なぜ広島県の土地が注目されるのか
広島県で土地購入を検討する際、「適正な価格はいくらなのか」「市街地と郊外のどちらを選べば良いのか」と悩む方は少なくありません。
広島県は中国地方の中心都市であり、広島市を中心に商業・医療・教育インフラが充実しています。一方、郊外エリアでは自然環境に恵まれた広い土地を手頃な価格で購入できることから、ライフスタイルに応じた選択肢が豊富です。この記事では、広島県の土地価格相場、エリア別の特徴、購入時の注意点を、広島県の公式データを元に解説します。
初めて土地を購入する方でも、エリアごとの特性と適正価格を把握し、納得のいく土地選びができるようになります。
この記事のポイント
- 広島県の土地平均価格は14万8644円/m²（坪単価49万1385円）で、2025年は前年比+1.35%上昇
- 広島市中心部（中区・東区）は約50万円/坪、郊外（佐伯区・安佐北区）は約10万円/坪から購入可能
- 府中町が+5.88%と高い上昇率を記録し、広島市周辺の人気が高まっている
- 土地購入前には地盤調査・建ぺい率・容積率を確認し、建築可能な建物を確認することが必須
広島県の土地価格相場と推移
(1) 2025年の平均地価
広島県の2025年の地価総平均は**14万8644円/m²（坪単価49万1385円）**で、前年比+1.35%の上昇となっています。公示地価の平均は17万0465円/m²（坪単価56万3522円）で、+1.70%上昇しています。
交通利便性の高い都市部エリアの需要が高く、価格上昇が続いています。
(2) 用途別の価格
用途別の価格は以下の通りです。
| 用途 | 平均価格（円/m²） | 前年比 |
|---|---|---|
| 住宅地 | 6万2176円 | +0.40% |
| 商業地 | 25万0702円 | +1.77% |
| 工業地 | 4万6328円 | +1.88% |
（出典: tochidai.info「広島県の土地価格相場」）
住宅地を購入する場合、坪単価は約20万円台が平均的な目安となります。ただし、市町村や駅からの距離により大きく変動するため、個別の確認が必要です。
(3) 過去3年間の価格推移
広島県の地価は、2023年以降継続して上昇しています。特に広島市中心部や府中町など、交通アクセスが良好で生活利便性の高いエリアで上昇率が高い傾向にあります。
地価の上昇傾向は過去データに基づく参考値であり、将来の価格上昇を保証するものではありません。購入を検討する際は、最新の地価公示データや周辺の取引実例を確認することが重要です。
(4) 市町村別の価格ランキング
広島県内では、広島市中区が95万5000円/m²で県内1位となっており、+5.16%上昇しています。中区は県庁・市役所・商業施設が集中する中心部で、地価が最も高いエリアです。
府中町は+5.88%と高い上昇率を記録しており、マツダ本社があることや広島市に隣接していることから人気が高まっています。
エリア別の特徴と価格比較
(1) 広島市中心部（中区・東区）の特徴と価格
広島市中心部は、中区・東区を中心に商業施設・医療機関・教育機関が充実しています。
- 中区: 県庁・市役所・百貨店・オフィスが集中する中心部。地価は約50万円/坪と県内最高水準。
- 東区: JR広島駅があり、新幹線・在来線・路面電車の交通の要衝。商業施設が充実。
中心部は交通アクセスが非常に良好で、JR・路面電車・アストラムラインにより市内各地への移動が容易です。一方、地価が高いため、予算に応じて郊外も検討する必要があります。
(2) 郊外エリア（佐伯区・安佐北区）の特徴と価格
佐伯区・安佐北区は広島市の郊外エリアで、自然環境に恵まれ、地価が抑えられています。
- 佐伯区: 広島市の西部に位置し、山間部が多い。地価は約10万円/坪から購入可能。
- 安佐北区: 広島市の北部に位置し、田園風景が広がる。地価は約10万円/坪から購入可能。
郊外エリアは地価が安く、広い土地を確保できるメリットがあります。一方、交通利便性が低く、車が必要になる場合があるため、駐車場費用・維持費を含めた総コストを考慮する必要があります。
(3) 府中町・海田町の人気と上昇率
府中町・海田町は広島市に隣接する町で、都市部と郊外のバランスが良く、近年人気が高まっています。
- 府中町: マツダ本社があり、+5.88%と高い上昇率を記録。広島市中心部へのアクセスが良好。
- 海田町: JR山陽本線で広島駅まで約10分。商業施設が充実し、ファミリー層に人気。
これらのエリアは中心部に比べて地価が抑えられており、交通アクセスと価格のバランスが良いため、注目が集まっています。
(4) スーモで探す広島県の土地物件
SUUMOでは、広島県内の3,036件の土地物件が掲載されています（広島市1,461件）。
スーモでは以下の条件で検索可能です:
- エリア別（広島市、廿日市市、東広島市、呉市等）
- 条件別（角地、整形地、平坦地、建築条件なし等）
- 価格帯別（予算に応じた絞り込み）
スーモ等のポータルサイトを活用することで、複数の物件を効率的に比較検討できます。ただし、掲載情報は常に最新とは限らないため、気になる物件は早めに問い合わせることをお勧めします。
土地購入の流れと注意点
(1) 物件探しと現地訪問
物件探しは、SUUMO等のポータルサイトや不動産会社を通じて行います。気になる物件が見つかったら、現地を最低2回、時間帯や天候を変えて訪問することが推奨されています。
確認すべき項目:
- 周辺環境（騒音、日当たり、風通し）
- 隣地との境界線
- 道路の幅員（建築基準法の接道義務を満たしているか）
- 上下水道・ガスの引き込み状況
平日と休日、昼と夜で周辺環境が大きく変わる場合があるため、複数回の訪問が重要です。
(2) 重要事項説明の確認
重要事項説明は、宅地建物取引士が契約前に行う法定の説明義務です。以下の内容が含まれます。
- 土地の権利関係（所有権、抵当権の有無）
- 法的制限（用途地域、建ぺい率、容積率）
- インフラの整備状況（上下水道、ガス、電気）
- 取引条件（代金の支払時期、引渡時期）
重要事項説明書の内容を十分理解せずに契約すると、後日トラブルが発生するリスクがあります。契約を急かされても、十分な時間をかけて確認し、不明点は書面で確認することが重要です。
(3) 建ぺい率・容積率の確認
建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合の上限、容積率は敷地面積に対する延べ床面積の割合の上限です。用途地域により定められています。
例えば、100m²の土地で建ぺい率60%、容積率200%の場合:
- 建築面積: 100m² × 60% = 60m²
- 延べ床面積: 100m² × 200% = 200m²（2階建てなら各階100m²）
建ぺい率・容積率の制限により、希望する建物（広さ・階数）が建てられない場合があるため、購入前の確認が必須です。
(4) 地盤調査の実施
地盤調査は、土地の地盤の強度や性質を調べる調査です。建物の基礎設計に必要であり、地盤が弱い場合は地盤改良工事が必要になります。
地盤調査を行わずに購入すると、建築後に地盤沈下や傾きが発生し、多額の補修費用が必要になるリスクがあります。調査費用は5万円～10万円程度ですが、将来のリスクを考えると必須の投資です。
契約前に確認すべきリスク
(1) 契約を急かされるリスク
不動産業者から「他にも検討している人がいる」と契約を急かされることがありますが、契約を急がず、十分な確認を行うことが重要です。
契約を急かされて十分な確認をせずに契約すると、後日キャンセルしたくても違約金が発生する可能性があります。
(2) 契約後のキャンセル
契約後のキャンセルは原則不可であり、違約金や損害賠償請求のリスクがあります。
一般的な不動産売買契約では、手付金を放棄することで解約できる「手付解除」の規定がありますが、相手方が契約の履行に着手した後は解除できなくなります。
契約前に十分な確認を行い、納得した上で契約することが重要です。
(3) 口頭での約束
口頭での約束は法的拘束力が弱く、後日「言った言わない」のトラブルになる可能性があります。
重要な内容（値引き、設備の追加、境界線の確認等）は必ず書面で確認し、契約書に明記してもらうことを推奨します。
(4) 郊外エリアの交通利便性と車の必要性
郊外エリア（佐伯区・安佐北区等）は地価が安いメリットがありますが、交通利便性が低く、車が必要になる場合があります。
車の購入費用・駐車場費用・維持費（ガソリン代、保険料、車検費用等）を含めた総コストを考慮し、中心部の小さな土地と郊外の広い土地のどちらが適しているか検討することが重要です。
まとめ：広島県での土地選びのポイント
広島県の土地購入では、価格相場を正確に把握し、エリアごとの特性を理解した上で、慎重に選ぶことが重要です。
2025年の平均地価は14万8644円/m²（坪単価49万1385円）ですが、市町村により大きく異なります。広島市中心部（中区・東区）は約50万円/坪と高い一方、郊外（佐伯区・安佐北区）は約10万円/坪から購入可能です。府中町・海田町は中心部と郊外のバランスが良く、近年人気が高まっています。
土地購入前には、現地を複数回訪問し、重要事項説明を十分に確認し、建ぺい率・容積率や地盤の状態を確認することが必須です。郊外エリアを検討する場合は、車の必要性と総コストを考慮してください。
土地購入は個人の資金状況・家族構成・ライフプランにより最適解が異なるため、専門家（宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー等）への相談を推奨します。信頼できる不動産会社と相談しながら、納得のいく土地選びを進めましょう。