土地ありで家を建てる費用が注目される背景
すでに土地をお持ちで、これから家を建てることを検討している方にとって、「建築費用はどのくらいかかるのか」は最も気になるポイントです。
この記事では、土地ありで家を建てる際の費用相場、内訳、流れ、注意点を、住宅金融支援機構や国土交通省の公式データを元に解説します。
初めて注文住宅を建てる方でも、必要な資金を正確に把握し、無理のない資金計画を立てられるようになります。
この記事のポイント
- 土地ありで家を建てる全国平均費用は3,863万円(土地なしより約1,000万円安い)
- 費用配分の目安は本体工事費70%、付帯工事費20%、諸費用10%
- 諸費用は物件価格の3〜6%が目安で、住宅ローンに含められず原則現金払いのため、まとまった自己資金準備が必要
- 2024年度は建材価格高騰・人件費上昇・省エネ基準義務化により建築費が前年比+550万円上昇
- 2025年は「住宅省エネ2025キャンペーン」で高断熱・高一次エネ性能達成で補助金が受けられる
(1) 土地あり・土地なしの費用差は約1,000万円
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2023年度)」によると、土地ありで注文住宅を建てる全国平均費用は3,863万円です。一方、土地なしの場合は4,903万円となり、約1,000万円の差があります。
この差は土地取得費用分に相当しますが、実際には土地を親や祖父母から譲られる場合でも、相続税や贈与税、農地の場合は農地転用手続きが必要になるケースがあります。
(2) 2024年度の建築費高騰の実態(前年比+550万円)
国土交通省の「住宅市場動向調査(令和6年度)」によると、2024年度の新築注文住宅の全国平均価格は4,588万円で、前年比+550万円上昇しています。
主な要因は以下の3つです。
- 建材価格高騰(ウッドショック、円安の影響)
- 人件費上昇(建設業の人手不足)
- 省エネ基準義務化(断熱材・設備の高性能化)
2025年は建設業の2024年問題(残業規制による人件費上昇・工期長期化)により、さらに建築費が上昇する見込みです。
土地ありで家を建てる費用相場と最新トレンド
(1) 全国平均3,863万円、地域別費用相場
住宅金融支援機構のデータによると、土地ありで注文住宅を建てる費用は地域により異なります。
| 地域 | 平均費用 |
|---|---|
| 全国平均 | 3,863万円 |
| 首都圏 | 4,015.9万円 |
| 東海圏 | 3,836.9万円 |
| 近畿圏 | 3,700万円台 |
| その他地域 | 3,500万円台 |
(出典: 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)」)
首都圏は地価が高く、建築費も高めに設定されるため、全国平均より150万円程度高くなっています。
(2) 坪単価の目安と構造別の違い(木造71.1万円、鉄骨102.8万円)
坪単価は1坪(約3.3平米)あたりの建築費で、構造や地域により異なります。
| 構造 | 坪単価 |
|---|---|
| 木造 | 71.1万円 |
| 鉄骨造 | 102.8万円 |
| RC(鉄筋コンクリート)造 | 120万円〜 |
(出典: 常陽銀行「一軒家を建てる費用」)
30坪(約100平米)の注文住宅を建てる場合、木造なら約2,130万円、鉄骨造なら約3,080万円が建築費の目安となります。
ただし、坪単価はあくまで目安で、設備・仕様により大きく変動します。複数のハウスメーカー・工務店に見積依頼し、比較検討することを推奨します。
(3) 2025年の建築費見通しと「住宅省エネ2025キャンペーン」
2025年は建設業の2024年問題による人件費上昇・工期長期化により、建築費がさらに上昇する見込みです。
一方、国は「住宅省エネ2025キャンペーン」を実施し、高断熱・高一次エネ性能の住宅(ZEH水準、長期優良住宅等)に対して補助金を提供します。
補助金を活用することで、建築費の一部を軽減できる可能性があります。詳細は国土交通省の公式サイトで最新情報をご確認ください。
費用の内訳と配分バランスの基礎知識
(1) 本体工事費70%、付帯工事費20%、諸費用10%の配分
家を建てる費用は、以下の3つに分類されます。
| 項目 | 割合 | 内容 |
|---|---|---|
| 本体工事費 | 70〜80% | 基礎、土台、内装・外装、屋根、設備設置など建物本体にかかる費用 |
| 付帯工事費 | 15〜20% | 地盤改良、外構工事、電気・上下水道・ガスの引き込み工事など |
| 諸費用 | 3〜10% | 登記費用、住宅ローン手数料・保証料、印紙税など |
(出典: 伊予銀行「土地ありで家を建てる費用」)
本体工事費が最も大きな割合を占めますが、付帯工事費も無視できません。特に地盤改良費用(5万〜10万円程度)は別途必要になるケースがあります。
(2) 30坪(約100平米)の注文住宅の費用シミュレーション
坪単価105万円を基準に、30坪の注文住宅を建てる場合の費用シミュレーションは以下の通りです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 本体工事費(105万円/坪 × 30坪 × 70%) | 2,205万円 |
| 付帯工事費(20%) | 630万円 |
| 諸費用(10%) | 315万円 |
| 合計 | 3,150万円 |
これはあくまで目安で、設備・仕様により大きく変動します。最新の見積を複数のハウスメーカー・工務店に依頼し、比較することを推奨します。
(3) 土地と建物の費用バランス(30〜40%:60〜70%が理想)
土地と建物の費用バランスは、土地30〜40%、建物60〜70%が理想とされています。
たとえば、総予算3,000万円の場合、土地900万〜1,200万円、建物1,800万〜2,100万円が目安です。
すでに土地をお持ちの場合は、建物に予算を集中できるため、設備・仕様を充実させることが可能です。
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家を建てる流れと費用支払いのタイミング
(1) 土地がある場合の建築期間(約8カ月〜1年2カ月)
土地がある場合、家を建てるまでの期間は約8カ月〜1年2カ月が目安です。
| ステップ | 期間 |
|---|---|
| ハウスメーカー・工務店選び・契約 | 1〜3ヶ月 |
| 設計・プラン確定 | 2〜3ヶ月 |
| 建築確認申請 | 1〜2ヶ月 |
| 着工・竣工 | 4〜6ヶ月 |
| 合計 | 8〜14ヶ月 |
土地がない場合は土地探し・取得に3〜6ヶ月かかるため、全体で1年半〜2年程度かかります。
(2) 費用支払いのスケジュール(着手金・中間金・最終金)
家を建てる費用は、一括払いではなく、以下のタイミングで分割して支払います。
| タイミング | 金額 |
|---|---|
| 着手金(契約時) | 総額の10〜20% |
| 中間金(上棟時) | 総額の30〜40% |
| 最終金(引き渡し時) | 総額の40〜60% |
諸費用(登記費用、住宅ローン手数料等)は原則現金払いのため、物件価格の3〜6%(100万〜200万円程度)の自己資金準備が必要です。
住宅ローンを利用する場合は、着手金・中間金を住宅ローンに含められるかどうかを金融機関に確認してください。
諸費用・税金の詳細と資金計画の注意点
(1) 諸費用の内訳と相場(物件価格の3〜6%)
LIFULL HOME'Sによると、諸費用は物件価格の3〜6%が目安で、住宅ローンに含めることができず原則現金払いです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 登記費用 | 20〜30万円 |
| 住宅ローン手数料・保証料 | 30〜50万円 |
| 印紙税 | 2〜3万円 |
| 火災保険(10年一括払い) | 20〜30万円 |
| その他(引越し費用等) | 10〜20万円 |
| 合計 | 100〜200万円 |
まとまった自己資金準備が必要なため、早めに資金計画を立てましょう。
(2) 頭金・自己資金の準備額(全国平均699万円)
住宅金融支援機構のデータによると、全国平均699万円の自己資金を準備しています(平均世帯年収629.1万円)。
頭金は物件価格の20%程度が目安ですが、諸費用分も含めると、物件価格の25〜30%程度の自己資金があると安心です。
(3) 親族から譲られた土地の相続税・贈与税リスク
親族から譲られた土地の場合、相続税や贈与税が発生する可能性があります。
- 相続税: 相続時に発生(基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人数)
- 贈与税: 生前贈与時に発生(年間110万円の基礎控除)
農地の場合は農地転用手続きが必須です。詳細は税理士や宅建士にご相談ください。
(4) 農地転用手続きと地盤調査・改良費用
農地を宅地に転用する際は、農業委員会への届出・許可が必要です。手続き期間は1〜3ヶ月程度かかります。
また、地盤調査や地盤改良費用(5万〜10万円程度)が別途必要になるケースがあります。地盤が軟弱な場合は、地盤改良費用が数十万円〜100万円程度かかることもあります。
まとめ:土地ありで家を建てる費用戦略
土地ありで家を建てる費用は、全国平均3,863万円です。費用配分は本体工事費70%、付帯工事費20%、諸費用10%が目安です。
諸費用は住宅ローンに含められず原則現金払いのため、物件価格の3〜6%(100万〜200万円程度)の自己資金準備が必要です。
2024年度は建材価格高騰・人件費上昇・省エネ基準義務化により建築費が前年比+550万円上昇しています。2025年もさらに建築費が上昇する見込みですが、「住宅省エネ2025キャンペーン」で補助金を活用できる可能性があります。
複数のハウスメーカー・工務店に見積依頼し、最新の建築費相場を確認することが重要です。親族から譲られた土地の場合は相続税・贈与税、農地の場合は農地転用手続きの確認が必須です。
ファイナンシャルプランナー、宅建士、税理士等の専門家に相談しながら、無理のない資金計画を立てましょう。
