ハウスメーカーで土地探しをするメリットと注意点|業者選びの完全ガイド

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/21

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なぜハウスメーカーで土地探しをするのか

注文住宅を建てたいけれど土地がない方の中には、「土地探しはハウスメーカーに頼んでいいの?」「不動産会社に頼むのとどう違うの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。

ハウスメーカーでの土地探しは、建物と土地を同時に考えられる利便性がある一方、建築会社の変更が困難になるなどの注意点もあります。この記事では、ハウスメーカーでの土地探しのメリット・デメリット、不動産会社との違い、成功のコツを、国土交通省の公式情報や業界のデータを元に詳しく解説します。

土地探しからハウスメーカーに依頼するかどうかを判断できるようになり、後悔しない土地購入ができるようになります。

この記事のポイント

  • ハウスメーカーでの土地探しは、建物と土地を同時に考えられる利便性がある
  • 建築制限(容積率・建ぺい率等)を考慮した土地を提案してもらえるため失敗しにくい
  • 仲介手数料が不要になるケースがあり、100万円以上の節約も可能
  • 一方、建築会社の変更が困難、土地情報が不動産会社より少ない場合があるなどのデメリットも
  • 土地探しの順番は「予算→ハウスメーカー→土地」が鉄則

(1) 土地と建物を一緒に考えられる利便性

ハウスメーカーに土地探しを依頼する最大のメリットは、土地と建物を一緒に考えられることです。土地と建物の両方を同じ担当者に相談できるため、窓口が一本化され、やり取りがスムーズになります。

不動産会社と建築会社を別々に探す必要がなく、時間と手間を大幅に削減できます。

(2) 建築制限を考慮した土地選びの重要性

土地には、建ぺい率・容積率・用途地域などの建築制限があります。これらの制限を考慮せずに土地を購入すると、「理想の家が建てられない」「予算オーバーになる」といった失敗につながります。

ハウスメーカーに依頼すれば、建築制限を考慮した土地を提案してもらえるため、こうした失敗を防げます。

(3) 窓口一本化による時間短縮

土地探しと建物の設計を別々の業者に依頼すると、以下のような手間がかかります。

  • 土地の見学のたびに建築会社に建築可否を確認
  • 不動産会社と建築会社の間で情報共有がうまくいかない
  • 契約手続きが二重になる

ハウスメーカーに一括で依頼することで、これらの手間を省き、スムーズに進められます。

ハウスメーカーでの土地探しの基礎知識

(1) ハウスメーカーと不動産会社の違い

ハウスメーカーと不動産会社には、以下のような違いがあります。

項目 ハウスメーカー 不動産会社
専門分野 家づくり 土地・不動産の売買
土地情報量 自社ネットワーク内 幅広いエリアの情報
強み 建築制限を考慮した提案 土地の選択肢が豊富
仲介手数料 不要の場合あり 基本的に必要

どちらに依頼すべきか:

  • 建物重視: ハウスメーカー(建物に合った土地を提案してもらえる)
  • エリア重視: 不動産会社(土地の選択肢が豊富)

(出典: ホームズ「ハウスメーカーと不動産会社との違いは?」

(2) 建築条件付き土地とは

建築条件付き土地とは、指定されたハウスメーカーや工務店で建築することが条件となっている土地のことです。

建築条件付き土地の特徴:

  • 指定業者でしか建築できない
  • 建築プランに制約がある場合が多い
  • 建物に合った土地を提案してもらえる
  • 予算全体(土地+建物)を考慮した資金計画が可能

ハウスメーカーで土地探しをする場合、建築条件付き土地を紹介されることが多いため、条件を必ず確認してください。

(3) 土地探しの順番(予算→ハウスメーカー→土地)

土地探しの順番は「予算→ハウスメーカー→土地」が鉄則です。先に土地だけ購入すると、以下のリスクがあります。

  • 理想の家が建てられない(建築制限が厳しい)
  • 予算オーバーになる(建物にかけられる予算が足りない)
  • 地盤改良費用など追加コストが発生

正しい順番:

  1. 予算を決める: 土地+建物の総予算を明確にする
  2. ハウスメーカーを決める: 建築会社を先に選ぶ
  3. 土地を探す: ハウスメーカーと一緒に土地を探す

この順番で進めることで、予算オーバーや建築制限のトラブルを防げます。

(4) 仲介手数料の仕組みと注意点

仲介手数料は、不動産会社に支払う手数料で、土地価格の3%+6万円+消費税が上限です(国土交通省の宅地建物取引業法で規定)。

仲介手数料の有無:

  • ハウスメーカー所有の土地: 仲介手数料不要
  • 不動産会社から紹介を受けた土地: 仲介手数料必要

例えば、土地価格が2,000万円の場合、仲介手数料は約72.6万円(税込)になります。ハウスメーカー所有の土地であれば、この費用を節約できる可能性があります。

(出典: 国土交通省「宅地建物取引業法の解説」

ハウスメーカーに依頼するメリット

(1) 建物に合った土地を提案してもらえる

ハウスメーカーに依頼すると、建ぺい率・容積率・用途地域などの建築制限を考慮した土地を提案してもらえます。これにより、「土地は買ったけど理想の家が建てられない」という失敗を防げます。

例えば、2階建て30坪の家を建てたい場合、容積率が200%以上の土地でなければ建築できません。ハウスメーカーはこうした条件を考慮して土地を探してくれます。

(2) 予算全体(土地+建物)を考慮した資金計画

ハウスメーカーは、土地と建物の総予算を考慮した資金計画を立ててくれます。土地に予算をかけすぎて建物の予算が足りなくなるリスクを防げます。

資金計画の例:

  • 総予算: 4,500万円
  • 土地: 1,500万円
  • 建物: 2,500万円
  • 諸費用: 500万円

このように、土地と建物のバランスを考えた提案をしてもらえます。

(3) 非公開物件や先行情報の入手可能性

大手ハウスメーカー(積水ハウス、大和ハウス等)は自社の不動産部門を持っており、非公開物件や先行情報を得られる可能性があります。

一般には公開されていない「掘り出し物」の土地に出会えるチャンスがあります。

(4) 仲介手数料が不要になるケース

ハウスメーカー所有の土地であれば、仲介手数料が不要になります。土地価格が2,000万円の場合、約72.6万円(税込)の節約になります。

複数のハウスメーカーに相談することで、仲介手数料不要の土地を見つけられる可能性が高まります。

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ハウスメーカーに依頼するデメリットと注意点

(1) 建築会社の変更が困難になる

ハウスメーカーに土地探しを依頼した場合、基本的にそのハウスメーカーで建築を依頼することが前提となります。土地だけ探してもらって他社で建てることは困難です。

そのため、ハウスメーカーを選ぶ際は、以下の点を慎重に検討してください。

  • 建築プランの自由度
  • 坪単価・総予算
  • アフターサービスの充実度
  • 担当者との相性

(2) 土地情報が不動産会社より少ない場合がある

ハウスメーカーの土地情報は、自社ネットワーク内に限られる場合があります。不動産会社は幅広いエリアの土地情報を持っているため、選択肢の数では劣る可能性があります。

複数のハウスメーカーと不動産会社に相談することで、選択肢を増やすことができます。

(3) 建築条件付き土地の制約

建築条件付き土地の場合、自由に建築会社を選べない制約があります。建築プランに制限がある場合もあるため、事前に以下を確認してください。

  • 建築プランの自由度(間取り・デザイン等)
  • 建築期間の制限(条件解除の期限)
  • 建築会社の評判・実績

(4) 地盤改良費用など追加コストのリスク

土地によっては、地盤改良工事が必要になる場合があります。地盤改良費用は数十万〜200万円以上かかることもあり、当初の予算を圧迫するリスクがあります。

土地購入前に地盤調査を実施し、追加コストの有無を確認することが重要です。不明点があれば、宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

ハウスメーカーでの土地探しを成功させるコツ

(1) 希望条件の優先順位を決める

土地探しでは、希望条件の優先順位を決めることが重要です。すべての条件を満たす土地は希少で、価格も高くなります。

優先順位の例:

  1. 予算(土地+建物の総予算)
  2. エリア(通勤・通学の利便性)
  3. 広さ(最低限必要な坪数)
  4. 環境(日当たり・騒音等)

優先順位を明確にすることで、土地選びがスムーズになります。

(出典: SUUMO「土地探しのコツ3点!」

(2) 複数のハウスメーカーに相談する

1社だけでなく、複数のハウスメーカーに相談することで、以下のメリットがあります。

  • 土地情報の選択肢が増える
  • 建築プラン・坪単価を比較できる
  • 相性の良い担当者を見つけられる

最低でも3社以上に相談することをおすすめします。

(3) 敷地調査・現地調査を徹底する

土地購入前に、以下の調査を徹底することが重要です。

  • 敷地調査: 建ぺい率・容積率・用途地域・建築制限の確認
  • 現地調査: 日当たり・騒音・周辺環境・インフラ(水道・ガス・電気)の確認
  • 地盤調査: 地盤の強さ、地盤改良の必要性の確認

専門家(宅建士、建築士等)に同行してもらうことで、見落としを防げます。

(4) 専門家(宅建士・FP)のサポート活用

土地購入は高額な買い物であり、法律・税金・資金計画など専門知識が必要です。不明点があれば、以下の専門家に相談することをおすすめします。

  • 宅地建物取引士: 土地売買の法律・契約に関する相談
  • ファイナンシャルプランナー: 住宅ローン・資金計画に関する相談
  • 建築士: 建築制限・建築プランに関する相談

専門家のサポートを活用することで、失敗のリスクを大幅に減らせます。

まとめ:ハウスメーカーでの土地探しで後悔しないために

ハウスメーカーでの土地探しは、建物と土地を同時に考えられる利便性があり、建築制限を考慮した土地を提案してもらえるメリットがあります。仲介手数料が不要になるケースもあり、100万円以上の節約も可能です。

一方、建築会社の変更が困難になる、土地情報が不動産会社より少ない場合があるなどのデメリットもあります。土地探しの順番は「予算→ハウスメーカー→土地」が鉄則で、先に土地だけ購入すると失敗のリスクが高まります。

複数のハウスメーカーに相談し、希望条件の優先順位を決め、敷地調査・現地調査を徹底することが成功のコツです。専門家(宅建士、ファイナンシャルプランナー等)のサポートを活用しながら、後悔しない土地探しを進めましょう。

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よくある質問

Q1ハウスメーカーと不動産会社、どちらに土地探しを依頼すべきですか?

A1建物重視でトータルの資金計画を立てたい場合はハウスメーカー、エリアや土地の選択肢を重視する場合は不動産会社がおすすめです。ハウスメーカーは建築制限を考慮した土地を提案してくれますが、土地情報は自社ネットワーク内に限られます。不動産会社は幅広いエリアの土地情報を持っていますが、建物との相性は自分で判断する必要があります。それぞれの強みを理解して使い分けることが重要です。

Q2建築条件付き土地とは何ですか?

A2建築条件付き土地とは、指定のハウスメーカーや工務店で建築することが条件となっている土地のことです。自由に建築会社を選べない制限がありますが、建物に合った土地を提案してもらえる、予算全体を考慮した資金計画が可能などのメリットがあります。購入検討時は、建築プランの自由度、建築期間の制限、建築会社の評判・実績を必ず確認してください。

Q3土地だけ探してもらって他社で建てることは可能ですか?

A3基本的にNGです。ハウスメーカーに土地探しを依頼した場合、そのハウスメーカーで建築を依頼することが前提となります。建築会社の変更は困難なため、依頼前に建築プランの自由度、坪単価・総予算、アフターサービスの充実度、担当者との相性を十分検討してください。複数のハウスメーカーに相談し、比較することをおすすめします。

Q4仲介手数料は必ずかかりますか?

A4ハウスメーカー所有の土地であれば仲介手数料は不要です。一方、不動産会社から紹介を受けた土地の場合は仲介手数料(土地価格の3%+6万円+消費税が上限)がかかります。土地価格が2,000万円の場合、約72.6万円(税込)の仲介手数料が発生します。事前に確認し、複数のハウスメーカーに相談することで仲介手数料不要の土地を見つけられる可能性が高まります。

Q5希望の土地が見つかったらどのくらいで決めないといけませんか?

A5予約期間は約2週間が目安です。人気エリアの土地は競争が激しく、他の購入希望者がいる場合は即決を求められることもあります。事前に予算の明確化(住宅ローンの事前審査)、希望条件の優先順位づけ、複数の物件の比較検討を行い、迅速に判断できる準備をしておくことが大切です。不明点があれば、宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーに相談してください。

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