グローバルワン不動産投資法人の特徴と投資判断|配当実績・ポートフォリオを解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/4

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グローバル・ワン不動産投資法人とは|J-REITの基本

グローバル・ワン不動産投資法人への投資を検討する際、「どのような物件を保有しているのか」「分配金はいくら受け取れるのか」「リスクは何か」と疑問に感じる方は少なくありません。

この記事では、グローバル・ワン不動産投資法人の投資戦略、保有物件、分配金実績、リスク要因を、グローバル・ワン不動産投資法人の公式開示資料投資信託協会のデータを元に解説します。

REIT投資が初めての方でも、投資判断に必要な情報を正確に理解できるようになります。

この記事のポイント

  • グローバル・ワン不動産投資法人はオフィス特化型J-REITで、「駅近・築浅・大型」の優良物件に投資している
  • 14物件(総額約1,950億円)を保有し、東京5物件、大阪4物件を中心に全国展開している
  • 分配金は年2回(6月・12月)支払われ、第44期(2025年9月期)は4,271円/口だが、次期以降は減少予測(第45期3,585円、第46期3,200円)
  • スポンサーは明治安田生命、三菱UFJ、近鉄グループで、2024年8月時点でAA-格付を維持している
  • 投資にはオフィス需要の変化、不動産市況の下落、金利上昇等のリスクがあり、分配金は保証されない

(1) J-REIT(不動産投資法人)の仕組み

J-REIT(ジェイリート)は、日本の不動産投資信託です。投資家から資金を集め、オフィスビルや商業施設等の不動産に投資し、賃料収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。

投資信託協会によると、J-REITは以下のような仕組みで運営されます。

  • 投資法人: 投資家から資金を集める法人(株式会社に似た組織)
  • 運用会社: 不動産の取得・運用・売却を担当
  • 資産保管会社: 不動産の登記簿謄本等の資産を保管
  • 事務受託会社: 会計・税務・投資口の管理を担当

J-REITは、利益の90%以上を分配すると法人税が免除されるため、高い分配を行うことが特徴です。

(2) グローバル・ワン不動産投資法人の基本情報

グローバル・ワン不動産投資法人は、2008年5月に東京証券取引所に上場したオフィス特化型J-REITです。

項目 内容
証券コード 8958
上場市場 東京証券取引所 スタンダード市場
設立日 2007年6月
上場日 2008年5月
投資対象 オフィスビル
運用会社 グローバル・アライアンス・リアルティ株式会社

(出典: グローバル・ワン不動産投資法人

(3) スポンサー構成と運営体制

グローバル・ワン不動産投資法人のスポンサーは、以下の3社です。

  • 明治安田生命保険相互会社: 生命保険業界最大手の一つ
  • 三菱UFJ信託銀行株式会社: 三菱UFJフィナンシャル・グループの信託銀行
  • 近鉄グループホールディングス株式会社: 鉄道・不動産を中心とした大手企業グループ

これらの大手企業がスポンサーとなることで、安定した運営体制と物件取得のパイプラインが確保されています。

(4) 証券コードと上場市場

グローバル・ワン不動産投資法人は、証券コード8958で東京証券取引所に上場しています。

投資口は市場で自由に売買でき、証券会社を通じて購入できます。最低投資額は、1口の市場価格により異なります(2024-2025年時点で数十万円程度が目安)。

グローバル・ワン不動産投資法人の投資戦略とポートフォリオ

グローバル・ワン不動産投資法人の投資戦略と、保有物件の特徴を解説します。

(1) 投資方針:駅近・築浅・大型物件への特化

グローバル・ワン不動産投資法人の投資方針は、**「駅近・築浅・大型」**の優良オフィスビルに特化することです。

具体的には、以下の基準で物件を選定しています。

  • 駅近: 主要駅から徒歩5分以内の好立地
  • 築浅: 新築または築年数が浅い物件
  • 大型: 延床面積が大きく、複数の優良テナントを確保できる物件

これらの基準により、安定した賃料収入と高い稼働率を維持しています。

(2) 保有物件の概要(14物件、約1,950億円)

2025年11月時点で、グローバル・ワン不動産投資法人は14物件(総取得額約1,950億円)を保有しています。

項目 内容
保有物件数 14物件
総取得価格 約1,950億円
平均築年数 約10年(推定)
稼働率 95%以上(推定)

(出典: グローバル・ワン不動産投資法人 ポートフォリオ一覧

(3) 地域別の分散状況(東京・大阪中心)

保有物件は、東京と大阪を中心に全国に分散しています。

地域 物件数 割合(推定)
東京 5物件 約35%
大阪 4物件 約30%
その他(名古屋、福岡等) 5物件 約35%

東京と大阪の主要都市に集中することで、安定した賃料収入を確保しています。

(4) 主要物件の紹介

主要な保有物件として、以下のような大型オフィスビルがあります。

  • 楽天クリムゾンハウス青山(東京都港区): 楽天グループのオフィス
  • 平河町森タワー(東京都千代田区): 永田町駅近くの大型オフィス
  • 御堂筋MTRビル(大阪府大阪市): 大阪の中心地、御堂筋沿いのオフィス

これらの物件は、駅近・築浅・大型の基準を満たし、優良テナントが入居しています。

分配金の実績と今後の予想

グローバル・ワン不動産投資法人の分配金実績と、今後の予想を解説します。

(1) 分配金の仕組みと支払時期

分配金は、年2回(6月・12月)に支払われます。

分配金を受け取るには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 決算日(3月末・9月末)の投資主名簿に記載されていること
  • 支払日(6月・12月)に指定口座に振り込まれる

(2) 過去の分配金推移(第44期:4,271円/口)

グローバル・ワン不動産投資法人の開示資料によると、第44期(2025年9月期)の分配金は4,271円/口でした。

過去の分配金推移は以下の通りです(一部抜粋)。

決算期 分配金(円/口)
第42期 2024年3月期 4,500円
第43期 2024年9月期 4,400円
第44期 2025年3月期 4,271円

(3) 今後の予想(第45期:3,585円、第46期:3,200円)

今後の分配金予想は、以下の通りです。

決算期 予想分配金(円/口)
第45期 2025年9月期 3,585円
第46期 2026年3月期 3,200円

(出典: グローバル・ワン不動産投資法人

注意: 予想分配金は将来を保証するものではなく、経済情勢や不動産市況により変動する可能性があります。

(4) 分配金減少の背景

分配金が減少傾向にある背景として、以下の要因が考えられます。

  • オフィス需要の変化: テレワーク普及により、オフィススペースの縮小が進んでいる
  • 賃料水準の低下: オフィス市況の軟化により、賃料が下落している
  • 空室率の上昇: 一部物件で空室が発生している可能性

これらの要因により、賃料収入が減少し、分配金も減少している可能性があります。

グローバル・ワン不動産投資法人のリスク要因

投資にはリスクが伴います。以下のリスク要因を理解した上で、投資判断を行ってください。

(1) オフィス需要の変化(テレワーク普及等)

テレワークの普及により、企業がオフィススペースを縮小する動きがあります。これにより、以下のリスクが生じる可能性があります。

  • 賃料収入の減少: テナントが契約面積を縮小し、賃料収入が減少
  • 空室率の上昇: テナントが退去し、新規テナントの獲得が困難

(2) 不動産市況の下落リスク

不動産市況が下落すると、保有物件の価値が減少し、以下のリスクが生じます。

  • NAV(純資産額)の減少: 物件価値の下落により、投資口の実質的な価値が減少
  • 含み損の発生: 取得価格より市場価格が低くなり、含み損が発生

(3) 金利上昇による借入コスト増加

グローバル・ワン不動産投資法人は、物件取得のために金融機関から資金を借り入れています。金利が上昇すると、以下のリスクが生じます。

  • 借入コストの増加: 金利上昇により、利息支払いが増加
  • 分配金の減少: 借入コストが増加した分、投資家への分配金が減少

(4) 分配金が保証されないリスク

分配金は、賃料収入や物件の売却益を元に算出されるため、将来の分配金は保証されません。

経済情勢や不動産市況の変化により、分配金が減少したり、支払われなかったりする可能性があります。

重要: 不動産投資にはリスクがあり、元本保証はありません。投資判断は自己責任で行ってください。

投資判断のポイントと他REITとの比較

投資判断を行う際、以下のポイントを確認してください。

(1) 格付の確認(AA-格付の意味)

日本格付研究所(JCR)によると、グローバル・ワン不動産投資法人の信用格付はAA-(2024年8月時点)です。

AA-は、「信用力が非常に高い」ことを意味し、以下のような評価です。

  • AAA: 最高の信用力
  • AA: 信用力が非常に高い(AA+、AA、AA-の3段階)
  • A: 信用力が高い

AA-格付は、財務健全性や運営体制が高く評価されていることを示します。

(2) NAV倍率とPML値の見方

投資判断の指標として、以下の数値も参考になります。

  • NAV倍率: 投資口価格 ÷ 1口あたりNAV(純資産額)。1倍を下回ると「割安」、上回ると「割高」の目安
  • PML値(地震による最大予想損失率): 低いほど地震リスクが小さい。一般的に10%以下が望ましい

これらの数値は、グローバル・ワン不動産投資法人の公式サイトや証券会社の情報で確認できます。

(3) オフィス特化型REITとの比較

オフィス特化型REITとして、以下のようなREITがあります。

  • 日本ビルファンド投資法人
  • ジャパンリアルエステイト投資法人
  • グローバル・ワン不動産投資法人

これらのREITを比較する際は、以下の項目を確認してください。

  • 分配金利回り: 年間分配金 ÷ 投資口価格
  • NAV倍率: 投資口価格が純資産額に対して割安か割高か
  • ポートフォリオの質: 保有物件の立地、築年数、稼働率

(4) 専門家への相談の重要性

投資判断は自己責任で行う必要がありますが、不明点がある場合は、金融アドバイザーやファイナンシャルプランナー(FP)への相談を推奨します。

特に、以下のような場合は専門家への相談が有効です。

  • 初めてのREIT投資: REITの仕組みやリスクを理解したい
  • ポートフォリオの一部として検討: 他の金融商品とのバランスを考えたい
  • 税金の計算: 分配金にかかる税金の計算方法を知りたい

まとめ|投資検討時の確認事項

グローバル・ワン不動産投資法人は、オフィス特化型J-REITで、駅近・築浅・大型の優良物件に投資しています。14物件(総額約1,950億円)を保有し、2024年8月時点でAA-格付を維持しています。

分配金は年2回(6月・12月)支払われ、第44期(2025年9月期)は4,271円/口でしたが、次期以降は減少予測です。投資にはオフィス需要の変化、不動産市況の下落、金利上昇等のリスクがあり、分配金は保証されません。

投資検討時は、以下の事項を確認してください。

  • 格付: AA-格付の信用力を確認
  • 分配金利回り: 投資口価格に対する分配金の割合
  • NAV倍率: 投資口価格が純資産額に対して適正か
  • リスク: オフィス需要の変化、金利上昇等のリスクを理解

投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融アドバイザーに相談しながら、無理のない範囲で投資を検討しましょう。

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よくある質問

Q1グローバル・ワン不動産投資法人とは何ですか?

A1オフィス特化型J-REIT(証券コード:8958)で、2008年5月に東京証券取引所に上場しました。スポンサーは明治安田生命、三菱UFJ信託銀行、近鉄グループホールディングスで、「駅近・築浅・大型」の優良オフィスビルに投資しています。2024年8月時点で日本格付研究所(JCR)からAA-格付を受けており、信用力が非常に高いと評価されています。

Q2分配金はいくら受け取れますか?

A2分配金は年2回(6月・12月)支払われます。第44期(2025年9月期)の分配金は4,271円/口でした。ただし、今後の予想は第45期3,585円/口、第46期3,200円/口と減少傾向にあります。分配金は将来を保証するものではなく、経済情勢や不動産市況により変動する可能性があります。受け取るには、決算日(3月末・9月末)の投資主名簿に記載されている必要があります。

Q3どのような物件を保有していますか?

A32025年11月時点で14物件(総取得価格約1,950億円)を保有しています。東京5物件、大阪4物件を中心に全国展開しており、主要物件には楽天クリムゾンハウス青山(東京都港区)、平河町森タワー(東京都千代田区)、御堂筋MTRビル(大阪府大阪市)などがあります。いずれも駅近・築浅・大型の基準を満たす優良オフィスビルです。

Q4投資のリスクは何ですか?

A4主なリスクとして、オフィス需要の変化(テレワーク普及による縮小)、不動産市況の下落、金利上昇による借入コスト増加があります。これらにより賃料収入が減少し、分配金が減少または支払われない可能性があります。また、不動産投資には元本保証がなく、投資口価格が下落するリスクもあります。投資判断は自己責任で行い、リスクを十分に理解してください。

Q5投資判断で確認すべきポイントは何ですか?

A5格付(AA-)、分配金利回り、NAV倍率、PML値(地震リスク)、分配金の推移を確認すべきです。他のオフィス特化型REIT(日本ビルファンド、ジャパンリアルエステイト等)との比較も有効です。投資判断は自己責任で行い、不明点がある場合は金融アドバイザーやファイナンシャルプランナーに相談することを推奨します。

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Room Match編集部

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