住宅ローンを組めない人とは|審査に落ちる主な理由11選
「住宅ローンの審査に落ちてしまった」「自分は審査に通るのか不安」という方は少なくありません。住宅ローン審査は金融機関によって基準が異なり、明確な理由が開示されないことも多いです。
この記事では、住宅ローンを組めない主な原因、審査基準の詳細、対処法を住宅金融支援機構や全国銀行個人信用情報センターの公式情報を元に解説します。
この記事のポイント
- 審査に落ちる主な原因は信用情報・年収・健康状態・勤続年数など11項目
- 返済負担率は25%以下が理想、借入額は年収の5-7倍が目安
- 延滞履歴は5-10年間記録に残り審査に影響する
- フラット35やワイド団信など柔軟な選択肢も存在
住宅ローン審査に落ちる主な理由は以下の通りです:
- 信用情報の問題: 延滞履歴・債務整理・自己破産の記録
- 返済負担率が高い: 他のローン(カーローン・教育ローン等)との合計で30-35%超
- 年収が基準未満: 最低年収300万円程度が基準の金融機関が多い
- 勤続年数が短い: 一般的に1-3年以上が求められる
- 雇用形態: 非正規雇用・派遣社員は審査が厳しい
- 自営業・フリーランス: 収入の安定性が低いと判断される
- 健康状態: 団信(団体信用生命保険)に加入できない
- 年齢: 65歳以上または完済時80歳超
- 物件の担保価値: 担保価値が低いと借入限度額が制限される
- 申告内容の不一致: 虚偽申告は審査落ちの原因
- スーパーホワイト: クレジット利用履歴がない状態
住宅ローン審査の基準|年収・返済負担率・信用情報の関係
年収基準と借入可能額の目安(年収の5-7倍)
住宅金融支援機構の2023年度調査によると、フラット35利用者の平均世帯年収は661万円、借入倍率は4-6倍程度です。
| 年収 | 借入可能額の目安 |
|---|---|
| 400万円 | 2,000-2,800万円 |
| 500万円 | 2,500-3,500万円 |
| 600万円 | 3,000-4,200万円 |
| 700万円 | 3,500-4,900万円 |
金融機関によって審査基準は異なるため、上記はあくまで目安です。
返済負担率の計算方法と適正水準(25%以下が理想)
返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合です。一般的に30-35%が上限ですが、安定した返済のためには25%以下が理想とされています(2025年時点)。
計算例(年収500万円の場合):
- 返済負担率25%: 年間返済額125万円(月約10.4万円)
- 返済負担率35%: 年間返済額175万円(月約14.6万円)
審査では「審査金利」(3-4%程度)で計算されるため、実際の適用金利より厳しく判定されます。
信用情報が原因で組めない場合|延滞履歴・異動情報の影響
CIC・JICC・KSCの役割と情報開示方法
個人の信用情報は、以下の3つの信用情報機関に記録されています:
| 機関名 | 主な加盟業種 | 開示請求方法 |
|---|---|---|
| CIC | クレジットカード会社 | オンライン・郵送・窓口 |
| JICC | 消費者金融 | オンライン・郵送・窓口 |
| KSC | 銀行 | 郵送のみ |
住宅ローン審査の前に、自分の信用情報を開示請求して確認することを推奨します。開示手数料は1,000円程度です。
延滞履歴の記録期間(5-10年)とスーパーホワイトの問題
延滞履歴は情報の種類によって記録期間が異なります:
- 支払延滞(61日以上): 5年間
- 債務整理・自己破産: 5-10年間
- 完済情報: 5年間
注意: クレジットカードや携帯電話料金の分割払い延滞も記録に残ります。
スーパーホワイトとは、クレジットカードやローンの利用履歴がまったくない状態です。返済実績がないため、審査で不利になる場合があります。
健康状態・年齢が原因で組めない場合|団信加入と代替手段
団信加入が必須な金融機関と任意の金融機関
団信(団体信用生命保険)は、契約者が死亡または高度障害状態になった場合、残債が保険金で完済される保険です。多くの金融機関で加入が必須とされています。
過去3年以内に精神疾患や慢性疾患の治療歴がある場合、通常の団信に加入できないことがあります。
ワイド団信・フラット35の活用
健康状態に不安がある場合、以下の選択肢を検討できます:
- ワイド団信: 持病や既往症があっても加入できる団信。保険料は通常より0.2-0.3%程度高い
- フラット35: 住宅金融支援機構と民間金融機関が提携した長期固定金利ローン。団信加入は任意
フラット35は自営業者や勤続年数が短い方にも比較的審査が通りやすい傾向があります。
審査に通るための対処法|返済負担率の調整・複数社申込
頭金を増やす・他ローンを完済する
審査に通る可能性を高めるための対処法:
- 頭金を増やす: 借入額を減らすことで返済負担率が下がる
- 他ローンを完済: カーローン・教育ローン・キャッシングを完済する
- クレジットカードの見直し: 不要なカードを解約し、限度額を減らす
返済負担率を25%以下に抑えることで、審査通過の可能性が高まります。
収入合算・ペアローン・親子リレーローンの活用
単独では審査に通らない場合、以下の方法を検討できます:
| 方法 | 内容 | メリット |
|---|---|---|
| 収入合算 | 配偶者の収入を合算して審査 | 借入可能額が増える |
| ペアローン | 夫婦それぞれがローンを組む | 住宅ローン控除を2人分受けられる |
| 親子リレーローン | 親子で返済を引き継ぐ | 完済時年齢の制限を緩和できる |
まとめ|住宅ローン審査に不安がある場合のチェックリスト
住宅ローンを組めない主な原因は、信用情報・返済負担率・健康状態・勤続年数などです。金融機関によって審査基準は異なるため、1社で落ちても他社で通る可能性があります。
審査前のチェックリスト:
- 信用情報を開示請求して確認したか(CIC・JICC・KSC)
- 返済負担率を計算したか(25%以下が理想)
- 他のローンを完済できるか確認したか
- 複数の金融機関に相談したか
- フラット35やワイド団信を検討したか
住宅ローンは高額な借入です。審査に不安がある場合は、ファイナンシャルプランナーや金融機関の住宅ローン担当者に相談することを推奨します。


