住宅ローンは何歳まで組める?年齢制限と審査基準・返済計画のポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/2

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住宅ローンの年齢制限を知って、無理のない資金計画を立てるために

住宅購入を検討する際、「何歳までローンを組めるのか」「完済できる年齢は?」「審査に通るか心配」と不安に感じる方は少なくありません。特に40~60代の方は、年齢による制限や審査への影響が気になるところです。

この記事では、住宅ローンの年齢制限(申込時年齢・完済時年齢)、借入時平均年齢の推移、金融機関別の審査基準、高齢者向けローンの種類、年齢別の返済計画のポイントを解説します。

40~60代の住宅購入検討者の方でも、年齢による制限を正確に把握し、無理のない返済計画を立てられるようになります。

この記事のポイント

  • 住宅ローンの申込時年齢は満18歳以上70歳未満、完済時年齢は80歳未満が標準(一部85歳未満)
  • 35年ローンを組める上限年齢は45歳程度(完済80歳-35年=45歳の計算)
  • 2024年フラット35利用者の平均年齢は44.5歳、10年間で4.1歳上昇し高齢化が進行
  • 理想的な完済年齢は定年前の65歳、退職後は収入減少のリスクあり
  • 高齢者向けには「リバースモーゲージ型住宅ローン」や「親子リレー返済」など特別な商品がある

1. 住宅ローンの年齢制限とは|申込時年齢・完済時年齢の基準

(1) 申込時年齢の一般的な基準

住宅ローンの申込時年齢は、一般的に満18歳以上、70歳未満が条件です(出典: 三井住友銀行)。

  • 満18歳以上: 民法改正により成人年齢が18歳に引き下げられたため、18歳から申込可能
  • 70歳未満: 多くの金融機関が上限を70歳未満に設定

(2) 完済時年齢の基準

完済時年齢は、一般的に80歳未満が標準です(一部金融機関は85歳未満に拡大)。

完済時年齢 対応金融機関
80歳未満 多くの金融機関(三井住友銀行、みずほ銀行等)
85歳未満 一部金融機関(住信SBIネット銀行等)

(出典: ダイヤモンド不動産研究所

(3) 35年ローンを組める上限年齢

35年ローンを組める上限年齢は45歳程度です。これは、完済時年齢80歳から35年を引いた計算です。

計算例:

  • 完済時年齢80歳 - 借入期間35年 = 申込時年齢45歳

45歳を超えると、借入期間が短縮されるため、月々の返済額が増加します。

(4) 国土交通省2022年調査

国土交通省の2022年調査によると、98.7%の金融機関が「完済時年齢」を審査基準としています(出典: researcher_output)。このため、高齢者ほど審査が厳しくなる傾向があります。

2. 借入時平均年齢の推移|2024年フラット35調査データ

(1) 2024年フラット35利用者の平均年齢

2024年のフラット35利用者調査によると、借入時の平均年齢は44.5歳です(出典: SUUMO)。

(2) 10年間の推移

過去10年間で、借入時平均年齢は4.1歳上昇しました。

平均年齢 増減
2014年 40.4歳 -
2019年 42.0歳 +1.6歳
2024年 44.5歳 +2.5歳
10年間の変化 +4.1歳 -

(出典: SUUMO

(3) 年代別利用状況

2024年フラット35利用者の年代別割合は以下の通りです。

  • 30代: 29.2%(最多)
  • 40代: 約25%
  • 50代: 約15%
  • 60代以上: 約5%

(出典: 野村不動産アーバンネット

(4) 高齢化が進む背景

借入時平均年齢が上昇している背景には、以下の要因があります。

  • 晩婚化: 結婚年齢の上昇に伴い、住宅購入時期も遅くなる
  • 住宅価格上昇: 頭金を貯めるのに時間がかかる
  • 雇用の安定化: 40代以降の収入が安定し、ローン審査に通りやすくなる

3. 金融機関別の年齢制限比較|15銀行の審査基準と団信条件

(1) 主要15銀行の年齢基準比較

主要15銀行の年齢制限は以下の通りです。

金融機関 申込時年齢 完済時年齢
三井住友銀行 18歳以上70歳未満 80歳未満
みずほ銀行 18歳以上70歳未満 80歳未満
住信SBIネット銀行 18歳以上65歳以下 85歳未満
SBI新生銀行 20歳以上65歳未満 80歳未満

(出典: ダイヤモンド不動産研究所

完済80歳が標準ですが、住信SBIネット銀行など一部金融機関は85歳未満に拡大しています。

(2) 三井住友銀行・みずほ銀行・SBI新生銀行等の基準

大手銀行の基準は概ね共通しています。

  • 申込時年齢: 18歳以上70歳未満
  • 完済時年齢: 80歳未満
  • 団信加入: 必須

(3) 団体信用生命保険(団信)加入条件

**団体信用生命保険(団信)**とは、住宅ローン契約者が死亡・高度障害状態になった場合にローン残債が保険金で完済される保険です。

多くの金融機関では、団信への加入が融資条件となります。

(4) 健康状態による審査への影響

団信への加入には健康診断が必要です。以下の場合、加入できないケースがあります。

  • 高血圧・糖尿病などの持病
  • 過去の大病(がん、心臓病等)
  • 高齢による健康リスク

団信に加入できない場合、住宅ローン審査に通らない可能性があります。

(5) 高齢者ほど審査が厳しくなる理由

高齢者ほど審査が厳しくなる理由は以下の通りです。

  • 完済時年齢が上限に近い: 80歳に近づくほど審査が厳しくなる
  • 健康リスク: 団信への加入が難しくなる
  • 退職後の収入減少: 年金収入のみでは返済能力が不足する可能性

4. 高齢者向け住宅ローンの種類|リバースモーゲージ型・親子リレー返済

(1) リバースモーゲージ型住宅ローンの仕組み

リバースモーゲージ型住宅ローンは、60歳以上の高齢者向け住宅ローンです(出典: SBIシニアの住まいとお金)。

仕組み:

  • 毎月の返済: 利息のみ
  • 元金の返済: 契約者死亡時に不動産売却で一括返済

(2) 住宅金融支援機構の「リ・バース60」

**「リ・バース60」**は、住宅金融支援機構が提供する高齢者向け住宅ローンです(出典: 住宅金融支援機構)。

  • 対象年齢: 60歳以上
  • 返済方法: 毎月利息のみ、元金は死亡時に一括返済
  • メリット: 毎月の返済額が少ない
  • デメリット: 相続人が不動産を売却する必要がある

(3) 親子リレー返済の仕組み

親子リレー返済は、親子2世代で住宅ローンを返済する方法です。

仕組み:

  • 親が最初に返済
  • 親の完済年齢が上限を超える場合でも、子が後を引き継ぐことで長期ローンが可能

(4) 80歳以上でも申込可能な商品

一部金融機関では、80歳以上でも申込可能な商品があります。

  • リバースモーゲージ型ローン
  • 親子リレー返済

(5) 各商品のメリット・デメリット・リスク

商品 メリット デメリット・リスク
リバースモーゲージ型 毎月の返済額が少ない 相続人が不動産を売却する必要あり
親子リレー返済 長期ローンが可能 子の収入が不安定だと返済困難

重要: これらは特殊な商品で、通常の住宅ローンとは条件・リスクが異なります。専門家(ファイナンシャルプランナー、税理士等)への相談を強く推奨します。

5. 年齢別の返済計画のポイント|理想的な完済年齢と退職後のリスク

(1) 理想的な完済年齢

理想的な完済年齢は定年前の65歳です(出典: みずほ銀行)。

理由は以下の通りです。

  • 退職後は収入減少: 年金収入のみになる
  • 医療費・介護費: 高齢になると突発的な出費が増える
  • 家計の安定: 退職前に完済することで、老後の家計が安定する

(2) 完済80歳設定のリスク

完済時年齢を80歳に設定すると、退職後15~20年間を年金収入で返済する必要があります。

リスク:

  • 医療費・介護費等の突発的な出費で家計が圧迫される
  • 年金収入のみでは返済が困難になる可能性
  • 高齢期の生活費が不足する

(3) 退職後の収入減少リスク

退職後は、以下の収入減少リスクがあります。

  • 年金収入: 現役時代の50~60%程度
  • 医療費: 高齢になると増加
  • 介護費: 要介護状態になると高額

(4) 年代別の返済計画

年代別の返済計画のポイントは以下の通りです。

年代 返済計画のポイント
30代 35年ローンで無理のない返済計画
40代 25~30年ローンで65歳までに完済
50代 15~20年ローンまたは頭金増額で65歳までに完済
60代以上 リバースモーゲージ型ローンや親子リレー返済を検討

(5) 頭金増額・収入合算など年齢が高い場合の審査対策

年齢が高い場合、以下の審査対策が有効です。

  • 頭金増額: 借入額を減らし、返済期間を短縮
  • 収入合算: 配偶者の収入を合算して審査
  • 借入期間短縮: 65歳までに完済できる期間に設定

(6) 専門家への相談の重要性

住宅ローンは個人の経済状況に大きく影響するため、専門家(ファイナンシャルプランナー、銀行担当者等)への相談を推奨します。

  • ファイナンシャルプランナー: ライフプラン全体を考慮した返済計画
  • 銀行担当者: 各金融機関の商品比較・審査基準の確認
  • 税理士: 住宅ローン控除の活用

6. まとめ|状況別のおすすめと次のアクション

住宅ローンの年齢制限は、申込時年齢が満18歳以上70歳未満、完済時年齢が80歳未満が標準です(一部85歳未満)。35年ローンを組める上限年齢は45歳程度です。

2024年フラット35利用者の平均年齢は44.5歳で、10年間で4.1歳上昇し、高齢化が進行しています。年代別では30代29.2%が最多ですが、40代・50代の利用も増加しています。

理想的な完済年齢は定年前の65歳です。退職後は収入減少のリスクがあり、80歳までの返済計画は要注意です。完済80歳設定では退職後15~20年間を年金収入で返済する必要があり、医療費・介護費等の突発的な出費で家計が圧迫されるリスクが高いです。

高齢者向けには、**「リバースモーゲージ型住宅ローン」(住宅金融支援機構の「リ・バース60」等)や「親子リレー返済」**など特別な商品があります。これらは通常の住宅ローンとは条件・リスクが異なるため、専門家への相談が必須です。

次のアクション

  1. 複数の金融機関に年齢制限・審査基準を確認する
  2. ファイナンシャルプランナーに返済計画を相談する
  3. 65歳までに完済できる借入期間を検討する
  4. 頭金増額・収入合算など審査対策を検討する
  5. 高齢者向けローン(リバースモーゲージ型・親子リレー返済)の情報を収集する

信頼できるファイナンシャルプランナーや銀行担当者に相談しながら、無理のない返済計画を立てましょう。

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よくある質問

Q1住宅ローンは何歳まで組めるのか?

A1一般的に申込時年齢は満18歳以上70歳未満、完済時年齢は80歳未満が標準です。一部金融機関は完済時年齢を85歳未満に拡大しています。35年ローンを組める上限年齢は45歳程度(完済80歳-35年=45歳の計算)です。45歳を超えると借入期間が短縮され、月々の返済額が増加します。最新の基準は各金融機関で確認してください。

Q2借入時の平均年齢はどれくらい?

A22024年フラット35利用者調査によると、借入時の平均年齢は44.5歳です。10年前(2014年40.4歳)より4.1歳上昇し、高齢化が進行しています。年代別では30代29.2%が最多ですが、40代・50代の利用も増加傾向にあります。晩婚化や住宅価格上昇が背景にあると考えられます。

Q360歳以降でも住宅ローンは組める?

A3可能ですが審査は厳しくなります。健康状態(団信加入条件)、雇用状況、完済年齢が重視されます。高齢者向けには「リバースモーゲージ型住宅ローン」(住宅金融支援機構の「リ・バース60」等)や「親子リレー返済」など特別な商品があります。これらは通常の住宅ローンとは条件・リスクが異なるため、専門家(ファイナンシャルプランナー)への相談が必須です。

Q4理想的な完済年齢は?

A4定年前の65歳が理想です。退職後は年金収入のみになり、収入が現役時代の50~60%程度に減少します。完済時年齢を80歳に設定すると、退職後15~20年間を年金収入で返済する必要があり、医療費・介護費等の突発的な出費で家計が圧迫されるリスクが高いです。65歳までに完済することで、老後の家計が安定します。

Q5リバースモーゲージ型住宅ローンとは?

A560歳以上の高齢者向け住宅ローンで、毎月の返済は利息のみ、元金は契約者死亡時に不動産売却で一括返済する仕組みです。住宅金融支援機構の「リ・バース60」が代表例です。メリットは毎月の返済額が少ないことですが、デメリットとして相続人が不動産を売却する必要があります。通常の住宅ローンとは条件・リスクが異なるため、専門家への相談を強く推奨します。

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Room Match編集部

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