霧島市の価格動向（過去3年間上昇傾向）
鹿児島市周辺の姶良市・霧島市も、過去3年間で不動産価格が上昇傾向にあります。
これらのエリアは、鹿児島市へのアクセスが良く、住宅地としての需要が高まっています。
エリア別価格ランキング
鹿児島県内の主要エリアの地価ランキングは以下の通りです。
- 鹿児島市（平均156,300円/m²、前年比+1.30%）
- 姶良市（上昇傾向）
- 霧島市（上昇傾向）
鹿児島市が圧倒的に高く、周辺エリアとの価格差が大きいことが特徴です。
上昇エリアと下落エリアの特徴
上昇エリアの特徴:
- 鹿児島市へのアクセスが良い
- 商業施設・教育施設が充実
- 人口が維持または増加傾向
下落エリアの特徴:
- 鹿児島市から離れた地域
- 人口減少・高齢化が進行
- 商業施設の撤退が見られる
エリア選びの際は、人口動態や周辺施設の状況を十分に確認することが重要です。
不動産購入時の注意点（資金計画・業者選び）
鹿児島県で不動産を購入する際の注意点を解説します。
資金計画の確立（頭金・住宅ローン・諸費用）
鹿児島県公式サイトによると、不動産購入時は資金計画を確立し、無理のない返済計画を立てることが最優先です。
必要な資金は以下の3つです。
| 項目 | 内容 | 目安額 |
|---|---|---|
| 頭金 | 物件価格の10-20% | 200-400万円 |
| 住宅ローン | 物件価格の80-90% | 2,000-3,000万円 |
| 諸費用 | 手数料・印紙税・保証料等 | 物件価格の5-10% |
諸費用は基本的に住宅ローンに含められないため、自己資金で用意する必要があります。
信頼できる業者選び（鹿児島県宅建協会で相談可能）
信頼できる・評判の良い業者選びが重要です。
鹿児島県宅地建物取引業協会では、無料相談サービスを提供しており、業者選びのアドバイスを受けることができます。
2025年1月30日には、住宅ローン選択や省エネラベル等に関するセミナーも開催されており、消費者保護の取り組みが進められています。
土地購入時の調査項目（周辺価格動向・坪単価・地盤状況）
土地購入時は、以下の項目を事前に十分調査する必要があります。
- 周辺エリアの価格動向: 過去3-5年の地価推移を確認
- 坪単価: 周辺の実取引事例と比較
- 地盤状況: 地盤調査報告書を確認、液状化リスク等
特に地盤状況は、将来の建物の安全性に直結するため、専門家への相談を推奨します。
管理費・修繕積立金の確認（マンション購入時）
マンション購入時は、管理費・修繕積立金が物件価格に含まれていない場合が多いため、月額コストとして別途確認が必要です。
- 管理費: マンション等の共用部分の維持管理にかかる月額費用
- 修繕積立金: 将来の大規模修繕に備えて毎月積み立てる費用
これらの費用は、住宅ローンとは別に毎月支払う必要があるため、返済計画に含めて計算しましょう。
不動産売却の方法と地元業者の強み
鹿児島県で不動産を売却する際の方法と、地元業者の強みを解説します。
3つの売却方法（仲介・買取・個人売買）
不動産売却には3つの方法があります。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 仲介 | 市場価格で売却可能 | 売却まで時間がかかる |
| 買取 | 早く現金化できる | 市場価格より安くなる |
| 個人売買 | 仲介手数料不要 | トラブルリスクが高い |
仲介は最も一般的な方法で、不動産会社が売主と買主の間に入り、売買契約を成立させるサービスです。
地元大手業者の強み（住まいネット、MBC不動産、南国殖産等）
鹿児島市の地元大手業者は、地域密着の強みを持っています。
- 住まいネット: マンション売却に特に強み、鹿児島市内で豊富な売買実績
- MBC不動産: 地域密着の売却サービス、エリア別専門スタッフ配置
- 南国殖産: 地元大手として長年の実績
これらの業者は、鹿児島市の不動産市場に精通しており、適正な査定と迅速な売却が期待できます。
マンション売却の実績が豊富な業者
マンション売却は、住まいネットが鹿児島市内で特に強みを持っています。
鹿児島市のマンション価格が9年で23.5%上昇している中、売却時期の見極めと適正な価格設定が重要です。
売却査定サービスの活用
売却を検討する際は、複数の業者に査定を依頼し、比較検討することが推奨されます。
MBC不動産や住まいネット等の地元業者は、無料の売却査定サービスを提供しています。
査定額だけでなく、売却実績や対応の丁寧さも業者選びの重要なポイントです。
まとめ：鹿児島での不動産取引を成功させるために
鹿児島県の不動産市場は、鹿児島市を中心に上昇傾向にありますが、県全体では下落エリアも存在します。
エリアごとの価格動向を十分に把握し、資金計画を確立した上で、信頼できる業者に相談することが重要です。
購入時は頭金・住宅ローン・諸費用を含めた総額を計算し、売却時は複数の業者に査定を依頼して適正価格を見極めましょう。
鹿児島県宅地建物取引業協会の無料相談サービスや、地元大手業者の専門知識を活用しながら、無理のない不動産取引を進めてください。